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Sep 25, 2015

リン

大人だとあんまりいいイメージがないかもしれませんが。
(コンビニ弁当の保存料にリンが多いから良くない、とか、腎不全の方の場合、リンを排泄できないから、リンの摂取量を少なくしなさい、とか)

未熟な新生児の場合は、リンは非常に非常に大事になります。
早く生まれてくる赤ちゃんたちは、その分、その期間にお母さんからもらうはずだったいろんな物質をもらわずに生まれてきます。

例えば、免疫物質(IgG)は、特に最後の一ヶ月にもらう分が多いので、週数が早い子は免疫システム自体がまだ未熟+母からの免疫も不足します。
なので、RSウイルスの免疫物質(シナジス)も早産のお子さんでは保険適応があって毎月注射します。

例えば、鉄も足りないので、未熟児貧血になるお子さんが多く、鉄剤の内服も行います。


そんな物質の一つ。リン。
リンとカルシウムは骨を作るミネラルです。成長には欠かせません。
足りないと、骨が弱くなります(くる病、未熟児骨減少症など)
新生児の正常値は大人と比べてかなり高めの数値です。

早産低出生体重児のお子さんは、リンの貯蔵量が少ないのです。
なので、早々から補充を開始していきます。
その、リンの製剤も昔は注射剤しかなく(もちろん、注射していいくらいだから、綺麗なんだけど、飲むと激マズなのです)、注入での内服はまだしも、経口は難しかったです。

多くのお子さんは入院中までにリンの補充を完了できて、退院時にはビタミンD(骨を強くするビタミン)の補充のみで良い子が多いのですが、中には退院時にもダメで飲むお子さんもいるので、困りました。
が、これまた最近リンの内服製剤ができたため、前よりも気軽に使えるようになり、ありがたい限りです。
リン補充のハードルがまた一つさがりました。

そして、最近なんだかリンがなぜか非常に足りないお子さんがたて続きました。
なんでだろう??週数もそんなには早くないのに、なのに、なぜかリンが非常に足りない赤ちゃんたち。
少し補充してあげると尿や血液の値がすーっと上がるから、代謝の問題というよりは、本当に貯蔵量が少ないのだとは思いますが。不思議。

Sep 24, 2015

カフェイン

新生児領域では、カフェイン製剤というものを使います。

赤ちゃんたちの呼吸中枢が未熟な場合に、呼吸をお休みしてしまい、呼吸や循環が苦しくなることがある(無呼吸徐脈発作)があるので、呼吸中枢を賦活化するお薬を使うのです。
イメージ的には、眠眠打破を何本か一気飲みするような感じ。。。

でも、赤ちゃんたちはそれでも寝ていますし(睡眠リズムは多少変わるのかもしれませんが)、それで呼吸は保たれてるという。荒療治?

で、いつも思うんですが。
私自身はカフェイン不耐症なので、眠眠打破どころかコーヒーは飲めませんし、緑茶や紅茶も相当薄めて、という状態です。

なので、赤ちゃんたちにカフェインを飲ませながら、気持ち悪くならないかしら?とか思ったりもします。
今のところそんな赤ちゃんを見たことありませんけどね。



そして、最近カフェイン製剤の新しいものが出来てきていて、点滴でも飲み薬でも同じカフェインを使えるようになりました。(今までは、飲み薬はともかく、点滴ではアミノフィリンを使うしかなかったので)
アミノフィリンは中毒域もあるお薬なので、少量で慎重になりますが、カフェインは中毒域と治療域が離れているお薬なので、比較的安全に使えるのでより安心です。

新生児から丸2年遠ざかっていた私なので、カフェインの点滴剤を使うのは実は初めて。
でも、使いやすいですね。上記のように比較的安心して使えるということと、IV(静注)ではなく、div(点滴静注)で使うお薬ですし、再loading(お薬の血中濃度を上げるために、最初の一回目は多めの量を使うのですが、その後の維持量を投与していても少しずつ血中濃度が目減りする子もいるので、どうしても呼吸が保てない場合、他の理由で保てないのではないことを除外して未熟性によるものとなれば、再度初回投与量を投与することがあるのです)もしやすいし。

そして、やはり思うのです。
カフェインで気持ち悪くなる赤ちゃんってなんでいないんだろう?

Sep 6, 2015

小児科専門医試験

受けてきました。
しかも、京都で。

最近、私のお腹が張ってしまうということもあり、荷物を持って新幹線に乗って移動して、というそれがキツくて、家族についてきてもらっての受験となりました。
受験すること自体はいいんですけどね。移動がね。。。
妊婦さんでも人によって状況は違うのでしょうが、今週は仕事がものすごく忙しかった後の移動なこともあり、私にはしんどかったです。

水曜日夜が木曜の午前5時まで帰れないような重症児が生まれ。
3時間だけ仮眠をとって始まった木曜日は痙攣の新生児が転院になり、脳梗塞と判明、木曜もそのまま夜9時まで勤務。
金曜日にはその子たちの管理+入院がさらに、という状態。
のなか、金曜日は夜に京都に移動するため、ギリギリまで働いて、新幹線に飛び乗り京都に真夜中に到着というハードスケジュールでした。
新幹線の途中からは気持ち悪いしお腹は張るし、死んでました。。。

ただでさえ夏以降体調が悪い中での受験だったので、家族には実はかなり心配されていたようで。
最後の最後までカフェで当日漬けしながらの受験でした。



そんな中で始まった試験は二日がかりです。
初日は筆記試験、二日目は面接試験。

いやー、なんとかなったと信じます。
筆記の前半は、山を張ったところが当たり、直前に見てたところがそのまま出た問題が何個も。やったね♪

と思っていたら、筆記の後半の写真問題は難しかったです。
ん???みたいな感じで頭の中にはてなマークが飛び交ってました。
なんとか心折れずに終了。合計で合格点に達していると信じよう。

多かったのは代謝と神経でした。
病名がたくさん並んでて、病歴が書いてあって病名を選ぶやつとかも代謝と神経でしたし。
あとは、社会的緊急事態、出ました(笑)
病名見たことある、程度のものも当然ながら、聞いたことすらないような病気もあって勉強不足を痛感。

得意分野の新生児や循環器は比較的分かりやすい問題が多かったと思います。
分娩外傷についてとか、左心系に負荷がくる心疾患はどれか、とか。

でも、山も当たった今年受からなかったら、来年はどうしたらよいのだろうね。
ということは、今年受かってるのかな。

2日目の面接は、大きくなってきたお腹を抱え、グレーのワンピースに前の閉まらないスーツの上着を羽織る、という格好。
しかも、手を空けるために最近ずっと使ってる斜めがけ鞄。。。
事情が事情だから、格好で減点しないと信じます。

聞かれたことは、ご家族への説明内容が主でした。
喘息の子のご両親への退院後の指導や、ITPの子のワクチンの説明内容とか。
IC力を問われているのかな?思うがままに答えてみました。

しかも、はるか昔の症例なので細かいこと覚えてなくて、既往歴の喘息がいつ発症したものかとか記憶なくて、前の担当医の時なので1年前とかだと思いますが…、みたいな。
赤いハンコと青いハンコが置いてあって、青い方を押してもらえたからきっと大丈夫と信じてます。


これで、今年の仕事上の大きなイベントはおおむね終了です。
大学への異動、遺伝学会、IBCLC試験、専門医試験。

今年の秋の新生児成育医療学会は岩手なので、さすがに35週ですし一人で行くのは怖いので、やめました。
33週の医師のための母乳育児支援セミナーも京都なので、断念。
あとは、1月に母乳育児支援の勉強会とNCPRアップデートに行きたいな、と企んでいるくらいでしょうか。

後2ヶ月無事に日々の仕事をして、産前産後の休暇に入ります。
年明けには復帰しますけど(^_^;)

TTTS

双体間輸血症候群。


この度、早産のTTTSの子が入院になりました。
この子たちが具合が悪いとわかったきっかけは母。母はすごい。
胎動が普段より少ない、動かない、と気づいて病院を受診したら、2人とも具合が悪く、搬送となり緊急帝王切開で生まれました。


双体間輸血症候群。
片方の子から、もう片方の子に、血液がいってしまう状況。
MD twinでリスクです。

供血児は貧血に、受血児は多血になります。
慢性的になると、供血児は羊水過少に、受血児は羊水過多になります。


実は、これだけ具合が悪いTTTSの子たちを見るのは初めて。
改めて、双子ちゃんの管理の難しさを痛感しました。