Pages

May 29, 2012

プロフェッショナル

って何だろう、って最近すごく思う。
上手く言葉で表現できないけど、プロだなって思う先輩もいれば、プロじゃないって思う先輩もいる。

・どんな時でも常に自分の仕事に対して責任を持って最後まで行う
・しっかり勉強をしていて、知識と経験に裏打ちされた自信がある
・気働きが出来て、周りに対して良い影響を及ぼしていて、上昇気流を作ることが出来る

これらは、私の目指してることがらでもある。
でも、これらはプロフェッショナルの必要条件であり、十分条件ではない。

プロフェッショナルになりたい。

May 27, 2012

週末当直

先週末は土曜日当直でした。
今私が働いているところでは、当直制度になっています。
土曜日は当直の人、金曜日が当直の当直あけの人に加え、残りの半数が出勤。
日曜祝日は、当直の人と当直あけの人の2人体制です。

土曜日の当直に当たると、土曜日の朝から日曜日の午後仕事が終わるまでだから、週末どころではなくなりますが、その分、そのおかげで週末のどちらかがお休みの週がほとんどです。

さて。
4月から当直が始まった私ですが、5月から週末当直も始まり、先週末がついに初めての土曜日当直でした。
先輩たちは、土曜日当直は週末のお休みが無いことになるから辛い、という話をしていましたが。私はむしろ、寂しくて心細くて、そっちが辛かったです(;_;)
でも、お休みするため、って思えるから頑張れます(笑)

当直中、医者は私一人しかいませんから、NICUの中から出るのはけっこう怖いです。
医師控え室も当直室も、着替える場所も、全部全部同じ空間にありますし、基本的には出ません。

そんな当直中。
患者さんたちがいる病棟を離れ、すぐ隣にある医師控え室に戻ったら。
誰もいないはずだったのに、先輩先生がPCを前に仕事をしていました。

先生を見た瞬間、何故か涙が止まらなくなった。
理由は自分でもはっきりは分からない。
先輩は、緊張して当直をしてて、その糸が切れたからだって認識していたみたいだけど。
多分、違う。というよりも、多分、ホッとしただけではない。

先輩の顔を見た瞬間に泣き出した私をみて、 「何かあった?」ってかなり驚いた顔をされました(そりゃそうか。笑)
涙が止まらないながらも、患者さんの状態は説明をして、アドバイスをもらい。
やっぱり自分にまだまだ自信はないから、些細なことでも先輩に「それでいいんじゃない?」と言ってもらえると安心する。

その後、そのまま涙が止まらない私の話を結局小一時間くらい(?)聞いてくれました。
辛いこと、シンドイこと、周りに振り回されてしまっている感じが強いこと、つぶれそうなこと、頑張りたいと思っていること、成長したいと思っていること、でも不安でいっぱいなこと。

先輩も私もそれぞれ机に向かいながらなので背中合わせで話をしていたのですが。
知っていました。先輩が作っていた表がその1時間で全く変わっていなかったことを。
知っていました。先輩が背中越しにも私の様子を非常に気にしてくれていたことを。

泣くだけ泣いて、話すだけ話して、いろんな言葉ももらい。
上の先生たちが私を気にしてくれているのは分かっていましたが、こんなにも考えていてくれていたということに驚いて、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

今の私、余裕がないんです。いっぱいいっぱい。だから、上の先生たちのオーラや気持ちにそのまま引きずられて負けてしまって、苦しくなったり悲しくなったり辛くなったりしてしまう。今の職場の環境がちょっと特殊な状態というのもあるけど、NICU希望の私だけど、あの中で自分の芯をしっかり持って、前向きに、責任を持って、考えながら、成長して研修をしていくというのは難しい気がするのです。
でも、そんな今の職場だけど、こうなりたい!っていう先生は当然ながらいる訳で。その先生に指導してもらいたいとも思うし。そして、その先生がとっても頑張っているのも分かってるから、頑張ろうとも思えるし。
楽天的すぎる部分もあるのだとは思う。そんな私を見て、上の先生たちがあーあ、って思うのも分からなくはない。辛気くさい顔はしたくないけど、ちゃんと最悪のことまで想定して動けるようになりたい。
でも、言いたいことを上手くは伝えられなかったけど、それでも少し気持ちの整理はついたかな。また頑張れるかな。

そして結局、小一時間話してた時に、産婦人科当直の先生から電話があり、緊急帝王切開が告げられ、涙はいっぺんに止まり、でも腫れて赤い目のまま、先輩を巻き込んで入院の準備をしてオペ室に行きましたけどね;;

May 21, 2012

「若い」赤ちゃん

よく考えると、不思議な言い方ですよね。
私、初めて「若い」超未ちゃん(体重1000g未満の超低出生体重児)を担当しています。

超未ちゃんたちには、2タイプいます。
28週や30週など週数は進んでいるのだけど、週数の割に体重が軽い(FGR:胎児発育遅延)タイプ。
そして、週数相当に成長はしているのだけど、24週などそもそも週数が浅いタイプ。
もちろん、週数が浅い場合の方がいろんな合併症のリスクは高いし、全身管理は大変です。

私が今まで担当してきた超未ちゃんたちは週数の割に体重が軽い子たちばっかりでした。
そして、この度初めて23週400g台という「若い」超未ちゃんを担当することになりました。

挿管以外のほぼいろんなことをやらせていただきました。
今まで担当した一番若い28週の子の時には皮膚のぷよぷよさで上手く出来なかった末梢ラインも、23週という今回は一発で入った。
初めての臍カテ(臍の緒を切ったところからカテーテルを挿入する)もスムーズに入れられた。
肺にサーファクタント(肺を膨らませてあげる為の薬)投与したし、尿カテも入れた。
エコーも12分で一通り終わった(本当は目標10分以内だったんだけど、初めて見た23週の脳があまりに見慣れない状態だったので、上の先生にも見てもらったりしたら時間がかかってしまった><)

点滴を決めたり、今後必要になる点滴の(というより、明日にかけて起こってくる高Kに対するGI療法の)細かい計算もちゃんと出来た。
初めての「若い」超未ちゃんだけど、事前に予習はしてたから、やってることも注意しなくちゃいけないことも何となくは分かってたから、すごくすんなりと頭に入って来た。
やっぱり予習復習って大事。


「若い」超未ちゃんだと、特に出生後72時間の経過が重要です。
頑張って沢山学びたいのはもちろん、今の私の目標。
IVH(脳室内出血)などの合併症を起こさせない。極力元気な状態でご両親に受け入れてもらえて沢山の愛情を注いでもらえるような退院に結びつけたい。
頑張ります。

May 20, 2012

輸血製剤

輸血。赤血球だったり血小板だったり、血漿だったり。
血液製剤。アルブミンだったり、手術時に使う凝固のだったり。

輸血にだって副作用や合併症がありますから、気軽に、という訳ではないですが、必要と思えばためらい無くオーダーします。
そして、オーダーすれば私たち医師は特に苦労しなくても製剤が届きます。

当たり前のことながら、輸血の血液は人工的には作れません。
製剤の後ろには、献血をしてくれている人がいます。

人の為になるから、なんていう立派な理由からではないけど、献血は極力しています。
16歳からは貧血チェックも兼ねて定期的に行っていました。
20歳から25歳までは自分の貧血がひどくなってしまい、献血できず。
25歳を過ぎてからは、自分で血液製剤のオーダーをするようになり、けっこうな量の輸血製剤を使用していることもあり、再度献血を始め今日で15回目。


本日は成分献血でPC10単位(血小板)とAlb製剤となる余剰血漿を献血してきました。

私、医療関係者ながら、自分に針が刺されるところが見れない人なんです(笑)
だから、採血も注射も献血も、直視できません。
献血中は腕にタオルを掛けて見えないようにしてもらいます。

針が抜かれた後に(安心して)振り返ったら、黄色い袋が2つ(PCと余剰血漿)が出来てました。
最近の私の血液データがイマイチで取れなかったため、血小板献血は久しぶり。
つまりは袋が2つということが久々でビックリしました。
思わず、「これって10単位の血小板ですか?」って聞いちゃったら、「あら、関係者ですか?」って聞き返された(笑)

そして、看護師のお姉さんが教えてくれました。
「お医者さんなんですね。じゃあ楽しみですね。(お姉さんに職場の場所とかは言ってないから、多分、オーダーして自分の血液が届いたら、ということだと思う。)
血液製剤の色が血液型によって違うのはご存知ですよね?血液型表記の後の2桁の番号が東京、その後の2桁が献血センターの番号なんですよ。今度輸血製剤を見る時に気にしてみてくださいね。」



ちなみに。
輸血製剤は基本的に、献血された都道府県でしか使えません。
東京はみんなが献血に来てくれるから輸血製剤は他府県と比べればまだ比較的大丈夫。
でも、周囲の県は病院や医療者が足りないのもさることながら、輸血製剤も足りないんです。
例えば、埼玉や千葉に住んでいても、東京で献血するでしょ?(特に、高齢者ではなくて比較的若い人が献血する訳だから)
でも、埼玉や千葉の病院でも血液は使われるんです。足りないんです。

どうしても足りない場合どうするのか。
血液が県内にないから輸血出来ません、では患者さんの命に関わります。
県内の献血センターなどで一生懸命集めるのもそうなんだけど、どうしても足りなければ都から売ってもらうことになります。


私が日々見ている血液、都内の病院だったときは当然ながら、都から外れた今でもけっこう最初の番号が01なこともある気がするのです。
今度から気にしてみます。

そして、「売って」もらうという事実を知った今、いつもの都内の献血センターではなく、病院の近くでも献血をしてみようかな、とも思っています。
特に、血小板は有効期限が4日しかないから製剤厳しいだろうし。

皆様、体が許すのであれば、是非献血にご協力ください。
そして、都以外に住んでいるのであれば、その府県でもぜひご協力ください。

May 18, 2012

先輩先生からの指導②

研修医ではなく医師になったことで変わったことの一つが、責任が大きくなったということ。
頭では分かっていますし、確かにそういう実感もあります。
ただ、まだまだどうしても研修医体質が抜けていないんです。

研修医の時よりも。
自分で判断することも増えた。
検査・治療方針を決めることも増えた。
ご家族への説明などを自分だけですることも増えた。
自分一人で行う手技も増えた。
他科の先生と一人で直にお話をしていくことも増えた。
患者さんの将来について真剣に考えるようにもなってる。

なんですが。
今日、上の先生に言われたことで自分の仕事に対する責任感が足りていないことを気付かされました。

自分で責任を持って判断をすることが出来ていなかった。
つい、上の先生に聞いてしまうし、答えをもらうと(自分の頭で納得はするものの、半ば鵜呑みに)その通り実行してしまう。
特に問題として上がってはいなくても、患者さんにとってより良いことがないのかを考えて(場合によっては調べて)いくことが足りていない。

今日もつい上の先生に聞いたんです。
そしたら、返って来た答えが「もう研修医じゃないんだから、自分で考えて自分の責任でやっていかないと。(…以下略。)」と。

先生に言われたことが、あまりに図星で涙が出そうなくらい悲しかったです。
というのも、先日ちょいと悩んだことそのままだったから。
どうやって一人前になっていくか、どうやって考える力を身につけて行くか、つまりはどうやって勉強・成長していくか、ということ。

でも、あまりに図星で悲しくなったけど、自分の日々の姿勢のダメさを指摘してもらえて、良かったって思います。
うん、そうやって成長していくんだ。

May 17, 2012

先輩先生からの指導①

私、お話が苦手です。
いえ、無口ではないんです。全く。
ただ、人に何かを説明すること、しかも、説明して納得してもらって、必要な注意事項は納得してもらいながらも、不要な心配をせず安心してもらう、っていうのが苦手なんです。

多分、研修医だった2年間、あんまり自分で説明をしてこなかったというのも一因ですが、いかんせん、元々プライベートでも伝えたいことを上手に伝えることが苦手なんですよね。

でね、今の私の課題の1つがご家族にお話をすることなんです。
研修医ではなく医師になったことですし、いろんな話を自分自身でしていく機会がぐーーーっと増えました。(これでも、今いるのがNICUだから、私の外来枠がまだ無いから他の同期と比べると遥かに少ないのだけど。汗)

今日、上の先生が私の説明を聞いていてくれて、私の説明にダメ出しをくれました。
今日教えてもらったポイントは、ゴールを伝えてあげること。
私が言っていることは正しいのだけど、そのままだと先が見えてこないから、いつまで頑張ればいいのか、というゴールを示してあげることが大切だよ、と。

なるほど。
確かに、私自身も日々のことで先が見えないと非常にもやっとします。
いつまでどう頑張ればいいのか、次の目安は何なのか、各々の患者さんが目指す先はどこなのか、ということが分かっていると、すっきりと頑張れます。


<今年の私の目標 その1>
患者さん(のご家族)への説明を上手になる!


分かりやすく、過不足のない心配をしてもらい、納得して安心してもらう説明を出来るようになりたい。
その為には、説明する内容を自分がしっかり理解していることはもちろんながら、ご家族が何を必要としているのかという先々のことも考えられるようになりたい。


ちなみに。
説明が苦手な私がその代わりに得意なことが、絵などを入れた説明用の用紙を作ること。
これに関しては、まあまあだと思う。(自画自賛?笑)
なので、併せて言葉も上手になりたいのです。
こればっかりは、場数を踏んで試行錯誤していくしかない。

May 11, 2012

完全な人

とある親御さんの発言に私、衝撃を受けました。
いろんな事情が絡まっている中で、このたった一言を取り上げてしまうと、文脈も何も無いから、印象がまた違うとは思うんですけど。

「不完全な子」

外国の方だったので、不完全=病気がある子、という意味合いだったのだとは思います。
それでも、「不完全な子」という言葉がショックでした。

毎日診ている子たち。担当している子たち。
いろんな問題を抱えながらも頑張ってたり、小さく生まれて大きく成長してきてたり、成長とともに少しずついろんなことが出来るようになってきてたり。
そういう子たちを不完全って言われてしまった気がしたからかもしれません。
悲しかった。

この話を回診でしたとき、上の先生が言った一言に救われた気がしました。
「『じゃあ、あなたは完全なんですか?』って言い返したい。」

赤ちゃんのことばっかり頭にあったけど、そうですよね。
「完全な人」なんていないもん。
ダメなところも、出来ないことも、沢山あるもん。


元気な赤ちゃんに生まれて来てほしい。
それはご家族、医療者、誰であっても誰しもが思うことだと思います。
そもそも、(赤ちゃんに限らず子供も大人も)我々の医療者に会う必要がなく生活出来てる方が幸せだとも思います。

早産になりそう、とか、赤ちゃんに病気がある、って分かった時の気持ちは推し量れないくらいのものだろうとは思うんです。
今の現状を受け入れがたいとも思うし、 気持ちも体も辛いとも思うんです。
いろんな人がいろんな考え方をしてるのも分かるんです。
それでも、衝撃でした。
少しでも元気に生まれてきますように。
ご両親に沢山の愛情を注いでもらえますように。

May 10, 2012

眼科

早産、低出生体重児で生まれた子たちは、いろんな部分が未熟で生まれてきます。

その一つが、眼。
眼の奥には、カメラで言うところのフィルムに当たる部分、見えている画像を写す網膜という膜があります。
網膜を栄養する血管の発達が未熟なままで生まれてくるのです。

しかし、体の外に出てしまうと血管が上手く育たないことがあります。
そもそもお腹の中と比べると生まれた後は酸素濃度が高い為に血管が攣縮しやすいこと、蘇生などで酸素が必要となることが多いことも原因と言われています。

しかし、血管がうまく育たないと、それを補おうと、細い弱い血管が出来てきます。
この血管、もろい為に出血を起こしてしまうこともある上に、血管の周囲の増殖組織が増えてくると、網膜剥離(網膜がはがれてしまい、見えなくなる)を起こすこともあります。


そのため、血管がしっかりと正しく伸びてくるかというのを眼科の先生たちにチェックしてもらう必要があります。
でもでも、大人にとっても眼を開けたままにして眼を見てもらうというのはなかなかのストレス。
赤ちゃんたちにとっては、とーってもストレス。
呼吸をお休みしてしまったり、反射で脈がゆっくりになってしまったり。
検査中もそうですが、検査後の夜も影響が残っており、具合が悪くなる赤ちゃんがいます。

でね。
私、諸事情により、眼科診察がある曜日に当直があることが多いんです><
もう、赤ちゃんたちを応援するしかないですよね。。昨晩は関係あるのか無いのか、夜中に具合が微妙に悪くなる子たちがチラホラ。
うぐぐ。

May 7, 2012

OFF&ON

ONを頑張る為にはOFFの過ごし方が大事だということを実感しました。
こんなに実感したこと無いかもしれません。

私は今、社会人3年目です。
今の職場では一番の下で、昨日までは一番の新入りでした。

そんな中。
なんと、私のゴールデンウィークはあり得ないことに、暦通りでした。
連休をもらえたんです。一番驚いたのは私自身。
嬉しさよりも何よりも、本当に驚きました。

当直の名前が記載されているカレンダーに私の名前が無いことは気付いてました。
ただ、いつも、土曜日は半分出勤半分お休み、みたいな感じで後で名前が書かれるので、連休中のどこかに私の名前が書かれるんだろう、ってなんとなく思ってたんです。

2日になっても私の名前はなく、どうしたものか、と上の先生たちに聞いたところ、休め、と。
休める時に休んだ方がいいよ。せっかくなんだから楽しんでおいで。出かけるもよし、引きこもるもよし。日頃頑張ってるの分かってて、だからI先生(当直表を作ってくれている上の先生)も外したんだと思うよ。病院来たらダメだからね。連休明けからまた頑張ればいいんだから。
いろんな言葉を先輩たちに言われました。

お言葉に甘え、完全に連休を頂きました。
連休中、会いたかった人に会いにいき、出かけたかったところに出かけ、美味しい物を食べ、友人の結婚を祝い。
まるで普通のOLさんのような、本当に自由な4日を過ごして。

4日目の昨日気付きました。
全然気持ちが違うんです。
今までにないくらい前向きで、やる気にあふれていた。
こんな爽やかな、でも気負わない気持ちで仕事を出来るってすごいな。
これからも、週末とかのOFFは充実させよう、って思いました。
そして、仕事の時は仕事を頑張る。
OFFとONって大事!!