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Sep 27, 2010

女医さんの宿命

として、看護士とうまく折り合いをつけて、仲良く仕事をする、という難しい命題があります。

女性は女性に厳しい訳で。
特に男性医師とは仲良くしておくと得な訳で。
気持ちは分からなくないんですけどね。

男性研修医と女性研修医で態度が違うと疲れますよね。


でも、いじめられるよーと言われて覚悟してたほどにいじめられていません。
というか、今の病棟ではむしろやはら高評価なくらいです。

多分、言われたことはすぐ対応するし、彼女たちの仕事を優先して私は待つし、患者さん教育の工夫をいろいろやるし、看護士さん達の意見を尊重するからだとは思いますが。
それにしても、いじめられずに受け入れてもらって仕事をするというのはやりやすい。

この先もこうだといいのだけど、、、
多分厳しいだろうなぁ。。

Sep 26, 2010

血管確保

血管確保。
採血なりライン確保なり。
難しい人はホント難しいです。

血管が深いところを通っている人や太った人、動脈硬化が進んでて血管が硬い人や高齢者で血管が動く人、小さい子も難しいです。

採血はまだいいんです。
肘のところだろうがどこだろうが、刺さればいいから。
でも、ライン(点滴)となると話は大変です。
肘など関節近くでは曲がってしまうからダメですし。
ある程度以上の太さがないと点滴落ちないし。

どちらにしても、血管確保の最大のポイントは、血管を見つけること。
指す技術より探す技術が大事です。

血管がどこを走っているかを知っておき、その線上をくまなく探す。
で、太さがまあまあで真っ直ぐな部分がそれなりにあるところ(針がきちんとおさまるためには、少し直線部分が必要)を探す。

って書くと簡単なんですけどね。
老年病内科の患者さんたちは、糖尿病あり、高血圧あり、動脈硬化あり、で血管がボロボロな人が多くて困っちゃいます。

自信を持って刺せる場所を探すのが鉄則とはいえ、難しいです。

Sep 23, 2010

向き不向き

学生時代から含め、いろんな科を回っていると徐々に自分の向き不向きや、やらたい方向性が見えてきます。

まず、私は患者さんを相手にしたいです。
だから、病理や放射線科はあまりやりたいとは思いません。
また、私はオペが苦手であり、さらに、人の話をしっかり聞きたいので外科系はあまり向かないです。

とか言ってると、あっという間に、残るは内科か小児科か?
さらに、私は急変ばかりでバタバタしているところより、多分だけど、人としっかり向き合える科が向いているんだと思います。

さらには、generalに診たい。
『それは専門外だから知らなーい。私はこの臓器しか興味ないです。』ではなくて、きちんと患者さんは患者さんとして全体を診たいです。

ずっと、子供が好きだから小児科、と漠然と考えてましたが、最近ライフワークとして何をやっていきたいかを考えるようになりました。
改めて考えてみても、一般小児科医または一般内科医が私にはいいのだろうと思います。

まぁ、野望としてその先にある夢は、癒しの医療。
まだまだそんな具体的にはっきりしている訳ではないですけどね。
その為に少しずつでも勉強していこうとしているところです。


そんな中、今の私にとっては衝撃的な話が持ち上がっています。

『はやたま、老年病内科に向いてるよ』

どういうことかと言うと。
この2ヶ月を見ていて、教授を初めとした老年病内科ね皆に『小児科より老年病内科に向いてると思う』って言われるんです。
というか、医局でそんな話題にもなってるらしいです。

今までかつて『うちの科に向いてる』と言われたことはありません。
小児科は『行きたい』って言うから、『いいんじゃない?向いてるんじゃない?』って言われますが、それ以外では初。

いったいどういうことかと思って、一緒に回っている2年目のM先輩に聞いてみたんです。
そしたら、『小児科もいいと思うけど、老年病内科は向いてると思う。患者さんを元気付けてやる気を出させる、そんな才能はずば抜けてると思う。』と。

このMさんの言葉自体はすごく嬉しかったです。
日々凹みながら生きている私にとって、そして、最終的に癒しの医療を目指したい私にとって、密かに涙してしまいそうになるくらい、嬉しかったです。

でも、志望科ではないと明言しているにも関わらず、ここまで皆に口を揃えて向いてる、とか言われると考えちゃいますよね。

私にとって一番いい選択肢はなんなんだろう。
何をやっていきたいんだろう。

またしばらく悩みそうです。

Sep 18, 2010

Barre-Lieou Syndrome

というらしいです。
私の症状。

事故の後の頸椎捻挫後の、自律神経症状を伴う症候群。
後頭部痛+めまい・眼症状・耳鳴りなどなど。
断続的にあって、事故後2週間~1カ月半程度がピークとのこと。

せっかく、整形外科の見立て通り、2週間で持続的な頭痛・めまい・嘔気は止まったというのに。。。
そのあともこんな症状に悩まされるとは。。。

確かに、その後も断続的に起こるんですよね。
めまいが起こったり、頭痛がひどくなってみたり。
先日は朝の回診中(老年病内科では、みんなで朝に回診をするのです)に、すーっと血の気が引いてしまって、病室を出て座り込んでしまいました。。。


昨日は夕方からめまいが止まらなくなってしまって、オンコールルーム(当直室)で寝てたら、上の先生が調べてくれました。

気のせいじゃないんですね。
気持ちからくる不定愁訴じゃないんですね。
少し安心したというか、なんというか。
診断がつかないのが一番不安で怖いですね。


でも。
6時過ぎに少し良くなったので、先生たちとお疲れ様会(?だったのかな、多分??)に行ったら、その先で全くもって動けなくなりました。。
お恥ずかしい限りだ。。。

途中で、すーっと血の気が引いてしまって。
あっ、って思ったからトイレに駆け込んだんですが、その後、動くとめまいが激しくなってしまって、動けなくなってしまいまして。

タクシー呼ぶ?
とか言われたんですが、支えられても何しても、どうにも立ち上がれない。
動くとものすごくめまいが起こるから。

とか言ってる間に、救急車になってしまいました。。。。
がーーーーーん。。。人生初の救急車。
先輩?先生?に抱えられるように運び出され、勤め先のERへ。。。


もう、みんなに申し訳ないし、めまいでどうにも気持ち悪いし。

早いところ治ってくれないかしら。
Barre Lieou Syndrome.

Sep 16, 2010

説明

医学的なことを患者さんにいかに分かりやすく説明するか、というのは簡単なようで難しいです。

例えば。
心不全で肺うっ血・肺水腫があり胸水が貯留していたとしましょう。

簡単に言うと、
心臓の働きが悪くて肺に水が貯まっているという状態。

でも、これが意外と伝わらない。
なんとなーく解るけど、いまいちピンと来ない。

肺に水が貯まるってどういうこと?
なんで心臓が悪くて肺に水が貯まるの?
と言う訳です。


今日、患者さんに入院していかに良くなったかを説明しに言ったら、初めて『肺に水が貯まっている』という状態を理解したみたいで、今更ながらかなりショックを受けてました。

という話を上の先生にしたら、誉められました。
患者さんに簡単に説明するのが上手だ、と。
そういう才能は必要だ、と。


私がどう説明したかというと。
足に水が貯まるとむくみますよね?
それと同じように、肺にも水が貯まってむくんでいる状態なんです。
だから苦しいんです。

心臓の働きが悪いと、血液を送り出せないですよね?
そうすると血管の中で血液が渋滞を起こして、体のあちこちから水が戻ることが出来なくなってしまうんです。
だから、足とか肺に、心臓に戻れなくなった水が貯まるんです。
と。

これのどこで具体的にイメージできたのかは分かりませんが、自分の体で起こっていることを理解したみたいです。
これを期に、塩分・水分を制限してくれるといいのですが。。

Sep 15, 2010

自分の脂肪に殺される

普通の小太りぐらいなら、生死に直結はしません。
糖尿病になってみたり、脳梗塞になってみたり、心筋梗塞になってみたり、とかそういう間接的には大事ですが、太ったから生死に直結、というのはあまりありません。

でも、今私が担当している患者さんは自分の脂肪に殺されかかってます。

入院時130kgで、動くのも難しい状態。
今は120kgまでダイエットして歩けるようにはなりましたが。
それでも、心臓と肺にかなり負担をかけている状態です。

指にクリップをつけることで血の中の酸素量を測る経皮酸素飽和度モニター(=SpO2)は、通常の人では95-100%です。
私とかでは98%程度で、息をずーっと止めてて"もうだめー!!!"っていうところまで頑張っても93%とか。
90%を切るということは通常はありません。
苦しいです。

それが、この患者さんは普通に座ってると90-95%。
前かがみになると、88%とか。
仰向けに寝ると80%、横向きに寝ると85%。

この時点で、おいおいな訳です。
自分のおなかの上に30kgのお米を乗せているのと同じような状態だから、呼吸が出来にくくて、酸素が下がるのです。
もう、びっくり。
でも、本人はずーっとこんな状態だから苦しさは感じないんです><

血液の中の酸素分圧を測る採血でも、普通は80とかある値(PaO2)が、50台。
頑張って6分くらい歩いてもらうと70に。

二酸化炭素(PaCO2)は普通は40。
この患者さんは60。

………。

さらにさらに。
睡眠時無呼吸症候群という、寝ている間に呼吸が止まる病気もあるので、夜中はその治療用のCPAPという機械をつけているのに70%まで低下。
あまりに低いので酸素を投与することになりました。


自分のおなかの脂肪に殺されかかってるんです。
(というより、呼吸循環不全に陥ってERに運ばれた後なんですけどね)

もう、びっくり過ぎてあいた口がふさがりません。

Sep 13, 2010

ダイエット

女性にとってはとっても関心があること。
(特に私みたいに、ここもやせたいなぁ、こっちも細くなったらいいなぁ、なんて思ってる人にとっては)
生活習慣病や肥満症の治療の基本は食事療法と運動療法です。

食事は標準的には27kcal/標準体重kgにします。

たとえば、158cmの私の場合では。
標準体重=1.58×1.58×22(BMI22が標準体重)=54.9kg
標準的な食事=1482kcal/day

意外と少ないですよね。
だから、健常人であればすごく動く人とかだったら、30kcal/標準体重kgにしてみたりとか、運動量によりけりで必要なカロリーは変わります。

もともと太ってる人とか、すごく食べてた人とかだと、標準的なカロリーにしたただけでやせていきます。
あとは、無理のない範囲で(腎臓がある程度以上悪い、心臓に病気がある、などなど、積極的な運動をしてはいけない人もいるので)運動を加えるとバッチリ☆


ちなみに。
私は、仕事でそれなりに動いてはいますが、朝ごはんで400kcal、昼ごはんで600kcal、夕ごはんで600kcal程度は摂取している上に、お菓子とかつまんじゃったりするので、やせもしなければ太りもしません(笑)

さらには、運動は夜寝る前のストレッチ程度なので、体重は減ってくれません><


患者さんに言っていることと同じことを実践すればいいだけなんですけどね。
余計なものを食べずに、標準カロリーの食事をして、ちょっと運動を加えればいいんですよ。
でも、実際に自分でやろうと思うと難しいんですよね(笑)

Sep 12, 2010

診察をするということ

最近改めて思います。
"診察"をするということは大切である。

最近、いろんな患者さんに言われるんです。
"ここの病院では、ちゃんと診察してもらえて、全身診てもらえるからいいです"

データだけ見て、それで判断して、ろくに患者さんの顔も見ない・診察して聴診器をあてることもしない、そんな医者は当たり前ですが、やっぱり評判が悪いです。

でも、当たり前ですが、患者さんの話自体や診察所見って大事です。

でも、入院時にどこまで診察するか、って判断に困るんですよね。
いえ、入院時ならまだしも、外来とか。
 神経学的所見をどこまで取るか。頭頸部は?腹部は?


みなさん、どこまで診察してます??

ちなみに、私は入院時は以下の所見を取ります。
Gen:意識、見た目
頭頸部:視診、顔面浮腫、眼球結膜、眼瞼結膜、口腔(粘膜・虫歯・舌)、咽頭、頚部リンパ節、甲状腺
胸部:心音(+明らかに異常があれば心尖拍動を触れる)、呼吸音(ただし、聴診のみ)
腹部:視診、腸蠕動音、打診、触診(圧痛、肝、脾)、尿路感染が疑われればCVA tendernessも
四肢:視診、浮腫、チアノーゼ、動脈拍動(足背、膝窩部、大腿、トウ骨)

神経:
CN:眼球運動、触覚V1-V3、眼輪筋・口輪筋、指こすり(異常があればまたは異常の訴えがあれば、Weber, Rinne)、カーテン徴候、舌提出
motor:視診(不随意運動など)、Barre
sensation:light touch, 振動覚、深部腱反射(Tri、Bi、Bra、Knee、Ankle)、Babinski
Coordination:DDK、tap test、指鼻指
Gait:歩行(入院時とかにさりげなく見ておくのが中心ですが。)

その他:起立試験、長谷川・MMSE

特に異常を感じた際以外はすっ飛ばしてるのが、
副鼻腔、頚部血管雑音、椎骨叩打痛、上腕動脈触知
下肢のmotor、touch test, 痛覚、深部感覚、かかと膝試験、一直線上の歩行、継ぎ足歩行、Romberg


翌日以降は、異常があった所見のfollow up。
さらに訴えがあれば、それにあった所見を取る。
って言う感じです。

みなさんがどうしているのかを知りたいです。

Sep 11, 2010

聴診器の威力

私のことを看護師と思い込んでいる患者さんがいて、いつも「医者は朝回ってくるけど、そのあとはこないのね」ってプリプリしてる人がいたんです。

いくら"研修医です"、"医者です"、って言っても訂正不能だったんですが。
その患者さんが昨日くらいから私のことを"先生"って言ってくれるようになりました。

なぜか。

毎日毎日聴診器をあてて診察をして。
そしたら、ようやく医者らしい、と思ってくれたみたいです。

看護師さんも聴診器を持ってはいるんですけどね。
聴診器の威力ってすごい。
改めてそう思いました。

Sep 3, 2010

逆の立場

つい数日前に私が座っていた救急外来walk in2番診察室。
そこに医者として座ることになろうとは。

救急外来に老年病内科にかかりつけの患者さんが来たということで呼ばれたんです。
こう書くと普通なことみたいですが、当院では救急外来walk inは2年目以上の先生が担当するので、私が座ることはかなーりレア。

というよりも、実は初めてです。
すごく変な気分でした。


そして、この話にはおまけも。
患者を引かないはずの私なのに、何故かこの患者さんが来たのは金曜日の午後6時。
金曜の夕方から夜に入る緊急入院ほど嫌なものはありませんからね。
(金曜の帰りが遅くなる&土日に不安定な状態な患者さんをかかえる)

おかしいなぁ。
おかしいなぁ。
私なのにおかしいなぁ。

そう思いながら救急外来に行ってみて納得。
入院いりませんでした。

話聞いて診察した段階でほぼ帰す決断をして。
一応採血して、大丈夫なことだけは確認をして、お薬出して帰宅してもらいました。
(ちゃんと上の先生の確認は取りましたよ)

我ながら、さすが私だ、と思ってしまいました(笑)