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Dec 31, 2011

仕事終了

今の病院での仕事は終了しました。思えば、学生の時から3年半ほど、ほぼずっと々病院にいた訳で。

「職場」であると同時に、いえ、それ以上に、沢山学んで、沢山泣いて、沢山の仲間に出会って、そういう空間でした。
山あり谷あり、沢山のことがあったから。

ロッカーを本当に空っぽにした時、なんだか寂しくなりました。
でも、これでまた次に進むんですもの。
1カ月の一般小児をはさみ、その後1年半はNICUでの生活。
みんなに、やばいやばいと言われ、死ぬ前に連絡頂戴とか言われ、やつれてダイエットになるよとか言われ。
でも、頑張ってみる。多分、その1年半を乗り切ったら私また成長できると思うから。

今まで1年9カ月、学生時代を入れて3年半、本当にありがとうございました。

Dec 30, 2011

仕事納め

私、今の病院は本日で勤務終了です。
年明けから1月は某一般病院、2月から再来年の3月だか6月まで別の某一般病院。

というわけで、「年内で異動になるんです」という挨拶をして回っていたところ。
2歳の長期入院中の男の子のお母さんに言われました。
「そっか、寂しくなります。この子、いつも『女の子先生』って先生のこと呼んでて大好きだったんですよ。」
と。今までも女性医師が担当してたことは多々あるけど初めてだ、と。

嬉しかったです。
本当に嬉しかった。

他のグループでもそうだけど、血液グループなんてさらに、私には何もできないのに。
私には何の判断もできないし、決定権もないし、そもそも病気のこととかも難しすぎて細かいことまで理解できてないし。
血液カンファでも頭の中が?マークだらけっていうこともしばしば。
上の先生と患者さんの間の伝書鳩とは言わないまでも、本当に文字通り単なる雑用係状態なはずなのに。
上の先生方におんぶにだっこで過ごしてしまった2カ月なのに。

でも、私を慕ってくれていたというのが嬉しかった。
大丈夫、来月からも私頑張れる。

Dec 29, 2011

最後のwalk in外来

終わりました。
勉強になる日もあったけど、苦手で微妙な日が多かったwalk in外来。
最後の最後は自分のせいで後味悪く終わってしまいました。

頭部外傷の7歳の子がいたんです。
顔面を打っていて、皮下出血もけっこうあって。
軽度嘔気はあったけど神経症状はなく、神経所見もclear、身体所見では顔面の打撲以外明らかなものなし。

頭部CTを撮影して(受傷後1時間半程度)、私の眼には明らかな出血はありませんでした。
「絶対ある」って言われたらここって言うかなぁ?程度のものでした。
少なくとも、神経症状を引き起こしそうなものはなかったんです。

子供の場合、脳震盪を起こすと大人よりも嘔気が強く出て、1日とか1日半程度で軽快していくことがほとんどです。
だから、お母さんと本人にもその旨を説明し、今時点では頭蓋内出血もなさそうだし、脳震盪による嘔気だと思う、と説明。

今時点で出血が認められないからと言っても、後になってから出てくる場合もあるので、今後嘔吐が止まらなくなるとか、手足顔面の動きが悪くなるとか、何か変なことがあれば再診してください、というお話をして、対症療法(吐き気止め)で帰宅としたんです。


そしたら。
その後病院の入り口で嘔吐。診察室に戻して休ませて。
1回の嘔吐程度だったら、そんなにあわてることはないので、そういう説明はしました。
そして、ここで私は夜勤と交代になってしまったため、申し送りをして救急外来を出ました。

が。
そのあと再度嘔吐し計2回嘔吐。
脳外科の先生に相談して再度CT撮影して、少し出血があるのかもね、いずれにせよ症状が強くなってきているし、と1泊の経過観察入院となったそうで。
その後症状は軽快し、フォローアップCTで血腫増大もなく、無事退院。


最初の対応は間違っていないんです。
行った問診内容も診察も過不足ないはず。頭部CTをorderしたのも正しいはず。
頭部CTの読影をもっといろんな先生に(walk inの上の先生には相談して、無いね、って。。)聞いたら違ったのかもしれないけど。
でも、神経症状を起こすものはなかった。

その後に出血したということ?
2回目のCTもフォローアップCTも、どれもえっ?っていう程度の血腫でした。
自分で読影していたら分からないかもしれない程度。
どこで間違えたんだろう?行った診察と検査はあってたはず。
その時点での脳震盪という判断も間違っていないはず。
だと思う。

なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
大事に至らないようなものだったし、結局何もなかったからよいけど。
外傷って怖いね。本当に後から出てくることあるんだね。

Dec 28, 2011

胃腸炎

今、巷では感染症が流行っています。
いや、感染症は流行るから感染症な訳ですが。
それにしても、流行ってます。

その流れが病棟にも押し寄せておりまして。
付添いの保護者が発症、子供も発症、隣の子も発症、みたいな。
親御さんにも、症状がある場合には面会をご遠慮いただいたり、医療者側もstandard precautionを徹底したり、と対策はしていますけどね。
そろそろ落ち着いてきたかなぁ。

で。
胃腸炎とかのウイルスって、アルコール消毒では死なないんです。
だから、手洗いが非常に大切になる訳なんですが。

もともと、一処置一手洗いとは言われていて、一つの処置をする前後で手洗いをすることになっています。
でも、一人診察した後に手洗いをするかと言われれば、感染症の類がない元気な子の場合には、アルコールで済ますことがほとんどです。

が。
感染症が流行っている今、そんなことではダメです。
一処置ごとに、どころか、一人診察して手洗い、アルコール消毒。
そうすると、手洗いの回数がとっても多いわけです。
まるで強迫症か潔癖症かなにかのような勢いで手洗いです。
しかも、さらにアルコールで水分が奪われていく訳で。

どんなにハンドクリームを塗りたくっても足りません。
手はガサガサ、ついに手背がアカギレ状態。
感染対策的には手に傷は作らない方がいいとは思うのですが。。

でも、自分がかかるわけにも、患者さんにうつすわけにもいきませんから、仕方ありません。
早く胃腸炎の類、落ち着かないかしら。

Dec 26, 2011

うがい手洗い

とはよく言いますが。

うがい。
実は水だけのうがいでは風邪の罹患率をさげるけど、イソジンでのうがいでは感染予防にうがいをしない群と有意差はないのだそうです。
そういうRCTがあるのだそうで、まぁびっくり。

 Prevention of upper respiratory tract infection by gargling: a randomized trial.
Am J Prev Med 2005;29:302

 
世の中いろんなstudyがあるね、ということもびっくりだし、イソジンの話もへぇという感じ。

この話をしていたら、某偉い上の先生曰く、20-30分に1回とかそういう感じでうがいしないと意味ないんじゃない? と。
まぁ、確かに。
うがいや手洗いは汚れを洗い流すことが目的です。
だから、手洗いでいえば感染の可能性があるものに触れたときとか、口に入る前とかに洗うのがよいわけです。
確かに、ずっと呼吸はしてるから絶えず喉には何かしかが付着するから、それを洗い流すのならその頻度が必要かも?

うーん。
自分の実感としても、日常生活での感染予防にはうがいよりも手洗いなんですよね。
そのRCTの結果を聞いて納得するとともに、手洗いを徹底しよう、家に帰った時ぐらいは水でうがいをしようかな(study的には1日3回とかだろうけど)、と改めて思いました。

Dec 22, 2011

医局会

っていうのがあって、うちの場合はそこで来年の人事が決まります。
(今年の場合は、発表になる、というのが正しいかも)

事前に内定はもらっていたものの、実際に書面で配られると、なんか異動するっていうことを実感。
働き始めて初めての異動。
なんとなく、気持ちが引き締まるというか。
楽しみさよりも不安が勝ってたかな、今日は。

そして、配られたことで実感する。
私、ここを離れます。(といっても、そこまで遠くないからちょいちょい戻ってくるけど。笑)

2年目になって、初めて同じ場所に半年いて、先生とも看護師さんとも仲良くなってきてとっても働きやすかったから(やっぱり、1-2ヶ月ごとに職場が変わって、先生や看護師さんを一から覚え直して、仕事も全然違うのを覚え直して、っていうのを繰り返すのは正直キツい)、なんか寂しい。
1年半前にはまさか、離れるのを寂しいと思うようになるなんて思いもしなかった。
きっと、次でも楽しく学び多い毎日が待っていることでしょう。
やれるだけやってみよう、私☆

Dec 20, 2011

大掃除

当然、病院でも年末の大掃除はあります。
まぁ、日々掃除はなされていて、週末に床磨きとかもなされていて。

でも、年末だし!って看護師さんたちが時間を見つけてはきれいにして、要らないものを次から次へと捨ててます。
私は午後のほとんどの時間を外来で過ごしているというなんとも言えない研修医なので、外来の大掃除をよく目撃しますが、まぁとっても気持ちがよい。
きれいになるのが目に見えるから。

「◯◯さん、うちもやって欲しいくらいきれい!」って言ったら、「大丈夫!私も家だとこんなにやらないから(笑)」って返って来た。
だよね、分かるその気持ち(笑)

そんな年末の外来。

Dec 17, 2011

生着

生着(せいちゃく)とは、移植したドナーの幹細胞がレシピエントの骨髄に根付くこと。
生着すると、まず白血球の値が上昇してきます。
今までWBC(白血球)<100/μlと振り切れていたものが、上昇してきます。
WBCのうちのNeu(好中球)が3日連続で500/μlを超えた場合に生着と定義します。
順調に生着すれば、そのうち赤血球や血小板など他の血球も作るようになります。
ただ、最初のころは安定していないので、感染を起こしてしまうとか、あまりに強いGVHDが出るとかだと、生着不全になってしまったりもします。

とは言っても、白血球が増えてくると少し安心。

Dec 15, 2011

GVHDとGVL

GVHD = graft versus host disease = 移植片対宿主病
GVL = graft versus leukemia = 移植片対白血病効果

つまり、幹細胞移植をした際に、移植した側(ドナー側)の細胞が、宿主(レシピエント)を攻撃してしまうことがGVHDです。
移植したドナーの血球が、移植されたレシピエントの細胞たちを「異物(非自己)」と見なして攻撃してしまうというものです。
例えば急性GVHDでは、皮膚症状が出たり、肝機能が悪くなったり、消化管症状が出たり、などなどがあります。

と書くとなんだか悪いことみたいですが。
いいこともあるのです。

軽度に起こって、ドナーの血球が、レシピエントの白血病細胞たちを「異物」と見なして攻撃してくれれば、細胞レベルで残存している癌細胞が攻撃されることになる訳です。
例えば、急性骨髄性白血病の患者さんの骨髄に癌細胞が細胞レベルで残っていたとしましょう。
そこにドナーの幹細胞がどどっと移植されてきたら。こそっと残っていた癌細胞は邪魔な異物になる訳で、攻撃しますよね。
これがGVL効果です。

そのため、悪性腫瘍の子の移植の場合、GVHD症状が多少あるかないか程度になるように免疫抑制剤の量を調節します。
(もちろん、急性期は生着することが大事なので、きちんと抑えて、少ししてからこういうことを考えだすということになりますが)
そのくらいであれば、GVL効果にも期待が出来るかな、ということで。

でも、例えば免疫不全などの子の場合、欲しい免疫細胞が作れないことが病気の原因な訳で、悪性細胞がいる訳ではありません。
そのため、ドナーの細胞がレシピエントを攻撃するなんてことはなくて良い訳です。
なので、けっこうしっかりとGVHDを予防していきます。


でも、必ずしもGVHDが強いからGVLが強いとかそういう訳でもなくて。
GVHDで苦しんだけど再発した例もあったり。難しいですねぇ。

血液内科で訳分からずにどばーっっと移植患者さんを担当していた時と比べると、多少の余裕をもって患者さんを担当できているので、一人一人から学ぶことが多いです。

Dec 14, 2011

夏休みボケ

いやはや。
一昨日だって病棟には顔を出してるし、別に旅行に行った訳でもないし。そもそも、たった数日だし。(3日。土日をくっ付けてようやく5日)
でも、夏休みというのは強烈な影響力を持っているようです。

夏休み終了し、今日の朝は早く出勤しました。
数日の間の患者さんの状態を把握すべく、そして、朝の採血の人数もよく分からないので。

そしたら、ちゃんとみんな落ち着いていたみたいで良かったです。
発熱した、とか突然何かあった、みたいなことはなかったみたいで。
極めて申し訳ない、空気読まないタイミングで夏休みを取ってしまったので(申請した時はまさかこういうタイミングだとは知らなかったから、後で事情を知った時には申し訳なさでいっぱいでした><)、一応平穏だったと知って心底安心しました。


が。問題はその後ですよね。
CV採血はやや怪しいわ、クリーンルームの入り方も一瞬考えちゃうわ、夏休みボケが甚だしかったです。

午後もいつも通り外来に遊びにいっていて、たまたま来た急患の子にライン採血をして補液開始して、って言われたのに、それがおぼつかない。。。
ちゃんと生食を選択できたし、ラインの準備はしたんだけど、ラインの固定のテープを忘れるわ、シリンジ持たずに行くわ、分注用の道具も無いわ。

そしてそもそも血管が全然見えなくて2回失敗するという。。。
結局上の先生に代わってもらうという何とも役立たずな研修医でした。
最悪。

確かにもともとラインは得意ではないものの、それ以前の問題も含めて、ここまで出来ないのは申し訳なくて恥ずかしくて。穴があったら入りたかった。ごめんなさい。
明日からは気持ち入れ直して、夏休みボケ解消して、お仕事モードで行きますよ!

Dec 8, 2011

夏休み

を取ります。
明日から。

今さら夏休み、っていうのもなんなのですが、まぁね。
うちの病院は夏休みは3日もらえます。
土日とくっつけても5日。

うかうかしてるとあっという間に終わってしまいますけどね。
医者ってあんまりお休みないんですよね。
完全に労働基準法違反だもん。

週に何十時間も超過勤務(当然残業代なし)して、週に1-2回も当直をして、有給なんてないし、夏休みは3日。
土日祝日年末年始も出勤あるし(当然休日出勤代なし)、いつ突然呼ばれるか分からないし。
でもまぁしょうがないよね。
ちゃんと安定して就職できて給料もらえてるだけよいのかな。

ではでは。
しばしおさらば。

Dec 7, 2011

GER

GER = gastroesophageal reflux = 胃食道逆流

胃に入ったものが食道の方に逆流してきてしまうこと。
大人だとこれによって逆流性食道炎をおこしたりとかで問題になります。
小さい赤ちゃんとかだとこれでそのまま嘔吐してしまうことが問題になったりします。

もともと、赤ちゃんというのは胃の入り口の部分の締まり方がまだ弱いので、逆流しやすく、嘔吐しやすいです。
とはいっても、それが度を越していると嘔吐の量が多くて体重が増えなかったりとか、そういうこともあります。

診断的治療として、内服加療をすることもあります。
より重度であれば、バリウムを使って造影検査をしたりします。

自分で飲んでもらって嚥下機能を評価。
逆流がないかどうか、胃から十二指腸への流れがどうか、腸回転異常がないかどうか、などを評価します。
食道気管婁だったり腸回転異常だったりがないことを確認するのが含まれるあたりが小児科ですよね。

それにしても。
どうして私の某患者さんは食べてくれないのだろう。。。

Dec 3, 2011

風邪ひきました。

いわゆる風邪って相当久しぶりかもしれません。
(それ以外の原因での体調不良は何度かありますけど)
風邪ぐすり飲むの研修医になってから初めてかも。

昨晩当直をしていまして。
夜中に目が覚めた時に喉が痛いことに気づきました。
朝には右耳がものすごく痛い状態になってました。

おそらく、原因はものすごく乾燥している当直室です。
みんなは寒いと言いますが、多分寒さ自体は自分の家の方が寒いくらいだから大丈夫だと思う)
乾燥していると、繊毛(鼻や気道などにあって、よそ者を外に排出しようと動いている小さくて沢山ある毛)の運動が落ちて感染しやすいのだとか。


あまりに痛くって、自分で自分の喉をcheckしたところ、やや赤くやや腫れてました。
でも、真っ赤という感じはなく、白苔などもなし。
耳は自分では見れませんので、同期に見てもらったところ、赤くない、と。
ちなみに、熱は37.1℃とまぁ発熱なし。

以上より、ウイルス性の咽頭炎という判断です。
はぁ。嫌になりますねぇ。
でも、急性中耳炎でないのなら安心して対症療法で自宅療養できます。
(ラッキーなことに、昨日当直、本日昼が病棟当番と小児科副当直、明日がお休み♪)

移植患者さんもいますし、白血球少ない子たちも沢山います。
いくら、咳などがないとは言っても、なんとなく嫌ですよね。。
次に病棟に行くまでに治さないと!

Dec 1, 2011

骨髄移植

以前も書きましたが、移植の中では一番やることは単純です。
手術は要らないし、内科でできる唯一の移植です。
見た目は輸血と同じですから。
実は、骨髄移植の輸注中というよりは、その前後というか白血球がいないことやGVHDなどの方がよっぽどバタバタしたりします。

今日、研修医になってから何回目かの骨髄(または末梢血幹細胞)移植でした。
小児科では担当するのは初めてです。

見た目は輸血と同じと言ったって、やっぱり特別な気持ちですよね。
これで治ってね、という気持ちを込めてつなぎます。
ほぼon diseaseでの移植となった今回。
担当している私も祈る気持ちです。

ご家族の方が、入っていく骨髄(赤いので、点滴の管の中を進んでいくのが分かる)を追って写真を撮っていらっしゃいました。
ご家族の強い願いも届いてくれればと思います。


血管の中に濃い液が入ると、周りから水分を引き込んで(ナメクジに塩をかけると水分が塩の側(ナメクジの外側)に移動してナメクジがへにょってするのと同じで、濃い側に水が移動します)、血管の中の血漿量が増えます。
ということで、血圧が高くならないかな、肺水腫にならないかな、アレルギー反応起きないかな、などに注意しながら、ゆっくりゆっくりと点滴していきます。

お願い。
本当にお願いだから、治ってね。
みんなの願いが届きますように。

Nov 30, 2011

骨髄採取

お久しぶりです。
多忙すぎて気づけば丸一週間過ぎてました。

移植をするには、当然ドナーさんが必要な訳です。
骨髄ドナーを探す場合。
HLAが一致している一致していないという話を聞いたことがあるかもしれませんが。

人はすべての遺伝子を2セットずつ持っています。たとえば、
お父さん:type1+2
お母さん:type3+4
のHLAを持っていた場合。
子供はtype1+3かtype1+4かtype2+3かtype2+4の4パターンがありえます。

そうすると、一致する可能性が高いのは親ではなく、兄弟ということになります。
そして、上ではたとえなのでtype1-4と単純に書きましたが、もちろんたくさんの種類があります。
さらに、それが4組(A,B, C, DR)があり、さらには遺伝子型とかいう話にもなってきます。
そうすると、一致する人を探し出すのが大変なことだということが分かるかと思います。
骨髄ドナーで探す場合にたくさんの登録者が必要というのはそういう理由からです。


さてさて。
本日は骨髄ドナーさんからの骨髄採取に立ち会ってきました。
移植する場合、骨髄でもいいですし、末梢血幹細胞(普通の血管の中にいる幹細胞を移植する)という方法もあります。
今日は骨髄でした。

骨髄採取の場合、オペ室で全身麻酔下で行います。
全身麻酔をかけて、うつ伏せにして、左右の腰骨の背中側の所から針をさして骨髄をとってきます。

「骨髄」と聞いてどういうものをイメージするのか分かりませんが、見た目は普通の血液と変わりません。
さらには、骨髄は普通の血管ともつながっている(骨髄で作った血が血管に出ていくくらいですからね)います。
引くときにも、高めの陰圧をかけて(シリンジで勢いよく引く)引いた分が骨髄です。
じわーっと引くといくらでも末梢血(普通の血液)が混じります。

相手の人の体格と、骨髄の中の細胞の数(採取中に検査に提出してすぐ測定する)によって、必要な骨髄の量は変わってきます。
今日は300ml採取しました。


私が個人的に思ったこと。
私が骨髄ドナーになるのなら、どっちを選ぶかな。骨髄と末梢血幹細胞と。
末梢血幹細胞の場合は、イメージ的には血小板献血の長い奴みたいな感じです。

骨髄だって全身麻酔だし、刺されて痛いし。
末梢血幹細胞の場合はクエン酸やらCaやらでしびれたり気持ち悪くなったりすることもあるし。

うーん。
難しいですね。医者になってから、献血する回数よりも、輸血をする回数の方がダントツ多くて(当たり前か)。
骨髄移植する回数もけっこうあって。臓器移植に立ち会ったこともあって。
いろいろと考えさせられます。

Nov 23, 2011

非公式病院見学

上の先生が、とある千葉の病院で外勤をしています。
以前長い間働いていた病院で、月に1回程度の当直に行っています。
研修内容も良いことで有名ですが、それと同時にホスピタルアートなどが充実していることで有名です。

私の将来の漠然とした希望として、
* 純粋な医学以外の部分で治療効果に貢献できるようなホスピタルアートなどのことをより取り入れていきたい。
* 患者さん(親御さん)に対して分かりやすい情報発信をしていくことで、よりよい治療(や子育て)になる支援をしていきたい。
ということがあります。

そんな希望があるので、今日はその病院見学に行ってきました☆
病院側にお願いはしておらず、非公式というかなんというか、上の先生にお願いをして当直に付いていった感じです。
(といっても、私は昨日は普通に仕事でしかも忙しかったので、今日の朝になってから行きましたけど)

NICUに始まり、産科病棟、小児科病棟、一般病棟、外来を少し、など。
いろんな場所を見せてもらいました。

やっぱり、すごい。イメージとしては、アメリカの病院をそのまま日本に持って来たような、そんな感じで、留学していた時のことを懐かしく思い出してしまいました。
病院なんだけど、病院ではないような、そんな空間でした。

上記の自分の漠然とした希望を忘れずに持って、研修を続けていきたいなって、改めて思わされた一日でした。

Nov 20, 2011

しまうま

ある症状を見た時に、そこから考える鑑別疾患。
ひずめの音を聞いた時に何を考えるか、ということにかけて、よく「しまうま」だとか「うま」だとか例えられます。

頻度の高い疾患=うま
頻度が低い疾患=しまうま

普段の診療では、馬かな、って思いつつシマウマに注意していく、程度の感じ。
今日、救急日直をしていて、しまうまに遭遇しました。


症例は3歳女児。
主訴:排尿時痛
現病歴:4日前にお風呂をまたいでぶつけた。3日前くらいから排尿時痛あり。徐々に悪化しており、昨日からは温かいシャワーを当てて排尿をしている状態であり血尿があるかどうかは不明。本日は排尿1回のみ。排便・歩行には問題ない。発熱はなく、その他疼痛部位は認めない。母曰く会陰部に発赤などはない、とのこと。
既往歴:尿路感染症の既往なし。その他特記すべき既往歴なし。

ちなみに、身体所見はほぼclearでした。活気も良好で全身状態良好。
CVA tendernessがある気がした(再現性があって、腹部側に行くと痛くないって言うんだよね)けど、3歳なので信憑性には欠けるかな。
本人の絶大な抵抗にあい、会陰部の診察は出来ず。


でという状態で何を考えますか?
わたくし、尿路感染症(ただし、発熱がなく全身状態良好であることから、あるとしても下部が怪しい)を第一に考えたんです。
検尿して尿路感染が無かったら次考えるかな、と。

本人の受け入れの問題もあるので、一応採尿カップを持ってトイレに行ってもらったものの、排尿時痛で排尿なんてできる状態ではなく、導尿をしようとしていたんです。

そしたら。
外陰部裂傷がありまして。
導尿中止。これが原因だろうということで。

もちろん、この場合は虐待も鑑別には上がってきますが、親や子供の様子や、病歴の話からは積極的には疑わない状態だったので、そのまま軟膏を処方して帰宅としました。


排尿時痛で外陰部裂傷。しまうまだよね、これ><
とは思うものの。

最初の時点で会陰部を診察できていないのは良いんです。どうせ導尿だろうという読みもあったし、本人が嫌がっているのに無理に診察するのも何なので、何回目かに診察室に呼んだ際かな、と思っていたので。


でも、最初の病歴聴取の時点で外傷の既往を聞いていたにも関わらず、それを全く気にも止めていなかった自分を後で猛烈に反省しました。。
だって、カルテにも「4日前にお風呂をまたいだ際にぶつけ、その後から排尿時痛を訴えている」という記載してるんです。

にも関わらず、頭は(下部)尿路感染に凝り固まっていた。。。
外陰部裂傷は鑑別にすら上げていなかった。 反省。
せめて、Most likely: 下部尿路感染症、need to rule out: 外陰部裂傷、程度に鑑別に挙げておきたかった。。
最終的には診断できているからいいようなものの。。。

 そして、abuseじゃないよねぇ、多分。
小児科の当直の先生にも見てもらってて帰宅にしてるし。
いろいろと学びの多かった症例でした。

Nov 16, 2011

N

来年2月から勤めるNICUに挨拶に言ってきました。
気が早くない?というツッコミもありますが。
新生児グループのT先生が月1回の外勤が今日だったというのと、1月はまた違う病院に1か月いるっていうのと、来年4月からの勤務先希望を考える上で、とかいろいろあって今日行ってきました。

なんか、みんな(数年上の先生たち)にいろいろ言われてたけど、言われてた意味は分かった気がします。
でも、多分大丈夫、、だと思う。思いたい。思います。

「看護師さんが(今の病院より)厳しいよ。でもはやたま先生なら大丈夫!」
 →うん、後半はともかく、前半は分かる気がします。というか、後半の意味を知りたい(笑)

「閉鎖空間だから、雰囲気がね。」
 →Nである以上はしょうがないことだと思いますが、閉所恐怖症の私にとってはやや息苦しいような空間ではありました。でも、薬局もそうだったけど、きっと慣れたら大丈夫なくらいの広さはある、多分。
雰囲気は…。分かりません。でも、今の大学のNは窓もあって明るいんだけど、そういう雰囲気はまったくなく、働く人の雰囲気は短時間だったのでそこまでよく分かりませんでした。

「人数が少ないからねぇ。すごく忙しいよ」
 →うん、そうだと思います。ちょっとゲンナリしちゃうけど、でも若いうちはそれもありだよね?多分。2-3月の間は当直はなしで、4月以降の当直になるそうなので、その点は少し安心。慣れた頃からだからね。
先生たち、8時とか9時とかに三々五々帰って行った感じだったから、落ち着いていればそれくらいに帰れる日もあるっていうことだよね?きっと。

あと何だっけなぁ。
忘れちゃいましたが、不安なことはたくさんたくさんありますが、多分大丈夫だと思います。
ちゃんと充実した研修生活を送れると信じて行ってきます。

あ、そうそう。
「先生、先生は救急車乗らなくて大丈夫だからね。お留守番してる人も必要なんだから。」
って言われたことは一番の安心材料です(笑)
当直中に必要になったら、、、どうするんだろう?いずれにせよ、一人で行っても技術的に役には立たないだろうからねぇ??

あとは、大学の研修医担当のN先生に、
「もうだめ!って思う前に連絡頂戴ね。状況を密に教えてね。無理をする研修にしたくないから」
って言ってもらえたのも安心材料ですね。
そうならないと信じてますけども。


百聞は一見にしかず。百見は一経験にしかず。
頑張ってみるさぁ。

Nov 15, 2011

欠勤

6月に胃腸炎にかかって以来、小児科では初めての欠勤をしてしまいました。
もう朝から頭痛と気持ち悪さがあり、出勤したくない状態でした。

小児科、特に大学の小児科では血液疾患の子たちがいるので、発熱したり胃腸炎だったり風邪だったりがあると、簡単に患者さんにうつってしまうので、自分の体調管理は大事です。
 救急外来では自分がかからない為にするマスク。
小児科病棟では、相手にうつさない為にするマスク。

そんな中、体調不良で欠勤。
非常に申し訳ないです。


まぁ、私の本日の体調不良は週末に片道1時間半程度乗り物に揺られて研修会に行った後遺症だと思うんですけどね。
それ以外に考えられる原因ないし、症状所見的に感染ではないと思うし。
感染ではないので、症状が落ち着いたら明日には出勤できるかな。

乗り物に弱いって困りますねぇ。。。
こんなんで新生児医療やっていけるのだろうか、という不安はつきまといますが、やれるところまで頑張ってみようと思っています。

Nov 14, 2011

移植

臓器移植。
心臓とか肝臓とか腎臓とか、普通の臓器は目に見える形としてあります。
だから、外科的に移植手術をする訳です。

だけど、形がないのが血液。
白血病や免疫不全などでは骨髄移植や末梢血幹細胞を移植しますが、雰囲気としては輸血と変わりありません。
見た目は赤い液体です。

ドナーの方からいただいてきた骨髄なり末梢血幹細胞なりを、輸血のごとく点滴するだけで移植終了です。
もちろん、他人由来の大量の濃い液を入れる訳で、間に肺水腫起こさないかな、バイタル大丈夫かな、とかそういうのは注意していきますけどね。
移植自体というよりも、移植前後の管理の方が大変みたいです。


今日は、今月移植する患者さんの移植計画書を書きました。
初めてだから、上の先生にまずは書いてみよう、って言われてからほぼ丸一日必死ですよね。
教科書やプロトコルを周りに広げながら、何の薬をどれくらいいつ使って、というのを計算しました。
こんなに教科書を広げたの、血液に来てから初めてかも(笑)

簡単に言えば、移植の流れはこんな感じです。

移植前評価
(心機能、内分泌機能、感染症(副鼻腔炎や歯その他)がないかどうか、などなど。
 ↓
前処置
何種類かありますが、例えば白血病であれば、自分の骨髄を無くして新しく移植する訳なので、TBIと言って全身放射線照射をしたり、抗がん剤を強力に用いたりします。
 ↓
移植
上記のように、骨髄や末梢血幹細胞を点滴します。
 ↓
移植後管理
免疫抑制剤を用いながら、GVHD(また今度日記書きます)を防いだり、感染症予防につとめたり。
移植から3ヶ月くらいは入院になります。


大人の血液内科回った時は訳分からないままに過ぎてしまったけど、今回は始めから全部関われる。
しっかり勉強して、注意すべきこともきちんと注意して、順調な移植にしていきたい。

Nov 13, 2011

研修会

なんだか正式名がやたら長い研修会。
うちの大学小児科の関連病院の研修医(卒後1−2年)、後期研修医(3-5年)の為の研修会で、上の先生たちがいろんな講義をしてくれます。

各グループ(血液、循環器、神経、新生児、腎臓、etc)から1つずつ講義、みたいな感じです。
土曜日の昼過ぎから日曜日の昼過ぎまでという1泊2日。

夜は当然ながら宴会です(笑)

今回は熊谷の方の場所で、電車とバスを乗り継いで1時間半程度。
酔い止めその他一式を飲んで、なんとか多少の浮動感のみで耐えてきました☆


いろんなことが学べるし、同じくらいの先生たちと知り合いになるチャンスだし、再来月からお世話になる上の先生たちにも挨拶できたし、なかなかに楽しい感じでした♪
来年も行けるといいな。来年はNだろうから厳しいかな。。

Nov 10, 2011

何が本当にかわいそうなんだろう。

私の最近の疑問です。

子供にとって、本当にかわいそうなのはなんなんだろうな、と。

というのも、もちろん、病気になるのはかわいそうかもしれない。

(私自身はあんまり病気であること事態にかわいそう、という同情はしません。
「なんでこの子が。大変だよね、頑張っていこうね。」とは思うんだけど。
なんとなく「かわいそう」という単語の裏には、言う側が上、言われる側が下、みたいな関係が感じられて「かわいそう」という単語が嫌い。
私自信も、乗り物に乗れない・カフェイン摂れないとか変な体質を持ってたり、胃腸炎・右手の怪我・交通事故・などなど病気をしたりしたこともあるけど、「かわいそう」とは言われたくなかったし、自分のことをかわいそうとも思わなかった。)


まぁ、ともかく、病気でかわいそう、と親が思うからだと思いますが、
小児科で入院になるような子たちの親は、目に余るほどの溺愛っぷりなんです。
そうすると、子供は当然ながらわがままいっぱいに育ちます。
自分は病気があるかわいそうな子で、特別な子なんだ、いろんなことが許されるべきだ、的な感じになっていきます。

私はむしろそっちの方がかわいそうだと思うんです。
病気が治って外に出た時に、そのままの感じでは将来上手くやっていけないんじゃないかな、って老婆心ながら思ってしまうような子も沢山います。

そして、それは友達とか対外的なことだけではなくて、家の中でもそうだと思うんです。
他の兄弟と患児の間の格差というかなんというか。

病気で入院してるんだから、少しくらいのワガママは聞いてもいいと思うし、異常な特別な環境と言えばそう。
でも、かわいそうで特別だから、と度を超しているのは子供にとって良くないんじゃないかな、って最近思ったりしてます。

Nov 7, 2011

妊婦さんは忙しい

知ってました?

妊娠前から葉酸を飲んでいる方が、二分脊椎や口蓋裂のリスクが低下するのだそうです。
妊娠のごく初期に葉酸の値がある程度高いほうがいいからなのか、妊娠に気づいてからというよりは、妊娠前から飲んでいる方がよいのだとか。
(上の先生からの又聞きで、自分で裏付け取ってないから、理解間違ってたらごめんなさい)

当然、タバコ・アルコールはダメです。
いろんな奇形、低出生体重、知能の低下などのリスクファクターです。

後は、カフェインもあんまり良くないし。

さらに、私の場合は大量の海藻を毎日食べてるので、内分泌の先生には妊娠したらわかめを減らすように指示されてます。
(赤ちゃんに一過性の甲状腺機能低下症を起こしてしまい、出生後から「一過性」の確定診断が付くまでの間は甲状腺ホルモンを補充しないといけなくなってしまう)


こう考えると、妊婦さんって気にしないといけないこと多いですよね。。
でも、妊娠時に気にしないといけないこと、なんて誰も教えてくれない。

普通、若い女性は定期的な病院受診はしてなくて、妊娠が分かってから受診しますからねぇ。
いろんな情報が一般の人の中での認知が上がるにはどうしたらいいものなのでしょうねぇ?

Nov 4, 2011

母乳性黄疸

以前も書きましたが、新生児は誰しも黄疸になります。
生理的黄疸といい、1週間程度でピークを越えていくことが多いです。黄疸の値が高すぎると、脳に沈着をして後遺症を残してしまう(核黄疸)こともあるので、ある程度の値を超えた場合は光線療法を行います。
光線療法は特に副作用とかはありませんし、きちんと治療をしている分には黄疸の後遺症も心配ありません。
日本人は黄疸の値が高くなりやすく、約1割の赤ちゃんは治療を行われると言われています。

でも、母乳の割合が多い(完全母乳など)場合は、母乳性黄疸と言って黄疸が遷延することもあります。
でも、母乳性黄疸の場合は脳に沈着して後遺症を残すことはないと言われており(後述のUBは上がりにくい)、母乳を止める必要もありません。


ということは知ってました。
そして、教科書上で勉強している分には単純な黄疸も自分で診るとなると難しいなぁって改めて思いました。

そもそも、思っていたこととして、治療適応の判断が私には出来ない。
この4ヶ月ほど新生児の外来を見てて思うのが、どこで治療を開始すればいいのかが分からないんです。
治療開始の基準は生後1週間程度までしかはっきりしたものはありません。


さすがに少しは分かって来た気はしますが、例えば生後2週間経った子のBilが20mg/dlであった時に治療はあまりしないんですよね。
脳血管関門という血管と脳の間のバリアが発達するので、20mg/dl程度では核黄疸の心配はないそうなのです。
とはいっても、25-30mg/dlだったら心配はしますし。

20mg/dl以上だったりとか、急激に上昇してきていれば、unbound billirubin(UB。黄疸の値のBilの中でもアルブミンという蛋白と結合していないもので、核黄疸の原因と言われている)を測定します。
これがある程度以上だった場合はやっぱり治療です。

そして、UBの値の生まれたての子たちの基準は決まっていますが、これまた生後2週間の子たちの基準は不明瞭。
でも、そうは言っても1.0μg/dl程度になった場合は治療を考慮するみたいです。


そして、今日改めて思ったことが。
母乳性黄疸って、25mg/dl程度まで上がることもあるんですね。
UBは0.6-0.7μg/dl程度だったから良いのだとは思うんですが。
驚きました。

もう既に2回治療はしていて、入院中は(光線療法を行う上に、人工乳の割合が増える)ビリルビンがあっという間に下がるのに、退院したら数日で驚くほど上昇するんです。 
でも、母乳性なのかどうかの確信がなく、一度母乳を止めてみたらビリルビンが少し低下した為、母乳性であろう、と。

ただ、おそらく母乳の子全部がそうなる訳ではないので、ある程度体質が絡んでいるのだとは思うんですけどね。
いずれにせよ、これなら大丈夫ということで外来管理されており、次は1ヶ月健診の予定です。

たかが黄疸、されど黄疸。
たかが風邪、されど風邪。
自分で自信を持って判断できるようになるにはどれくらいかかるのかしら。

Nov 2, 2011

骨髄検査

骨髄に針を刺して、骨髄を少し取ってきて調べる検査です。
血液内科を回った時にやったっきり、とても久しぶりにやらせてもらいました。

やり方は簡単です。
うつ伏せになってもらって、腰骨の背中側のところ(後腸骨稜の一番皮膚に近いとこ。骨端から2cm程度マージンを取り、分厚い部分)を刺します。

骨髄、は骨の中身の部分なので、針を骨に当たるところまで刺していって(もちろん、がっつり局所麻酔しますが。特に皮膚直下と骨膜は痛いので)、ぐりぐりと押して骨を突き抜けた部分をシリンジで引きます。

けっこう硬かった。
子供の骨のほうが柔らかいイメージだったんだけどなぁ。
たまたまかもしれませんけどね。

でも、同じ手技を1年半ぶりにしてみて思うこと。
やっぱり、手技をすることには慣れてきている。
骨髄検査なんて、ドロップアウト直前の1回のみだからほぼ初めて同然だけど、でも本を見たらちゃんと想像がつくし、何よりも、知らない手技をすることに対する恐怖感が違いました。

不思議な感覚。
でも、成長を感じられたのは嬉しかったです。

Nov 1, 2011

CV

CV=central vein=中心静脈
なんですが、要するに中心静脈に入ってるカテーテルを指すことがほとんどです。
古典的には、鎖骨下静脈・内頚静脈・大腿静脈など、体のあちらこちらからの静脈が集まった太い静脈に刺す点滴みたいなものです。

対象語は末梢ライン。
手とか腕とかに刺す普通の点滴ラインのことです。

まぁ、今はその中間に当たるPICC(ぴっく)もあります。
PICC=peripherally inserted central catheter= 末梢挿入中心静脈カテーテル
腕などの末梢から入れて、カテーテルの先を中心静脈まで入れておくものです。




さてさて。
CVの適応としては、
①末梢静脈を確保できない場合
(血液疾患の治療、集中治療のように確保が難しいが様々な薬剤を使う必要がある場合とか。末梢から投与するのはちょっと、、という薬とかもありますし)
②中心静脈栄養
(末梢からの栄養でもいいのですが、末梢からではかなり薄いものしか投与できませんので、濃い栄養を投与する必要がある場合は、CVが必要です)
③その他
(中心静脈圧の測定(集中治療時などの循環管理に必要な場合も)・透析(もちろん、長期に血液透析をしていく場合は腕にシャントを作成しますが、集中治療などで 短期的に必要だたり緊急的に必要な場合はバスキャスが必要になります)






大人の場合は、CVを入れる際はエコーなどで見ながら(比較的簡単に)挿入します。
ところが、小児ではそうはいきません。

太い分、抜かれてしまえば出血が止まらない危険性があります。
入れる際もきちんと動かないでいてもらないと危ないです。
そもそも、入れる先の中心静脈も大人と違って細いです。


という訳で、CVを入れるというのは小児にとってはおおごとなんです。
手術室で全身麻酔で行うことも多いです。
血液疾患などで長期に必要な場合は、感染や抜かれてしまうリスクを考慮し、皮膚の下を長めに通しておきます。


いやはや。
それにしても、久しぶりにオペ室に入り、手洗いもし、久しぶりにプロテクター(正しい血管に入ったかどうかを確認する為に、X線の動画である透視を行う為、必ず着込むんです。これが重いし暑いし私苦手><)着込んだし、1時間のオペで意外とぐったり。

Oct 31, 2011

感謝

感謝の心は忘れてはいけないと思うんです。
自分への教訓も含めて。

とある同期(子供がいる女性)が、自分は外してもらっている当番表を見て、「あ、ラッキー、私休みの日来なくていいんだ♪」と言ったんです。

私、基本的にはママさんたちのサポートはすべきだと思うんです。
仕事と家庭を両立させてるのはやっぱり相当な苦労を伴うと思うから。
応援したいと思っているんです。


でも、さすがに上記言葉には悲しくなりました。
それは、ラッキーなのではなくて、その分を他の2人の研修医で担っている訳です。
別に、その方、悪い人ではないんです。かわいらしい人です。

でも、例え思ったとしても「ラッキー」とは言ってはいけない、って思いました。
もちろん、自分が同じ立場だった時に思わず口走らない保証はありません。
だけど。。

平日だって、早く帰してあげたい。
土日の負担だって軽くしてあげたい。
当然私だってそう思うんです。

でも、それはあくまで、働いている間の時間を真面目に過ごしている人、その分の負担を担っている他の人への感謝がある人に対してなんだな、って思ってしまいました。



子育て真っ最中の1−3年目の医師と一緒に働いたの、彼女で3人目です。
1人目は同じ感じでした。子育て中で保育園に送っていくのにちょっと遅れたりするから、と遅刻は当たり前、でも4時には帰ります、みたいな。
正直、毎日朝何時に来るかが全く分からなくて当てに出来ず、帰宅時も申し送りなしに帰宅してしまうこともあり、むしろ彼女の仕事分をサポートするのに疲れたりもしました。
私も1年目でERを回っていて週3回当直みたいな感じで疲れ果てていたというのもあるとは思うので、今では反省事項ですけど。


2人目の方は素敵でした。早く帰りたい、というのはあるんだけど、その分、日中にすごく頑張ってました。
今やっちゃえる仕事ある?って言ってテキパキと仕事をして、その分5時にきっちりと帰る。
だから、例え5時に少し仕事が残ってたとしても、「私がやっとくからいいですよ、帰ってあげてください」って心から思った。
そうすると、「ホント?ごめんね、ありがとう。その分明日は頑張るから!」って言ってくれて、実際日中は本当に遊んでたり寝てる時間はなく、先を読んで仕事をしてたんです。




いろんなママさんをみて思うこと。
やっぱり、ママさんに働いてもらう方が職場のためだとは思うし、働きたいママさんを応援したい。
だけど、ママさん側が、子育て中なんだから周りがサポートしてくれて当たり前、という態度に出ては絶対絶対ダメ。
やっぱり、ママさんが働けるような環境・同僚・上司対する感謝がないとダメだと思うんです。

1ヶ月のドロップアウトの期間を経て、ちゃんと社会復帰を出来ている私だから余計に思うのかもしれないです。
ドロップアウト後の私はとっても優遇してもらってて本当に申し訳なくて有り難かったです。
患者さんの数も少なめ(つまりは周りが頑張ってくれていた)、夕方も早めにサックリと帰してもらえる、みたいな。
でも、負担がかかっていたであろう周りの研修医は「はやたまが少しでも患者さんを持ってくれるから、助かるよ」って言ってくれていました。
そのリハビリ期間があったから、復帰して何の問題もなく働いている現在に至るんだと思いますし、今でもとても感謝しています。
同じようにドロップアウトした人がいたら、サポートしてあげたいって思います。


ママさんだって同じだと思うんです。
働きたいママさんが仕事を続けられることでママさん本人も社会もいいことがあると思うんです。
でも、それはあくまでやっぱり周りのサポートがあってこそ実現可能な訳です。

医者なんて、ただでさえプライベートが邪見にされる職業です。
「急患だから」「当直だから」という言葉でプライベートは全てキャンセルにされてしまう職業です。
その中、自分のプライベートを大事にさせてもらえながら働いている。
そういう事実を忘れちゃダメだなって思います。
同じ女性だから余計に思っちゃうのかな。


自分が結婚して出産して子育てするようなことになった時、どうなるのかは分からない。
でも、周りに感謝しながら自分のペースで仕事を続けられたらって思う。
そんな日が来ることを信じて。今はママさんのサポートをしていきたいと思う。

Oct 30, 2011

小児神経

今日で小児神経が終了、明日からは血液グループになります。

神経苦手ーー><
っていう所から始まって。

小児神経の幅がとっても広いことが分かりました。
意外と面白いということも思いました。
大人の神経と比べて小児の神経の方が私好き。

出来あがったものから壊れていくのを診る内科。
出来あがっていく過程を診ていく小児科。


学んだこと。
なんだろう、そう書くとちょっと困っちゃいますけど。

けいれん・てんかんの診かた
発達が遅れていく子たちのフォロー
重症心身障害児の子たちのフォロー
とか。

人工呼吸器と脳波のことは他でも絶対必要だから、ちゃんと勉強したい。
でも、やっぱりまだ全く分かってない感じです。
要努力。


今月はルートはともかく、正中採血がダメダメでした。。。
来月はもうちょっと上手になりたいなぁ。
不器用な自分が嫌になる。

Oct 28, 2011

イベント

小児科病棟はイベントごとが好きだということが改めてよく分かりました(笑)
10月に入った段階から病棟はHalloweenな飾り付けだったのですが、今日はちょっと前倒しのHalloweenパレード。

子供たちも仮装をしたし、Dr/Nsももちろん仮装。
子供たちはすごくかわいかったです*^^*

怖いお化けのメイクをしたDrを見て小さい子たちが固まってしまったり大泣きしてしまったり。
Trick or treat!って言った子たちにシールとかが入った袋を上げたり。

たった2時間弱。
でも、楽しかったです。
みんな笑顔だった。

こういうのっていいな、ってなんか改めて思いました。

Oct 25, 2011

解熱薬

私たちが解熱薬を出す際にする説明、今まで当たり前のことのように思っていましたが、意外と親御さんは勘違いをしているということに気付きました。



解熱薬(解熱鎮痛薬)は、風邪や感染の根本的な治療にはなりません。
熱が高くて辛い、あちらこちらが痛い、という際にその症状を少し楽にしてあげる為のお薬(対症療法)です。
解熱剤を使って熱を下げたからといって、早く治るわけではありません。

38.5℃以上の時、と便宜上書いてお出しすることがほとんどですが、熱が上がっているだけで元気であれば投与の必要はありません。
それでぐったりして辛そうであれば使ってあげて、少し楽にしてあげてください。
とは言っても、子供の熱の出始めの時には、解熱剤を使っても効かないことも多々あります。

本人が比較的元気で、水分摂取もできているのであれば、風邪薬と解熱薬で様子をみていただいてかまいません。
熱が4日目になっても下がらない時、水分摂取ができないなど全身状態が悪化してきたとき、ひどい頭痛で嘔吐が止まらないなど新しい症状が出てきたときには再度受診をしてください。



という説明をすることが多いです。
意外と親御さんは、薬を飲んでいるのに熱が下がらない!と受診をすることが多い気がします。

熱の出始めは下げるのは難しいですし、そもそも子供の熱は全身状態が良ければそんなに目くじらを立てて下げる必要はありません。
熱を下げることが早く治ることにはつながりませんし、風邪薬(抗菌薬を含もうが含まなかろうが)を飲んですぐに熱が下がる訳ではないので、数日は熱は続きます。

という訳で、上記の説明になるんです。
でも、やっぱりあんまり理解してもらえない気がする。。。
うーん、親御さんの教育って難しいですね。

Oct 23, 2011

診療速度

うーーん。
私、まだまだ遅くって、すごく時間がかかるんです。

救急外来に患者さんが来て、お話を聞いて診察して、まではいいんです。
一応軽く鑑別を考えながらの問診も少しずつ身に付いてきました。

あまり迷わずに病歴は取れるし、その人に必要と考えられる診察の上から下までざっと、までは早いんです。

なんだけどね。なんだけどね。
検査を決めるのがまず悩んじゃって時間がかかるんです。
自分の挙げた鑑別を過不足無くrule in / rule outするには、いったい何をすればいいのか。
まだ、今の私には夜間救急だからこれはちょっと、、、という選択肢はありません。
というか、そこまで考える余裕がありません。

で。
ひとまず最小限の検査を入れて、その結果を見たり上の先生に相談している間にさらに検査を追加したりとか、いろいろ。
検査結果を見てまた悩んだりするし。

そうこうしていると受診から帰宅までの間にけっこう時間が経ってたりするんですよねぇ。。。
申し訳ないことに。。。

早くもっと慣れてもう少し効率よくさくさくと診療を進めたいものです。
時間は有限ですから。決まった時間の中で来た人をみんな診ないといけないですから。
難しいやね。少しずつ少しずつだわね。

Oct 20, 2011

抗菌薬

先日の当直に胸膜炎の患者さんが来ました。
胸膜炎は肺を包んでいる胸膜の炎症・感染のことです。

症状と所見からは、腸炎または胸膜炎かな、と思って。
CTを撮ったら胸膜炎でした。

で、診断はついたものの。
私抗菌薬に困って、クラビット(CAM マクロライド系)500mgを処方したんです。
悪くはないけど、良くはないというかアホみたいな選択です。
何を狙うとか考えずにwideなものを出すっていう。

翌々日に改めてその患者さんのカルテを見てその後を見ながら復習して。
結局、翌日昼間に内科を受診していて、胸膜炎の診断は合ってました。
処方もほぼ継続。

ただ、そういえば私培養すら出さずに抗菌薬を処方したんですよね。
確かに、全身状態も良好でbacteremiaがありそうではなくて、咳もなくて痰もでなくて。
培養を出しても陰性だったかなぁ、とは思いましたけど。

で、上の先生に質問。
こういう場合、どうしたらいいですか?と。
そしたら、培養を出すのがベストだけど、あの人は出そうな感じでもなかったし、いいんじゃない?と。
抗菌薬に関しては、市中肺炎→胸膜炎で定型肺炎の菌(肺炎球菌などのこと。)を考えていたのであれば、CAMを出す必要はない。
外来で1回点滴でCEZ(セファゾリン)を落として、残りはCDTR-PI(メイアクトとか)を経口で続けるとかかな、と。

もう、ごもっとも過ぎて。
(ちなみに、上記症例、サンフォード的にはCAMでOKな症例です、多分。
でも、マイコを疑うような感じでもなく、非定型は考えてなかったような症例だったので。)
改めて、抗菌薬のことを勉強しなくちゃダメだ、と実感した次第であります。


という訳で宣言。
私、抗菌薬と輸液の勉強をします!
今度こそ挫折しません!

Oct 19, 2011

当直

昨日は当直でした。
実はものすごく久しぶりの平日当直です。
というのも、7月半ば以来私の当直はなぜか基本的に金曜夜~日曜日というスケジュールだったため。
もう、毎週毎週週末になると当直で(よほど、勉強会が、とか理由があってずらした時以外は)嫌になっちゃいます。
平日当直だと翌日がちょっと辛いからどっちがいいのか微妙ですが。


ちょっと、当直がらみで愚痴を書かせてください。
思いっきり愚痴なので、negativeなのが嫌な人はどうぞ読まずに飛ばしてください。

当直。
一般の人にとってはどういうものなのか分かりませんが、私たち医師にとっては、自分の日中の業務に普通に+αで入ってくるものです。
夜勤だからその日は昼間仕事がないとか、翌日早く帰れるとか、そういうのはありません。

で。
うちの病院の場合、研修医のうちは基本的には上の先生と一緒の当直です。
まぁ、だから甘えがあって未だ自分一人で患者さんを診ることができないというのもあるんですが。

もう、先日からイライラする上の先生に当たることが多くて、ストレスフルすぎます。
血液の分注ができない先生、状態悪いのに帰せの一点張りな先生、患者さんに怒鳴りつける先生etc。
もちろん、私自身だって、要領が悪かったり、夜中に若干イライラしてしまったり、鑑別が上がらないダメダメ研修医だったりすることは多々ありますが。


本日の先生は強烈でした。。
本来の当直は助教のA先生(外科)と、医員のB先生(放射線)、研修医は私だったんです。
が。時間になってもA先生現れず。私が来ちゃった患者さんの対応をしている間に、私の知らない間にA先生の下っ端(?)のC先生が現れて特に何も言わずに当直PHSを持って行ったんだそうです。

A先生はオペだから当直ができないからC先生に頼んだらしい?
でも、オペで来られないのなら、せめて前半(うちの病院のwalkinは11時くらいを境に前半後半で適当に上の先生たちは分担してる)ではなく、後半を担当すべきでは?

しかも、このC先生、電話対応がひどくって、私に連絡もなしにwalkinに患者さんは来るは、勝手に大丈夫って言われたから、と救急車でERに来ちゃうは、もう救急外来はしっちゃかめっちゃか。
げんなりですよね。。。

結局よる9時前くらいにC先生からA先生に代わった?みたいです。
A先生にも大して会ってないからよく分かりませんが。
だって、全然救急外来にいないんだもん!患者さんが来る情報もいまいちだし。
「わき腹が痛い人が来るから適当に診て。」って言われて、それ以外は年齢不明、名前不明、その他症状も不明、みたいな。聞いても知らないって言われたし。


で、完全walkin外来に放置されている研修医の私。
だーかーらー、一人で診る自信もなければ、どうしたらいいか相談する相手も欲しいお年頃なんだって!!

22時くらいに2歳の子が来たので、小児科当直のS先生に診てもらったんです。
たぶん蕁麻疹だと思ったけど、蕁麻疹??っていう腫脹箇所もあったのと、薬に自信がなかったから遠慮なく(笑)コール。

その子を見終わったくらいに、私に連絡がないまま患者さんが立て続けにきて、はやたまさん半泣き。
結局、夜中1時過ぎまで小児科のS先生が付き合ってくれました。
本当に助かった!

いやはや、それにしてもどうしてこういうことが起きるかね?
ERの先生も上に文句を言ってくれたらしいので、改善されるかな?
げんなりな当直でした。。。

Oct 16, 2011

saori - 命のバトン -

http://www.youtube.com/watch?v=1b69U_3TmE4%20

という動画があります。
全国の救急勉強会がデータを持ってるんじゃないかなっていう有名な動画。
AEDが広まったきっかけとなった女の子の話。

端的に症例報告的に言うと。(最近嫌で見てないから詳細は怪しいけど)

16歳女性。
特記すべき既往歴なし。
運動中にVfとなって救急搬送。
By stander CPRはあった(?)けどAEDは当時なかった為使用されず。
病着時、心停止継続し波形はVfで除細動を施行され、自己心拍再開。
心停止の時間が長かったため、虚血性低酸素性脳症から脳死の状態となり、4日後に死亡確認。

その間の母の心境などがおりまぜてある、音楽が流れていて、写るのは文字が中心の動画です。
学生の頃からこれが苦手で、音楽を聞くだけで涙が出るんじゃないかっていうくらい、辛くなっちゃう動画。
最初に見た時は、ビックリして本当に泣いてしまった。
その後は音楽を聞いただけで、目が潤んで来てしまうのが分かるから、部活でBLS講習の最後などに流す際は逃げてる。

学祭で後輩たちがBLS講習会をしていて、最後に流してた。
すごく久々だったから、最初見てたんだけど、やっぱり見れずに途中退席。

多分、実際に見た患者さんたちが重なってしまうから。
その時のご家族の様子とか、我々医療者側のこととか、全部よぎってしまうから。

だからだと思う。
学生から涙が出てしまって見られなかったけど、医者になってからさらに見られなくなった。
でも、この間も日記に書いた気がするけど、人の死にある程度鈍感にならないと医者はやっていられない。
でも、やっぱり辛いのは辛い。完全に鈍感になんてなれない。

youtubeにあったので、上にリンクを貼っておきます。
5分程度のもの。これを見て、By stander CPR(その場にいる人が行う心肺蘇生。)が必要なんだ、BLSを学ぼうかなと思ってくれる人が少しでも増えますように。

Oct 13, 2011

鉄欠乏

たぶん、よく知られてるのは鉄欠乏性貧血。
鉄が足りないと、酸素を運ぶ赤血球のサイズが小さいタイプの貧血になります。
(赤血球が大きくなるタイプとか、いろいろ貧血にもタイプがあるのです)

ところが、実は鉄欠乏は貧血以外にもたくさんの影響があるんです。
というのを小児科を回り始めてから知りまして。
面白いなぁと思って勉強をし始めたら、これが意外と奥が深い。
あ、そうそう、異食症(Pica)を起こして土や氷などを食べるようになるものとして有名なのも鉄欠乏性貧血。

という訳で、現在のマイブームが、鉄欠乏なんです。
別に、私自身が鉄欠乏性貧血だからっていう理由ではありませんよ(笑)


鉄はHb(ヘモグロビン)の代謝以外にも、神経伝達物質の代謝、免疫系、その他もろもろに影響を与えるのだそうです。
・鉄欠乏→Hb合成障害→鉄欠乏性貧血
・鉄欠乏→リボヌクレオチド還元酵素やピルビン酸脱水酵素活性低下→DNA合成低下→細胞の酸素化障害
・鉄欠乏→起突起乏細胞の機能低下、ミエリン化障害→神経伝達物質の合成障害→脳のエネルギー代謝障害
なのかな、多分???詳しいことはまだ理解できてないけど。。。



貧血が出る前の鉄欠乏の状態でも影響が出ることがあるんだとか。
でもまぁ、貧血が無い状態の鉄欠乏を見つけるのはだいぶ難しいですからねぇ。
ちなみに、今有名になりつつある事実として、貧血がある場合はない場合と比べて、精神発達、運動発達ともに遅滞を認めるのだとか。
軽度の貧血であれば治療で改善しますが、重度だったり慢性的に続いているとなかなかキャッチアップせずに学童期にも有意差がでるんだとか。

後は、Breath holding spellや熱性けいれん、血栓性合併症、Restless leg syndromeや感染症など他の病気にも関連が最近指摘されてます。

ただ、健康な正期産児に鉄を補充すること(鉄欠乏の予防)についてはまだまとまった研究は出てません。
有益なのか、逆によくないのか。

個人的には、やっぱり母乳栄養な子で白い子とかは積極的に採血したくなっちゃう気はしなくもないかな、と思いました。
数年後にはさらに研究が進んで、VitKじゃないけど、ある程度こうするといい的な方針がでるのかな。
(まぁ、VitKだって飲み方が最近変わりつつあるけど)

Oct 12, 2011

panayiotopoulos syndrome

聞いたこともなかったけど、小児のてんかんの6-10%をも占めているらしいです。
3-6歳に多く発症する、予後良好な特発性部分てんかんです。

典型的には、
・夜中(睡眠中)
・嘔吐などの自律神経症状を伴う
・脱力、凝視などが多いが、どんなけいれんもありうる
・多くが10分以上で重積することも多い

で、発作頻度としては多くなくて、3割は一生に1回。
5回以上起こすことはまれだけど、10回も20回も起こしちゃう人もいるんだとか。
熱性けいれんを併発する場合も多いんだそうです。

このてんかん自体はは発症2年間で寛解する人がほとんどで、その後の再発はまれで、精神運動発達は保たれて予後良好なのだそうです。
だから、経過を見ていって、再発が多い時には抗けいれん薬の内服を行ったりするけど、基本的には予防内服いらないんだそうです。
脳波を正常化させることに躍起にならなくても、脳症の類ではないから、発達予後は大丈夫、と。

検査としては、脳波で後頭部に棘徐波を認めることが多い(特発性後頭葉てんかんの一種なので)ですが、棘徐波の頻度や部位は発作の症状や持続時間、発作回数とは同期しません。

というてんかんです。
けいれん重積を起こして運ばれてくることが多いけど、大丈夫なものとして覚えておいて損はない疾患かな、と。

それにしても、初めて聞きました。
カンファでも、熱性けいれんじゃないのか、とかいろんな突っ込みが入り、議論勃発しました。
まぁ、私が違うって言っても説得力ゼロですけど。
基本的に、運ばれて来た時(けいれんを起こした時)または、搬送後の処置中くらいに熱がないのであれば、熱性けいれんは否定的です。

うーん。神経はやっぱり難しい。

Oct 11, 2011

一夜漬けの試験前

みたいな心境でした。

なんでも、なんだか役人さんだかなんだかが視察にくるんだとか。
で、病棟を整理整頓してみたり、サマリーを片付けてみたり。
(まぁ、いくら頑張ったところで普段と大きく違うとは思えないんですが)

で、研修医にも「サマリー出せーー」っていう締め付けが。。
いいんだけどね。いいんだけどね、どうせ出すし。

注。
サマリーっていうのは、その人の経過をまとめた書類のこと。
入院サマリー(入院時に、現病歴や既往歴、入院時の所見、今後の方針などをまとめたもの)
weeklyサマリー(経過の長い人などに作るサマリー。一週間の経過をまとめたもの。中間サマリーといって、引き継ぎ時などにそこまでの経過をまとめることも)
退院サマリー(これが一番の難関。笑。 というのも、入院サマリーに入院時にした検査や入院後経過、今後の方針や考察などを加えるので。病院の事務にも提出するちゃんとした書類)


なんだけど。
普段なら退院後1−2週間以内に書くことになっているサマリーを全部書くとか、大変すぎるから!!
治療入院の人の場合、退院と同時にサマリーを提出できます。
検査入院の人とかの場合、検査結果が出そろうのには時間がかかる訳で、大体1週間後程度。
それでも、私の提出率はかなり良い方で、基本は退院日または退院から1週間以内には提出が終わってます。

ふぅ。
でも、今日は先週の検査入院3人分を必死に書きました。
まだ退院から1週間経ってないから、そこまで焦らなくてもいいんだけどね。

全部終わった時の開放感たるや、一夜漬け後に試験が終わった時を上回るかもね(笑)

Oct 10, 2011

母乳育児

三連休後半2日間で行ってきました。
母乳育児支援セミナー。

なんとなーく出かけてみたんですが、良かった!!
母乳がどういうメリットがあるのか、薬と母乳、母乳とビタミンK、低出生体重児と母乳、放射線と母乳、母乳分泌不全/分泌過多などなど。
さらには、母乳をあげる時の飲ませ方その他も。
個人的には今興味を持ってる母乳と鉄についても欲しかったけど、それは贅沢ってもんですよね。

面白かったぁ♪♪


母乳がいいことは分かってましたが、母乳がこんなに母子ともにメリットがあるとは知らなかったです。
例えば、子供の場合は免疫力その他が違うし、様々な疾患の罹患リスクを低下させるのだそうです。
お母さんの場合は、将来のメタボリックシンドロームや2型糖尿病のリスクを下げるのだそうです。

後は、母乳をあげている時の薬物について。
前々から薬剤の添付文書や本に「授乳禁止」って書いてあるのは「母乳に出る」ということだけで書かれている、という話は聞いてましたが。
母乳に出る量は考慮されてないし、そもそも消化管からは吸収されない薬の場合もあるし、子供に投与して良いような薬も「微量に母乳に出る」ということで禁止と記載されている例もあるし。

でも、じゃあどうやって判断したらいいのか?
っていうことも具体的に教えてもらいました。
多分、内科とか他の科の先生たちは意外と知らないと思うんだよね。

ビックリな例としては。
インフルエンザにかかった子供にはタミフルを処方したのに、次にお母さんがかかったときには「薬を処方するから授乳するな」と言った先生がいたんだって。
おかしいって思いますよね。

みんなみんな知っておいて(または、だいたいの薬は大丈夫だから、小児科の先生に聞いてみよう、って思えるくらいには知っておいて)いいと思うんだ。


1。まずは、どのくらいの哺乳量なのか。
完全母乳?混合栄養?実際にどれくらい飲んでるの?
完全母乳ならだいたい150ml/kgと見積もって計算。

2。母乳中の薬剤濃度を計算し、子供の理論的薬剤摂取量を計算。
分子量が大きい薬は移行しにくいし、酸性の薬は母乳に移行しにくい。
血中濃度×M/P比(milk to plasma ratio)でおおよそ母乳中の薬剤濃度は計算できる。
後は、1。の量をかければ計算可能。

3。乳児に標準的に処方する量と比べてどうなのか。
まぁ、参考的に計算する訳ですね。
意外と処方量よりも少ないんです、これが。

4。相対的乳児薬物摂取量(RID)を計算する。
 (乳児薬物摂取量(mg/kg/day)/母親の薬物摂取量(mg/kg/day))
一応、RID<10%がOKな目安。

という感じ。
なんか、理論的に自分で判断できるっていうのが嬉しいよね。
ちなみに、薬剤の詳しいことはIF(インタビューフォーム)などに記載されてるし、後は英語でよければLactMedとかもあるらしい。
上の先生に前にデータベースをもらったから、それと合わせて使うといいのかな。

いずれにせよ、母乳いいよ、ってちゃんと推奨できる気がした。
まぁ、分泌されない人もいるから、無理に全部が全部母乳じゃなくてもいいとは思うけど。
出るなら、そして母乳をあげられる環境なら、母乳をあげてね、って思った。

Oct 8, 2011

BLS

今日はBLSヘルスケアプロバイダーの講習会を受けてきました。
(BLS=basic life support 一般の人でも受けるような心肺蘇生のコース)

インストラクターはTESSOの後輩たち。
先日インストラクターを取得したところなんだとか。

たまたま先日この話を聞きつけ、ぜひとも受けたい!ってお願いをして受けさせてもらいました。
BLS自体も学生のとき以来だから2010は自信ないし、そもそも小児のBLSはうる覚え的な感じだったし、PALS(pediatric advanced life support 小児に特化した、急変時の対応のコース)受けに行く為には事前にBLS必要だしね。

違いをしっかり学び、院外急変時および、院内で見つけた場合のSTATコールで人手が集まるまでの対応は自信を付けたかな。多分ね。
あんまりそういう場に遭遇はしたくないけどね。

ただ、非常に疲れました。
胸骨圧迫(いわゆる心臓マッサージ)は5cmという深さまで、100回/以上のペースで押します。

けっこうけっこう疲れるんです。
本当の患者さんに施行している際は質が落ちてくると押す深さが浅くなってきます。
自分でも分かります、押し込めなくなってしまうんです。
だから、基本的に2分(胸骨圧迫30回+人工呼吸2回を5サイクル)で交代することになってます。
無理に長い時間やってても良いことは何もありません。
交代の間の時間を短くできるように待機をしててもらって、ちゃんと交代した方が質が保たれます。

でも、体力がないのか筋力がないのか。
私の場合、だいたい1分から1分半程度で質が落ちてきます。
だから、それくらいで交代をお願いしてしまっています。

今日は講習会ですから。
無理にでも5サイクルやるんです。
いやぁ、ホント疲れました。
体重をかけてるから、そんなに力を入れている訳ではないはずなのに、でもやっぱり2分の最後の方は押せなくなってくる。
小児はともかく、大人の胸骨圧迫は30歳を超えて来たら厳しいかも(笑)


そして、今日は本当に後輩たちに感謝。
学生対象だったはずの今日の講習会に私を混ぜていただけたし。
やっぱり、教え慣れているというか、下手な上の先生より教えるの上手だよね。
みんなのパワーはやっぱりすごいや。
勉強したいこといっぱいあるもん、私も頑張ろう☆

Oct 7, 2011

検査結果

発熱を主訴に来院したVP shuntが入っている3歳の子がいました。
昨日にも受診をして、抗菌薬を処方され帰宅となっていました。
今日も熱以外に症状はなくて、身体所見上も特に問題ありませんでした。

でも、熱が5日目だったこともあり、採血と検尿をして、自分たちで見た上で念のため耳鼻科にも鼓膜を見てもらいました。
おしっこは問題なし、鼓膜など耳鼻科系も問題なし。

いわゆる風邪かな?
抗菌薬出してるし、様子見てたらそろそろ下がるかな?

そんなことを思っていた矢先、血液検査の一部の結果が出始めました。
そしたら、WBC700/μl!!
もうビックリしてしまいまして。
(WBC=白血球。バイ菌と戦うやつらです。
普通は4000-9000くらいで、細菌感染では上昇します。
血液疾患の子だと数万まで上がったり、逆に抗がん剤治療などで数百まで下がったりします。)

baseに血液疾患など特に無い子です。
でも、これだけ少ないと即入院です。
ちなみに、CRPは0.95mg/dlでしたが、これだけWBCが少ないとするとあまり正確に病勢を反映しない可能性もあります。

入院になる、と外来で大騒ぎになっていたところ。
上で入院をお願いされた師長さんや病棟医長の先生がたがデータを再度確認してくれました。
そしたら、なんとWBC12300に訂正されてたんです。
これだったら、風邪で少し高めに出てるっていう普通の予測される検査結果です。
結局、抗菌薬治療継続として、帰宅としました。

もう、これだけ検査結果が違うとなると驚きですよね。
検査結果の画面では、正常値と比べて多い少ないが表示されます。
あまりに多すぎる、あまりに少なすぎるというパニックバリューでは、色が反転してものすごく目立つようになっています。
WBC700はパニックバリューでした。

なのに、連絡もなく再検をしたら12300って、、、
通常はパニックバリューが出た場合はいきなり電子カルテ画面に載せるのではなく、もう1度再検をしてからです。
それが、そのまま載ってしまい、かつ、それを修正した際にも変更の連絡がなかったというところに問題があった訳です。
(上の先生は完全に怒ってしまい、検査室に詰め寄ってました><)

いやはや。
それにしても、普通は再検に回ってもここまでは違わないんだけどなぁ。
どうしたんでしょう?

Oct 6, 2011

来年

私は、ちょっと間違って(笑)研修医1年目も2年目も学内にいます。
一般病院、一般小児を診たことがありません。

やっぱり、去年一般病院を回って来た同期とは違います。
採血ルートなどの一般的な手技が私はやっぱり劣ってます。
一般的な疾患を診る能力も劣ってます。
自分一人で判断する能力はかなり劣ってます。
急変時に対応できる能力も劣ってます。
プレゼン能力や、症例をサマリーにまとめるのはとんとんですかね。

文献などを調べる能力は勝ってるかも。

そんな私は、1月は一般病院の小児科を回ります。
2月3月は某A病院のNICUを回ります。

で、問題は来年の4月からどこの病院に行くのか。
若いうちは大体1年毎に病院を変わりますから。
毎年毎年の人事が大変らしいです。
うちの小児科だと、よほどの事情が無い人たちはあみだで決める?的な同期の話し合いで決まるのだとか(笑)

そんな人事。
今日、人事担当の先生に、ちょっといい?って呼ばれました。
何かと思ったら、 3年目にA病院のNICUでいい?って。

なんでも、A病院側が私にそのまま4月から1年いてもらえたら4月の当直にすぐ私を入れられて楽になるから、と要望したらしいです。
で、人事の先生としても、3年目の私をそこに配置するのはいいかな、って思ったという次第。

でも、そういう聞かれ方したら断れないですよね(苦笑)
研修医だし、次も3年目だし。
という訳で、そういう方向になりそうです。


実は、来年の病院に関しては、新生児の先生とも相談して悩んでたところだったんです。
NICUを回るのであれば、B病院よりA病院がいいんじゃないか、とか。
でも私は今まで一般病院とか一般小児をいっさい診たことがないから、そんな最初から専門性を追わないで、一般的なことから始めた方がいいんじゃないか、とか。
そんな相談は一瞬にして吹き飛びました(笑)

まぁ、いずれにせよ4年目あたりで回りたいと思っていたA病院のNICUだから、全然良いんですけどね。


でも、ちょっと複雑な気分なことも。
もともと相談してたS先生にA病院になりそうだ、と伝えたところ。
いろんな内部事情を教えてくれました。

体育会系な主治医制だからものすごく忙しいとか。
現在の感じだとイマイチ雰囲気が良くないだとか。
なんだとかかんだとか。

でも、言われました。
若いうちはそうやってがむしゃらに働くのもいいよ。
はやたま先生だったら2ヶ月叩き込んだら4月には即戦力になってそうだし。
明るいしムードメーカー的に雰囲気を変えてくれるっていう期待も込めて送られるんじゃない?
などなど。
とはいっても、いくらなぐさめられてもねぇ。

でも、今まで何となく生きてきてなんだかんだすごく上手くいってるし。
(留学も出来ないはずだったのに行けちゃったし。
本来私は2年目は外病院を希望してたから、小児プログラムにしてなかったはずだけど小児プログラムにしたらすごく勉強になって幸せな感じだし。)
きっと、大丈夫で、よい1年になるんだと思います。多分ね。

という訳で。
私、おそらく2012年2月からA病院のNICUで働くことになると思います☆

Oct 5, 2011

神経

神経グループに異動になったはやたまです。
私、神経ダメダメなんですよねぇ。
大人の神経内科もダメだったけど、子供は更にダメかも。。。と初日から思っている私です。

そもそも、脳のなかの構造とか細かい機能とかが難しい上に、脳内物質がどうのこうの、受容体がどうのこうの、っていう話が苦手で。。。
さらには、小児神経の場合は重度精神発達遅滞の子とも入るし、よく分からない先天疾患も入ってくるし。
検査もMRIとかの画像を見たりとか、脳波とか、私が苦手とするものばっかり。。。


うぅ。泣きたい。。分からない。。
今日も、サマリーを書きながら、スライド作りながら、ため息ばかり。

教科書を前にうーーーん。って悩み、先生に質問をして、一瞬分かった気になるけど、自分の言葉で考えると分からなくなる(=つまりはあんまり分かってない)。
一番の問題の神経的なProblemはさておいて、2個目以降の鉄欠乏性貧血だとかの方だと考察とかもすいすいと書けるんですよねー(笑)

そうも言っていられないので、 明日以降(今日まではホント、検査その他の業務で忙しくてあんまり考える時間が無かったから)頑張ろう、うん。

Oct 4, 2011

学生

ちょーショック。。。
学生と間違われた。。。。

研修医ロッカーに行こうとしたらその手前になんだか人だかりがあったんです。
で、事務の人に「何年生ですか?」と聞かれたので、何も考えずに「あ、2年生です」と答えたら、「ん?1年生ってことですか?」と。

私の頭の中はハテナマークだらけですよね。
きょとん、としてたら、私の大好きなYJ先生がやってきて、「この子研修医だから(笑)」と。

なんでも、今日は学生の1年生が5年生をシャドーイングする日だったらしいんです。
で、研修医のロッカーの隣の会議室で集合して、ペアを作ってたんだそうで。
そして、そこをナイスタイミングで私が通りがかったという(笑)

YJ先生には、「若いってことだよ。元気そうで良かった」と言われたけど。
でも、ショックだなぁ。

私、そんなに幼く見えるかな、そんなに学生っぽいかな。
これでも研修医を1年半やってきたんだけどな。
3年前に病棟に出るようになった時とはだいぶ違うんだと思うんだけど。
7年前に医学部に入りたての時とは全然違うと思うんだけどな。
せっかく、ずっと憧れてた20代半ばから後半に突入してきてて、大好きな小児科医に近づいて来てて、成長してるかな、って思うこともたまにあるようになってきてたのにな。

という訳で、凹んでいるはやたまでした。。
ぐすん。

Oct 3, 2011

今日、なんかホッとした。
いえ、ホッとなんてしていられない状態だとは思うんです。
あと何日、いえ、何時間の時間が残されてるのか分からない状態の子がいるんですから。

私の担当ではありません。
新生児グループの担当です。
私は初日のバタバタの時はともかく、後は端から見てる状態。


私も知ってる子だし、悲しい。
親兄弟の悲しみの状態を目の当たりにしたら更に苦しい。
ICの話とかを又聞きしても、悲しい。辛い話ばっかり。


でも、今日ホッとしたのは、新生児のS先生のことを聞いたから。
ご家族の前で9年目のS先生がお話をしながらボロボロ泣いたらしいです。
その場に立ち会っていた研修医に聞きました。

なんでだろう。
今まで、患者さんの前で泣くな、という風に言われ続けて来たからかな。

患者さんを看取ったことなんて学生時代に1人、研修医になってから1人(しかも両方とも脳死の患者さん)という、圧倒的に少ない数で。
(もちろん、ERとかで隣で亡くなった人がいたりというのはあるんだけど、そういう一瞬しか関わってない人が亡くなったとか、そういうの以外で普通に担当してて亡くなったっていうのは上記2名のみ。)

その状態で小児科を回り始めたら、立て続けに亡くなる人がいて。
しかも、やっぱり新生児〜乳児が多いんだよね、当たり前かもしれないけど。
自分の担当患者さんだった時も辛くて悲しかったけど、担当患者さんじゃなくても、見てて辛い。悲しい。
新生児止めようかな、小児科止めようかなって一瞬だけでもよぎるくらい辛い。
自分が来年以降に誰かを看取る時に大丈夫でいられる自信なんてない。


今まで、患者さんの前で泣くなって言われ続けて来た。
学生の時は初めてだったし異国だったけど、ボロボロ涙が止まらなかった。
前も書いた気がするけど、「死」ではなく「死んで行く」ということが怖かった。

研修医1年目の時は、使ってた昇圧薬を切ることになったけど、どうしても、どうしても私には電源をoffにすることが出来なくて泣きながら上の先生に電話した。
「死んで行く」ことに加担する気がしてどうしても出来なかった。

そう考えると、結局私は患者さんや患者さんのご家族の前で泣いている。
でも、ダメって言われてるのが根底にあった。
みんな平然とした顔をしてお看取りをして、平然とした顔をして次から次へと仕事をしてる。だけど、私は悲しくて涙が出る。

そんな状況だったからだと思う。
今日、上の先生が泣いているという話を聞いて、ホッとした。

理由は2つ。
どうしようもなく辛かったら泣いてもいいんだ、って思えたこと。
そして、そっか、上の先生だって辛いんだ、って思えたこと。

こんな状況でホッとしたとか、不謹慎かもしれないけど。
でもなんかね、すごく楽になった。
いくら、死ぬことに鈍感にならないと医療関係者はやっていられない、自分を守る為にも多少ならず鈍感にならないとは、とは言っても、人が亡くなって悲しくない人なんていないよね。

Oct 1, 2011

SIDS

SIDS=Sudden infant death syndrome 乳児突然死症候群
最近はSudden unexplained infant death的な言い方もするらしいです。
(なんか違った気もする。。。)

定義は
それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群
つまりは、元気だった子の原因不明な突然の死亡のことです。

ただし、本来は解剖しても原因が不明な場合、とされていますが日本では解剖率があまり高くないことから、臨床的に判断されていることも多いです(その場合は、SIDSというよりは不詳の死ってことになるけど。)
4000人に1人くらいとは言われており、2−6ヶ月がピークなんだとか。

リスクファクターとして知られていることは、
*うつぶせ寝
*喫煙(両親を始めとした周囲の人々の)

逆に減らすと言われているのは
*母乳栄養

でも、あくまでリスクファクターであって原因ではないんですよね。


あと、今言われているのが、Long QTの子は突然死しやすいのではないか、ということ。
大人でもそうなんですが、QT延長の人はVfとかの致死的不整脈(心停止)を起こしやすいから。
2ヶ月の頃が人の人生で一番QTが長くなるらしく、危ないんだって。
それが本当ならスクリーニングが出来たらいいんじゃないかという話もあるんだとか。

いずれにせよ、突然亡くなってしまうとか突然何かがあるっていうのは辛くて悲しいよね。
小児科医になるの止めようかと一瞬思っちゃうよね。
特に、新生児ー乳児って小児の中では死亡率が低くはない年齢だし。
止めないけどね。普段の仕事はやっぱり小児科医がいいかなって思うから。

Sep 29, 2011

4p- syndrome

46本ある染色体(1−22番の常染色体2本ずつ+XXまたはXYの性染色体)のうち、4番染色体の短腕遠位部の一部が欠損する疾患です。
特徴的な顔貌、精神発達遅滞・成長障害、けいれん、眼科異常、聴力障害、心疾患、尿路系以上、骨格異常などが起こります。

5万人に一人くらいと、意外といます。
(有名な染色体異常の21番trisomy(いわゆるダウン症候群)は800人に1人くらい)、Prader-Willi症候群は1万−1万5千人に1人くらい、色素乾皮症は25万人に1人くらい、メープルシロップ尿症は90万人に1人くらい)

別に、この病気について今日書くつもりはないんです。
今日思ったことは、その疾患を知っていることの重要性です。
疑わないことには診断を付けられませんから。

でも、知ってないと疑えません。
複数の異常が起こった場合に、その組み合わせで疑うか、顔貌異常から疑うか。
専門家というのはやっぱりすごくて、この顔貌とこの組み合わせならこの疾患が最も疑わしいが、違う場合にはこっちかもしれない。
とかね。

某E先生は、見ておいた方が勉強になるような疾患の子が来た時に電話をくれます。
顔貌や皮膚の特徴など、外表のことは見て覚えるしかないですから。

教科書の写真と、実際の患者さんと。
覚えて行くしかない。
でも、一般的なことも覚えないといけない。
医者って頭の容量いくらあっても足りない気がします。。。

Sep 28, 2011

腎臓エコー

今日、生まれたての子に腎エコーを当てました。胎内診断で、水腎症・水尿管があるのが分かっていたから。
(腎臓や腎臓と膀胱をつなぐ尿管に水がたまっている状態)

私が当てても、II度の水腎、grade1-2の水尿管があるのが分かりました。
(この程度であれば、エコーでの経過観察をするので大丈夫らしいです。)
初めて、尿管をエコーで出せました!

大人では腎臓や尿管を見るときは、コンベックス(普通にお腹を見る時のプローベ)で出しますよね?
子供は体が小さく、皮膚の浅いところに腎臓があります。
そのため、リニア(大人では皮下組織を見る時のプローベ。浅いところをキレイに描出できる)でエコーを当てると、すごくすごくキレイに出るんですよね。
本当にビックリするくらいに画質が違います。

やっぱり、エコーを出来るっていいよね。
被爆もなく、低侵襲だし。
細かいことはともかくとしても、自分でスクリーニング的に利用できるようになったらいいなって思うのです。
エコーの本は購入してきてみました。
勉強しよーっと♪

Sep 27, 2011

赤ちゃん

新生児ってかわいいですか??

って言っても、新生児を知らない人も多いかもしれませんが。
いわゆる赤ちゃん、というイメージなのは数ヶ月の子供たちだと思います。


よく「なんか猿みたい」という台詞を聞くかと思いますが(笑)
新生児は小さいし、全体的に細いし(数ヶ月の子はぷくぷくさんでしょ?)、手足を動かすけど、当然頚は座ってないから頚は動かせないし、 こちらに対して反応する訳じゃなくて、自分の快不快があるだけだし、びーびー泣いてるし?


確かに、そういうのも分かるかもしれない。
でも、やっぱりかわいいんですよねー。
(まぁ、いかんせん私は新生児に興味があるくらいですから)



今日、新生児を前に私が「かわいーー♡♡」って言ってたら、今の上の先生のU先生に言われました。
「そうなんだよね、女性って新生児でもかわいいって思うんだよね」と。


私の頭の中は????です。
だって、U先生は小児科医だし、自分自身にもお子さん3人いて、一番下の子は1ヶ月。
???かわいくないの???

なんでも、かわいいと思うんは数ヶ月くらいの子からなんだって。確かに、そういう話はよく聞くんですよね。

お母さんは生まれたときからかわいいって思うし、母親だし。
お父さんは数ヶ月になってこっちに反応してくれるようになる頃からかわいいって思って父親な自覚が出てくるんだとか。

不思議だよね。
分かる気はするけど、分からない。

みなさん、新生児はかわいいですか?
あ、今度新生児グループの先生にも聞いてみよう。
さすがに男の先生でも新生児をかわいいって思うのかな(笑)

Sep 26, 2011

膀胱炎

膀胱炎=cystitis

懐かしい。
私が医学英語を頑張り始めた5年生の夏。
最初に覚えた単語の一つ。しかも、文字からではなく音から。
家から学校までの間にPodcastで聞いてて覚えた単語。
という話はさておき。

女性や高齢者って膀胱炎になりやすいんですよね。
尿道が短いし、トイレ行きたくないとか言って(高齢者もそうだし、若者でも家以外のトイレ嫌的な子もいるし)あんまり水をのまないとあんまりトイレ行かないし。

症状としては頻尿、排尿時痛、下腹部違和感とか。
よく勘違いされてる方がいますが、膀胱炎では熱は出ません。
腎盂腎炎などもっと上部尿路まで感染が及べば熱が出ます。

膀胱炎の一番の治療は、wash outです。
いっぱい水を飲んで、いっぱいトイレに行って、菌を尿とともに洗い流してしまおう的なね。
簡単で効果はあるので、膀胱炎の疑いの人や予防したい方はぜひ。

Sep 24, 2011

カリセミ

既に正式名称分からないけど(笑)
多分、カリスマ救急医を目指すセミナー的な感じだった気がする。今年で第3回。
当院ER主催、実働TESSOという講習会。


今年は私も何も考えずにスクーリングをいれてしまったため、初日の夕方に顔を出すのみになってしまいました。申し訳ない><
しかも、2時間でやってたことと言えばおしゃべり+写真撮影ばっかり(笑)

みんなにビックリしました。
なんというか、親戚の子に久しぶりにあったら大きくなってるのが分かる感じ。
久しぶりにTESSOの面々にあってみて、みんなの成長っぷりに驚いた。
だって、そもそも顔からして違う。
みんな、医者に近づいてるんだね。

TESSOの面々に会うとなんか懐かしくって安心する。
TESSOの面々に会うと頑張ろうっていうパワーをもらう。

ありがとう。

Sep 22, 2011

ストレス

ストレスはダイエットの敵だというじゃないですか?
本当にそうなのかも、となんか実感。

というのも。
子供で、どうしてもステロイドを飲まないといけない状態の子がいる訳です。
彼らは我慢という言葉を知りませんから、お腹が空いたら空いたと騒ぐ訳です。

で。
ステロイドを飲んでいる子たちというのは、3食を待ちわびてるんです。
食べても2時間後くらいにはすぐお腹空いたお腹空いたと始まって。
ご飯がくる1時間くらい前から病棟の入り口周囲をうろちょろし始めます。
ご飯がくる5分くらい前から、徐々に入り口に近づいて行き、配膳車が出てくるドアを凝視してます。

我慢とかどうとかそういう問題ではないようで。
ステロイドの副作用の一つとして、食欲増進があるからなんです。

ふと思った訳です。
普通の状態の人では、ストレスがかかると、コルチゾールというステロイドの分泌が増加します。
発熱、手術などの物理的なストレスもそうだし、寂しさや試験などの精神的なストレスでもそうです。

ということは、もしや
ストレスがかかる状態→ステロイドの分泌が増える→食欲増進?!
やっぱり、ストレスがない状態が一番体にはいいのかな?
(ちなみにこれは完全なる私の勝手なる推測です。体が必要な量の分泌で食欲が増えるのかは知りません。でも、ありえなくはない話かな、と)

Sep 21, 2011

子供相手

患者さん(3歳。もうすぐ4歳)のおばあちゃんに真顔で言われました。

「先生、結婚したはるんですか?お子さんは?」

目が点になっている私を尻目に、「先生子供の扱いがえらい上手いから若いけど結婚してお子さんがいるのかと思って」と。

子供もいないし、結婚もしてないということを伝えたら、「いつでも大丈夫やないですか」って言われました。

そういえば、その前に「先生も夜勤あるんですか?あー、月に4-5回も!大変ですね」って言われたことがあるんですよね。
もしや子供がいるから両立が大変ですねっていう意味だったのでしょうか?!
おばあちゃん、いつから勘違いしてたんだろう??


びっくりしたけど、やっぱりそうやって言ってもらえるのは嬉しいな。
子供相手が上手になってきたかな♪

Sep 20, 2011

先天異常

という言葉はあまり好きではないですが。
生まれた時からあるものの場合、教科書的にはそういう分類。

で。
沢山そういうのはある訳です。
遺伝するものもあるし、関係ないものもある。
病気、というよりも体質、という方が近いものもある。

沢山沢山あるなかで、多分、診断されていない場合も沢山ある。
子供が診断されて、初めてそういえば私もそういう体質ですっていう親がいたりするもの。

そして思う。
診断なんてなくたってそうやって何の問題もなく大人になる人も沢山いる訳で。
でも、診断することで何に注意しなくちゃいけないかが分かったりするから、やっぱり分かるものなら分かった方がいいのかもね。


今同じ職場で働いているとある先生は、そういう生まれつきの体質だったり病気だったりが専門です。
だから、横文字の聞いたことのないような病気も沢山沢山知ってる。

◯◯だったら、△△っていう病気が裏に隠れてるかもしれないから、××という症状・所見がないかどうかは必ず確認しないと。
でも、●●だったら、少し奇形はあるけど大きくなってくれば大きな問題にはならないから、病気というよりは体質に近いかな。
とか。

その疾患、症候群、症状について本当に的確な説明が返ってくるんです。
自分で診た疾患は頭にすんなり入ってくるけど、診てないものは教科書を読んでも頭にあんまり入ってこない私には一生かかっても無理だと思います。

体表から分かる奇形(特に顔貌)は裏に体質だったり疾患が隠れてることも多々ある。
でも、その顔貌ならこの病気、っていうのを知らないと、多分見過ごしちゃうと思うんです。
でも、逆にそういう専門家は顔を診ただけで診断を下せたりもします。

プロってすごい。

Sep 18, 2011

イレウス

ileus = 腸閉塞

腸が通らなくなっちゃう状態のことです。
原因によっていろいろと分類されますが、大きく分ければ、腸がどこかで閉塞して詰まっているタイプと、腸が動かなくなってしまうことで中身が通らなくなるタイプがあります。

今日はイレウスの勉強になりました。
というのも2人連続で来たんですよ、イレウスさん。

お腹が痛くって、便(やガス)が出てなくて、とかだと鑑別に入れとかないと、という感じですよね。
でも、発症すぐはまだ便が出たりするので便秘がないからといってイレウスは否定できません。
後は、オペの既往があるかどうかとか、腹部の悪性腫瘍がないかどうかとか。


診察では当然ながら、腹部所見が大事は大事。
お腹は動いているのか?変な腸音ではないか(金属音その他)?圧痛や反跳痛は?
意外に忘れやすいのが、ヘルニアがないかどうかの確認。
もちろん、それ以前にvital signも大事ですけど。
そして、画像検索。
腹部X線の立位と臥位、さらには一応胸部X線も、撮影。
Free airは胸部X線で確認しますし、air fluid level(ニボー)は立位、いかほど空気がたまってるのかは臥位が分かりやすいです。
CTとかエコーとかをしてもいいかもしれない。

いやはや。
どちらもお帰りになりましたが(一人は入院した方がいいんじゃない?って思ったけど、本人が強固に帰宅を主張したため、明日も来てね、ということにした)、イレウスを疑って検査を進めることを2連続でやって、なんだか非常に勉強になりました。

Sep 17, 2011

asthma 喘息

さてさて、三連休も連日walk in当番のはやたまです。
今日は、呼吸器の勉強な日でした。


3日前からの風邪で今日の明け方から発熱してぜいぜいしている女の子。
小児喘息の既往があって、3年前が最終発作。現在は内服もなし。 

喘息の既往がある上に、明け方にぜいぜいというのが怪しい。
胸の音を聞いたら、ひゅーひゅーとwheezeを聴取。
そう、喘息発作を起こしてたんです。
SpO2とか呼吸苦の状態から、小発作程度と判断しました。

で。
ならば!と、βstimulantの吸入を行ったんです。
上の先生に量も確認して、よし、万全。
喘息発作でしたし、小発作でしたし、著効しましてね。
吸入後はwheezeは消失しました。

そうこうして診察室から一度出たところで上の先生に相談したところ、
「熱があるんでしょ、肺炎を起こしてそれによって引き起こされてるかもしれないから胸のX線撮っておいたら?」
という神の声がふってきました。ありがたい。

本人とご両親に、「熱もありますし、久しぶりに喘息の発作を起こしているので、念のために胸の写真も撮らせてくださいね。」と言ってさりげなく検査追加。
結局X線はキレイだったので、ムコダイン+オノン+メプチンを処方。
さらに、熱もあってちょっと辛そうだったので、カロナールを頓服で。

もう大人な体型だったし年齢的にもほぼ大人だったこともあり、うっかりとイブプロフェン(NSAIDs)を出そうとしたら、これまた上の先生に相談した時に神の声によって、軌道修正。
喘息だしNSAIDsはやめておこうよ、と。

そっか、そうでした。
NSAIDsは腎障害・喘息・肝障害・妊婦・小児・血小板減少症などには避けるべきなんでした。

危ない危ない。最近、小児科を回っていることもあって解熱鎮痛剤と言えばアセトアミノフェンしか出していませんでしたから、危うく間違えるところでした。
(基本、小児にはアセトアミノフェンしか出しません。さらに言えば、1歳未満とかの小さい子は症状をカバーしてしまって重症度その他も分かりにくくなるので、解熱鎮痛剤すら処方しません)

しかし、医者になって1年半たって、一人だったらまだこれだけ危なっかしい診療してるんだもんなぁ。
上の先生に相談なしにやらなくちゃいけなくなる半年後までにどうにかせねば。。。

Sep 16, 2011

NICU

そいえば。
今日、新生児の先生と話してて改めてビックリしました。
7月に新生児回ってた時から若干ならぬ疑問を持ってはいたんですが、やっぱりそうだったみたい。

というのは。
NICU = neonatal intensive care unit = 新生児集中治療室

で、この、NICUという表現方法は欧米とも共通。
問題はその読み方。

私、 ずっとNICUを「ニキュー」と読んでたんです。
でも、そう発音すると新生児の先生たちに通じなかったんですよね。
ん?って言われちゃうから、いつも「エヌアイシーユー」と言い直してました。

不思議だったんです。
なんで私がニキューって略して発音すると通じないのか。

そしたら、今日になって疑問が解消しました。
上の先生が、外国の人と話してたら、NICUのことをなんか不思議な略し方してた、って言うから、もしかして「ニキュー」ですか?って聞いたらそうそう、って。

やっぱり、日本ではNICUのことをニキューって読まないらしいです。
確かに、そういえば、誰もニキューって言ってないんですよね。
略すならば、いつも「エヌ」って。


私の中では、
新生児科=エヌ
新生児集中治療室=ニキュー
だったんですけどね、どうも違った模様。

私、そういえば一番最初に新生児の勉強をしたのも英語の勉強会でだったし、まともにNICUに接したのもアメリカだったんでした。。
だから私の中では、NICU = ニキューだったんですね。
納得。

Sep 15, 2011

UTI

UTI = urinary tract infection = 尿路感染症

つまりは、腎盂腎炎などの上部尿路感染症と膀胱炎などの下部尿路感染症の総合名称です。
これまた小児に多いんですよね。
先生に、UTIについてスライドにまとめてきて、と言われてしまったため、せっせと教科書を読んでいるはやたまです。


発熱した小児の7%程度はUTIです。
85%はE.coliが原因菌です。(その他のGNRやGPCもあります)
診断は症状と、尿検査・尿培養が基本です。
明らかな奇形とかが分かる腎エコーは必須です。
治療は上部であれば入院加療が原則で、第一選択のAbxはセファゾリン(CEZ)になります。
点滴と内服合計で2週間が原則。その後2週間ほど予防量を内服します。


そして!
子供の場合、膀胱尿管逆流というのも原因として大きな要素です。
そこで、UTIを起こした子たちには画像検索をすることが大切になります。

発熱を伴うUTI全例。
発熱がなくても、3歳未満の女児。
発熱がなくても、年齢関係なく男児。

などには画像検索を行います。
画像検索は、現在はVCG(voiding cystourethogram)とDMSAによるシンチが基本です。
膀胱の中に造影剤を入れて行き、排尿時に逆流がないかどうかを撮影します。
シンチでは、放射性同位元素を点滴して腎臓の機能を測定します。

新しく現在勧められているのが、RNC(radionuclide cystogram)、特にDirectです。
VCGの代わりにRIを膀胱内に入れて撮影するもので、集積器の下に寝たまま撮影します。

VURの1度は経過観察です。2度以上では予防内服を行い、4度以上だったり奇形があればオペの適応となります。

RNCは2度以上のものの検出が得意なんだとか。間欠的な逆流でも検出できるので感度が高いです。
でも、後部尿道弁などの奇形の検出はできません。


検査って、それぞれ感度が違ったり、侵襲度や被爆量などが違うし、検出できる物が違ったりとかするし、どれをどう組み合わせて選んで行くか、って難しいなぁ、というのが感想。

Sep 14, 2011

ネフローゼ症候群 nephrotic syndrome

ネフローゼ症候群とは、まぁいわば、腎臓から蛋白が尿中にだだ漏れの状態になってしまうことです。

① 尿中に蛋白が漏れる → 血中蛋白質が減る → 肝臓が焦ってたくさん蛋白質を作ろうと頑張る → 蛋白をたくさん合成するついでに、コレステロールとか他の肝臓合成のものの合成も亢進してしまう

② 尿中に蛋白がたくさん漏れる → 血中蛋白質が減る → 血中の膠質浸透圧が減る → 血液中の水分が血管外にもれる → 浮腫(体表や腸管など)、胸水、腹水、循環障害 → 腎臓は頑張って水を再吸収しようとする → 尿量減少

という感じでしょうか。

ちなみに、基準はこんな感じです。


さらに言えば、再発の場合は早朝尿で3日間尿蛋白陽性が続いた場合に再発です。
逆に、早朝尿で蛋白尿が3日連続で陰性となったら寛解となります。

治療はまずはステロイドが基本です。
ステロイド反応が不良な場合と良好な場合とあり、その後の治療方針に違いがでてきます。
(詳細はそのうち)
一応、治療反応性による分類はこんな感じ。




ネフローゼって子供に多いんですよね。
子供の場合は、腎生検をして組織を顕微鏡で確認すると、「微笑変化型」と呼ばれるものがほとんどです。
腎不全に陥ることは少ないけど、再発率が高いパターン。

よく分かっているようで実は治療方針とかあんまりエビデンスが確立していないらしいです。
ステロイドを飲む期間とか、免疫抑制剤は何がいいとか、どういう風に飲むことにするとか。
たくさんの臨床研究がなされている分野なのだとか。

Sep 12, 2011

コツ?

なんか、少しだけ子供たちの採血のコツがつかめた気がする! かもしれません。
今日は1歳未満の子に2人連続で採血一発で成功しました☆

駆血帯をしっかりして、正中の血管を探します。
前腕(肘から下の腕)を回外回内させながら(くるくると回しながら)、血管が一番分かるところで固定。
(角度によって、血管が微妙に筋肉の下にもぐちゃったりとか、そういう微妙な違いがあるのです)

ふふふ。
血管を指先で触れて探すことも少し慣れてきたし、そこに向かってしっかりと針を刺すことも慣れて来たかもしれないです。
まだまだ、1回で血管確保できた時は嬉しい私です(*^^*)



さらにさらに。
検査を小さい子(幼稚園ー小学校低学年)に行うときのコツも少し分かってきたかも。
とにかく話しかけること!

採血でもエコーでもなんでも。
プレパレーション(以前の日記参照)をした上で、後はとにかくいっぱいいっぱい子供と話しながらやるのがコツなのかな、と。
Child life specialistの方が沢山話しかけてあげてるのを見て、私も真似してみました。

そしたら、けっこうすんなりと検査を受けてくれるんですよね。
気がまぎれるのかな、怖くなくなるのかな。
もっともっと子供たちの気持ちを上手く汲み取れる小児科医になりたいな。

Sep 10, 2011

聞き間違い

うーん。おかしいなぁ。

今日というか昨晩というか、walk in夜勤当直だったんです。
で、朝早く、まだ寝てたら時間に院内放送が流れました。

「ただいまより、ヘリコプターによる緊急帝王切開の患者さんの搬送があるのに伴い、13号エレベーターの利用を制限いたします。また、騒音が発生いたしますが、ご協力をよろしくお願いいたします。」

少なくともね、私の耳にはそう聞こえたんだよ?

で、ビックリして飛び起きて。
帝王切開なら小児科も立ち会うよね?よく分からないけど、私も行きたい!
ん?でも今のうちの病院的に妊婦の受け入れってありえない??

いろんなことが瞬時に頭をよぎり。
よくわからなかった私は取り合えず、小児科当直の4年目の先生に電話。
「え、聞いてないよ?そうなの?」と何とものんびりした答えでした。

更に頭の中にハテナマーク。 ???
目が覚めちゃったこともあり、そのまま小児病棟に上がって仕事を始めてたら、すぐにバババババと騒音をたてながらヘリコプターが来ましたよ。

でも、結局小児科は呼ばれず。
産婦人科病棟もちらっと見てみたけど、慌ててる感じもなく。
多分、妊婦さんではなかった模様。

いったい私は何と聞き間違えたのだ??
でもヘリコプターが来たこと、使ったエレベーターの番号が合ってたことなどから、その他のことは合ってて、夢じゃなかったんだと思うんだ。

別に、そんなに赤ちゃんとか出産とかを待ち望んでる訳ではないんだけどなぁ(笑)
何と間違えたのかが非常に気になったまま帰宅してきたはやたまでした。

Sep 9, 2011

分注

採血とか髄液検査とか、何でもいいんですが、検体が出た場合に、それを何本かに分ける作業のことです。

分かりやすいのは採血でしょうか。
普通のシリンジ採血を想像してもらえばいいと思います。
それを、スピッツ(血を入れる小さい試験管)何本かに分けます。

順番にも注意が必要です。
血はドンドン固まってしまいますから、固まっては困ってしまう物から入れる必要があるのです。

具体的に言えば、
1。凝固系を調べるスピッツ
2。血算を調べるスピッツ
3。内分泌系や血液型・クロスマッチのスピッツ
4。血漿やβDグルカン、血沈などその他のスピッツ
5。血清のスピッツ
という順番。

さらに注意点を言えば、凝固系は線まできっちり入れましょう。
それぞれのスピッツ、特に1−4までは入れた後に上下に何回かひっくり返して混和して、元々スピッツの中に入っている抗凝固薬(それぞれの検査に合わせて、血を固まらないようにする薬が入っている) と血を混ぜましょう。

ということを、学生の頃から少しずつ習います。
病棟に出てすぐは患者さんで採血をさせてもらう前に、まずは分注から、っていうことも多いです。

これを間違えたりすると、検体不良で検査が出来ません。重要です。
検査できなくてもう1回採血させてもらう羽目になりかねませんから。。。

でも、今日一緒にwalk in当直だった上の先生、それを知らなかったヨ。。。
採血をしたはやたま先生、あまりの出来事に驚きすぎて、フォローして正しく分注してもらう為に頑張ったヨ。。


さらにちなみに。
真空管採血の場合。
最初に1本血清を取ってしまってから、の方がいいので、5→1→2→3→4となります。
量は基本的には吸入されるのが終わるまでが良いです。
凝固とかもちょうど線周囲で止まるようになってます。
ま、小児の場合は真空管採血をすることなんてないですけどね。

Sep 8, 2011

腎生検

腎臓の一部を取って来て調べる方法のことです。

腎臓内科を回った時に大人の腎生検をみました。
http://www.blogger.com/blogger.g?blogID=5149963458434814780#editor/target=post;postID=8397862389264077735


基本的にはおんなじです。
検査室でうつぶせに横になってもらって、背中側からエコーを当てて腎臓の下側を針で刺します。

腎臓って血流が多いし、少し違うところを刺したら大変。
だから、子供の場合は鎮静をします。
(眠くなる薬を使って寝ててもらって、その間に検査を終わらせる)

鎮静をしたら、うつぶせにして、刺す場所に局所麻酔をしてエコーで見ながら刺します。
大人の場合は、息を吸ったところで止めててもらって(肺が膨らむことで、その下にいる腎臓が下に押されて動くので、肋骨が邪魔にならずに見えるようになる)刺します。
でも、子供は鎮静をしていてそんなことは出来ません。
そこで、呼気の時に刺すのだそうです。(吸気よりも呼気の方が時間が長いから)

終わった後は大人同様に圧迫止血。
15-20分程度、全体重をかけて刺した場所の上から圧迫します。
この圧迫止血、かなーり大変らしいです。
4年目の男の先生でも、最後には腕がガクガクしてくるらしい。

でも、子供の方が寝てるのは楽かも。
というのも、腎生検はどちらかというと検査自体よりも終わった後が辛いんです。
数時間は砂嚢を穿刺部に当てて仰向け。
動いたらダメ、脚を曲げてもダメ、起き上がるのも当然ダメ。
そして、その後翌朝まで丸一日仰向けで寝ていなくてはいけないんです。
寝返りもダメ、起き上がるのもダメ、刺した側の脚を曲げるのもダメ。

でも、子供は鎮静してるので、寝ている間にその辛い時間のほとんどが過ぎ去ります。
その後も辛くて動いちゃう場合には鎮静を追加することもできるし。

大人と子供と両方を見て、その違いが面白いなぁ、と思ったはやたまでした。

Sep 7, 2011

笑えない

今日ほど笑顔が引きつった日はなかったかもしれないです。
朝のカンファから険悪なイライラしたムードが漂ってて。
その後、上の先生たちが衝突。

朝からちょー険悪ムードのまま生検やら検査、かつそのままみんなでランチ。
もう、ホント今日は嫌で嫌でしかたがなかったです。

今日ほど、嫌になっちゃった日はないです。
笑えなかった。笑顔になれなかった。
先生たちの前でもそうだし、ひいては、患者さんの前での笑顔でいることが難しかったです。
笑顔がトレードマークってみんなに言われてる私なのに><


気持ちって大きいんだな、って改めて実感しました。
こういってはなんですが、ホント、新生児の時みたいに心穏やかに楽しく働きたいです。
心穏やかに楽しく働くと、勉強しようって思うし、疲れ具合も全然違うし、いいことばっかりなんだけどなぁ。

Sep 6, 2011

腕が上がらない。。。

冗談じゃなく、腕が上がらなくて仕事はもちろんのこと、着替えや日常生活に困るほど。

本日、HPVの予防注射を打ったんです。
痛いらしいよ、という噂は聞いてました。
筋肉注射だしなぁ、しょうがないよなぁ。
って思ってはいたのですが。マヂで痛い。。。

言えね、確かに私が痛みに強くないというのはあるのだと思うんです。
女子と言えども、別に月経痛がひどい方ではないし。
確かに怪我は多いからそういう痛みには慣れてるかもしれないけど。

でも、とはいっても痛いのだ。
まず、打つ際に先生に「ちょっと冷たいよー(=消毒)」とアルコール綿を腕に付けられた時点でビクっとして「驚き過ぎでしょ」と言われたけど。
先生の言葉なんて聞いてなくて、注射されるものだと思ったからビックリしただけなんだけど。

そして、打つ段階で。
なんかね、皮下注射(普通の予防注射の場合)とは痛みの種類が違った。。
こう、深いところで痛い訳ですよ、そして、鈍い痛みなんですよね。
歯の矯正の時の痛みに似てる感じ。
奥の方で鈍く痛くて、なんか気持ち悪くなるような感じ。

で、そうこうしてる内にどんどん痛くなってきまして。
腕を下に普通に垂らしてると腕の重みで痛くて、白衣の前をつかんでる状態でした(=腕の重みの半分を手の握力で支えるから、少し楽)

仕事を終えて帰ってくる頃には更にひどくて。
着替えるのも大変。髪の毛を束ねるのも無理。お鍋を持ち上げることも出来ない。
痛みの種類が私にとっては気持ち悪くなる種類のものだから、更に嫌。
これが後2回もあるのかと思うとちょっと気が滅入る。

Sep 5, 2011

小児腎臓

今日から小児科の腎臓グループです。
私らしいというか、やっぱり初日から緊急さんが。

一人目は休日の間に来ていた子で、何故か腎臓グループで担当することになった子。
だから正確には今日の緊急入院ではないのですが。
股関節炎疑いの子だったんだけど、今日の診察ではイマイチ股関節炎ぽくないんだよね。

症状・所見、そして画像検査的にもソケイ部のリンパ節炎っぽい。
ただ、ソケイ部のリンパ節が腫れるということは、それ以下の部位(脚とか骨盤(尿道、陰部とか))に感染なり炎症があるということ。
それが、見当たらないんですよねぇ。

ということで、明日の朝一に整形外科に再度相談してみることにしました。
元々は股関節炎があって、それによってリンパ節炎が起こっていて、でも今は治癒過程で股関節炎ははっきりしない、っていう可能性があるのかどうか、とか。


二人目は頻回再発型ネフローゼ症候群の子。
ネフローゼ症候群というのは、腎臓からどんどんタンパク質が流れ出てしまう状態。

血液中の蛋白が少なくなります。
そうすると、血漿の膠質浸透圧が低くなります(イメージ的に言うと薄くなっちゃう感じ)
すると、血管の中の水分が周りに逃げてしまう為に浮腫が起こります。
浮腫は脚や顔といった分かりやすい場所、腸管、腹水、胸水、などとして現れます。
血管の中の水分量が少なくなってしまって循環が悪くなることもあります。
さらに、蛋白が少ないことを察知した体は、肝臓にアルブミンという体で作れるタンパク質を合成させます。
肝臓での蛋白合成が高まると、ついでにコレステロールも作られます。
そのため、コレステロールが高くなってしまいます。

という訳で診断基準としては
1。尿蛋白量
成人 3.5g/day以上
学童以下 3.5g/day以上または0.1g/kg/day以上 または 早朝起床時尿300mg/dl以上
2。血中の蛋白量、Alb量
成人ー幼児 蛋白6.0g/dl以下、Alb3.0g/dl以下
乳児 蛋白5.5g/dl以下、Alb2.5g/dl以下
3。コレステロール
成人ー学童 250mg/dl以上
幼児 220mg/dl以上
乳児 200mg/dl以上
4。浮腫
体重増加や浮腫を認めること

で、このうちの1.2が必須。

本日の子は条件は満たしていました。
さらに、今回が5ヶ月の間で再発4回目=頻回再発型
ステロイド治療で寛解した後に漸減中に2週間以内に再発をすることが2回目=ステロイド依依存性

という訳で、診断名は頻回再発ステロイド依存性ネフローゼ症候群。
初日から忙しかったー><

忙しすぎて、新生児の外来に遊びに行けなかったくらい(笑)
(最近、外来に行くことが多いからか、仲良しになった看護士さんたちに「はやたま先生、先生のお父さん(=新生児のS先生)頑張ってるよ。」と言われる。笑)

Sep 4, 2011

内分泌終了

小児内分泌終了。
明日からは小児腎臓です。

とは言ったものの。
あんまり終わりな感覚がない、というのが実際のところ。
こんな感じ初めてかもしれないです。

今までは全く違うところに移動していたので、同じ科の同じ病棟の中での移動っていうのが初めてなんですよね。
(新生児の時は特別だったので終わっちゃうの悲しかったですけどね。)
明日からも今の先生たちとも顔を合わすし、同じ日のカンファなど同じ生活が待ってるんです。

でも、一応一区切りは一区切り。
1ヶ月を振り返ってみます☆

<この1ヶ月で学んだこと>

*内分泌の検査がどういうものなのか
負荷試験だったり、シンチグラムだったり。
どういうことを考えてどういう検査をして、その結果の数字たちをどう解釈するのか。

*マススクリーニングで発見された先天性異常(先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎皮質過形成)の際にその後どうなっていくのか
どうやってフォローされていくのか、どうやって精査されていくのか、何に気をつけなくてはいけないのか、とか。

*内分泌救急のこと
糖尿病ケトアシドーシス、副腎不全、などの対応方法。

*小児の点滴、採血
沢山点滴しまし、沢山採血しました。
新生児の時は、点滴が必要じゃない子たちもいっぱいいたし、ヒールカットの採血の子も沢山だったから。

*プレパレーションの重要性
本当にすごかったです。
点滴から画像検査、薬を飲むことまで。
子供たちに説明して納得してもらって、気持ちを検査に持って行くということがこんなに大切だということを実感しました。

楽しかった1ヶ月でした。
明日から腎臓。夏休みではないから検査入院は少ないかな。
また新生児に遊びに行けるかな。

Sep 1, 2011

急患

ぶぅ。

今日、私が上のM先生に「先生、スライドのチェックお願いします」と言ったところ。
「明日の午後にしよう。」と。

なんで?? わざわざ??
って思ったら、顔に出てたのでしょう。解説してくれました。

「だって、明日の午後は先生やることないでしょ?先生野放しにしてるとまた急患来ちゃうからさ。昨日も暇にしてたらAさん来ちゃったでしょ?」

(昨日は午後にやることがなくなった為、外来に行って急患担当のS先生の外来についてて、急患がすごく多かったこともあり、Aさんの予診と診察、検査オーダーをしたりしてたんです。
その後、Aさんは入院になり、現在私がいる内分泌疾患の患者さんではないものの、たまたま患者さん数が少なかった我々のグループが担当になったのです)


えーーーー><
そんな。。。

でも、確かに先日も別の先生に「上の我々にとっては、はやたま先生が近くにいるということは、急患が来るということだからねぇ」と言われたような。。。


別にね、 私がひいてる訳じゃないんですよ?
そもそも、私が当直してると基本的には患者さんほとんど来なくて寝てられるくらいだし。

日中に関しては、来年から一人で患者さんを診ることが怖くて、なので先生たちが診察してる時に可能な限りいろんな人を診ておこうと思って。
だから、私がいるから急患が来ている訳じゃなくて、いろんな患者さんが来てる時に私がいるだけな訳で。


なんだかなぁ。。
先月の上のS先生にはそういう言われ方をしてこなかったんですよね。
 (S先生はよくひくので、未だにS先生が急患担当の日は可能な限り張り付いてて、昨日もそうだった。)
見学だけでも勉強になるし、予診とか検査とかやれることはやらせてくれるし、私がした診察へのfeedbackもくれて。
しかも、「はやたま先生、いつも良いところに通りがかるよね。ありがとう。」と肯定的に(内心どうかはともかく)とらえてくれてて。


だから、なんか野放しにしてると患者さんが来るとか。
私が近くにいると急患が来ちゃって忙しくなるから嫌だとか。
そうやって言われちゃうと悲しくなっちゃう。

Aug 31, 2011

そけいヘルニア

ソケイ部(本当は漢字があるんだけど、変換されてくれない。。)のヘルニアのこと。
ヘルニアとは、腸が飛び出しちゃってることで、臍ヘルニアなどもあります。
といっても、体の外に腸が飛び出しているわけではなくて、腸を腹腔に納めている膜なり筋肉なりの隙間から腸が飛び出して、皮膚の下にポコっと見える状態になります。

(まぁ、臍ヘルニアはつまりは出ベソみたいな状態で、小さい赤ちゃんだとよくあって、大半はそのまま様子を見ていけば治ります。あんまりに治らない場合は腸が飛び出している所をきゅっと締めちゃう手術をしたりすることもあります)

実はそけいヘルニアを見るの、私は初めてでした。
穴が大きいような子は、押せば戻るし、泣けば出てくるし、という感じになります。
が、穴が小さい子の場合は、相当押し込まないと戻らないですし、どうにも戻らないとか、飛び出した腸がその穴のところできゅっと締められてしまって虚血になってしまうこともあるので、オペとなります。

今日見た子は小児科では戻せなくって、隣の小児外科の先生にお願いして戻してもらいました。
同じ小児を見る科でも、微妙な得意分野の違いがあります。
もちろん、手術をするのは小児外科(なり、泌尿器科とかその他の科で小児を得意としている先生がいれば、その科でもいいですけど)です。
それ以外でも、手術を必要とする可能性のある疾患のことは外科の先生が得意です。

そけいヘルニアもその1つ。
小児科の先生よりも小児外科の先生の方が用手還納は上手でした。
というか、かなーりギュウギュウに押し込んでいて、びっくりしました。

Aug 27, 2011

花火大会

今日は世の中花火大会でにぎわってます。
浴衣のお姉さんたちも沢山いました。

でも、私は当直。。。。

全然見られないなんて嫌!
テレビで見るのもなんかなぁ。

という訳で、大学で一番高い建物の、一番上の階に行ってきました☆
(基本的に、スポーツ観戦とか、花火大会とか、何らかのイベントがあるとその間は救急受診が極度に減ります。終わった途端に増えます。そんな、イベントの間待てるくらいなら、夜の間待ってから昼間くればいいじゃないの?って思いますけど。笑)

それがまぁ、キレイに見えること見えること。

来年も鑑賞場所ここでいいかも?!

Aug 26, 2011

鎮静

小児科医の大事な仕事の一つです。
過不足なく鎮静をすること。
鎮静とは、端的に言うと、寝かせることです。

いろんな検査において、3-4歳以上くらいでは以前書いたプレパレーションなどを用いることで、寝かせなくても検査の協力を得られることが多いですが、それ以下の子供たち、または検査の種類によっては無理です。

そこで必要となるのが、お薬を使って寝かせる=鎮静です。
飲み薬なり、点滴薬なり。

もちろん、過剰な鎮静では呼吸抑制が起こることもあるので、厳重に様子を観察しながら、必要最小限の量を入れていきます。
検査が終わった後も、意識がハッキリするまではきちんと見て行く必要があります。

呼吸抑制が起こらないように、でも検査の間はずっと寝てて安全に検査が出来るように。
小児科医の大事な仕事です。

新生児を回っている時は、哺乳時間を調節して眠くした上で必要であればシロップの薬を用いてMRI検査などをしました。
内分泌に移ってからは、だいたいがプレパレーションによって協力を得られる子たちばっかりだったので、鎮静を見たことはありませんでした。

今週は水曜日と今日と2回ほど鎮静の現場に遭遇しました。
たまたま、今から他科の患者さんの鎮静に行くんだよ、という先生に遭遇したりしたので。
そう、他の科(眼科、耳鼻科、形成、ERなどなど)でも鎮静が必要となると小児科にコンサルテーションが来ます。

小児の点滴・採血が出来ること、小児の診察が出来ること、小児を鎮静できること、小児の病気を診断して、小児の薬を使えること、他の科でもそうだけど、小児科も沢山の特殊スキル(?)が必要なんだなぁと改めて実感しました。

Aug 25, 2011

手術

小さい子たちの手術。
初めて立ち会いました。

先天疾患があって、生まれて早々に手術する子もいます。
(消化管の閉鎖だったり、生命に直接関係する心疾患その他の奇形だったり)

もっと大きい子たちで、虫垂炎や腫瘍などの手術をする子たちもいます。
でも、未就学児で手術する子たちもいます。

心疾患でちょっと大きくなるのを待ってからの手術になった場合。
副耳や口唇裂などの美容的なことでの手術。
口蓋裂、外陰部の形成、などの機能的な問題のことでの手術。
などなどなど。

子供たちの協力がなかなか得られないことで、大変だということがよく分かりました。
そりゃそうだよね、手術なんて大人だってどうなるのか分からなくて不安だし、手術室とか怖いんだもの、子供なんてもっとだよね。

そして、手術に立ち会って思ったこと。
小児の手術をする先生たちは器用だ!!ということ。
当たり前なんですが、小さいんですよね。
とっても細かくて、術野の外側から一生懸命見ている私には、よく分からないくらいでした。

もし可能なのであれば、小児科研修の一環で小児外科を1-2ヶ月回って、術前術後管理その他を学ぶのもいいかもしれない。
と今更ながら思ったはやたまでした。
(というか、つい先日、隣の大学の小児外科の先生にうちに短期間研修に来ない?って誘われたんですよね。小児外科ではなく小児内科にいく場合でも、短期間の研修ってありらしいです。)

Aug 24, 2011

新生児をやることの覚悟

小児のお看取りは辛いです。
新生児のお看取りもとっても辛いです。

NICUではお看取りも当然ながらあります。
それを分かった上で、新生児に進んでもいいかな、とは思っています。
でも、NICUではいろんな問題をはらんでいるんだと改めて考えさせられました。

例えば。
大人の人たちはDNR(do not attempt resuscitation 蘇生をしないでください)という場合もありますが、新生児が心肺停止となった時、普通はfull code(全てを試みる)です。

新生児仮死で生まれて、full codeで蘇生をして助かることも沢山あります。
でも、神経学的その他の後遺症が残った時に、親御さんによっては「なんで助けたんだ」という場合もあるのだそうです。
お母さんとお父さんでの考え方の違いもあるそうです。

大人だと30分程度心肺蘇生をして反応が全くなければ、普通は蘇生中止となる場合が多いです。
でも、新生児に心肺蘇生の中止時間の目安はありません。
ただし、本当に全く反応がない場合は例え自己心拍が再開したとしても予後が厳しかったり、そのまま反応がないこともあるらしいです。


私は今ままでに2回しかお看取りをしたことがありません。
1回は学生の時に脳死の患者さん。
2回目は研修医の時に脳死の患者さん。(ただし、こっちは諸事情で臓器提供とはならなかった)

元担当患者さんの方が亡くなったらしい、という話は聞いたり、ERの初療室で隣の方が亡くなったのを見たことはあります。
身内が亡くなったこともありますし、亡くなったご遺体をみることの恐怖はありません。
だけど、お看取りとか死亡診断書を書くとかはほとんど経験がないです。

学生の時は亡くなっていく患者さんを診ているのが怖くて悲しくて、涙が出ました。
でも、それ以来は患者さんの前では泣かない、って決めて、スタッフステーションで涙を流したことはあるけど患者さんの前で泣いたことはないです。

多分、そのうちいろんな意味で慣れてはいくと思うんだと思います。でも、まだまだ人が亡くなるのは辛いです。
泣かないで冷静にはいられるとは思うけど、多分。多分。

Aug 23, 2011

お母さんとお父さん

先月も思ったことですが、改めて思いました。
お母さんは、妊娠した時からお母さん。
でも、お父さんは子供が生まれて初めて父親ってなんだろう、って考え始める。

上の先生曰く。
お父さんは子供がしゃべれるようになるまたは、あやしたら笑うなどのコミュニケーションが取れるようになって、初めて父親という実感が出てくるのだとか。
その前までは、なんかよく分からない泣いててうんちしてる生き物、的な感覚なお父さんも多いんだとか。

でも、お母さんはそういうことはまずないですよね。
妊娠中も常に赤ちゃんのことを考えて心配したり喜んだり、動いて元気なのを感じながらいて。
やっぱり、自分の中にいるっていうのは大きいんだろうなぁ。

Aug 22, 2011

急変

病棟で急変がありました。
心肺停止。

上の先生たちが小さいその子の周りに集まって、胸骨圧迫やら人工呼吸やら薬剤投与やらを行っていました。
私もとりあえず 現場には行ってみたものの。
(急変時には、とにかく人手が必要な為、多すぎて追い払われるのはともかくとしても、とりあえず現場に行くのが基本です。)

出来ることなんてないんですよね。
胸骨圧迫と人工呼吸の方法は知ってますけど、咄嗟に薬なんて出てこないし。
しかも、大人だと体力勝負の胸骨圧迫は研修医が順番に、ということが多いですが子供だと体力をそんなに使わないからか、上の先生がやってたりする訳で。
患者さんの体格も小さいから、周りに上の先生たちが沢山いたら近寄れないし。

後ろで、必要な薬をシリンジに吸うくらいしか出来ませんでした><
そして、その合間に一生懸命先生たちがやっていることを見ているという。

やっぱり、小児・新生児の急変時の対応が出来るようになりたいな。
 ちゃんと勉強して、咄嗟の時にちゃんと動けるようにならないとな。

Aug 19, 2011

負荷試験

小児の内分泌疾患の検査で非常に重要なものです。

体は、沢山のホルモンで微妙に調節をされています。
視床下部や下垂体からホルモンが放出され、そのホルモンによって甲状腺や副腎皮質とといった内分泌組織から更にホルモンが放出され、というように何段階にも調節がかかってます。

例えば、副腎皮質から出るコルチゾールというホルモンは、ストレスに反応して出てきます。
発熱とか、手術とか、心理的なストレスとか、そういう場合にどばっと出ることで体が耐えられるように調節をしているんです。

で。
いろんな原因でホルモンの調節が出来ない子がいます。
分泌不全だったり、不適切な分泌だったり。
そういうことを調べるのが負荷試験です。

例えば、甲状腺で言えば。
視床下部(頭の中の部分)からTRHという甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されます。
TRHによって、下垂体からTSHという甲状腺刺激ホルモンが分泌されます。
(PRLも分泌されるけど、甲状腺と直接関係しないので省略)
TSHによって、甲状腺からfT3やfT4と言った甲状腺ホルモンが分泌されます。
甲状腺ホルモンが沢山あると、その上のTSHやTRHが抑制される(negative feedback)ことで、分泌量が調節されています。

簡単な感じにすると、こんな感じ。
TRH(視床下部)

TSH(下垂体前葉)

fT3/fT4 (甲状腺)

で、甲状腺ホルモンが足りない、となった時に、この階段状のどこが悪いのか、ということを調べます。
TRH負荷試験と言って、人工的なTRHを体内に入れることで、TSHがどのように反応するのかを調べます。
反応が無ければ下垂体が悪いかなということになりますし、TSHの基礎値が高かったり過剰に反応したりすれば、甲状腺が悪いのかな、ということになります。

もちろん、さらに細かく画像検査その他も行いますけどね。
負荷試験は大事な検査なので、(しかも今は夏休みなので)沢山の内分泌疾患の子たちが入院しています。
連日いろんな負荷試験をしていて、だいぶ慣れてきました。

実際の方法は単純。
点滴の管をキープして、そこから薬を注入し、時間ごとにそこからどんどん採血をしていくだけ。
単なる採血技師さん状態で、検査を行うこと自体は頭を全く使いません。
本領はその後の結果の解釈。まだまだ私には難しくて、教科書とにらめっこしながら結果をまとめる日々です。

Aug 18, 2011

フォローアップ

私が新生児に興味を持っている理由。

*総合診療だから。
内分泌だったり循環器だったりという他のグループの先生、眼科や外科など他の科の先生。
いろんな人に沢山相談しながら、でもその統合というか調節というかを行って行く主治医であって。
その子の全体のコーディネイトをしていく仕事だと思うから。

*その後の経過をフォローアップしていくことが出来るから
もちろん、他のグループだってそうなんです。
ずっとフォローアップしていく必要はあるんです。
ただ、成長発達を診て行くのも好きな私にとっては、入院で診ててその先の成長発達を追って行けるというのは私にとってはかなり魅力的な感じです。



私は研修医だから現在は外来は担当していません。
ただ、新生児の外来は大好きだからちょくちょく(遊びに?見学に?お手伝いに?)行っています。
先月1ヶ月新生児を回っている間にもその後の経過が気になる子たちというのはいました。

今日外来に来た子、他院からの救急搬送された某遺伝疾患を持っている子です。
全く生命予後には影響を与えない疾患であり、体質、と言った方が適切なような疾患ではありますが。
その後の状態が気になっていたら、先生が「来たよ。一緒に診る?」とコールをくれました。

出生直後が一番酷くてその後どんどん良くなる、という教科書的なことは勉強しましたが、実際に患者さんの経過を追って行くことで学べることは多いです。
やっぱり、患者さんをフォローアップしていけるって素敵なことだと思います。
早く外来を出来るようになりたいな。

Aug 17, 2011

耳鼻科

さて。
先週カロリックテストで酷い目にあった私ですが。
検査結果を聞いてきました。

うーんと。
多分、正常。
左向きの眼振は出てましたが、まぁ、病名が付くような(発作性良性頭位変換性めまい症とかね。)感じではなく。
三半規管も右が強く反応はあるもものの両方とも正常範囲内で働いていて。

という訳で、診断は極度にひどい乗り物酔い、となりました。
しかも、治すのって難しいよね。っていう結論。。。。。
でも、訓練のプログラムを考えてくれるらしい。

頑張れ、私。
私の地味な目標。
*電車に不自由無く乗れるようになること。
*救急搬送を出来るようになること。

Aug 16, 2011

緊急カイザー

34週3日、推定体重1800-2000gの子の緊急帝王切開がありました。
私が先月診た子で一番若い子が34週0日、一番小さい子が2050gだったので、診たいなぁって思いまして。
夜中になるかもしれないとは言われていましたが、オペの入室時間が決まったら教えてください、とお願いをしていました。

結局20時過ぎに入室になりまして。出生したのは21時。
そのまま処置も見学していた為、気づけば0時となってしまいました。。
(もちろん、オペに行く前に今の自分の仕事はきっちり終わらせてから行きましたよ。新生児の外来に行く際も然り。仕事を終わらせた上で遊びに行ってるんです。)

今は新生児じゃないので、基本的に見学のみです。
でも、胃管はいれさせてもらいました。
普段は看護師さんがいれてくれるんですが、出来ないとなぁ、って思ったから新生児回ってた頃に一回やったら、肺に入っちゃったんです。

だから、リベンジ。
基本的に新生児は鼻呼吸をしてるので、鼻から入れたら苦しいです。
大人は鼻も大きいし、口なんて邪魔にも程があるので、鼻が基本です。
口から進めて行くと後は本人がごっくんごっくんと飲み込んでくれるので、大人より簡単です。
そして、今回はすんなりと胃に入りました。
入れる深さは、口から耳+耳から臍と心窩部の中央、の長さです。
後は、入院時に撮るレントゲンでついでにばしょも
確認すれば完了。

生まれたての新生児では、胃液は羊水と同義なので、胃液を培養したり、胃液でマイクロバブルテスト(肺の成熟度を見る)をしたりします。
後は、小さい子や呼吸が安定しない子は最初は管から母乳やミルクを入れてあげるので、胃管はけっこう使うんですよね。


1800gは一回り小さかった。
でも、しっかり赤ちゃんで、そんなに小さい!と驚くほどではなかったです。
呼吸も安定しており、状態は良かったです。小さくても立派な子でした。



笑ってしまったことが、私は先月かなり患者さんをひきまして、珍しい症例も多かったです。
ただ、みんな昼間に緊急カイザーだったり転院だったり、状態悪化だったり。
夜遅くにどうのこうのということはなく、最大遅くても23時には帰ってました。

ところが、今月の研修医の先生は全く患者さんをひきません。
入院も今のところ1人とかしかいない状態。
なのに、ひくとなると夜出生で夜中2時までかかるという間の悪さ。

上のS先生に言われました。
「多分はやたま先生だったら昼間のうちにこの子生まれて入院してたよね。(笑)」
私が都合良く患者さんをひくことをよく知ってるからこその先生の発言。

でも、私もそう思う。
内分泌グループになってからも緊急入院がちょいちょいあるけど、みんな昼間。
仕事をさくさくと進めて、新生児に遊びに行けるほど。
この運の良さ、そのままでいて欲しい。

Aug 15, 2011

ライン

私、こう見えて意外と貧血です。

20歳程度まではHb13mg/dlとかだったのが、20歳すぎたくらいから徐々に低下し、今やHb11mg/dl前後。
MCV80弱の小球性少色素性貧血で、おそらくは鉄欠乏性貧血と思われます(笑)

で、体調が悪いなぁと思った時、眼瞼結膜蒼白な時とか、1年に1回くらいヘモグロビンを測定してます。
まぁ、低かったとしてもどうしようもないんですけどね。
生活を多少反省する程度かな。


このたび、久しぶりにHbを測定してみました。
で、どうせ測るなら学生さんに採血の練習をしてもらおうと思いまして。
ルート採血の練習をしてもらいました。
その結果がこちら。
これ、失敗して一日以内程度のものなので、その後さらに大きくなり、その後縮小傾向とはなっております。
真ん中の大きいのが失敗。その上の薄い小さいのが成功。

何が問題って、これ結構な大きさなので目立つんですね。
下手に絆創膏を貼って隠そうとすると余計目立つかな、とそのままにしてあります。

会う先生や患者さんみんなに「どうしたの?!」って聞かれます。
その度に説明するんですが、その度に言われるのが、「傷物になっちゃって」という台詞(笑)

ま、この皮下出血のおかげで、患者さんと「お揃いだねー」って仲良くなったりもしましたけどね(笑)
なんでも、前回の外来時に失敗した痕があるのだそうで。
(断じて、私が失敗した訳ではない。と明言しておこう。)

Aug 12, 2011

プレパレーション

preparation、つまりは準備。
最近の小児科の流行(?)です。
子供たちに、これからどういうことがあるのかをきちんと説明して、納得した上で進めることです。

例えば、点滴をする場合。
外筒を見せて、触ってもらって、こういう柔らかい『ストロー』を血管の中に入れさせてね。
入れるのに少し針の力を借りるけど、頑張れるかな?とか。

MRIだったら、検査室の写真を見せて、こういう筒の中を通る検査をするね。
実際の音の録音を聞いてもらって、こういう音がしてるけどビックリしないでね。とか。

いろんなグッズや写真、場合によっては、実際の検査室を事前に少し見たりとか、そういう風にどういうことが起こるかを納得してもらうことです。

このことで、不安や恐怖心を出来る限り取り除いて、自ら進んでちゃんと検査を受けられるんです。
余計な鎮静とか、無理矢理力づくで押さえて、とかそういうのを減らせます。
Child life specialistといって、こういうことを専門でやっているスタッフもいます。

これって、すごくいいことだと思うんです。
本当にいい子に検査を受けてくれます。
点滴も押さえ込まないでも取れます。すごいです。


ただ、子供たちのストレスは減るかもしれないけど、私にとっては少しストレスが。。。
というのも、子供のストレスを減らすため、点滴をとったり採血をしたりするのにお母さんが一緒の場合が最近のスタイルです。
お母さんの膝の上に座ってもらって行います。

つまり。
私の目の前には怖い顔をしたお母さん(とお父さん)がいる訳で。
まだまだ子供の点滴や採血は練習過程である私にとっては本当に胃が痛い思いをします。

でも、子供たちのため。
頑張ろう、私。

Aug 11, 2011

カロリックテスト

医療関係者なら聞いたことありますでしょうか。
耳の中に冷たい水とか空気を入れて、半規管の機能を見る検査です。

以前にも書きましたが、私はものすごい乗り物酔いをします。
電車もダメで、JRは特に気持ち悪いです。

今までは対して困らずに来ました。
旅行もその前後に薬をがっつり飲んで行けてますし。
病気とも思わず、そういう体質なんだ、という認識のもとで暮らしてきました。

でも、乗り物に乗れないことはかなり不便だということに今更気づきました。
救急車に乗れない。外勤に行けない。

新生児科医になるのであれば、どうしたって、具合の悪い子を迎えに行って、とか送りに行って、とかそういうことがあります。
下手したら2時間赤ちゃんの人工呼吸をしながらとかもあります。


だから、今のままだと困るんです。
乗り物酔いをすることを言い訳に、あの病院行きたくない、救急車乗りたくない、とか言いたくないです。
言い訳しないで、沢山の仕事をして、沢山成長していきたい。

5月に、乗り物酔いを言い訳に、往診の診療所を避けてしまった私が今更何を言ってるのって感じだけど。
でも、この先こうやって乗り物酔いを言い訳にはしたくない。

だから、一念発起して耳鼻科にかかることにしたんです。
極端な乗り物酔いに原因があるのであれば、それを治したいから。
対策があるのであれば、それを実践したいから。

そしたら、今日夕方にめまいの検査をすることになりました。
なんにも考えずに、呼ばれたから時間に外来におりまして。
検査を受け始めて気づいた。

かなーり気持ち悪い。
目の前を棒が次々と動いて行くのを目で追ってみたり。
頭をぐるぐる動かして目の動きを調べたり。
なんとなく気持ち悪いのが始まって、でもそのまま検査を受けた最後の最後。
カロリックテストがありました。

これ、めまいが起こるのが正常なんです。
起こらないということは、体の回転とかを検知する三半規管が動いてないということになりますから。

事前の説明でも、1分とか2分でめまいは収まります、って言われてました。
始まってしばらくして、ものすごくグルグルとめまいが起こり、挙げ句、嘔吐。かなり反応が強くでた方らしいです。

仕事に戻れる状態ではなくなり、慌てて上の先生に連絡。
(しかも、内分泌の先生の番号をまだ登録していなかった為分からず、新生児の先生に伝言を頼んだ為、余計な人にまでご心配ご迷惑をおかけしてしまった。。)

その後2時間寝ても完全には収まらず。
ふらふらしながら病棟に戻ったところを発見され、上の先生がくれた吐き気止めを飲んで少し収まったところで自宅に必死で帰り、酔い止めめまい止め吐き気止め頭痛止めなどを服用し寝ることにしました。

体調はいいのに、医原性に具合を悪くするとか、ホント最悪。
周りに申し訳なくて申し訳なくて、恥ずかしくて。

ここまでしたんだから、何かしらの対策が見つかるといいのだけど。
乗り物酔いを克服して、救急搬送でも、赤ちゃんを迎えに行くんでも、ちゃんと行けるようになりたい。
言い訳して避けて、他の人に代理をお願いして生きて行くワガママ人生はもう嫌だ。

Aug 10, 2011

新生児外来

内分泌グループにうつって早2日。
既にモヤモヤイライラがちょっとたまってたりします。
まぁ、微妙きわまりない不定愁訴の塊みたいな患者さんが一人いて、振り回されているというのが原因って分かってるから、いいといえばいいのですが。

そこで私考えました。
大好きな新生児の外来に行こう。

ということで、本日は朝40分以上早めに出勤し、せっせと仕事をこなし。
午後はほとんどの時間を外来で過ごしました。
もちろん、付いてるのは新生児のS先生の外来。

これが、ホント面白いんです。
赤ちゃんの成長と共にお母さんも成長していくというか。
今のうちに耳学問で沢山学んでおこうというか。

さらに、今日はS先生が急患当番な日なので、ついでに飛び込みで来た患者さんの予診をとったりとかして。
なかなかに有意義で楽しい午後を過ごしました。

やっぱり、好きなことを出来るのは幸せです。
好きなことばっかりをやっている訳にはいかないにせよ、こうやって上手いこと息抜きをしていかないとね。

Aug 9, 2011

新生児ぢゃない

朝起きて、仕事に行くの嫌だったことが一度もなかったこの1ヶ月ちょっと。
今朝、久しぶりに仕事に行くのが嫌だった。
(まぁ、いろんな理由による複合的な気分だけど)
だって、今日から新生児じゃないんだもん。

そんな私だけど、内分泌初日から緊急入院をひくという引きのよさ(笑)
ま、昼間はかなり患者さんをひく私だから、当然といえば当然かもしれないけど。

急性副腎不全というふれこみで来ました。
数少ない内分泌の緊急疾患です。

副腎の機能低下によって、副腎ホルモンが足りなくなってショックになったりすること。
感染などのストレスや、急にステロイドホルモンを止めた時とか、その他。
副腎ホルモンが体内の需要に間に合わなくなった時におこります。

驚きの話としては、副腎ホルモンを作れないような子で、入院した際にお母さんが帰ってしまって寂しくって副腎不全となったという事例があったとか。

少しずつ、少しずつ、小児科の勉強を進めていかないと。
改めて思った。

Aug 8, 2011

緊急カイザー

本日が新生児グループ最終日。
そんな本日、この1ヶ月で初めての緊急カイザーでした。

普通に仕事をしていたら、助産師さんが「先生!今外来で胎児心拍が60に落ちたままな人が来てるって!緊急カイザーで今からオペ室に行くって!」と。
 
ビックリ仰天して、あわてて上のS先生に連絡。
第一報は上記の情報。
第二報で、何週何日で推定体重が何gなのか、お母さんが何歳の人でどういう妊娠経過なのか。

結局、オペ室に行く手前で心拍が戻ったということで、超ではない緊急カイザーとなりました。

このオペにはかなり驚きました。
オペ室に行って、インファントウォーマーなどを準備している間に、「小児科の先生、いいですか?」と産科の先生の確認。

「はい」と答えた直後。
麻酔科の先生の「挿管します」の声が後ろで聞こえました。
その3分後。「おぎゃー」という産声が。

その速さに驚きました。
そうなんです、緊急カイザーって速いんです。
特に、胎児の状態が悪いことが予想されている場合、ものすごい速いんです。

オペ室にそのまま直行できるER用の部屋で。
腰椎麻酔をしている時間がもったいないから、全身麻酔で。
でも、全身麻酔だと時間かけてると赤ちゃんにまで麻酔がかかっちゃうから、麻酔かけたらとにかく最短で赤ちゃんを出してあげる。

ここまでがものすごい速いんです。
結局、赤ちゃんは状態は良好でしたが、SpO2がイマイチ落ち着かないということで入院となりました。

最後の最後に担当した症例。
勉強になりました。とっても。

今月入院で担当したのは24人の赤ちゃん。
入院にならずに退院になる元気な赤ちゃんは何人だろう。
上のS先生が来てから1年半で、入院扱いの赤ちゃんが一番多い月だったらしいです。

一人一人の赤ちゃんみんなに沢山教えてもらった一ヶ月でした。
でも、忙しすぎる訳ではないくらいの忙しさで。
だから、先生たちに丁寧に教えてもらえて、何事初めてで時間がかかる私にもいろんなことを沢山やらせてもらえて。
本当にありがたいと思いました。
ありがとうございました。

Aug 7, 2011

胎児不整脈

っていうのは名前の通り、赤ちゃんがお腹の中にいる間から不整脈があることです。

なんで分かるの??って感じですよね。
エコーで見ていれば、規則正しくトクトクトクと動くはずの心臓がトクトクントクトクという感じで不規則になるのが見えます。

そして、ここから先が私の理解を超えてるのですが。
普通不整脈の診断というのは、心電図をつけることで診断します。
聴診や脈をとれば、脈が不整なのは分かりますが、それがどこ由来なのか(心房なのか、心室なのか)というのは心電図でないと分かりません。

が。
産科の先生たちはすごいです。
お腹の中にいる赤ちゃんのエコーの波形を見て、心房由来なのか心室由来なのかを診断してくれてるんです。
もう、ビックリ。教科書を見てみたものの、イマイチ理解できず、断念。


私が頑張らなくてはいけないのは、生まれた後の子たちの管理。
教科書や文献で調べました。

期外収縮と言って、本来のトクトクというリズムより早く脈が来てしまうトクトトク的な感じになるものは、心奇形などが無ければ、心房由来だろうが心室由来だろうが、基本的には数週間から数ヶ月かけて自然消失する予後良好なものです。
(まぁ、まれにPSVTやVTを起こす子もいないでもないみたいですが)

ということで、心エコーを施行し、奇形がなく予後良好と考えられることを確認。
心電図では、ほとんどがPAC(心房性期外収縮)と判別できました。
ただし、wide QRS(心電図のピコッっていう波の幅が広いタイプ)も1回/分程度で認めており、それがPVC(心室性期外収縮)なのか、変行伝導を伴うPACなのか、block(正常では心房から心室へ電気信号が伝わり、規則正しい収縮を行いますが、それがうまく伝わらない状態)がないのか、などをきちんと評価するために、経食道心電図を施行することとなりました。

なんじゃそりゃ、って感じですよね。
心臓の裏側の電気信号って体の表面からだと拾いにくいです。
そこで、より分かりやすく見る為に、心臓の裏側に心電図の電極を1つ置きたい訳です。
それが、経食道誘導。

実は心臓の(特に左心房の)真裏は食道なのです。
そのため、左心房を細かく評価したい場合は、経食道エコー(胃カメラみたいにエコーを飲んでもらって、食道側からエコーを当てる)を行います。
それと同じ感じで、心電図を取ります。

とは言っても。
実際にやったら大変でした(>_<)
まず、電極を作るのは循環器の先生がやってくれたのですが。
それをごっくんと飲み込ませて。
心電図の波形を見ながら少しずつ位置をずらし、1番大きく見える場所に固定して心電図をとります。

飲み込んでもらって、泣いてるのをあやして寝たタイミングでとる。
って感じで、赤ちゃんのご機嫌をとりながらの検査です。
(まぁ、他の検査でも何事そうですけどね。)

今日の私の大事な仕事は、赤ちゃんが泣かないようにあやしながら電極を移動して1番大きく取れる場所で固定すること。
あやしてごまかしながら検査することにも慣れてきた(笑)

Aug 5, 2011

輸液

前からなんとなくは知っていましたが、奥が深い。
高校生の時に、化学を知らないと輸液困るよ、と生物の先生が言っていたのが記憶に蘇ります。

そう、私化学を勉強したことがないから(という言い訳のもと)、化学記号だけで精いっぱい。
何がアルカリとか酸性とかすら怪しいんですよねぇ。
未だに輸液は苦手です。
量の計算は簡単だからともかく、中身の計算はかなーり必死に頑張ります。
molとかmEqとかgとか、単位が違うだけで涙が出てきます。


とりあえず、一番有名な注意事項が、K(かりうむ)。
人間に必要な電解質(ミネラル)の一つ。
Na(ナトリウム)はほとんどが細胞外にいる(血液の中とか組織液の中とか)のに対し、Kはほとんどが細胞内にいます。
KをIV(静脈注射。点滴のラインから、ぴっと一気に入れること)は心停止を起こすので禁忌ですし、高K血症は致死的です。

その為、特に小児では利尿がつくまで(つまり、尿がよく出るようになるまで)はK free(Kが含まれていない)輸液を用います。
手軽なところではソリタT1とか生理食塩水とか。


ちなみに、量としては。
循環血漿量が足りないと考えられる場合(脱水や出血)の初期輸液は10ml/kg程度。
そしてその後は脱水量+維持量を入れます。

維持量、というのが一日に人間が必要な水分量。
輸液だけで経口摂取なしの場合は、このくらいの水分量は点滴しましょう、っていう量。
0-10kgは4ml/kg
10-20kgは2ml/kg
20kg-は1ml/kg
でざっと計算できます。


今日学んだこと。
複雑型熱性けいれんなど、脳浮腫の危険性がある場合は輸液は少なめで。
糖尿病ケトアシドーシスでは余計な緩衝系(や酸)が入っていない生理食塩水。
幽門肥厚症では胃酸に含まれるHが外に出てしまってアルカローシスに傾く為、HCO3などの緩衝系が含まれているT1は使えない。

今月は新生児(しかも、数日で点滴offに出来そうな元気な子たち)だった為、10%Glu(50ml/kg/day)から始まり、量を10mg/kg/dayずつ増やして徐々にNaを足すだけだったんですよね。

うーん、うーん。
言われれば当たり前のことなんですけどね。
輸液は奥が深いである。
頑張ろう、私。

Aug 4, 2011

紹介状返事

他の病院へ患者さんが行く際には紹介状を書き、持参してもらいます。

紹介状って、患者さん本人はなかなか目にしないものですよね。
今までの経過とか、今後何をお願いするか、などを記載します。

例えばこんな感じ。

『 はやたま 8歳女性
精査加療をよろしくお願いいたします。  # 発熱(上気道炎疑い)
平素よりお世話になっております。患者さんをご紹介させていただきます。
7月29日により37℃台の発熱を主訴に当診療所に来院されました。咳嗽、喀痰を認めていましたが、呼吸音清明であったため、上気道炎と考え、ムコダイン、カロナールによる対症療法で経過観察しておりました。
症状改善を認めず、38℃の発熱となったため8月1日に再診されました。左下肺野にcoarse cracklesを聴取し、WBC:15000/μl、CRP:5.0mg/dlと炎症反応軽度上昇を認めた為、年齢からマイコプラズマ肺炎が疑わしいと考えマクロライド処方としました。
その後も症状改善を認めず、本日(8月4日)には体温40℃、水分摂取困難となり、入院加療の適応と考えられます。
ご多忙中大変恐縮ではありますが、なにとぞよろしくお願いいたします。』

みたいな。
紹介状というのは、私たち研修医もけっこう書きます。
大学病院で見ていて、今後の経過を一般病院やかかりつけ医にお願いする場合など。
今後の外来フォローお願いいたします、みたいな感じの紹介状になります。
で、紹介状を持って患者さんが来院された場合。
それに対して返事を書く訳ですよ。

研修医が紹介状の返事を書く機会って少ないです。
というのも、だいたいが紹介状を受け取るのは外来をやっている上の先生たちだから、返事をするのもその先生たちなので。

という訳で、紹介状の返信なんて書いたことの無いままに研修医2年目に突入してしまいました。
このたび、他院からの転院搬送を受けて、初めて紹介状を受け取るということをしました。
なので、初めて紹介状の返事を書くことに。
何を書けばいいのか分からず、上の先生の指導の元。

患者さんが受診したこと
来院時(入院時)の所見、そこからの診断
行った検査や治療
その後の経過
などを記載し、 本日ようやく郵送できました。

書類ものってけっこう苦手なんですよねぇ。
サマリー(患者さんの今までの経過とか入院時の所見、検査、入院経過などなどをまとめたもの)を書くのだけでもいっぱいっぱいで上の先生に赤ペン先生をしてもらっているというのに。。

そういうことも言っていられないですけど、だんだん書く書類の種類が増えていく気がする。
サマリー、紹介状、紹介状の返事。そして今後増えるのが診断書とか。
少しずつ慣れていかないとね。

Aug 3, 2011

練習

点滴や採血。
当たり前ですが、患者さんで行う前に練習をします。
シュミレーターに始まり、友人の腕、同僚の腕、先生の腕。
そうやって大人の患者さんで初めて採血・点滴を行う訳です。

小児にやってきて早1ヶ月。気づきました。
子供の点滴や採血というのは、子供以外では練習しようがないではないか!
大人の同僚の腕をいくら借りたって、子供みたいな細い血管はありません。
やり方を頭に叩き込み、ある程度ぶっつけ本番状態なんですよね。

採血。
以前書きましたが、新生児であれば、ヒールカットまたは手背。
http://maritsuku-medical.blogspot.com/2011/07/blog-post_12.html

目的が違えば、もしくは全然血管アクセスが無ければ動脈採血。
http://maritsuku-medical.blogspot.com/2011/07/blog-post_18.html

もう少し大きい子であれば、正中静脈(肘の所)を狙います。
全く血管は見えませんが、血管を触れる子もいます。
触れさえしなければ、ある程度解剖学的にここにある、という場所を刺します。

ただし、肘の部分では点滴は出来ません(曲げられなくなっちゃうからね)ので、点滴はほぼ大人くらいに大きくなって腕の血管が出るようになるまでは、けっこう手背で刺します。
腕よりは痛いんですが、固定もしやすいですし、子供でも(新生児でも)比較的血管が見えるので失敗もしにくいです。
 (ちなみに、採血+点滴という場合は針を2回さすのは痛いから、点滴用の針で刺して採血し、その後に点滴をつなぐので、手背のみ刺すことになります)


以上をふまえると。
基本的に新生児から小児にかけては手背でラインが取れることがとっても大事になる訳です。
ですが、そんな練習をできる訳でもないし、そんなに機会がある訳でもない。


そこで、私が考えたこと。
手背で採血する機会を極力多くもつしかないじゃないか!

という訳で、ガスリー(先天代謝異常の検査。全員日齢5前後で採血を行う。0.5ml程度と比較的多めの量が必要で、ヒールカットでもいいけど手背でもいいくらいの量。)を手背でチャレンジすることにしました。
ヒールカットに比べると赤ちゃんにとっての痛みは少ないかもしれないけど、針の値段は高いし、確実性は低いから(ヒールカットは刺せば確実に血は出ますが、手背は血管に当てないと出ない)、もったいないといえばもったいないのだけど。

練習あるのみですもの。
元気な比較的大きな子たちで入らなければ、元気じゃない点滴が必要な子たちには入らないもの。

頑張れ、私。
血管確保の類が出来て喜ぶ時期はいい加減終わらせなくちゃ。

Aug 2, 2011

帝王切開

多分、(今のローテーションで)最後の帝王切開。
蘇生法はさすがにもう頭に入ってるものの、やるやらないの判断がいつも困る私。
もちろん、すごく状態がいい子とか逆にすごく状態が悪い子は迷う余地なしなので、困りません。

私が困っちゃうというかためらうのは、その間の子たち。
少し呼吸が苦しそうかなぁ、少しピンクアップ遅いかなぁ、でも渧泣は強いし筋緊張も良好、心拍も問題ない、というような子たち。

吸引をするのかしないのか。
mask CPAPをするのかしないのか。

たかが吸引、されど吸引。
吸引をやたらとしても、呼吸を抑制してしまったり、咽頭反射や迷走神経反射をひきおこしちゃったりとよくないことだってある訳で。

今日も困っちゃったんですよね。
戸惑った私に上の先生が、吸引しようか、と救いのアドバイスを。

私一人でいたら、多分迷うことなく基本的にはover triageしてover treatmentをすると思うんです。
つまりは、上記のようなためらっちゃう子たちには吸引をすると思うんです。
上の先生といるという安心感から、その間の判断に困ってるんだと思うんです。

私一人で自信を持って判断をしていけるようになるにはまだまだ時間がかかる、改めて実感しました。
こういうことに限らず、自分で判断をしようと努力はします。
その上で、上の先生が自分が思ったのと違う判断をした場合は、その根拠を聞いて、次には自分でも判断できるようにと心がける。
一人前になるにはこの積み重ねなんだろうなぁ。


追記:8月3日
上の先生に褒められました。
下手な後期研修医(3年目から5年目までの、研修医は終わったけど、小児専門医はまだ取れてない医者)よりも優秀、と。

???と思って聞いたところ、初期研修医ならまだしも、後期研修医になったら、ただ結果を伝えるだけじゃなくて(間違っていたとしてもいいから)自分なりにassesmentをして方針を考えるようにしないと、と。
どうも、全然分かってないじゃん私、と思ってたけど、分かろうと考えようとしていた頑張りは伝わったようです。
このまま頑張ろう、うん。

Aug 1, 2011

IC

IC= informed consent
説明と同意とかいう、なんとも言えない日本語に訳されてますが。
患者さんに今の状態を説明して、考えられる治療法について説明することです。

以前、私が新生児黄疸についてのICをさせてもらえた、という話を書きました。
http://maritsuku-medical.blogspot.com/2011/07/ic.html

この1ヶ月で、新生児黄疸の子と低出生体重児だけど元気な子のICはさせてもらえるようになりました。
低出生体重児も黄疸の時と同様、「説明していいよ」って突然言われました(笑)
1回だけ聞いたことがあるだけですけど、、、って言ったけど「はやたま先生1回聞いてれば大丈夫でしょ!」と訳分からない太鼓判を押され、患者さんのご家族の前へ。。。

初回のドキドキ具合ったらなかったけど、今はだいぶ落ち着いてる気がします。
だいぶ上手になってきたし、上の先生に特に補足とかもされることもありません。
進歩している気がして嬉しい限りです。


ちなみに、 低出生体重児の場合。
『小児科のはやたまです。
おめでとうございます。 お子さんはとっても元気な状態ですよ。
ただ、2500g未満の体重で生まれた子は「低出生体重児」という区分になるんですね。
なので、小児科入院にさせていただきます。
入院でないお子さんたちは、生まれた翌日と退院前の2回だけ診察するのですが、入院のお子さんたちは小児科医が毎日診察させていただきます。

小さいことで何が心配なのかというと、血糖の蓄えが少なくて低血糖になりやすかったり。
赤ちゃんは誰でも黄疸になりますが、黄疸が強くなりやすかったり。
お母さんのお腹からでて、初めて自分で呼吸をしなくてはいけなくなるんですが、それがまだ上手に出来なくってはかはかしちゃったりする場合があります。
そういうことが無いことを確認していきますね。

ただ、小児科入院といっても我々が毎日診察に来るだけで、赤ちゃんにはお母さんと同じ部屋で普通に過ごしてもらいますし、このまま元気に順調であればお母さんと同じ日に退院していただけると思います。』

っていうような内容をしゃべります。
新生児黄疸と「元気な」低出生体重児の説明は少しずつ自信がついてきました。
ちゃんとご両親に質問された内容に関してもそれなりの自信をもって答えることができるようになりました。


こういう基本的には元気なお子さんたちのIC、私がさせてもらえるような範囲のICはともかく、そもそも子供のことのICって難しいと思うんです。
本人ではなくて、それこそ目に入れても痛くないような子供のことですから。
言葉遣いを選ぶし、不要な心配はさせたくないけど、手放しに大丈夫と保証できる訳ではない。
もう少し大きな子になったら、本人にも分かりやすい説明をしてあげないとけないし。

その中でもさらに、遺伝する病気や先天的な病気、悪性疾患、後遺症が残るもの、などは難しいと思います。
人生これから、という小児だから。


今日は人生で初めて、そういった先天的な遺伝する病気(ただし、予後良好のもの)のICに立ち会わせてもらいました。
先生の説明の上手さに心底驚きました。

病気の説明。
今後のこと。
心配されること。
安心してよい点。
注意しなくてはいけない点。
遺伝方式。(次のお子さんにどの程度の確率で起こりうるのか)

まじめに、でも重苦しくなく。
心配させすぎず、でも、不用意に不安にはならないように。

説明は難しいですが(ということは、自分ではまだまだまだまだ出来ないということですが)、本当に上手でした。
特に、遺伝を専門にしていう先生の説明は、どういう内容を説明するのかを事前に知っている私が心底ビックリするほど。

うーん。
ま、元気だけど治療が必要になっちゃった子たちのICが第一歩ですからね。
これから少しずつですね。

Jul 30, 2011

糖尿病ケトアシドーシス

インスリンが足りなくて、および、カテコラミンやコルチゾールその他が増えてしまって。
その結果に、高血糖が起こります。
血の濃さが上がるので、高浸透圧になります。
血糖を利用できず、ケトンが産生され、代謝性アシドーシスになります。

こうやって発症して、糖尿病だと分かる場合もあります。
インスリンを打たなかったり、糖尿病のコントロールが悪いとか、感染症が起こって具合が悪い時、ストレス時、などなどなどの契機が誘因となることがあります。

症状としては、全身倦怠感、多飲多尿、腹部症状、意識障害、脱水、などなど。
検査所見では、200mg/dl以上などの高血糖、pH<7.3など、尿中や血中のケトン体が陽性など。

輸液をして、インスリンを少しずつ補充して、というのが基本です。
高血糖を補正して、アシドーシスを補正して、血糖を利用できる状態にして。
その間には電解質の異常(特に、血糖と一緒に細胞の中に取り込まれてしまうので、低K血症とか)が起こることも多々あるので、こまめに血液検査をしていきます。


こういう教科書的なことは知っています。
でも、実際に患者さんを見るのは初めてです。
今日の私の救急当番の時間が終わった後にそういう女児が来るという話を聞いたので、少し待ってて、その子を見てから帰りました。
少しずつでも見たことある、ということを増やさなくちゃ!

Jul 29, 2011

勉強会

新生児の勉強会に参加しました。
関連病院の新生児の先生が集まったり、遠くの病院とはテレビ電話で話したり。
画像もかなりキレイなんですよね。びっくりしちゃうくらい。
そんなシステムを入れてるなんてお金かかってますよねぇ。
使わなきゃ損損!

今日は新生児仮死と晩期循環不全がテーマでした。
新生児仮死の症例は私が発表したんですが、もう自分でも嫌になっちゃうほど、いろいろすっとばした。。。

でも、改めてその子のことを考え直すきっかけになりました。
自分がとった行動が正しかったのか。
正しかったなら、もし少し違ってこうなっていたらどうしたらいいのか。
やっぱり、一つの経験から沢山学んでいかないといけないよね。

Jul 28, 2011

あ、私医者になったんだ

いえね、分かってるんです。
私、研修医とはいっても、医者は医者。
まだ一人で診療は出来ませんけど、医師免許はきちんと持っているので医療行為ができます。

看護士さんたちに「先生」と呼ばれることにも少し慣れてきました。
上の先生に「はやたま先生」と言われることにも違和感を感じなくなってきました。
「はやたまさん」という呼ばれ方をしても全く気にならないですけど(笑)

どうやって診療行為をしていくのか、ということも(まだそんな出来る訳じゃないけど)分かっています。
採血したり、点滴を入れたり、というような手技もだいぶ慣れてきました。

私が医者という職業だということは百も承知。
だって、毎日毎日、医者として仕事してるんですもの。
医者だ、っていうことで「はっ?」って言われる場面を繰り返してますもの。
否が応でも慣れてきます。
 
といっても、自分一人でいろいろと出来る訳じゃないから、頭では分かっているものの「あ、私医者になったんだ」って実感したことはあんまりない。
今日ほど思ったのは初めてかもしれません。

実感したのは、退院前の患者さん(というか、患児のお母さん)が、この子抱っこして、みんなで写真を撮らせてください、って。
で、上の先生が抱っこして、「はやたま先生も!」ってお母さんに言われた私も写真に収まりました。

そういう状況って、ドラマの中とか、ドキュメント番組とかで医者がやっているもの、として見ていたからだと思うんですが、なんかビックリした。
そして、「あー私って医者だったんだなぁ」って思ったはやたまでした。

言い訳

していいですか?

私、先週からミスが多いんです。
集中力が切れてるというか、注意力足りてないというか。
例えば、「先生、○さんの退院オーダー入れてください」とか「○ちゃんの診察ちょっと待って」って言われたら。
いつもなら、ちゃんと出来ます。

でも、先週からの私は明らかにおかしい。
「はい」って無意識に返事はしている(らしい)ものの、言葉は全く頭に入ってない。
だから、「今言ったでしょ!」って看護士さんに起こられる。
でも、私にとっては全く記憶にないの。怖いですよね。この状態。

このままだと何か大きなミスをしそうで怖い。
本当に怖い。


そして、その言い訳。
多分、多分、先週から週の半分が当直になったからだと思うんです。
多分、多分、そこから見当識ないし、そこから仕事っぷりがちょっと変。
もともと突っ込みどころ満載な私だけど、それにしても変。

上の先生も「それだけの当直は無理でしょ」と私の状態分かってるから、けっこうフォローしてくれてる。
カンファの前日は必ず、「明日の準備できてる?」って確認されるし。
「○○は何時ね」と大事なことは確認される。
気づいたら(きっと)私が言われてたであろう指示書の訂正もやってくれてたりする。
まるで私、認知症の人みたいだよね、これ。。。
どうしたら体力と知力と集中力が身に付くのだろう。

Jul 27, 2011

救急搬送

他院からの救急搬送。
この1ヶ月で初めてかも。

小さい訳でも、全身状態が悪い訳でもない子で、新生児科医としてやれることがそんなにある訳ではありません。
どちらかというと、いろんな他科との橋渡しをして、今後の経過を総合的に見ていく、という立ち位置。
でも、そんな立ち位置も嫌いじゃない。
(というか、嫌いじゃなければ新生児科医にはなれないよね、きっと)

この子を退院まで担当することで、多分また大きく学べると思う。
どうやってご両親とお話していくのか、いろんな科との橋渡し。


そして、この子を退院まで担当したいと心底思った私は、来週から私とちょうど入れ違いで新生児グループになる研修医に聞いてみた。
そのまま一週間担当させてくれない?と。
というのも、私は次が内分泌グループで、ちょうどその研修医が今内分泌を回ってるから。

あっさりと許可してくれ、さらに上の先生にも聞いてみてくれた。
OKとのこと。やったね♪

でも、その分再来週はものすごーーーーく忙しいらしいので覚悟します><
来週から少しずつ内分泌の仕事に慣れることをオススメする、と内分泌の先生たちには言われたけど、でも背は腹に変えられない。

Jul 26, 2011

ミルク鎮静

以前の日記にも書きましたが、基本的に赤ちゃんの検査の類は寝てる間に行います。
そして、寝ててもらう為に一番いいのは満腹。
眠くなるようなお薬を使ってもいいんですけど、やっぱり満腹なのが一番。

それを今日心底実感しました。
眠くなる薬を使ってるのに。
それでも検査の途中に口をもぐもぐし始めて。
おしゃぶりで誤摩化してましたが、どうにも大泣きになってしまいまして。

結局60mlのミルクをその場で飲ませたら、巨大なげっぷをした挙げ句、また熟睡(笑)
満腹の威力を心底実感したはやたまでした。
うーん、でもその気持ち分かるなぁ(笑)

Jul 25, 2011

羊水混濁

赤ちゃんはお腹の中では羊水に取り囲まれています。
羊水は、胎盤からも作られますし、赤ちゃんのおしっこも材料となります。

そして、羊水は出産前までは透明な無菌の液体です。
ところが、出産時のストレスなどで赤ちゃんがお腹の中にいる間に胎便(うんち)を出してしまうことがあります。
そうすると、羊水が胎便で汚れてしまって、羊水混濁を起こします。
羊水混濁の原因は他にもありえますが、だいたいは胎便が原因です。


今日初めて羊水混濁の出産に立ち会いました。
破水の時点で羊水混濁があるの分かってたこともあり、吸引の準備もばっちりとして。

心拍、筋緊張は良好で全身状態的にはそこまで悪くなかったんだけど、何回か吸引してもゴロゴロと音がしており、努力呼吸を認めていました。
吸引を何回かして、刺激をして呼吸を頑張ってもらって。
最終的には生後30分程度で呼吸状態落ち着いたため、そのままRoom airで経過観察としました。

ちなみに、現在の新生児蘇生法では、出生時に羊水混濁があるかないかでアルゴリズムは変えず、気道開通の一つとしての吸引をすることとなっています。


いやぁ、羊水混濁があれだけしっかりある子って初めてみました。
完全に胎便だね、これは、というようなどろっとした茶色から緑色の羊水でした。

今月、小児科医として立ち会いをお願いされないお産でも、時間があれば(意外に外来中だったりとか検査中とかだったりしてなかなか時間はとれないんですけどね)お産の現場にいさせてもらおうとしています。
こういう、ちょっとだけ問題があるけど、命に別状はないような新生児蘇生を少しでも今のうちに経験しておかないと!

Jul 24, 2011

見当識障害

見当識とは、時間・場所・人が分かることです。
意識状態の評価の一つとして、見当識の有無を評価します。

で。
最近の私の時間に対する見当識障害けっこうひどいです。
曜日感覚はありませんし、昨日・今日・明日の概念がぐちゃぐちゃです。

昨日午後から昼寝をして起きたら今日の午前3時。気づけば12時間経っていました。
起きた時に暗くて、自分がどこで何をしていたところだったのか、今が何日何曜日の何時なのかが全く分からず、軽く恐怖を感じました。

原因は分かってます。
当直の回数が多いから。
誰でも経験することですが、当直をすると日付感覚狂います。
どこからどこまでが同じ日なのか分からなくなります。

今週、週の半分以上(火曜・水曜・木曜・日曜)が当直だったため、本当に頭の中ぐちゃぐちゃでわけ分かりません。
もちろん、仕事に支障は出しません(出せません?)。

患者さんのことは表にしてやることや評価などを確実にしているので間違うことはありません。
今の誰某ちゃんの状態、などはソラでも言えます。
日付を間違うこともないし、この子が生後何日なのかを間違うこともありません。
明日からミルク増量、とかの指示を間違うこともありません。
昨日酸素切ってから今日にかけて呼吸状態安定している、という時の経過は間違っていません。


でも、患者さんを見ていなくて、ふと気を抜いた時に今自分が時の流れのどこにいるのかが分からなくなる。
目が覚めたときに、今自分がどこにいるのか、遅刻をしているのか(今そこにいていいのか)、何曜日の何時なのか、が分からなくて焦る。
ホント、せん妄を起こす患者さんの気持ちが分かる気がする今日この頃です。


精神衛生上良くないのは分かってます。
でも、どうしたらいいか分からない。
当直の数、今後減る見込みってあるのかな。
初期研修(最初の2年間)が終わったらもっと増えるのかな。
けっこう寝られている当直ではあるけど、やっぱり当直室で気を張って寝ているのは疲れると思う。
寝られない当直が回ってくるようになったらどうなるんだろう。

あまりいろいろ考えずに、今この瞬間のことだけを考えて生きていこうと思います。
だって、今の仕事自体は楽しいんですもの。
ERのwalk in当直さえなければ(とか言っちゃダメかもしれないけど)本当に幸せいっぱいなんですもの。

Jul 22, 2011

驚きの連続

先日、新生児でのA採血の話を書きました。
http://maritsuku-medical.blogspot.com/2011/07/blog-post_18.html

今日突然、私にもA採血の機会が回ってきました。
「こないだ見せた通りに準備してやってごらん」って言ってもらい、私が刺すことに。
ドキドキしながらもちゃんと一発で入りました☆
(まぁ、今日はその前に手背のラインを2回失敗しているので、素直に喜んでいる場合ではないのですが)

大人と違って細いので、入った感覚はあまりなく、血圧も低いので、そんなにドバドバと吹き出す訳でもなかったです。
でも、大人と違って指先の感覚ではなくて、目に見える血管に刺していく分(つまりは上の先生にも見えている状態で刺していくので)、少し気は楽だったかな。

といっても、ドクドクと脈とともに血が出てくるので、けっこう焦っちゃいました><
先生にも「焦らなくていいよ。こぼれても気にしなくていいよ」って言われちゃった。
とにもかくにも、無事A採血が出来てよかった。




そして、その後しばらくして、エレベーターを待っている時に突然上の先生に言われた言葉に目を見張りました。
「はやたま先生優秀だよね。見たことがすぐ出来るよね。」と。
何を言っているのかを理解するのに非常に時間がかかり、3回ぐらい「えっ???」って聞き直しちゃいました。

曰く、いろいろとやるところを1回見せれば次にやる時には出来る、と。
上記A採血のことかと思って問うたところ、「うーん、というよりも、だいたい何でも」と。
その好評価のいかほどがお世辞なのかはともかく、全くそう思っていなければ言わないだろうから、嬉しかった。
本当に本当に嬉しくて、今思い出しても涙が出るかと思うほど。


さらに、夜に病棟の納涼会があって、そこで上の先生がた(といっても、直上のS先生、その上のT先生の2人だけど)が、教授や研修担当の先生に「はやたま先生は新生児科に興味があるそうなので、よろしくおねがいします」って言ってくれていました。

もしかしたら変わるかもしれないけど、学生から今までの気持ちの流れを振り返ってみても、多分変わらない気はする。
やりたいことが定まって来た今、一番引かれるのは新生児科+一般小児科を見られる、ということなので。
さんざんいろいろと考えがグルグルとした上で、結局医学部に入る前からやりたかった医療に戻った感じなので。


という訳で、年明けに行く病院、さらには来年の病院も考えてくれるそうです☆
川口もいいけど、長野とか神奈川とかもおすすめらしい。
やったね♪

Jul 21, 2011

生まれ過ぎー><

朝から帝王切開2件、自然分娩1件。
全て立ち会いが必要な患者さんだったので、新生児科の我々はバタバタです。

朝一のカンファ・回診の前に診察と採血など最小限は済ませておき。
カンファを終えて、回診をして今日の方針や新たな考慮すべきことなどを考慮。
スムーズに朝の回診・方針決定をする為に、朝の診察と採血などが大事なんですよね。
時間がかかるとその後の仕事が押せ押せになってしまって支障を来すので。。

そして、みんなのところを回って、指示を出したらオペ室へ。
帝王切開に立ち会い、その子の診察・入院手続きをしてご家族に説明。
そして次の自然分娩の立ち会い。
そのまま次の帝王切開へと急いで移動。

みんなの診察をしてカルテを書き終える頃には既に2時を回っていました。。
お昼を10分で終わらせ(早食いって良くないよねぇ。)周産期カンファに出て、MRIなど撮影室に下りなくてはいけない検査の付き添いなど。忙しすぎるー!!
でも、新生児楽しすぎるー♪

Jul 20, 2011

三連当中日

今日はwalk in当直です。

最初(にしてほぼ唯一)の症例は発熱6日目の10歳女児。
でもね、実はこの子は当直の先生と診たんじゃないんです。
今のオーベンのS先生、実はとっても患者さんの引きがいい先生です。
当直するたびにものすごーい数の患者さんが来るんですよ(笑)

そんなS先生。
今日の午後は小児科の急患当番だったんです。
(午後に予約外で来た具合の悪い患者さんとかを診る)
で、当直医に引き継ぐ数分前に来たのが上記の患者さん。
結局夜10時くらいまで、最後まで私とS先生で診ることになりました。

私は逆に患者さんの引きが非常に(都合良く)悪いので、夜勤の間はほとんど患者さんが来ません。
日中は興味深い症例が沢山だから、非常に都合いいというか、自分の体力と身の程にあっているというか。
なので、私が今日診た患者さんは上記患者さんと尿管結石の患者さん(すぐに診断もつき、20分ほどでお帰りいただけた)のみ。
私が当直の度に、なんでそんなに患者さん来ないの??ってS先生には不思議がられます(笑)



で、話を戻すと。
上記の患者さんに関しては、本当に勉強になりました。
結論から言うと、肺炎だったんですけどね。
病歴、身体診察、そして検査をして結果を考え、結果を導きだした上で治療を考える。
とても典型的な診療の流れだったんです。
沢山考えて、沢山教えてもらいました。

ちなみに、本日はライン(抗菌剤を点滴する)を1回失敗しました。
失敗原因は分かってます。右手の指で外筒を進めるのが うまく内筒から滑らなくて、そうこうしている間にずれちゃって漏れちゃったんです。
今のタイプの24Gの針は今月から初めて使っているのですが、外筒を進める際の引っかかり部位が他の太さのと比べてちょっと小さい上に、細いから?なのかイマイチ滑りも悪い気がするんですよね。
(とか言い訳をしてみる。でも、ホントこの同じパターンで失敗するのは今月2回目。。慣れたらこれの方が入れやすいらしい。確かに、清潔手袋ではない場合は慣れて来たからか、やりやすい気がする。)

そして、逆側の手で2回目をさせてもらい、ちゃんと入りました。
(血管があまりなくて、逆側の手の血管もつぶしたらもう血管ないんじゃ?S先生に変わってもらった方が良いのでは?って一瞬思ったけど、逆側の手も私が刺して良いって言ってもらえたんです)

そして、昨日私が「ラインを取れて喜ぶ時期は過ぎてていいはず」発言で予想以上にあまりに私が凹んだからか、今日はフォローを入れてくれました(笑)
「元気な学童の血管は弾力がけっこうあるから、24Gの細い針だと弾かれちゃから難しいんだよね」って。


という訳で、今日も小児例を診ることが出来て、当直し甲斐があります。
そして、患者さん来ないから、夜中に万が一来たとしても大丈夫なように早めに寝ておくことにします。おやすみなさーい。

Jul 19, 2011

三連当初日

本日:小児科の副当直
明日:ERのwalk in当直
明後日:小児科の副当直

という、3連直です。
副当直は夜10時過ぎくらいに開放されますが、体力的・精神的にキツイ。
入院のベビーちゃんたちのこと、外来(は見学に毛が生えた程度だけど、私としては勉強になるから行きたい)、帝王切開などの予定がきっちりと日中ある訳で。それを考慮すると。

本日:帝王切開1件+小児科の副当直
明日:ERのwalk in 当直
明後日:帝王切開2件+小児科の副当直
金曜日:帝王切開1件+小児科の納涼会(必須??)
土曜日:休日出勤
日曜日:休日出勤+ERのwalk in 当直

あらまぁ。
なかなかに辛いんですよねぇ。
しかも、今週の帝王切開の子たちは、2000g-2100gとかの子もいるので、ただ立ち会うだけではなくて、小児科で入院管理になると思われるのです。
ERのwalk in当直さえなければ、他は全然問題なくこなせるスケジュールではあるんですけどねぇ。

でも、そんなブルーな3連直の初日の今日。
まず最初に見たのは、42歳のダウン症の方。
点滴する必要がある状態だったのですが、全然血管が見えなくて。。。
でも、ちゃんと1発で入ったんですよ♪

で、次に来たのが2歳の男の子。
この子は発熱があって脱水がある状態で点滴をすることになったんです。
小児の場合、赤ちゃんに限らず手背を考慮していいそうです。確かに、大人と比べて前腕に血管がない。。。
ひー、、と思いながらもちゃんと一発で入った♪

なんだか幸先の良い三連休初日☆


追記)2011年7月20日
点滴が一発で入ったんです!って朝になって新生児でお世話になっている上の先生(S先生)に言ったら、一瞬止まって。
「そろそろライン入って喜ぶ時期は終わっててもいいんだけど」って(真顔で)ばっさりと言われてしまいました。
シュン。。。朝から一度にぺしゃんこな気持ちになっちゃったよ。。

Jul 18, 2011

動脈採血

動脈採血=A採血

大人では、ソケイや橈骨動脈、上腕動脈などで取ります。
自分でも触って脈が分かるところです。
http://maritsuku-medical.blogspot.com/2009/03/blog-post_16.html

新生児ではどこで取るのか。
なななんと、橈骨動脈(手首の脈を取るところ)で取るんだそうなんです。
大人の場合は脈が分かるじゃないですか?えっ、赤ちゃんは??

脈が分かるほどの大きさじゃないし、そもそも細いし深い場所にあるし?
そしたら、手首の裏から光を当てるんだそうなんです。

どういうことかと言うと。
試しに自分で明るい懐中電灯とかで指を照らすと、指全体が赤くなって、血管が濃く見えるのが分かると思います。

同じことを赤ちゃんの手首でやります。
光を手首の裏側から当てて、血管を見つけて。(一応触れたら脈が分からなくはないかなぁ、程度だったので、脈だけを頼りに刺すのは無理だと思う。)
で、見えている動脈に23Gの針を刺します。
血圧と共にドクドクと出てくる血を採血する、と。

今回はあまりにビックリしながら、上の先生が採血してるところを見学してました。
次の機会は私にやらせてもらえるらしい。
しっかり復習して、次回に備えよう。