Pages

Dec 31, 2011

仕事終了

今の病院での仕事は終了しました。思えば、学生の時から3年半ほど、ほぼずっと々病院にいた訳で。

「職場」であると同時に、いえ、それ以上に、沢山学んで、沢山泣いて、沢山の仲間に出会って、そういう空間でした。
山あり谷あり、沢山のことがあったから。

ロッカーを本当に空っぽにした時、なんだか寂しくなりました。
でも、これでまた次に進むんですもの。
1カ月の一般小児をはさみ、その後1年半はNICUでの生活。
みんなに、やばいやばいと言われ、死ぬ前に連絡頂戴とか言われ、やつれてダイエットになるよとか言われ。
でも、頑張ってみる。多分、その1年半を乗り切ったら私また成長できると思うから。

今まで1年9カ月、学生時代を入れて3年半、本当にありがとうございました。

Dec 30, 2011

仕事納め

私、今の病院は本日で勤務終了です。
年明けから1月は某一般病院、2月から再来年の3月だか6月まで別の某一般病院。

というわけで、「年内で異動になるんです」という挨拶をして回っていたところ。
2歳の長期入院中の男の子のお母さんに言われました。
「そっか、寂しくなります。この子、いつも『女の子先生』って先生のこと呼んでて大好きだったんですよ。」
と。今までも女性医師が担当してたことは多々あるけど初めてだ、と。

嬉しかったです。
本当に嬉しかった。

他のグループでもそうだけど、血液グループなんてさらに、私には何もできないのに。
私には何の判断もできないし、決定権もないし、そもそも病気のこととかも難しすぎて細かいことまで理解できてないし。
血液カンファでも頭の中が?マークだらけっていうこともしばしば。
上の先生と患者さんの間の伝書鳩とは言わないまでも、本当に文字通り単なる雑用係状態なはずなのに。
上の先生方におんぶにだっこで過ごしてしまった2カ月なのに。

でも、私を慕ってくれていたというのが嬉しかった。
大丈夫、来月からも私頑張れる。

Dec 29, 2011

最後のwalk in外来

終わりました。
勉強になる日もあったけど、苦手で微妙な日が多かったwalk in外来。
最後の最後は自分のせいで後味悪く終わってしまいました。

頭部外傷の7歳の子がいたんです。
顔面を打っていて、皮下出血もけっこうあって。
軽度嘔気はあったけど神経症状はなく、神経所見もclear、身体所見では顔面の打撲以外明らかなものなし。

頭部CTを撮影して(受傷後1時間半程度)、私の眼には明らかな出血はありませんでした。
「絶対ある」って言われたらここって言うかなぁ?程度のものでした。
少なくとも、神経症状を引き起こしそうなものはなかったんです。

子供の場合、脳震盪を起こすと大人よりも嘔気が強く出て、1日とか1日半程度で軽快していくことがほとんどです。
だから、お母さんと本人にもその旨を説明し、今時点では頭蓋内出血もなさそうだし、脳震盪による嘔気だと思う、と説明。

今時点で出血が認められないからと言っても、後になってから出てくる場合もあるので、今後嘔吐が止まらなくなるとか、手足顔面の動きが悪くなるとか、何か変なことがあれば再診してください、というお話をして、対症療法(吐き気止め)で帰宅としたんです。


そしたら。
その後病院の入り口で嘔吐。診察室に戻して休ませて。
1回の嘔吐程度だったら、そんなにあわてることはないので、そういう説明はしました。
そして、ここで私は夜勤と交代になってしまったため、申し送りをして救急外来を出ました。

が。
そのあと再度嘔吐し計2回嘔吐。
脳外科の先生に相談して再度CT撮影して、少し出血があるのかもね、いずれにせよ症状が強くなってきているし、と1泊の経過観察入院となったそうで。
その後症状は軽快し、フォローアップCTで血腫増大もなく、無事退院。


最初の対応は間違っていないんです。
行った問診内容も診察も過不足ないはず。頭部CTをorderしたのも正しいはず。
頭部CTの読影をもっといろんな先生に(walk inの上の先生には相談して、無いね、って。。)聞いたら違ったのかもしれないけど。
でも、神経症状を起こすものはなかった。

その後に出血したということ?
2回目のCTもフォローアップCTも、どれもえっ?っていう程度の血腫でした。
自分で読影していたら分からないかもしれない程度。
どこで間違えたんだろう?行った診察と検査はあってたはず。
その時点での脳震盪という判断も間違っていないはず。
だと思う。

なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
大事に至らないようなものだったし、結局何もなかったからよいけど。
外傷って怖いね。本当に後から出てくることあるんだね。

Dec 28, 2011

胃腸炎

今、巷では感染症が流行っています。
いや、感染症は流行るから感染症な訳ですが。
それにしても、流行ってます。

その流れが病棟にも押し寄せておりまして。
付添いの保護者が発症、子供も発症、隣の子も発症、みたいな。
親御さんにも、症状がある場合には面会をご遠慮いただいたり、医療者側もstandard precautionを徹底したり、と対策はしていますけどね。
そろそろ落ち着いてきたかなぁ。

で。
胃腸炎とかのウイルスって、アルコール消毒では死なないんです。
だから、手洗いが非常に大切になる訳なんですが。

もともと、一処置一手洗いとは言われていて、一つの処置をする前後で手洗いをすることになっています。
でも、一人診察した後に手洗いをするかと言われれば、感染症の類がない元気な子の場合には、アルコールで済ますことがほとんどです。

が。
感染症が流行っている今、そんなことではダメです。
一処置ごとに、どころか、一人診察して手洗い、アルコール消毒。
そうすると、手洗いの回数がとっても多いわけです。
まるで強迫症か潔癖症かなにかのような勢いで手洗いです。
しかも、さらにアルコールで水分が奪われていく訳で。

どんなにハンドクリームを塗りたくっても足りません。
手はガサガサ、ついに手背がアカギレ状態。
感染対策的には手に傷は作らない方がいいとは思うのですが。。

でも、自分がかかるわけにも、患者さんにうつすわけにもいきませんから、仕方ありません。
早く胃腸炎の類、落ち着かないかしら。

Dec 26, 2011

うがい手洗い

とはよく言いますが。

うがい。
実は水だけのうがいでは風邪の罹患率をさげるけど、イソジンでのうがいでは感染予防にうがいをしない群と有意差はないのだそうです。
そういうRCTがあるのだそうで、まぁびっくり。

 Prevention of upper respiratory tract infection by gargling: a randomized trial.
Am J Prev Med 2005;29:302

 
世の中いろんなstudyがあるね、ということもびっくりだし、イソジンの話もへぇという感じ。

この話をしていたら、某偉い上の先生曰く、20-30分に1回とかそういう感じでうがいしないと意味ないんじゃない? と。
まぁ、確かに。
うがいや手洗いは汚れを洗い流すことが目的です。
だから、手洗いでいえば感染の可能性があるものに触れたときとか、口に入る前とかに洗うのがよいわけです。
確かに、ずっと呼吸はしてるから絶えず喉には何かしかが付着するから、それを洗い流すのならその頻度が必要かも?

うーん。
自分の実感としても、日常生活での感染予防にはうがいよりも手洗いなんですよね。
そのRCTの結果を聞いて納得するとともに、手洗いを徹底しよう、家に帰った時ぐらいは水でうがいをしようかな(study的には1日3回とかだろうけど)、と改めて思いました。

Dec 22, 2011

医局会

っていうのがあって、うちの場合はそこで来年の人事が決まります。
(今年の場合は、発表になる、というのが正しいかも)

事前に内定はもらっていたものの、実際に書面で配られると、なんか異動するっていうことを実感。
働き始めて初めての異動。
なんとなく、気持ちが引き締まるというか。
楽しみさよりも不安が勝ってたかな、今日は。

そして、配られたことで実感する。
私、ここを離れます。(といっても、そこまで遠くないからちょいちょい戻ってくるけど。笑)

2年目になって、初めて同じ場所に半年いて、先生とも看護師さんとも仲良くなってきてとっても働きやすかったから(やっぱり、1-2ヶ月ごとに職場が変わって、先生や看護師さんを一から覚え直して、仕事も全然違うのを覚え直して、っていうのを繰り返すのは正直キツい)、なんか寂しい。
1年半前にはまさか、離れるのを寂しいと思うようになるなんて思いもしなかった。
きっと、次でも楽しく学び多い毎日が待っていることでしょう。
やれるだけやってみよう、私☆

Dec 20, 2011

大掃除

当然、病院でも年末の大掃除はあります。
まぁ、日々掃除はなされていて、週末に床磨きとかもなされていて。

でも、年末だし!って看護師さんたちが時間を見つけてはきれいにして、要らないものを次から次へと捨ててます。
私は午後のほとんどの時間を外来で過ごしているというなんとも言えない研修医なので、外来の大掃除をよく目撃しますが、まぁとっても気持ちがよい。
きれいになるのが目に見えるから。

「◯◯さん、うちもやって欲しいくらいきれい!」って言ったら、「大丈夫!私も家だとこんなにやらないから(笑)」って返って来た。
だよね、分かるその気持ち(笑)

そんな年末の外来。

Dec 17, 2011

生着

生着(せいちゃく)とは、移植したドナーの幹細胞がレシピエントの骨髄に根付くこと。
生着すると、まず白血球の値が上昇してきます。
今までWBC(白血球)<100/μlと振り切れていたものが、上昇してきます。
WBCのうちのNeu(好中球)が3日連続で500/μlを超えた場合に生着と定義します。
順調に生着すれば、そのうち赤血球や血小板など他の血球も作るようになります。
ただ、最初のころは安定していないので、感染を起こしてしまうとか、あまりに強いGVHDが出るとかだと、生着不全になってしまったりもします。

とは言っても、白血球が増えてくると少し安心。

Dec 15, 2011

GVHDとGVL

GVHD = graft versus host disease = 移植片対宿主病
GVL = graft versus leukemia = 移植片対白血病効果

つまり、幹細胞移植をした際に、移植した側(ドナー側)の細胞が、宿主(レシピエント)を攻撃してしまうことがGVHDです。
移植したドナーの血球が、移植されたレシピエントの細胞たちを「異物(非自己)」と見なして攻撃してしまうというものです。
例えば急性GVHDでは、皮膚症状が出たり、肝機能が悪くなったり、消化管症状が出たり、などなどがあります。

と書くとなんだか悪いことみたいですが。
いいこともあるのです。

軽度に起こって、ドナーの血球が、レシピエントの白血病細胞たちを「異物」と見なして攻撃してくれれば、細胞レベルで残存している癌細胞が攻撃されることになる訳です。
例えば、急性骨髄性白血病の患者さんの骨髄に癌細胞が細胞レベルで残っていたとしましょう。
そこにドナーの幹細胞がどどっと移植されてきたら。こそっと残っていた癌細胞は邪魔な異物になる訳で、攻撃しますよね。
これがGVL効果です。

そのため、悪性腫瘍の子の移植の場合、GVHD症状が多少あるかないか程度になるように免疫抑制剤の量を調節します。
(もちろん、急性期は生着することが大事なので、きちんと抑えて、少ししてからこういうことを考えだすということになりますが)
そのくらいであれば、GVL効果にも期待が出来るかな、ということで。

でも、例えば免疫不全などの子の場合、欲しい免疫細胞が作れないことが病気の原因な訳で、悪性細胞がいる訳ではありません。
そのため、ドナーの細胞がレシピエントを攻撃するなんてことはなくて良い訳です。
なので、けっこうしっかりとGVHDを予防していきます。


でも、必ずしもGVHDが強いからGVLが強いとかそういう訳でもなくて。
GVHDで苦しんだけど再発した例もあったり。難しいですねぇ。

血液内科で訳分からずにどばーっっと移植患者さんを担当していた時と比べると、多少の余裕をもって患者さんを担当できているので、一人一人から学ぶことが多いです。

Dec 14, 2011

夏休みボケ

いやはや。
一昨日だって病棟には顔を出してるし、別に旅行に行った訳でもないし。そもそも、たった数日だし。(3日。土日をくっ付けてようやく5日)
でも、夏休みというのは強烈な影響力を持っているようです。

夏休み終了し、今日の朝は早く出勤しました。
数日の間の患者さんの状態を把握すべく、そして、朝の採血の人数もよく分からないので。

そしたら、ちゃんとみんな落ち着いていたみたいで良かったです。
発熱した、とか突然何かあった、みたいなことはなかったみたいで。
極めて申し訳ない、空気読まないタイミングで夏休みを取ってしまったので(申請した時はまさかこういうタイミングだとは知らなかったから、後で事情を知った時には申し訳なさでいっぱいでした><)、一応平穏だったと知って心底安心しました。


が。問題はその後ですよね。
CV採血はやや怪しいわ、クリーンルームの入り方も一瞬考えちゃうわ、夏休みボケが甚だしかったです。

午後もいつも通り外来に遊びにいっていて、たまたま来た急患の子にライン採血をして補液開始して、って言われたのに、それがおぼつかない。。。
ちゃんと生食を選択できたし、ラインの準備はしたんだけど、ラインの固定のテープを忘れるわ、シリンジ持たずに行くわ、分注用の道具も無いわ。

そしてそもそも血管が全然見えなくて2回失敗するという。。。
結局上の先生に代わってもらうという何とも役立たずな研修医でした。
最悪。

確かにもともとラインは得意ではないものの、それ以前の問題も含めて、ここまで出来ないのは申し訳なくて恥ずかしくて。穴があったら入りたかった。ごめんなさい。
明日からは気持ち入れ直して、夏休みボケ解消して、お仕事モードで行きますよ!

Dec 8, 2011

夏休み

を取ります。
明日から。

今さら夏休み、っていうのもなんなのですが、まぁね。
うちの病院は夏休みは3日もらえます。
土日とくっつけても5日。

うかうかしてるとあっという間に終わってしまいますけどね。
医者ってあんまりお休みないんですよね。
完全に労働基準法違反だもん。

週に何十時間も超過勤務(当然残業代なし)して、週に1-2回も当直をして、有給なんてないし、夏休みは3日。
土日祝日年末年始も出勤あるし(当然休日出勤代なし)、いつ突然呼ばれるか分からないし。
でもまぁしょうがないよね。
ちゃんと安定して就職できて給料もらえてるだけよいのかな。

ではでは。
しばしおさらば。

Dec 7, 2011

GER

GER = gastroesophageal reflux = 胃食道逆流

胃に入ったものが食道の方に逆流してきてしまうこと。
大人だとこれによって逆流性食道炎をおこしたりとかで問題になります。
小さい赤ちゃんとかだとこれでそのまま嘔吐してしまうことが問題になったりします。

もともと、赤ちゃんというのは胃の入り口の部分の締まり方がまだ弱いので、逆流しやすく、嘔吐しやすいです。
とはいっても、それが度を越していると嘔吐の量が多くて体重が増えなかったりとか、そういうこともあります。

診断的治療として、内服加療をすることもあります。
より重度であれば、バリウムを使って造影検査をしたりします。

自分で飲んでもらって嚥下機能を評価。
逆流がないかどうか、胃から十二指腸への流れがどうか、腸回転異常がないかどうか、などを評価します。
食道気管婁だったり腸回転異常だったりがないことを確認するのが含まれるあたりが小児科ですよね。

それにしても。
どうして私の某患者さんは食べてくれないのだろう。。。

Dec 3, 2011

風邪ひきました。

いわゆる風邪って相当久しぶりかもしれません。
(それ以外の原因での体調不良は何度かありますけど)
風邪ぐすり飲むの研修医になってから初めてかも。

昨晩当直をしていまして。
夜中に目が覚めた時に喉が痛いことに気づきました。
朝には右耳がものすごく痛い状態になってました。

おそらく、原因はものすごく乾燥している当直室です。
みんなは寒いと言いますが、多分寒さ自体は自分の家の方が寒いくらいだから大丈夫だと思う)
乾燥していると、繊毛(鼻や気道などにあって、よそ者を外に排出しようと動いている小さくて沢山ある毛)の運動が落ちて感染しやすいのだとか。


あまりに痛くって、自分で自分の喉をcheckしたところ、やや赤くやや腫れてました。
でも、真っ赤という感じはなく、白苔などもなし。
耳は自分では見れませんので、同期に見てもらったところ、赤くない、と。
ちなみに、熱は37.1℃とまぁ発熱なし。

以上より、ウイルス性の咽頭炎という判断です。
はぁ。嫌になりますねぇ。
でも、急性中耳炎でないのなら安心して対症療法で自宅療養できます。
(ラッキーなことに、昨日当直、本日昼が病棟当番と小児科副当直、明日がお休み♪)

移植患者さんもいますし、白血球少ない子たちも沢山います。
いくら、咳などがないとは言っても、なんとなく嫌ですよね。。
次に病棟に行くまでに治さないと!

Dec 1, 2011

骨髄移植

以前も書きましたが、移植の中では一番やることは単純です。
手術は要らないし、内科でできる唯一の移植です。
見た目は輸血と同じですから。
実は、骨髄移植の輸注中というよりは、その前後というか白血球がいないことやGVHDなどの方がよっぽどバタバタしたりします。

今日、研修医になってから何回目かの骨髄(または末梢血幹細胞)移植でした。
小児科では担当するのは初めてです。

見た目は輸血と同じと言ったって、やっぱり特別な気持ちですよね。
これで治ってね、という気持ちを込めてつなぎます。
ほぼon diseaseでの移植となった今回。
担当している私も祈る気持ちです。

ご家族の方が、入っていく骨髄(赤いので、点滴の管の中を進んでいくのが分かる)を追って写真を撮っていらっしゃいました。
ご家族の強い願いも届いてくれればと思います。


血管の中に濃い液が入ると、周りから水分を引き込んで(ナメクジに塩をかけると水分が塩の側(ナメクジの外側)に移動してナメクジがへにょってするのと同じで、濃い側に水が移動します)、血管の中の血漿量が増えます。
ということで、血圧が高くならないかな、肺水腫にならないかな、アレルギー反応起きないかな、などに注意しながら、ゆっくりゆっくりと点滴していきます。

お願い。
本当にお願いだから、治ってね。
みんなの願いが届きますように。