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Dec 27, 2013

仕事納め

今週で平日は仕事納めです。
そして、今週はなんと全部で35人もの予約外来を診させてもらいました。

自分の外来は水曜日午後で、そこで15人の予約。
木曜日は当直明けなので外来予約なし。
火曜日が12人、金曜日が8人。
火曜日と金曜日は外来日ではないので、処置室の片隅のベッドで診察という事態でしたが。

しかも、それぞれけっこう重たい子たちが混ざっていて、時間がかかる子たちや、重たい話をする子たちも混ざってて、胃が痛くなるかと思った。。。
なんとか終わって良かった。。。
これだけ毎週診られるようになれば一人前なのかもしれませんが、私は一週間だけでへばりましたです><

ドタバタの最終週も終わり、明日から年末年始体制です。
まだ仕事な日も残ってるけど、まずはみなさま、よいお年を。

Dec 25, 2013

卒業認定

今日、卒業認定をもらいました。唐突に。

知ってました。私の当直の時には、ほぼ毎回途中まで先輩がいてくれることを。
知ってました。密かにカルテをチェックされていたことを。
知ってました。本当に必要な時は、救急外来に来てくれていたことを。

そして、それに甘えてました。
自転車の補助輪みたいな感じ。
不安な時に、安心材料になってました。

でも、本日、年内最後の当直の準夜が終わって言われました。
「もう大丈夫だね。一人でできるよ」
こうやって、当直の時につくのは最後にする、と。

よく考えれば当たり前のこと。
もう四年目の終わりも見えています。
小児科1年目、とか言っていた4月から早8ヶ月、いい加減独り立ちしないとダメですよね。
分かってはいましたが、宣言されたら急に不安になるものですね。

よほど不安な顔をしていたのでしょう(笑)
最後に、「本当に困ったら電話していいからね」と言われました。

当直の独り立ち。本当の独り立ち。
大丈夫。大丈夫って言われたから大丈夫。

Dec 15, 2013

おはらい

私の当直はなかなかに荒れます。
先輩が統計を取ったところ、有意に私の当直時に入る入院数が多く、かつ、夜中にも沢山来院しているのだそうです。

そして、昨晩、土曜日の当直で実感しました。
診た総数は65人程度とさほど多くないものの。
そのうち5人が入院、そのうち2人が重症心身障害児、1人がけいれん群発、1人が炎症反応が高めな乳児期早期発熱、1人はかなりの脱水低血糖の急性胃腸炎。

当院の土日祝日の当直はなかなかに大変なこともあり、病棟と外来と二人体制です。
私は外来だったので、次から次へと病棟と、入院担当の当直の先生に連絡を入れていった訳です。

最後の5人目になった時には、電話をかけるのも申し訳なくて、直接病棟に行って「大変申し訳ないのですが、もう一人入院をお願いしたいんです」と頭を下げました。

週明け。
この事実を知った先生方に口々に言われました。
「はやたまちゃん、お祓いに行きなさい。」

年末前に行っておこうかなぁ。。。ふぅ。

Dec 13, 2013

当直スタンス

当直のスタンスは先生によって大きく違います。
日中と同じ対応は基本的には無理です。
人手も足りないし、出来る検査も限られているし。
患者さんを診る優先順位もあるし、一人しか当直医はいないので、重症患者さんがいれば、その他の業務が止まることもしばしば。

Drの対応も人によって違っていて面白いです。
基本的に断らない方針の当院小児科、来るのは来るのですが、対応が分かれる気がしています。

・日中同様に頑張ろうとして機嫌が悪くなる先生
・夜間であり、緊急性が無い患者さんには冷たい先生
・明らかにテンションが低い先生
・こんな時間に子どもを叩き起こして連れてくることがいかに子どもに良くないか、と軽症の患者さんの親御さんにしっかりお説教?する先生
・とにかく早く診ていく先生

などなどなど。
そして、本来は日中に来るべきお子さんがほとんどで、夜間に緊急で受診しなくてはいけないお子さんは本来は少ない訳で、日中と夜間で対応を変えるのが当然なのですが、私はそれが苦手です。

NICUでは日中も夜間も対応は同じでした。
常に暖かい対応で、まずは「ご出産おめでとうございます」と笑顔で伝えるところからでした。
夜間だから検査を限るとか、説明が不足することはありませんでした。

その感覚のまま小児科の当直に突入していることもあり、夜間の対応も日中とあんまり変えられないでいるんです。
よほど、発熱しただけで救急車を呼んだとかでない限り、夜間でも笑顔で対応をしてしまいます。
後がつかえていなければ、「泣き止まないんです」と母が不安で連れてきてしまった場合でもちゃんと時間を取ってお話してしまいます。

実はそのことで若干悩んでいたのですが、先輩に言われました。
最終的にNICUに戻ることが見えてるのだから、小児科にいる2年間も自分が楽なような対応をしてもいいんじゃない?
その言葉で「私は私の当直でいいんだ」と楽になりました。

そして、あと1年ちょっとの一般小児科生活。
楽しまなくては損損。沢山学んでNICUに戻りたいと思います。

Nov 24, 2013

冬の当直

昨晩の救急外来受信者数100人越え。

100人って言われても想像がつかないって?
計算してみましょう。
特に酷かったのは、18-20時くらいです。
1時間に20人近く来院していました。単純計算では1人あたり3分。

3分診療、などと俗に言いますが。
実際に3分で終わらせるのはなかなか困難、というか私だったら絶対無理。
呼び入れる。最小限の話を聞く。最小限の確認事項を確認する。
最小限の診察をする。最小限の説明をして納得してもらい、カルテを記載する。
場合によっては、吸入や点滴などの処置も必要となりますから、さらに時間がかかります。

そんな中、次から次へと患者さんが押し寄せると、どうしても1-2時間待ちになっていく訳です。
 
しかも、大半のお子さんは、ついさっきから熱が出たけど元気な子や、数日前から咳と鼻水があって、、というようなお子さんです。
正直に言わせていただくと、救急外来を受診する必要は無い子たちです。翌朝の診療で間に合う風邪の子たちだから。
しかも、救急外来は基本的には、夜を越せるか越せないかという判断をしていく場なので、詳しい検査も出せないし、薬も1日分のみなので、翌日どっちにしてもかかりつけ医を受診する必要があるんです。
 
そして。大半の元気な子たちの中に、たまに、本当に具合が悪くて、入院が必要な子が混じっています。
1-2時間待っている間に悪化してしまうこともあります。

救急車や夜間救急はコンビニではないのです。
適正な利用が求められるのです。


という話はさておき。
100人越えの小児科の冬の救急外来。
私にとっては初めての小児科の冬。
今からドキドキです。

Nov 21, 2013

HSP

ヘノッホ・シェーンライン紫斑病。
名前は有名な病気の一つです。
教科書にも必ずでてきて、国家試験でも問われます。

IgAが沈着するからと言われている血管炎が原因で、紫斑、腹部症状、関節症状が三徴。腎炎の合併に注意。

教科書的には知っていましたが、このたび初めて見ました。そして、納得。
どうしたらいいかもこれで学びました。

私は、机の上での勉学が得意ではありません。
実地訓練、目の前に実際にあって考える、という方が得意です。
その為、診てない病気を教科書で読んでもあまり頭に入らないんです。

それよりは、目の前にいる子の病気のこと、目の前にいる子の鑑別疾患のことを勉強する方が何倍も頭に入る。
今回の子のことで、HSPは鑑別として頭に入ったかな。

Nov 17, 2013

呼び出し

NICUにいた頃は、よく夜中や朝方に呼び出されました。
生まれるけど人手が足りない、迎えに行くからお留守番要員が欲しい、など。
自分も呼ばれるし、無理だと思ったら遠慮なく上を呼んでいました。

ところが、小児科に行ってからは、呼ばれることはありませんでした。
そんなに一分一秒を争う事態になることが少ないからだと思います。
先輩を呼び出すということもしたことはありませんでした。
(NICUにいる先輩に助けを求めたことは何回かありますが)

でも、今日は呼び出してしまいました。
というか、呼び出すつもりはなく、普段の様子を知っている主治医に確認の電話を入れただけだったのですが、来てくれました。

ONOFFはきちんとつけたいと思っています。
自分の中でも、夜家に帰ったら仕事の事は考えない、と決めています。
帰る前に調べることは調べて勉強する事はしてから帰ります。
間に合わなければ、朝早めに行ってやります。
ONOFFをつけないと、心がだんだん疲弊していってしまうのが分かっているから。
そして、そうなったことがあるから。


電話をかける時にとっても躊躇いましたが、電話をして相談していると落ち着きました。来てくれることが分かったら、安心もしました。
まだまだ一人前にはほど遠い私。だけど、来年は下に後輩がつくし、その次からは専門分野で頑張り始める学年。頑張らないとなぁ。

Nov 15, 2013

ブルドーザー

今年、先輩方が私につけたあだ名です。
溜まっている仕事をブルドーザーの様に片付けるから、だそうです。
うら若き(?)女子を捕まえてきて、ブルドーザーはないよなぁ、と思っていて、
全くもって褒められている気がしていません。

が。
ブルドーザー的だと自分でも思う事態がありました。
水曜日の日に、来週の水曜日に症例発表をしなくてはいけないと分かりました。
ところが、水曜日は私は当直。明けの木曜日は、誰の何の症例かを教えたらスライドを作ってしまって帰らないだろうから、と教えてもらえず。

金曜日の夕方になって、初めて誰の何の症例なのかを知りました。
そして、月曜日には予演会をする、と。

焦った私は、金曜日の夕方18時から作り始めて、気付けば0時。
でも、5ー6時間で作り上げました。
しかも、画像処理が分かりやすい、と評判はなかなかの出来だったので、嬉しかったです。

でも、この働き方はまさしくブルドーザー、、
止めたいと思う今日この頃。

Nov 12, 2013

休む勇気と判断

悩むんですよね。
休むタイミングと、出勤するタイミング。

インフルエンザとか、アデノウイルスとか、出勤停止なものは悩まないからよいのだけど。
それ以外の普通の体調不良の時に悩む。

一昨日から喉が痛かった。昨日は、ホカロンを貼って、セーターを着込んでも寒くて、節々が痛くてだるかった。
でも、重たい患者さんが外来に来る予定で、午後は18人もの予防接種があって。
なんとか乗り切って帰宅。

そして本日。
朝起きたら喉が痛くて声が出なくて、だるくて起きれなかった。
でも、熱が37℃台しかなかった。

行くか行かないか悩んだけど、倦怠感が強くて動けず。
しかも明日は午前中外来、午後も外来、夜も当直。

本日休むことを決断しました。
休む勇気も必要なのだ、と自分に言い聞かせて。
おやすみなさい。

追記:
翌日、体調は少しよくなりましたが、咽頭発赤腫脹、リンパ節腫脹は持続。
でも、外来も当直も乗り切りました!

まだ頑張れる、ここで休んでおいて迷惑を最小限にする、など。
判断が難しいけど、休む勇気も必要なのかな、と思ってみました。

Nov 10, 2013

医局内 勉強会旅行

研修医から後期研修医を対象に勉強会をする+みんなで宴会をして仲良くなろう!的な。
そんな旅行です。

今回は、今私が勤めている病院が幹事でした。
上の先生たちは準備の頃から大変そうでした。
私は、表紙のデザインをしたり、印刷したテキストを組み立てたりとか、雑用係。

本来、下の先生たちはみんあ出席なはずなのに、何故か当院から行ったのは私一人。
後は上の先生たち。けっこう雑用が多くて、てんやわんや。

講義は半分くらいしか聞けなかったけど、でも楽しかったからいっか(笑)

Nov 2, 2013

遺伝

遺伝病のセミナーに行ってきました。

遺伝病 ≠ 遺伝する病気
遺伝病 = 遺伝に関連する染色体や遺伝子による病気

そして、意外と多いのです。
そもそも、いろんな体質は遺伝子によって決まって来る訳ですし。
ほとんどの染色体異常や先天異常のお子さんは正常な両親から生まれているという事実がありますし。


高校生の頃から生物の遺伝の分野が好きだった私。
遺伝の確率の計算とか、組み替えの話とか、遺伝方式の話とか。

医者になり、小児科に進み、NICU(新生児科)に興味があり。
沢山沢山、遺伝専門の先生にご相談する機会があります。


診断がつかないのだけど、何かしらの先天異常がありそうな子。
遺伝が関連する疾患があり、今後の対応が必要な子。
いろんな子がいます。

分からないから丸投げ、は許されない。
最初に診た医師がご両親や本人に発した言葉は私たちが思う以上に記憶に刻まれます。

ちゃんと勉強したい、そう思いました。
今日のセミナーは一歩かな。

Nov 1, 2013

診させてもらえるということ。

お久しぶりです。
なんだか忙しくて、気付けば11月になっていました。

最近、私は恵まれているのだということに気付きました。

私の外来にはいろんな子が来てくれていて、いろんな子を診させてもらっています。
多数をしめるのは、育児相談・授乳相談系の赤ちゃんたち(というかお母さんたち?)で、健診や予防接種を兼ねて、お母さんたちの不安度合いによって来てもらっています。

それ以外の、疾患があって通ってくれている子たちでは。
N卒業後の子たち、嘔吐症、喘息、アレルギー、膀胱尿管逆流、腎奇形、低身長、思春期早発、精神運動発達遅滞、頭痛、てんかん、 血小板減少症、不登校(苦手ではあるのだけど)、肥満、その他診断名がついていないけれども明らかに何かありそうな子たち。
そして、入院でも多種多様な患者さんを受け持たせてもらっています。

当たり前のようで、当たり前ではないのですよね。
専門がない私だけど、専門の先生のバックアップをもらいながら、私の外来で診させてもらっている子たちが多いということの幸せ。
これだけ沢山の種類の子たちを診せてもらえているというのは幸せなのだと気付かされました。

やっぱり、教科書や文献からでは絶対に学べないことがあります。
患者さんから沢山のことを教わります。
やっぱりありがたいです。

Oct 18, 2013

留学セミナー?

そういえば。
先週末に、留学セミナー的なものに行って来ました。
学生時代に短期留学(3ヶ月ほどアメリカに)に行かせてもらっていたので、その経験を買われて、ということでした。

学生時代の留学について。
医師になってからの臨床留学について。
医師になってからの研究留学について。

いろんな視点のお話がありました。
いろんな先生や学生とお話も出来ました。


私は、どうしたいのだろう。
学生の頃、アメリカに臨床留学したいと考えていました。
でも、実際に学生で行った時に、私はこの国には合わない、と思い直しました。

私、そんなに強くない。あの競争競争の社会で、ビジネスライクな医療をして、毎日ベストパフォーマンスをしていくことは私には出来ない。あの生活は耐えられない。
そう思ったからです。

ただ、留学したいというのが残っていない訳ではないです。
先端の医療に触れるということ、幅広い視野を獲得すること、そして何より、教育方法を学んでくること、という目的の為に行けるものならば、数年という単位で行ければとはおもいます。
ただ、出来ればアメリカではなく、とは思っていますが。


今日の話を聞いてみて。
改めて自分の人生を考えてみました。

実は、つい先日、自分の人生において何を優先にしていきたいのか、どうなりたいのか、を書き出したんです。 だーーーっと箇条書きで書き出して、その中で優先順位を付けて、具体的なイメージをつけて。

その中での臨床留学の位置づけはかなり低いものでした。
得られる物と失うもののバランスを考えると、行くべきタイミングではない、と確信出来たから。
今日の話を聞いて、ますますそう思いました。


でも、その少し先に。
私の人生において適切なタイミングに。
少しの間行けたらいいな。
あこがれの某Children's Hospitalに。
改めてそう思いました。

Oct 17, 2013

いかに入院させないか

先輩が言っていました。
「昔は、『いかに入院させるか』に心を砕いたけど、最近は、『いかに入院させないか』に心を砕くようになった」
「病院は入院するところではなく、帰るところだ」

なるほどなぁ、と思いました。
どうしても入院が必要な子はいます。
だけど、大半の子は入院はいりません。
(ついでに言うと、大半の子は救急外来にかかる必要はありません。)

お母さんたちの心配を適切に解消しておいてあげると、救急外来にも来ないし、入院ということにもならない。

具合が悪い子はともかく、お家で安静にしているのが一番な子たちが夜中に連れてこられていると、やっぱりかわいそうだと思うから。
これはこうだから大丈夫なんだ。
こうなったら心配だから連れて行かないといけないんだ。
ということをお母さんたちが分かっていれば違うと思うのです。

とはいっても。
まだまだ難しいなぁ。

Oct 14, 2013

母乳育児

医師のための母乳育児支援セミナー

母乳育児指導。簡単なようで難しい。
特に、私は自分で子育てをしたことがないから、自分での実感がないから難しい。

だから。
せめて、知識だけは入れておかないと、と思いまして。
2年目の時から毎年勉強に行かせてもらっているセミナーです。

お母さんたちの不安な気持ちの聞き方から、実際の指導法から、母乳育児に関する知識まで。二日間で幅広く講義してもらえて実技もあったりして、今の私には必要な情報盛りだくさんなセミナーです。

今回で3回目の参加になりました。
最初の年は、まだ小児科の外来をしたこともなかった。
そこから2年、だいぶ成長しました。

セミナーの内容の理解も前よりもよいし、自分の外来や病棟での体験があるから、吸収出来る事が増えたような気がします。


母乳育児。
日本人は多くのお母さんが母乳で育てたいと思っている国です。
赤ちゃんにとっては母乳を飲めることは大切なことです。
だけど、あまりに誤解や思い込みが多いのだな、ということも痛感しました。

例えば。
薬を内服するから母乳をあげられない、とか。
母乳だと大きくならない、とか。
母乳をいつまでもあげてると甘ったれのわがままになる、とか。

違うんだよ!って声を大にして叫びたい。

外来では、お母さんたちの希望に合わせて、母乳や人工乳のことなどを考えて行きます。どうするのが赤ちゃんとお母さんにとって一番幸せなのか。
セミナーに出て、またちょっと、育児支援外来(と呼んでいいのか分からないけど、私の外来は育児に不安があるお母さんたちが沢山来てくれているんですよね。まだ専門が有る訳ではない(循環器とか神経とか内分泌とか)けど、NICU経験もあるからちょうどよいのでしょうか?)を頑張ろうって思えました。

Oct 13, 2013

お医者さん

人生初。
「お医者さんか看護師さんはいらっしゃいませんか?」
に遭遇した。

一応医者だし、一応救急に首突っ込んでたし、行ってみた。
案の定、看護師さんですか?と。
医者だというと驚かれて、場所が開けられた。
でも、ぱっと見で医者と思われるよりは遥かに良い。


20台後半から30台前半の男性。
主訴 意識障害、反応がない。

身なりは問題ないが、ズボンに一部嘔吐痕的なシミあり。
(乾いてたし、乗ってからは吐いていないという周囲の証言あり)
座席に座ったまま反応なし。
呼吸は安定、循環も両側橈骨で左右差なく不整なく脈触知、末梢温。
大声で肩を叩くと開眼あるが傾眠。見当識障害あり、従命令は一応可能。
E3V5M6 GCS14点。

応答、従命、自発運動の様子からは、明らかな脳神経症状や四肢運動障害なし。
アルコール臭がして、見当識あやしい。

肩を叩き起こして話を聞いてみると、昨日たくさん飲んで吐いた。
帰りのチケットを手配してもらったのだ、と。

歩かせたら歩行はまあ安定していたし、30分状態は変わらず、悪化はせずむしろマシになっていたし。酩酊という診断にしました。もちろん、回復しなければ病院へ、と言添えて。


「 お医者さんか看護師さんいませんか?」って、ドラマ以外でもあるんですねぇ。
そして、私の名前や連絡先を確認されるとは思わなかった。

大丈夫だと思うけど、これ、誤診でも罪には問われないよね?
私が後味悪いだけだよね?

Sep 25, 2013

歩いた

今日の外来での出来事。
今日の外来で呼んでいた最後の患者さん。

来てくれたお子さんは、私がNICUにいたときに生まれた超低出生体重児のお子さんです。
生まれた時の立ち合いからすべて担当させてもらい、退院後の成長発達をフォローさせてもらっています。
お母さんも、とても頭の回る方で、比較的順調に来ていましたが、修正7か月の頃から成長発達が停滞していました。お座りができない、というところでずっと止まってしまったんです。


実は、原因がはっきりとありました。
そのタイミングで乳児喘息を発症し、小児科に入院を何回もしていたんです。(当時は私はNICUだったので、小児科入院は担当していなかったけど。)

退院をしたタイミングが、ちょうど私の小児科への異動のタイミング。
喘息と発達外来と、両方をみさせてもらうこととなりました。

そこから数か月は、とにかく喘息のコントロールに難渋しました。
入院までしなくても大丈夫そうだけど、というゼイゼイがしょっちゅう。
家は遠めだったけど、こまめに来てもらっていました。


そして。
喘息が落ち着き始めた頃から、急に発達が進み始めました。
やはり、アレルギーとか喘息とかになると、成長発達が阻害されます。
そっちにエネルギーを取られるというのもあるし、夜眠れなくて、という影響もあると思います。

この子が通っている保育園がこの子に合っていたのでしょう。
保育園に通い始めて、食事もたくさん食べるようになったり、動くようになりました。
リハビリも導入しました。

先月はまだ立つのもままならず、両脇を支えていてもグラグラしていました。
そんなお子さんが、本日。
立った!を通り越して、歩いた!!!
喘息コントロールはやっぱり大事だね、と言いながら、お母さんと一緒に喜びました。


まだ伝い歩きではありますが、歩いているところを見て、涙が出そうになりました。
小児科に入院した時の主治医だった先輩にも「先生!!〇〇くんが歩いたんです!!!」と外来後にいの一番に報告しました。
そういう原体験は大切なんだと思う、と言われました。


いろんなグループにひかれたり、NICUをやっていける自信がなかったり、いろいろありますが、やっぱりNICUがいいのかな、って思った瞬間でした。

急性期もそうなんだけど(そして、多くの人が私は蘇生だとか集中治療だとかをやりたいのだと勘違いをしているけども)、その後の慢性期のフォローをしていける、疾患ではなく、その子を診ていけるというのも大きな魅力だから。


なにはともあれ、嬉しかったです。
生まれたときにあれだけ具合が悪かったのに。
退院後も途中で発達がピタッと止まっていたのに。
そんなお子さんが歩いたんですもの。
まだまだ成長発達していきそうです。本当に楽しみ。

Sep 14, 2013

デザイン

私、社会人大学生しています。
某美大の通信過程でデザインを学んでいます。

趣味、と言えば趣味。
だけど、願わくば仕事にも生かしたい。

そんな思いで勉強を始めて四年目。

ゼロからのスタートでしたが、少しずつ少しずつマシになってきました。


今日、部長の先生とお話する機会がありました。
夏休み何をしたの?という質問に始まり、学校に通っていることがばれました。
別に隠しているわけでは無いので良いのですが。

数秒の間が空いたのち。
「何になりたいの?」と聞かれました。

医者を辞めたい訳ではないんです。
ただ、デザインをその中に織り込みたい。

誰にでも正しく伝わるようにデザインすることが出来れば、患者さんに的確に情報発信していけると思うから。

去年も今年も、先輩の先生方に依頼されて少しだけそういう仕事を(ボランティアで)やらせてもらいました。
だから、漠然と、仕事にも生きるんだろうなぁ、とは思っていましたが。

部長の先生の言葉に後押しをもらいました。
「そりゃ、どのグループに行っても(サブスペシャリティーで何を選んでも)いくらでも使えるよ。」と。患者教育、視覚認知、などなど。

なるほど、です。
部長の先生に言われると大きいですね。
視覚認知とかの勉強会にも出てみるとよいよ、とのアドバイスをいただきました。

うん。自分の将来の漠然とした理想が少しだけ形をもった気がします。

Sep 10, 2013

半人前

卒業→ 初期研修二年目→NICU(新生児科)→小児科
という四年を過ごしてきました。

社会人四年目。
小児科二年目。
一般小児一年目。

半人前以下です。

頭で分かってはいたのですが、改めて実感しました。
自分の診療に自信が持てない。


「不安なまま突き進まずに、聞いてくれるから安心してやらせられる」と言ってくれた、新生児科での最初の上の先生の言葉が後押しにもなり。

自信を持てないことは、「◯◯って△△でいいんですよね?」と確認をとります。
四年目の真ん中にもなろうかという所なのにね。
でも、やっぱり、患者さんに害が及ぶのが良くないと思うから。

とは言っても、四月と比べればだいぶマシになってきました。
と思っていた矢先。

今週、すぐ上の先輩が夏休みだったんです。
この先輩、医局にこもることはせず、だいたい外来とかすぐ声をかけやすい所で仕事をしてくれているんです。
だから、いつも気軽に聞いていた。

でも、今週は夏休みだったため聞けなくて、自分で判断するか他の先輩に電話をするか、ということになりました。
改めて、どれだけ頼ってるかを実感しました。

まだまだ半人前だ。
後半年で自立したい。
最低でも、同期と同じレベルくらいの仕事は出来るようになりたい。

Sep 7, 2013

言霊

って、本当にあるんですねぇ。

わたくし、つい先日、「低身長とかの内分泌疾患は全然見てないんですよねー」と口にしたのですが。
その翌日の外来。

低身長に思春期早発に、と何故か内分泌疾患の疑いの子が多々。
初期の部分の検査は私が出して、以後内分泌の先生にフォローをお願いするという流れです。

低身長であれば、ホルモンの値(成長ホルモン、甲状腺、副腎、性ホルモンなど)や血ガスを含めた血液検査、尿検査、骨年齢、などが初期検査として行います。
後は、状況によって、エコーとかMRIとか。

値を見て、どういう体の中の状況なのかを判断するのと、骨年齢を見るのとが最初の課題です。

これがまた自信をもてる訳ではないので、先輩に頼りながらですが。

確かに勉強にはなるのですが、こんなに一度に来なくても…。
やっぱり言霊ってあるんですねぇ。

Sep 6, 2013

女性医師

であることに感謝する場面は、今までの何回もありました。

お母さんと授乳の話をしやすかったりとか、子供に怖がられなかったりとか。
(実際、女性医師だと怖がらなくて診察をちゃんと受けられるから、と私の外来に来てくれている子も何人かいる)

そして、本日、これも女性であることが役立った、と思った場面。
小学校高学年から中学高校などの女の子たちが、女性ならではの悩みを相談したり、診察を受けるのは女性がいい、と。そりゃそうですよね!


今日もそんな女の子を診させてもらいました。
主訴:生理が早く来ちゃった(小学校中学年)

ちょうど私が最初の電話を受けたこともあり、そのまま私が初診を取らせてもらい。
良かった、女性だから話しやすいし診察も受けられる、と言ってくれまして。
事細かに話を聞いて、診察をさせてもらいました。

先輩に相談した上で、今後の外来は最初のうちのしばらくは、私の外来に通ってもらうことにしました。ただし。専門的な事が分かる訳ではないので、先輩(男性)の後ろ盾をもらいながら。

医療者側としては、女の子だろうが男の子だろうが(女性だろうが男性だろうが)変わらないのだけど(変わってたら仕事にならないし)、自分が受診するとしたら、男性医師はちょっと………って思うもの。

もちろん、逆も然りなんですけどね。
男の子が思春期の悩みを訴えて来たりとか、もしくは、ある程度の年齢の子で泌尿器関係の検査がどうしても必要なったとか。男性医師を呼んできています。



仕事をしていて、女性であることが嫌になることも多々あるけれど、こういうことがあると、女性であるというのも悪くないのかもしれないと思える。

Sep 4, 2013

プレゼン

私、とりとめも無くしゃべったり書いたりは出来ますが、人に何かを伝える為に話す・書くということは苦手です。
そんな私にとって、大きなハードルの一つが毎朝の小児科のカンファレンスです。

入院児全員のプレゼンがあります。
前日入院の子のプレゼン。
入院中の子の現状や予定のプレゼン。

一番年下の私は、PCを操作して必要な情報を画面に映し出すというお仕事も。
このカンファ、私にとっては大きなハードルとなっています。

うまく話せないんです。
間に「えーっと」が入ってみたり、あ、この情報飛ばしちゃった、ということがあったり、PCを操作をしている間に何を言おうと思っていたか忘れちゃったり(PCを操作しながらなので、カンペを見るということも出来ないので)、ダラダラと読み上げになってしまったり。


うーーーー(;_:)とは思っていたのですが。
上の先生にも指摘されまして、ですよね、、と再反省しました。

そして、学生時代のことを思い出しました。
そういえば、練習したなぁ、と。

という訳で。
本日は出勤途中に、何をどの順番に話すか(まぁ、主訴に始まって現病歴や既往歴、所見、Assesment、今後のPlanという流れは決まっているのですが、その中で何のデータは伝えて、何は省略するか、とか)などをシュミレーションして。
実際のプレゼンの際は、えーーーと。と言いたくなった時には1ー2秒黙って我慢する、としてみたところ。

聞きやすくなったそうです♪
良かった良かった。
しばらく続けていたら改善するかな。

Sep 3, 2013

先輩

先輩の存在というのは大きいです。
今の病院には、各グループの先輩方がいます。
なので、困ったときとかにはすぐ相談出来ます。

専門外来にお願いするほどのことは無い子だけど、という子たちで私の外来に来てくれている子もいます。
私の外来での治療検査方針についてとか、専門外来にお願いするするタイミングとか。
いろんな事を相談させてもらっています。
 

そして、私にとっては、直上の身近な先輩も大きな存在です。
というのも、近いだけあり、すごく相談しやすいから。
上の先生に相談するには、、、みたいな些細な事でも相談できるし、点滴が入らないーー(泣)みたいな時にも手を代わってもらったりもする。

そして、私の診療がまだまだ綱渡りで危なっかしいからか、けっこう私の診療を裏で見張っていてくれるので、ありがたいです。
先輩の後ろ盾をもらえるうちに、もう少し独り立ち出来るくらいの実力を身につけたいな。


Sep 2, 2013

プクプク

プクプクちゃん、苦手です。
半年から10ヶ月前後の、一番プクプクしてる状態の子たち。
だって、血管がよく分からなくて、採血も点滴も大変なんですもの。

そして。
小児科に来てから薄々は思っていましたが。
やっぱり、私、プクプクちゃんたちよりも、重心(重症心身障害児)の方がラインが入るような気がします。

重心の子たちというのは。
入院が多かったり長かったり、点滴が必要なことが多く、体格の変形などもあり、 点滴が難しいのです。

が。
不思議と私、プクプクちゃんたちより重心の子たちの方が相性よいみたい。

重心の子たちが本気で具合が悪くなった状態に当たっていないからか、プクプクちゃんの血管に確実に当てられるだけの小児科経験が乏しいのか。
どちらもあるのだとは思いますが、現時点では悲しいかな、プクプクちゃんたちは苦手なのです。

Aug 31, 2013

カンガルー

カンガルーケアミーティングというものがありました。
「カンガルーケア」というもの、日本ではだいぶ勘違いされている気がします。

今の一応の言葉の定義。
カンガルーケア=状態の安定した早産・低出生体重児の子たちを対象にした、お母さんと肌と肌が触れ合うように抱っこしたもの。
正期産の子の出生直後の母と子の接触は、早期母子接触(early skin to skin contact)と呼ばれます。

まず、日本ではこれらがごっちゃにされています。

そして。
カンガルーケアには、安全に行うための方法というか、ポイント、があります。
ただただ、抱っこをすればよいというものではありませんで。
正しい姿勢もありますし、そんな姿勢で長い時間いたら母の手も辛い訳で、それをサポートしてくれるカンガルーグッズもあります。
早期接触でも、必ずモニターなり、医療者の目が届く状態で始めるように、とかね。

で。
このたび、カンガルーケアミーティングに行って来た訳です。
私の旅日記報告はともかくとして、他の先生方のお話はかなり興味深かったです。

ちなみに。
カンガルーケアってね、赤ちゃんの状態が安定したり、睡眠の質が改善したり、脳の発達に良い影響を与える(脳の容量ということもだし、情報伝達という意味でも。)、というデータが出始めているようで。
正しい情報と適切な方法が伝わって広まって行くといいな。

Aug 30, 2013

統計

苦手なんですよね。

言いたい事とか、分からない疑問とかがあって。
それに対する答えを求めていて。
論文を見つけたとします。

その論文が、果たして、実際に本当に有意なのか、数字の魔法にだまされているだけなのか。判別が分からない。

さらには。
自分で何か統計を取ったりとか、さらに苦手。
条件をどう揃えて、どういう形でデータを集めればいいのか。
難しいである。

という訳で。
困った私に手を差し伸べてくれた先輩がいるのです。
今の病院に昔勤めていた、同じ医局の大先輩。統計が得意なのだそう。
困った、ということを今の病院の先輩が橋渡しをしてくれて、メールで何回か相談していて。本日、実際に面談をしていただきました。

こんな、実際に教えていただけるとは思っておらず。
なんとありがたいことでしょうか。
助言に従い、データを整理してみようと思います。
何らかの事をいえれば嬉しいな。

Aug 28, 2013

モテ期

今、人生最大のモテ期なのではないかと思う。
ただ、残念ながら、みんなだいたい年齢が一桁。(笑)

小児科に来てから、やたらと患者さん(と親御さん)に好かれるのです。
検査の時に、「はやたま先生と手をつないでいないと嫌だ」とか。
「はやたま先生大好き!また外来来ていい?」とか。
(いや、嫌いであっても、来てもらわないと困るのだけど。笑)
歩いててすれ違ったら、「はやたま先生!」って近寄って来てくれたりとか。

うーん。
若い女性医師だから?看護師さんみたいなものだから?
というアドバンテージはあるのだろうな。

という以外には。
子供本人にも極力分かりやすく説明して何が起こるか(検査とか、今後の治療とか)は理解してもらうようにしている。
怖い、という時には、付き添っていてあげるようにはしている。(もちろん、時間が無いと無理だけど)
コンプライアンスを本人自ら改善出来るように、話を持って行こうとはしてみている。

だからかな?と信じてみようと思う。
子供にモテるというのも、この仕事をしていく上では悪いことではないはずだ。

Aug 25, 2013

インスト

本日、助産師さんたちを対象にしたNCPR(新生児蘇生法)の講習会がありました。
インストラクターとして参加させてもらいました。

実感。
知識も実体験もゼロな方に教えるのは非常に難しい。

学生時代を通じて、今まで教えて来たのは、医学生(しかも、救急とかに興味がある学生)、医者、看護師(しかも、普段から蘇生に慣れている方々)が多い。

分かっている人よりも分かっていない人に教えるのが難しいのは当たり前といえば当たり前なのですが。
それにしても、BLSはともかく、医療的知識がかなり必要な内容を、全く知らない人に教えるのって厳しい。

いえ、良い訳してはいけませんね。
教え方がまだ出来ていないということです。

今日の目標は、全員がmask baggingと胸骨圧迫を正しいタイミングで正しい手技で行えること。これだけは達成出来たと思います。

が。
時間は足りなくてシナリオは最後まで行き着かなかったし、あまりの出来なささに愕然とした受講生がいたけど、1:9で教えていたため、細かいフォローが出来なかった。
今日の講習は失敗です。

流量膨張式を使ってみたり、BLSやACLSと比べても煩雑なNCPRを、全く予備知識がなく、bagging経験ゼロ(自己膨張式も含めて)な人たち9人にシナリオを入れて2時間で終わらせるって、インスト駆け出しの私には難しかった。
教え方ももう少し上手くなりたいなぁ。そして、あの煩雑なNCPRのアルゴリズムをもう少し明確に分かりやすく伝えられるようになりたいなぁ。

Aug 20, 2013

奇形

奇形。
あんまり好きな言葉ではないです。
なので、患者さんに説明する時には使いません。
医師どうしで話をする時には使いますけど。
大奇形、小奇形、心奇形、腎奇形、などなど。

最初に説明をしたときの言葉は、患者さんの中に残ります。
しかも、説明した内容とは違うように解釈したように記憶します。

仕方が無いことだと思います。
内容は難しいし、ショックなことがほとんどですし。

だからこそ、言葉は選びたいんです。
自分が嫌いな言葉はやっぱり使いたくないし、患者さんにとって残りやすいキーフレーズは使いたくないです。

例えば、「奇形」があった時に。
今の私は、患者さんには「普通の◯◯(心臓、腎臓、など部位)はこういった形をしているのですが、●●ちゃんの◯◯はこういった形をしているんです」と絵を並べて説明をしています。
基本的には、お話しする内容は、言葉以外にも絵や図を入れて書いて説明をして、そのままお渡しするようにしています。
これがいい方法なのかは分かりませんが、今の自分にやれることはやっているつもり。

やっぱり、患者さんへの説明は難しい。

Aug 18, 2013

22週

今日、当直明けにNICUに立ち寄っていました。
(まぁ、ちょくちょくNICUにはいるのですが。笑)
その最中。

救急車内で22週の子が生まれてしまって搬送されてくる、と。
蘇生に向かうNICUの先生たちについて行きました。

私が見た時点で生後10分。
自分で息もしていないし、脈もない。
そして、久しぶりに見る小ささ。

人工呼吸と胸骨圧迫をすぐに始めて。
挿管して、そこから直ぐに薬剤投与。
臍からカテーテルを入れてラインを確保し、薬剤投与。
わずかに取れた血液で血ガスだけは検査。

私は、というと。
NICUの先生たちの手はあるし、外回りの手伝いをしたかった。
物品を出す。 薬剤を調節する。ガスを測りに走る。

それだけのことなのに。
自分の忘れているっぷり、出来なささっぷりに愕然としました。
薬剤投与量が出てこない。出す物品が欠けている。

やっぱり、どんどん忘れて行っているのだ、ということを実感しました。
小児科の事をどんどん頭に入れて行かなくてはいけない。
でも、新生児のことも、特に蘇生のことは、忘れたくないし、忘れてはいけない、と思うのです。

頭のキャパシティーを増やしたい。

Aug 17, 2013

お盆

世の中には、お盆休みというものがあるそうですね。
何人かの患者さんに、「お盆でも病院はやってますか?」と聞かれて気づきました。

私たちにはお盆もお正月もありません。
病院は年中無休です。

しかも、年末年始やゴールデンウイークなど、祝日の場合は病院も休日体制ですが、お盆は普通の平日。まったく自覚がありませんでした。

でも、クリニックの先生方は一人でされていることも多く、お休みのところがほとんどです。
そうすると。普段かかっている先生がお休みだと、とたんに行く場所に困ってしまう子達が出てきます。

なもので。今週の外来は死ぬかと思う忙しさでした。
午前外来担当、午後は時間外担当、の日はヘロヘロになってました。
その日にそのまま当直でなくて良かった。

皆さん。
楽しい夏休み、くれぐれも事故や熱中症、夏風邪には気をつけてくださいね。
普段と違う、遊びに行った先や帰省した先、遊んで帰ってきて帰宅した時。
具合の悪くなりやすいタイミングは沢山あります。

遺伝疾患

世の中にはいろんな疾患があります。
疾患によっては、親御さんからお子さんへと引き継がれるものもあります。

それは、体質という形かもしれません。疾患そのものかもしれません。

その疾患がどういうものなのか、自分が将来どうなるのか、ということも大事なんだけど。
遺伝する疾患の場合、どう遺伝していくのか、子供はどうなるのか、ということも大切。
 想像を絶する、思いがあると思います。

それを上手に伝えられる専門家が、遺伝科の先生です。
どういう疾患?この子の将来は?次の子は?孫には?
親御さんの疑問に分かりやすく、正しく説明していきます。
そういう専門家です。隣でお話を聞かせてもらう機会が何回かありましたが、やっぱりすごいです。

私が今、外来で診ている子も、こんな遺伝の問題にぶち当たっています。
まずは、知っている遺伝の先生に相談するところから始めてみます。

Aug 3, 2013

診療所

うちの病院には、附属の診療所があります。
簡単な検査しかできない、入院の出来ない、診療所。
いわば出張所みたいな?都内と違って、病院に行くにも一苦労、周りに小児科なんてありません、みたいな所もまだあるっぽい。

そこで具合が悪い子たちは、本院であるうちの病院に送られてきます。
普段は、常勤の上の先生がいます。私たち若手は、送られてくるお子さんを診るだけです。
でも、普段の先生がお休みの時は、若手も行きます。

今週、私も診療所に行って来ました。
先輩先生たちはね、重症な子はあんまり来ないし、来たらここ(病院)に送ればいいし、夏だからあんまり患者さん多くないし、いいよ、って言ってたんです。
で、実際に行ってくると。
あまりの孤独感に悲しくなりました(:_;)

普段は、困ったら隣の診察室に先輩はいるし。
他の科の先生に聞く事も出来るし。
普段がどれだけ恵まれているのかを実感しました。

開業するって孤独な戦いなのかな、ってふと思ったりしました。
(計画もそんなつもりも無いけど)

経過

医療者にとっては当たり前なんだけど、患者さんにとっては当たり前ではないことの一つ。
「経過」

例えばね、病気というのは時間経過と共に症状が変わってくことがある。
最初は熱だけ→喉が赤くなってくる→ブツブツが出てくる→広がって特徴的な発疹になってくる、など。
もしくは、最初はウイルス感染→長引いているうちに細菌感染症を合併、とか。

その場合、熱だけの時には当然ながら診断は付かないのです。
もしくは、違う診断名になりうる訳です。
なので、時間経過を見ることが大切になってきます。

分かってはいるんだけど。
患者さんにとっては、違う。
医者に行ったのに分からなかった、誤診した、ということになる。

そして、実は。
最初に分からなかった医者も悲しいんです。申し訳ないんです。
特に、今の私にとっては。


昨日、私が救急外来で診て、咽頭炎による発熱と診断した子が。
半日後に、別の診断で入院となりました。
うーん。普通の風邪の類とかだとそこまで凹まないのですが、今回はオペになったこともあり、凹みました。ごめんね、最初に全く分からなかったんだ。。。

先輩方は、みんな、この子は分からなかったと思う。
他の要因が明らかにあるから、分からないよね。
症状が全然なかったから、 疑えないと思う。
あの状況の子で疑うのなら見当違いでしょ、他を疑うでしょ。
とか、いろんな事を言われた。

うーん。

Aug 2, 2013

CPA

CPA = cardiopalmonary arrest = 心肺停止

小児科に来てから、CPAに立ち会った事は1回しかありません。
私が立ち会わなかった事例を合わせても数回しかありません。
ただただ、唖然としてしまって、言われたことをしようと試みて終わりました。

そして。そんな昨日。
当直でした。7時半過ぎまで、医局で先輩とお話をしていたんです。
7時半過ぎに嘔吐の子と、乳児期早期発熱の子が来て、救急外来に下りて。
診ている最中(ちなみに、二人とも入院になりましたが)のこと。

8時ちょっと前。救急救命科の先生が私の元へ来ました。
「CPAの子が来るから、手伝ってください」

話を聞くと、基礎疾患のある3ヶ月の子だ、と。
一瞬、頭が真っ白になりました。私一人じゃ無理だ。。。

(うちの病院では、hotlineは大人も子供もまずは救命科がfirst callとなります。救急車であっても二次救急以下は小児科や内科が診ます。
 ですが、救命科は大人の人が専門なので、小児、特に1歳未満の場合は小児科orNICUが呼ばれ、我々がメインでの加療になります。)

無理だ、と思ってまずした事。
ついさっきまで話していた小児科の先輩に電話をする。 が、つながらない。
別の先輩に電話する。  が、つながらない。
焦る。どうしよう、という焦り。

NICUの先輩に電話をしたら、つながった!
ちょうどカンファ中だったため、みんながいました。
「3ヶ月の◯◯病のあるお子さんがCPAで運ばれてくるんです!私一人じゃどうしたらいいか分からなくて、あの、」
ここまで言った時点で、「分かった」と。

児が運ばれて来た時、PEA(心臓の電気活動がわずかにあるだけの心停止)でした。
骨髄針を救命科の先生がトライするも入らず、挿管も出来なさそうな状況(というより、小児用ではなく、大人用しか無かった><)

というところで、先輩たちがかけつけてくれました。
ありがたかった。ようやく落ち着けた。
主治医の先生に連絡をするのもしていなくて、言われて初めて連絡をするという次第。

一人がラインを即確保、別の先輩が胸骨圧迫を交代、持って来てくれた喉頭鏡で私が挿管。
喉頭展開をした瞬間、目を疑いました。喉から先に多量のミルク。
その後も蘇生を続けてもPEAからAsystoleへ。脈は戻らなかった。

脈が戻らなくて、お看取りになって。
苦しい辛い。だけど、それ以上に、悲しかった。
私、小児乳児の蘇生を一人で立ち会えって言われたら絶対無理。
それを実感して突きつけられた感じ。

新生児の蘇生は最小限は一人でも出来ます。なんて言っても、立ち会う回数が非常に多かったし、人に教える機会もあるから、最小限はね。
でも、乳児、小児、って言われた時点で、ダメなんだ、ということが非常に良く分かった。一人じゃダメ。ライン取れる気もしないし、薬剤量の計算も一人じゃ怖い。
そもそも、CPAって言われた瞬間、頭が真っ白になった。
ダメだ、私。頑張れ。

Jul 28, 2013

先天代謝異常セミナー

というセミナーに出席して来ました。
難しかったーーー><

糖、脂肪、タンパク質などのエネルギーを上手く使えない疾患たち。
(あとは、その他の疾患もちょっとあったけど)
エネルギーが上手く使えないから、当然ながらいろんな病態を引き起こします。
いくつかの疾患は、新生児の時のマススクリーニングで検査されるようになりました。

でも、当然それ以外にも沢山の疾患がある訳で。
その可能性を考えないと、検査も出さないから、診断も付かない。
だから、小児科医/新生児医をするためには、どうしたって避けては通れない疾患たち。

なんだけど。
だからこそ、勉強に行ったんだけど。
だけど、難しかったーーー!!!

うーん。
勉強をするとっかかりは出来たかな。
自分で勉強をした上であと何回か行かないと理解できないだろうなぁ。
というか、それでも理解は出来ないかもしれない。
だけど、せめて、正しいタイミングで正しく疑えないといけないからなぁ。

Jul 21, 2013

NCPR

NCPR=新生児蘇生法

インストラクターを先日取得しまして、本日初めてインストラクターとして人に教えました。
沢山の先輩方と一緒だったので心強かった、はずが。
一緒のブースだった超先輩には、任せたからね!僕は少しだけ口を出す以外は何もしないからね、と言われ。。
完全にオロオロでした。。。

なんとかなった、と信じたいです。
初めてとは思えないよ、大丈夫、と言われたから何とかなったのだと思う。多分。

でも、やっぱり最初の流れのところで思わずBLS流になりそうになったり。
次々にシナリオをやっていくなかで、薬物治療が入ってるシナリオがすっ飛んでいたり。
あれ?でも、先輩と一緒に選んだから大丈夫だったはずなんだけどな。

ただ、みんながちゃんと躊躇わずに呼吸補助に入れて、必要なら胸骨圧迫が出来る。
30秒毎にちゃんと評価をできる、ということだけは出来るようになったんじゃないかな。

そして。半日しゃべり通しだったため、喉がカラカラ(笑)

人に教えるのはやっぱり難しいです。
自分がしっかりと分かっていないと、人には教えられないです。
それは、蘇生に限らず、何でもそうなんだけど。
(だから、普段の診療のことも、とにかく勉強だって思ってるんですけど。)
 
でも、こうでもしていかないと、蘇生だけでも忘れないでいないと、来年から困っちゃうから。 少しでも、先輩がたに近づきたいから。 少しでも、赤ちゃんの初期蘇生を出来る人を増やしたいから。

受講したい方がいれば、随時行います☆
出張もありらしいので、場所は問いません。
コメント or メールでご連絡ください。

Jul 15, 2013

学会

初の学会発表終了☆

去年からの、小児科地方会、医療セミナー、埼玉医学会に引き続き、本日初。
初学会、初ポスター。

しかし。
正確な統計処理が間に合わず。
発表後に、統計処理を某先生に習いに行くという、間に合わなさっぷり。
先生に、発表はもう終わってるから急がないです、って伝えたらビックリされたけど(笑)
後日nを増やしてから統計処理をします。あはは。

良かったのは、ちゃんと原稿なしでしゃべれたこと。
ダメだったのは、上記の統計処理と、スライド・ポスターの作り方からプレゼンのところ。(って、主立ったところほとんどだよね。。)

ネタからプレゼンまで、ありがたいことに、まだまだ上の先生におんぶに抱っこ。
そのうち、もうちょっと自分でもネタを生み出せるようになりたいな。
もう少しマシなプレゼンを作って、ちゃんとプレゼン出来るようになりたいな。

そして。
来月は某ミーティングで旅日記を、再来月は小児科地方会でケースレポートの発表。
旅日記はまだしも、ケースレポートは実は初めて(今まで、実験をしましたとか、統計を取りました、とかばっかり)なのです。頑張ろう。

Jul 8, 2013

回復!

長かった。
丸4日お休みをして、解熱しました。
目は軽ーく赤いけど、目やにも出ないし、昨日当直から復帰です。
主要症状がなくなってから2日。経ったことにしよう(笑)

なんだか忙しい当直でしたが、回復できたことが嬉しかった。
朝になって、先輩方や看護師さんなどに1週間ぶりに会ったら、みんな口々に「大丈夫?」って目を覗き込むんですよね。
そりゃそうか。

そうとう疲れていたのですよね。
大人にもなって、小児科医にもなって、アデノウイルスにかかるなんて。
でも、ほぼ全面的に回復できました☆

Jul 2, 2013

登校禁止

仕事柄、子供たちに、「しばらく学校とか幼稚園はお休みね」と告げることは多々あります。
水痘、インフルエンザ、などなど。

仕事だし、しかたないね、と思ってるので、いとも簡単に告げます。
が、まさか自分が言われようとは。明日から登校ならぬ、出勤禁止と言われました。
研修医始まって早々に、全く違う理由ですが、1ヶ月の出勤禁止となったことがありましたが。

当時と違って、今は外来もしていて、それなりの患者さんを診させてもらっているので、困りました。
必死に電話をかけまくり、謝罪をして外来日の変更をお願いをして。
変更が出来なかったお子さんは、お母さん宛に手紙を書いて外来の受付に託し、別の先生にお願いをして。(予防接種とか、他科併診とかでスケジュールが大事な子は変更できないから)

今回は原因が、アデノウイルスさんの結膜炎+発熱、と分かっているので、数日で復帰可能だと思います。
目は充血を通り越し、出血?みたいな状態になっていて、発熱・頭痛・倦怠感が著明。

そういえば、先週後半から、やたら涙がポロポロ出てた。
そういえば、週末からだるくてだるくて、出勤した時間以外は14時間くらい寝て過ごしていた。
そういえば、昨日の朝は なんでこんなに冷房が効いてるんだろう、って思って寒くてしかたがなかった。
そういえば、昨日の午後から頭痛がしていて、若干のふらつき・立ちくらみがあった。

でも、知らぬが仏。
昨日の当直中は、そんな状態ではありましたが、まさか体調が悪いだなんて思わず、気持ちの問題だと心から信じていたので、一睡も出来なかった当直でしたが乗り切れちゃいました(笑)
病は気から、というかなんというか。


そして、申し訳ないことに、他の先生方にご迷惑をかけながらお休みをしているのに、私自身は家で暇をしているという。。。
書かなければいけない抄録やら、作らなくていけないスライドやら、その辺りをサクサク終わらせる期間にします。

当直。。。

人は、自分自身で怖い思いをしながら成長をします。
とは、昨年の上司の先生が言っていた言葉です。

確かに、去年も初めて当直で自分一人で具合の悪い子を蘇生する事になった時から、度胸もついたし、成長したと思う。

そして。
今年は本日初めて、文字通り一睡も出来ずに当直をしました。
いえ、他の先生と比べたら大変ではないと思うのですが、タイミングが良くなかった。


夜中3時。
腸重積のお子さんの整復をしている最中に、その間に来院して待合室で待っていた風邪の子がけいれんをしてしまい呼ばれる、という事態に。

幸い、腸重積のお子さんの整復はほぼ終わっていて、後は看護師さんにお願いしても大丈夫なくらいだったとはいえ。

造影室から診察室へ走って戻って。
直ぐにラインをとって抗けいれん薬を投与し始めて。
次の薬で止まらなかったら、夜中だけど誰か先輩に電話をしよう、そう思った矢先、30分経過した時点で止まりました。

止まってからも上気道狭窄(抗けいれん薬の影響もあり、舌と喉の所が狭くなってしまって、息を吸うのが苦しい)になってしまい、経鼻エアウェイ(鼻から喉の空気の通り道まで入れるチューブ。舌を避けて空気を届けられる)を挿入するという事態になりましたが。。
でも、やはり去年NICUで1年やってきているからというのもあるのでしょうか。呼吸管理の段になれば、迷いや恐怖は無かったです。 (けいれんの時は、止まらなかったらどうしよう、いつ電話しよう、とか思ったけど)


腸重積の子を初めて一人で診て、初めて一人で整復して。
けいれんの子を初めて一人で診て、初めて一人で止めて。
(しかも、体調が悪かったという悪条件で)
少し度胸と自信はついたかな。

Jun 20, 2013

脳症

今、うちの病棟には同時に二人、急性脳症がいます。
急性壊死性脳症と二相性脳症。
先週も別の脳症が一人いました。

私は今まで脳症を見た事がありませんでした。
怖いらしい、ということと、教科書的な知識しかありませんでした。
だから脳症に気付ける気がしていなかったんです。

でも、このたび見てみて思いました。
気付けるかも。おかしいんです。なんか、変なんです。
脳症の類に全く詳しくない私なので、その先の診断が出来るかはともかくとして、変。脳症のリスクがある。ということにだけは気付ける気がしました。

目が合わない、座れない、訳分からないことを言っている、など。
Not doing well、何となくおかしい。
ぱっと見た時の印象というのも大切なのだな、 と思いました。

逆に、私が親御さんに大丈夫ですよ、と伝えているのは。
熱があっても、
・生後4ヶ月以上
・発熱して数日以内
・元気にしている
・飲めていて、尿も出ている
時。
下手に救急外来や外来に来ても、他の風邪をもらってしまうことになるので、 家で様子を見てていいですよ、と伝えています。

咳や痰が酷くて、というようであればお薬を処方したりできるので、日中の外来にかかってもいいと思います。(夜間だと処方できる日数制限があるし検査もできないから日中がいいかな。)
少量頻回を試しても、ぐったりして飲めないのであれば点滴や静注が必要になるので、来てもらった方がいいです。
生後3ヶ月以内の感染症は重症なので、夜中でもかかった方がいいし、数日以上お熱が出ているのであれば、普通の風邪にさらに細菌感染症などを合併している可能性があるのでかかった方がいいと思います。

そして、そういう問題ではないような、明らかな変さが、脳症の子にはあるのだ、と実感。自分の当直中に来たら怖いです。。

Jun 18, 2013

医療拒否

医療は、受けるも受けないも、基本的には患者さん(未成年であれば親御さんも)が決めます。私たち医療者は説明をして、選んでもらいます。

なのだが。それは分かっているのだが。

昨晩の当直中の出来事です。
中学生の男の子が救急搬送されてきました。

どう見ても。重症な小児は重症な赤ちゃんほどは見慣れていないとはいえ。
どう見ても。変!おかしい!

ろれつが回らず、足下もおぼつかず、嘔吐もしていて、意識もややあやしい。

ご両親が外で警察と話をしている間に、尿検査をだして点滴をして採血をして。
確かに、尿と血液は異常はありませんでした。
でも、データより何より、本人の様子が変! おかしい!

なのに。
ご両親に現状を説明して、さらに検査が必要です、入院して経過観察が必要です、とお話をしているのに。大丈夫ですよ、とは言えないですと説明をしているのに。
精査も入院も拒否。

点滴を抜去してお帰りになりました。


これで帰宅後にその子に何かあったら。
私は訴えられるのだろうか?訴えられたら負けるのだろうか?
なんとなく理不尽。

カルテには詳細を記載し、医療拒否であったことも明記。
説得頑張ったんだけどなぁ。あの子大丈夫だったのならいいのだけど。

Jun 14, 2013

訳分からん病

最近の私、訳分からん病の子をひくことが続いています。
何の病気か分からない。だけど、明らかに身体的な異常があって、何らかの病名はしっかり付くだろうと思われる子。

あっちこっちの病院の先生に連絡をとったり、データや検体を送ったり。
教科書や文献を沢山調べて、どの方面の病気なのか、鑑別疾患を挙げてそれをつぶしていって。
訳分からないんです!って送るのではなく、当たりだけは付けたい。

そして、私なりの当たりが付いたので、週明けには転院搬送になります。
でも、私の推測だと、かなーりのレア症例になってしまうのです。
うーん。

Jun 9, 2013

SjS

Stevens-Johnson syndrome=スティーブンスジョンソン症候群=皮膚粘膜眼症候群

原因としては薬剤が多いですが、その他に感染、悪性腫瘍その他で起こる過敏症。
皮膚には多形紅斑が出て、眼脂、高熱などその他の全身症状が出ます。
特徴的なのは、皮膚粘膜移行部(唇のところとか、眼のところとか 、肛門のところとか)が酷いということ。

ステロイド投与を行い、皮膚の処置をして、原病があればその治療をして、眼科の先生に眼も診てもらって。

そして、軽症であればまだよいのですが。
(といっても、子供から大人まで合わせても100万人に数人程度の発症率で、眼に後遺症を残すことも多いので、重たい病気ではありますが。)

重症だと、TEN=Toxic epidermal necrolysis=中毒性皮膚壊死症
に進展していってしまうことがあり、要注意です。

そして。
私の当直中にSjSの子の症状が進行したため、転院搬送へ。
NICUにいた頃は、迎え搬送とかが多かったので、専門病院への転院搬送に同乗していくのは初めてで、ドキドキでした。

先輩Drに「とりあえず落ち着いて。搬送中に起こりうる事態は?」と聞かれ。
「呼吸状態の悪化。」と答えたら、「そうだよね?そうなった時の対応できるよね?なら大丈夫、行っておいで」と送り出されました。

無事に行って来れて良かった。
そして、よい転帰であることを祈ります。

Jun 6, 2013

CPAOA

CPAOA= Cardiopulmonary arrest on arrival=来院時心肺停止
つまり、院外で心肺停止になり、心拍再開しないまま病院に運ばれて来た患者さんの事です。

研修医でERを回っていた時に、大人に関しては沢山遭遇しました。
むしろ、ドクターカーで迎えに行って、胸骨圧迫をしながら帰って来たこともあります。

NICUにいた間にも、生まれたけど初期蘇生に反応しない子も経験しました。
先天疾患があり、NICU入院中に亡くなってしまった子も看取りました。
担当している子が亡くなったこともあります。


今日。
小児科に行って初めて、CPAOAで来た子を経験しました。
知ってる子でした。

来た時点でasystole(=心静止=全く心臓の電気活動がない状態)で若干色も悪くなっている状態でした。
挿管して人工呼吸を開始、胸骨圧迫を継続して、心臓が動き出すことを祈って薬剤投与も行いました。
でも、動かなかった。
何をしても、反応してこなかった。

30分ちょっとの時点で、お母さんに事実が伝えられました。
やれる事はやったけど、心臓が動き出してくれない、と。
名前を呼んで泣き崩れていた。そりゃそうですよね。

新生児や小児の場合。
蘇生を止めてご家族に抱っこしてもらった時刻を死亡確認時刻にすることが多いです。
full code(挿管、胸骨圧迫、薬剤投与など全ての蘇生を行う)ではないお子さんでは、心臓が完全に止まった時ではなく、ご家族が納得出来た時刻を死亡確認時刻にすることもあります。
今回も、お母さんに抱っこしてもらった時刻を死亡確認時刻としました。

どうしてなんだろう、という思いはご家族はもちろんのこと、私たちにも残ります。
血液検査の提出、死亡時CT(AI=autopsy imaging)を撮ったり、小児の場合は代謝疾患などの先天疾患の検査の為の濾紙血や保存血清を取らせてもらったりもしますし、解剖を行うことも少なくありません。

生まれて初期蘇生に立ち上がってこない子もすごく辛いし、先天異常があってNICUで看取る子もとても悲しいのだけど、小児のCPAOAのお子さんはシンドイ。
そんなことを思い知らされました。
 担当している子だったら、もっとシンドイのだろうと思います。

言葉ではなんとも表現できません。
ただただ、心が押しつぶされそうな、なんとも言えない感覚が残ります。
慣れることはないんだろうなぁ。

Jun 5, 2013

食べた

食べない子(小学生男児)が、私の外来に通院しています。
(いわゆる神経生食思不振症=拒食症、ではありません)
いかほど食べないかというと、脱水と低血糖を起こして複数回入院するほど。

入院中から担当していて、お話を沢山して、なんとか最小限、点滴は要らないくらいは食べるようになって、退院としました。

そんな子が!
外来で経過観察中に、食べるようになってきたんです♪
ピザやカレー、コロッケなどなど。
食べ方も、本当に少し(一口が私たちの1/5-1/10くらい)ずつだったのが、ある程度の量ずつ食べるようになってきたんです!
おかげで、体重も少しずつ増えて来ました。(本人的には、もっと増えてるはずだったのに、と凹んでいましたが。)

良かった!食べた!
最終的には、小児精神科を受診してもらわないとダメだろうとは思いますが、とりあえずは緊急事態は脱しつつあるかな、と。
ホッとしました。このままもうすぐ良くなるといいのだけど。

Jun 4, 2013

重心

重症心身障害児・者

正直に言います。

学生の時に初めてお見かけした時は驚きました。
なんとなく近寄れなかった。

研修医になって、担当するようになって。
抵抗は無くなったけど、どうしたらいいかが分かりませんでした。
可愛いよね、と心からは言えなかった。

去年。
生まれてからずっと担当してる子が、いわば少し動ける重心でした。
可愛かった。重心じゃなかったら?なんて想像できないくらい、その子が可愛かった。

そして今。
重心の子達にも感情はある。
それぞれの生活があって、家族の生活や負担がある。
そんなことを思えるようになりました。

重心の子が可愛い。
そう思えるようになっている自分に気づいて、去年一年に感謝したし、小児科医・新生児科医に一歩近づいたな、ってふと思いました。

May 28, 2013

ITP

特発性血小板減少性紫斑病(=Idiopathic thrombocytopenig purpura=ITP)

血小板に抗体(本来は、外敵にくっつくもの)がくっついてしまい、外敵と認識された血小板が、マクロファージ(本来は、外敵を食べて処分する細胞)などに食べられてしまうのです。
そうすると、血小板が減少してしまうので、血が出やすくなってしまう、という病態です。

発症前に感染症罹患をしていたり、まれに(百万人に一人とか)ワクチン後とか、何らかの免疫反応があった後に発症する事が多いとは言われています。


血小板は通常は12-40万です。
ITPでは3万を切ったり、少なければ1万も切っていたりします。

その為、血が止まりにくい状態になってしまい、皮膚に点状出血や出血班が出てきます。
血小板の値にもよりますが、基本的には広範な範囲の皮膚に出血がみられている状態では治療の適応があります。 頭の中に出血したら怖いですから。

大人だと、慢性ITPと言って、ずっと血小板が高めの低め(8万とか)で経過する人もいます。
でも、小児だと急性ITPと言って、治療に反応してそのまま改善するお子さんがほとんどです。


という病気のITP。
なんだか私、ひいてます。
当直二連続でITPをひいてるんですもん。ふぅ。

May 23, 2013

脳波

読めないんですよね。
心電図の方がまだ読める。

脳波は脳の活動を拾う検査です。
頭にペタペタと電極を貼り付けて、しばらく寝ててもらって記録します。
大人だと、起きているところから始まり、横になって寝始めるくらいまでをとります。
子供だととてもそんなことは出来ないので、眠くなるお薬を飲んでもらって、寝てる間にとります。

読むポイント、が決まってるのは決まってるのですが、心電図と違って基準値がはっきりしている訳でもないし、記録も20-30分とか長い。
となると、私には訳分からない波が流れていっているようにしか見えないのです。

新生児の時には、最小限の新生児脳波は読めるようになりました。何週相当なのか、活動が抑制されていないか、異常波は出ていないか、とか。
ところが、新生児と小児だとまた全然違うのです。そして、小児の中でも年齢によって正常な脳波は全く違うから困っちゃう。

見るポイントを教わり、自分で読んでみて、上の先生にみてもらい、最終的には部長先生(小児神経専門医)に確認をもらう。
という作業が始まっています。

検査をオーダーするのは簡単。
(といっても今の私だと、何の検査を出すかを選ぶのも迷いますが)
でも、小児の場合は特に、検査を実際に行うことと、解釈することが大変。

暴れて検査出来ない子もいるし、0歳の子と12歳の子では正常がそもそも違うから、検査結果がその年齢の子にとって正常なのかを判断するのも大変。

そんなこんなを実感しつつある今日この頃です。
頑張れ、私。

May 22, 2013

若手

私はまだまだ「若手」です。
一人でなんてまともに判断して決断して、なんて出来ない。
いろんなことは調べながら進めないと出来ないし、上の先生におんぶに抱っこ。

だから、患者さんに聞かれても分からないこともある。
分からなければ、「今分からないから、調べたり他の先生にも確認してみますね」とお伝えしています。

先日。
それでも私に向かって。どう見ても、ベテランではない私に向かって。
「先生の経験上はどうですか?」と言ったお父さん(ちなみに、医療者)がいた。

ホント、空気読んでください。
私の経験とか言わないでください。
小児科2ヶ月目ですが、何か?って気分です。
それか、私が老けて見えるということか?
それはそれで凹むわ。。。

いつまでも若手な気分でいてはいけないのよね。。
頑張ります。

May 17, 2013

NCPR

新生児蘇生法のことです。
この度、新生児蘇生法を教えるインストラクターの講習会を受けてきました☆
そして、インストラクター合格!

という訳で。
新生児蘇生法を人に教えられることになりました♪
と言っても、いきなりなんて無理だから、誰か先輩がやる時に手伝わせていただくところからかな。

人に教えるというのは難しいです。
何に重点をおくのかを絞って、今日はとにかくこれはできるようになってね、というポイントをちゃんと伝えられるインストラクターになりたいな。

生まれる時に、最初の一歩を踏み出せない赤ちゃんの手助けができる人を増やしたい。

常識は所変われば非常識

私たちは、子供たちに点滴を入れる時に、いろんな手段を使います。

大きい子たちは、親御さんと一緒にだったり、座ってだったりして普通に点滴を取ります。
説明すればお話が分かって、針を入れる間は暴れないでいられる子たち。
手に点滴のチューブを入れることを理解できる子たち。

赤ちゃん(未熟児〜2ヶ月くらいまで)は、寝たまま、手だけ借りて点滴を入れます。
いわば、暴れられない子たち。
嫌だとしても、大人の私たちに手を取られてしまうと、寝返りも出来ないので、動けないのです。
なので、そのままでも比較的安全に点滴を入れることができます。

その間の子たち。
力一杯暴れまくる子たち。刺せないし、危ないし。
大半の子は、簀巻き状態にされての採血や点滴です。
バスタオルで反対側の手を巻きこんでグルグルにして、もう片方の手をしっかり持って行います。

これが、親御さんや他の科の方にはショックなようで。
子供にも私たちにも危なくない方法ではありますが、完全に子供の意に反して強引に行いますからね。
説明しても分からない年齢の子達には、必要と思っていて、当たり前のようにしてますが、当たり前じゃないんだよね。

発熱

いえ、患者さんではなく、私が。
夕方から節々が痛く、変だなぁ運動もしてないのに、と思っていました。

そしたら夜中から寒気がしてきて38.0℃の発熱。
寒くて布団に包まってたら、そのうち暑くなってきて測ったら38.5℃。。
頭もお腹も節々も痛い。。

結局朝になっても解熱せず。
病院に電話してお休みをもらいました。

小児科に行って初。
気道症状に乏しく、どちらかというと腹痛軟便なので胃腸炎をもらったのかも?
おとなの38.5℃は思っていたよりも辛かった。

3月の頃から、先輩方には、「無菌のNからばい菌ウイルスだらけの小児科に行ったら、たくさんもらうよ、熱出すよ」とは言われてたものの。
本当でした。しかも、免疫がなくはないからか、熱以外は中途半端な症状でfocusも決めきれない感じ。。

一日中寝てて、夕方に汗をかいてちょっと楽になったと思ったら37.2まで解熱。
まだだるく、歩くとフラフラでしたが。


今朝もまだ歩くとフラフラして節々も痛いですが、解熱してるので出勤してみます。
冬までには免疫つけて、欠席日数を極力減らしたいなぁ。

May 15, 2013

不明熱

不明熱というのは、Fever of unknown originということで、原因不明の発熱のことです。
一応、入院3日や外来3回で原因が分からないやらの定義はありますが。

先日から私の担当している子に不明熱が立続きました。
一人は本当に不明で、入院精査しても分からぬまま、解熱してゆきました。
発熱以外に全く症状も所見もなく、検査をしても何もひっかかりませんでした。
きっと何らかのウイルス感染だったのだろうと思います。


今回担当している子は、2-3週間も発熱している状態です。
その他の症状も所見もしっかりあるので、何かしらあるのだと思っています。

そして。血液検査やら画像検査やらをやっていく中で。
骨髄検査を行うことになりました。

骨髄検査。
骨の中にある骨髄まで針をさして、骨髄を吸引して検査に出します。
血液疾患で行われることが多いので、血液の先生はやりなれている検査です。

が。
一般小児を診ているDrにとっては慣れない検査です。
今回、転院するのではなくうちの病院でやることになり、オロオロ。
血液内科の先生にも連絡をして。監督はするけど、実際に行うのは小児科の先生で、と言われ。

担当しているし、一番最近やったことのある私(といっても研修医で血液グループをローテートした時だから一年半ぶり)がやることに。
ちゃんと出来たし、よいのですが、ドキドキしました。

骨髄検査でも診断はつかず。
この先の検査をまた考えなくてはいけません。困った。
原因が分かるとよいのですが。そして、悪性でなければよいのですが。

May 9, 2013

訪問診療

往診と、訪問診療、は言葉からイメージすることは似ているかもしれませんが、少し違います。
どちらも、医師(と看護師)が家に行く、ということには変わりありません。

訪問診療というのは、もともとおうちで診ている子たちに「定期的に」おうちに訪問すること。
具合が変わらなくても、決まった日にちにおうちに行きます。
一方で、往診というのは、具合が悪い時に、いわば臨時におうちに行って診ること。


うちの病院で訪問診療を行っている子たちは、
・重症心身障害児
・人工呼吸器を付けている
・移動が非常に難しい
という子たちです。 その中でも、ご両親が訪問診療を希望している子たちです。
同じ状況でも、車などで病院に通ってくる子たちもいます。ご両親次第。

そして、小児在宅で有名な先生もいらしゃいますが、大変残念ながら、うちの病院の周囲には小児の訪問診療をやってくれるような先生はほっとんどいらっしゃいません。


本日、訪問診療に行ってきました。
学生の頃にバイト先の薬局で、訪問での服薬指導に連れて行ってもらって以来初めて在宅のおたくにお邪魔しました。

やっぱり、小児在宅は大変なのだな、と。
高齢者の在宅も大変だとは思います。特に、老老介護とかだと本当に。

小児の場合は重症な子たちで、人工呼吸器がついていたりするので、例えば人工呼吸器が外れてしまったら、即生命の危機な訳です。
お母さんたちはその不安とかを乗り越えて、家で一緒に過ごしているんですよね。
子供たちと向き合ってる間に、痰が多くて苦しそうとか、今日は調子がいいみたい、とか、ちゃんとお子さんの気持ちや状況が分かっていた。

お子さんたちは、リビングだったりみんなが集まる場所にベッドを置いてもらっていました。家族の中心にいました。
 
だけど、人工呼吸器を外せないお子さんが家にいるということは、誰かがいつも家にいなくてはいけない、誰かがずっとtake careしていないといけない。
ご家族の負担も沢山。ご家族にとってのバランスなんだろうな、って思いながら診させてもらって来ました。

今日は、まず上の先生に同行させてもらった。
次は私一人でいく番。

May 7, 2013

低身長

背の高さは男女問わず悩みの種のようで。
小さい、ということを主訴に受診する子たちはけっこういます。

身長が低いことには沢山の理由があります。
周産期の異常、内分泌疾患、染色体異常、骨疾患、頭蓋内病変、などなど。

そしてもちろん、家族性 。
親御さんの背の高さから計算される期待される身長というものがあります。
私の場合は154cmです。それよりはわずかに大きいから、まあまあな成長はした訳です。

とは言っても、標準の曲線の遥か下、急に伸びが悪くなっている、など身長の伸びの経過によってはしっかり検査が必要になります。

NICUを卒業した子達はある一定の割合で低身長の精査が必要になるし、低身長に興味はあったのですが、この度初めて外来でひきました。
検査を本日出して、今度検査結果説明。

血液検査やら 、手のX線写真から骨の年齢を割り出したり、MRIを撮ったり。
そして、必要があれば、負荷試験も。
せっかく外来主治医になったんだもの、頑張って勉強しよう。

連休明け

というのは、大変なのだな、と実感。
連休明けの本日、私は午前外来でした。
もう、朝からすごい人数が押し寄せていました。

連休中に具合が悪くなったけど、頑張っていた子たち。
連休前や連休中に具合が悪くて、救急外来を何回も受診してつないでいたけど、具合がよくならない子たち。
そこに加えて、学校健診で異常を指摘されていて受診した子たち。
など。

でも、私、午前の2-3時間でたった9人しか診られなかった。。
つまりは、私がゆっくりな分は他の先生たちに負担が行ってしまうわけで。
申し訳ないと思いながらも、まだどうしても時間がかかってしまうのです>_<
前よりは悩まずにサクサクと検査したり帰したりできるようになってきつつありますが、今日はなんせ検査が必要な子達が多くて、その分だけ時間がかかってしまい、午前外来が終わる頃にはぐったり、、、。

その分、午前中は入院中の子達のことは最小限しか出来なかったので、午後からはそっちでバタバタ。
うーん。やっぱり連休明けは大変である。

Apr 29, 2013

救急外来

私はまだ、半人前です。
しかも、今の病院の小児科は、今年の人事ではかなり学年の上の先輩先生方が沢山なので、私は一番下です。

なので、当直や外来は緩やかに始まりました。
外来はまずは、午前よりは患者さんが少なく、考えながらゆっくりでも大丈夫な午後の時間外外来から。
そして、次に午前の中では一番患者さんが少ない水曜日の午前外来。

当直も、まずは病棟のみの日。
そして、次に、準夜帯のみの日。
そして、次に夜中のバックアップ当直。(救急外来に外勤の先生が来てくれる時の当直)

そして。
本日は初めての土日の病棟当直です。
土日は恐ろしい数の患者さんが来るので、外来と病棟とは別に当直医がいます。

先輩先生が次から次へと救急外来をさばいていく様子を見て、驚きました。
迷っている時間はないんです。患者さんからお話を聞いたら、次から次へと判断して、orderを入れていかないと終わらないんですね。。
そして、その合間に次から次へと入院さんも入り。

救急外来を上手く回せるようにならないと、一人前の小児科医にはなれませんね。
最初は時間かかってもいいんだよ、と言われました。
本当に具合悪い人を見逃がさなければ大丈夫、と。
患者さんが多すぎて待つ時間が長いのは仕方がないことで、救急じゃない方も沢山来てて、待てなくて帰る人もいるかもしれないけど、そういう人たちは救急じゃないから大丈夫だから、と言われました。

とは言われても。。。
頑張れ、私。

Apr 26, 2013

けいれん

けいれんは小児科医にとっては、診慣れるくらい沢山見ることの一つです。
でも。小児科に出たての私にとっては、当直中に「けいれんの子が来ます」と言われると怖いです。

当直中。朝6時前。
「けいれんした子が救急車で来ます。」とPHSに連絡が入りました。

状況を聞くと。
2歳の子。けいれんはした事がない。
先ほど突然四肢をガクガクさせるけいれんがあって救急要請。
救急隊がついた時にはガクガクするけいれんは治まっていたけど、意識がまだぼんやりして目が上を見ている。熱を測ったら39℃。10分後に病院到着出来ます、と。

その時点でけいれんが始まってから15分程度。
目が上を見たまま=けいれん自体は止まっていない
 →時間が長い。来院時にけいれんが止まっていない可能性あり!!

けいれんというのは、とにかくまずは止めてあげることが先決です。
普通の症状は、原因が何かを考えて、原因の治療を行いますが、けいれんはとにかく止めることが先です。
来院時に止まっていなければ、様々な薬を使って止めます。その後で、原因を考えていきます。

体重を聞いて、来院時にけいれんが止まっていなかった場合の薬の量を計算して。
有熱時けいれんですから、止まらなかったら髄膜炎・脳炎・脳症(怖い!!)の可能性もあります。
覚悟して待ち構えていました。

そしたら。
幸い、来院時には止まっていました。
意識清明であることを確認出来た時、心底ホッとして落ち着きました。
経過と症状・所見からは熱性けいれん(一応持続時間からはギリギリ複雑型)と診断。
再けいれんしないかの経過をみながら、検査結果やけいれんのご説明をして。

まだ、けいれん重積を診た事はありません。
(重積=30分以上けいれんが止まらない≒病院到着時に止まっていなくて、薬を使わなくてはいけない)
いずれ出会うことでしょう。そして、いずれ対応も慣れてくるのでしょう。
今はまだ、ドキドキです。

Apr 18, 2013

ネフローゼ症候群

私の外来(日中の外来)は今のところ、なかなかに荒れております。
初回外来でも珍しーい疾患をひき。
今回は、初発のネフローゼ症候群を引きました。

ネフローゼ症候群は、尿の中に蛋白がダダ漏れになってしまって、血の中のたんぱく質が薄くなってしまう病態。

名前は有名だし、それなりにいるのかと思ってましたが。
上の先生に言われました。
初発はあんまりはいないのだそうです。
そうですか、さよですか。

検査に行ってもらっている間に本をひきながら、上の先生に検査項目とかも確認してもらいながら、必死。
それでもなんとか検査を出して、診断を付けて、親御さんに説明して入院にして。

治療を始めて、反応がいいかどうかが山。
最初の最初から見てる子だもの。
最後までちゃんと責任を持って治療を進めていきたい。

Apr 14, 2013

腸重積

初めて見ました。
まぁ、けっこういるらしいんですけどね。

口側の腸が、肛門側の腸にはまり込んでいる状態。
そこの部分に血流が行かなくなってしまって、時間が経つとそこの腸が壊死してしまうのです。

血便が出たり、間欠的に不機嫌になってみたり(腹痛が出る)、嘔吐してみたり、という症状です。
が。こんなに全部が揃う子はいないらしく。
嘔吐だけじゃ私疑えないよ;;;

怪しければ浣腸をかけて排便させて、血便でないことを確認することが大切、と習いました。
そして、それでも怪しければ、エコーをしてみたり、治療的診断(診断的治療??)を兼ねて造影→高圧浣腸をかけるのだとか。

そして。
本日初めて本物の腸重積の子を見ました。
私でも分かるような典型的な教科書的な感じで、勉強になりました。

胃腸炎を起していて、そのうち腸重積を起こしてしまったりとか、時間経過で徐々に起こす事もあるそうで。常にちゃんと頭の片隅に鑑別として置いておこうと思いました。

Apr 11, 2013

anorexia

anorexia、神経性食思不振症の小児を初めてみました。
パッと見て分かるくらい。

命にかかわることなんだよ、ということを初めて実感しました。
心臓がギリギリしか動いていなかった。

点滴を始めるのが怖いのだそうです。
Refeeding Syndrome。

身体が切りつめてギリギリで頑張っているところに、栄養が入り始めた時が危ないのだそうで。
ギリギリの心臓にとって、急に入ってくる水分は負担。
急に栄養が入ってきて、細胞が活動を開始し始めると、ミネラルやビタミンが足りなくなる。
など。

うーん。
恐ろしい。

どうして、小さい子でもこうなっちゃうんだろう。
大人の女性でも危ないけど、子供だともっと危ない。
幼くして発症した子の方が、精神面での回復が難しいのだそうです。

Apr 9, 2013

外来

さて。
先週から少ーしずつ時間外だったり、お手伝いでの外来だったりが始まっています。
でも、なんせ私、小児科医を名乗りながら、小児科を回った事が無いため、基本的に上の先生に後ろにいてもらっての一週間でした。

感染focusと病原体の考え方、抗菌剤の選び方、川崎病や喘息の子の対応。
毎日毎日新しいことが入って来て、頭はパンクしそうな勢いです。
10の情報が入ってきて、そのうち3くらいが頭の片隅に残り、0.5-1くらいを実践できる、といった感じ。


外来にもいくつか種類があります。
・専門外来
 心臓外来だったり、神経外来だったり。専門がしっかりある上の先生たちの外来。

・専門外外来
 私のような、下っ端の外来。特別な外来にかからなくても大丈夫だけど、外来フォローが必要な子たちの外来。私の外来には、Nで診てたちょっと小さい子たちや、喘息・頭痛の子などが来てくれています。

・予防接種外来
 とにかく予防接種を打ちまくる外来です。正しい子に正しいものをうつ、というだけなのですが、意外と大変。前回からの間隔は?他の予防接種との兼ね合いは?うつタイミング(月齢)合ってる?とか。

・健診
 1ヶ月健診とか、3ヶ月健診とか、定期的にある健診。ただ、けっこうな人数を決まった時間内で診るので、ここでちょっと気になった子たちは後日フォローアップになる事も。子供たち+お母さんの状態もチェック。

・午前外来
 今までに挙げて来た外来は、予測がつくと思いますが、みんな基本的に予約です。ですが、例えば、ちょっと体調が悪くて、とかで病院やお医者さんかかることありますよね?その外来です。
 うちの病院の場合、そういう子たちには主には午前中に来てもらっています。(午後はNICUのちびちゃんや、心臓病がある子たちなど、風邪をもらってほしくない子たちの外来があるので)

・時間外外来
 とはいえ、体調が悪い子たちみんなが午前中に来られる訳もなく。午後に来ちゃった子たちを診るのが時間外外来。

・救急車
 はこれらとは全く別に、突然やってきます。本当に具合悪い子はともかく、軽微な子が来る事もありますが、救急車はタクシーではありません!軽微な人が使うことで、本当に重症で一分一秒でも早く救急車を待っている人の元へ行く救急車が足りなくなります。


とまぁ、いろんな外来がありますが。
今までは、午後の専門外外来、予防接種、健診、時間外でぱらぱら来る子たち。
明日は初めての午前外来です。
ドキドキだけど、頑張ろう♪

Apr 7, 2013

abuse

小児科というのは、いろんな子を診ます。
その中には、どうしてそういう状況になるのかが分からない、という子もいます。

例えば、動けないような生まれたての赤ちゃんが、骨折していたりとか。
例えば、自分では手が届かないような場所にやけどの痕があったりとか。

こういう、受傷起点の説明のつかない、何らかの外力が働いたことが予測される場合、我々は鑑別疾患(考えられる疾患)の一つとしてabuse=虐待、を挙げます。

教科書では分かっていました。
でも、NICUでは基本的に生まれたときから入院しているため、虐待を発見する、というよりは虐待に繋がる可能性のある子をピックアップしてフォローしていく、という予防的な観点(一次予防)が多かったように思います。
小児科では、虐待がある可能性を考慮しながら、早期発見、再発予防という観点(二次予防、三次予防)が強いような、そんなような気がしています。

私の時間外にやってきて、上の先生と一緒に診た子が、受傷起点の分からない怪我をしていました。教科書通りではあります。
でも、実際に対面してみて思いました。
疑われるご家族も嫌な思いをするし、考えなくてはいけない医療者側もどっと疲労する。

それでも。
赤ちゃんの幸せを第一に考えて。
どんな赤ちゃんだって、親御さんと一緒にくらせることが幸せだとは思うから。
その中で、痛い思い辛い思いをしないで、幸せに暮らせる道を探す必要があるのだな、と。

今回のお子さんの場合、上の先生がほとんどのお話をしてくださっていて、私は学生さんですか?の勢いで大人しく隣に立ってるだけがほとんどなんですけどね。
自分で対応できるようになるにはほど遠い。。

Apr 5, 2013

問診

バカな発言してもいいですか?

問診。
できなくなってる。。。。

あのねあのね、学生の5年生に戻った気分。
魔女の宅急便のキキが「飛べない…」ってなった時みたいな気分。
今まで当たり前のように出来ていたはずなのに、出来ない。

患者さんがなんらかの主訴(頭が痛いとか、お腹が痛いとか)を持って病院にきます。
診察室に入ってもらって、最初にするのは、どういう経過なのか、既往歴は?などの問診。
5年生の時は何を聞けばいいのか分からないし、難しいよぉって四苦八苦してた。
研修医になるころには、あまり困らずに患者さんと向かいあえていた。

が。
NICUって、問診ってないんだよね。
赤ちゃんは当然しゃべらないし、親御さんにも妊娠出産経過とか既往歴とか家族歴とか聞くけど、最小限です。
事の経過はやっぱり産婦人科の先生から得られる情報が多いから、カルテや先生からの話がメイン。

そんな1年ちょっとを過ぎて。
親御さんへの説明はNICUでも散々やってきたから、出来るんです。
でも、その前の最初の問診が出来なくなってた。

「今日はどうされました?」
から始まり。えーーーーっと、何聞くんだっけ?みたいな。
そして、まだ小児の鑑別疾患が頭に入っていないから、何を聞いていけばいいのかが分からない。

注)
鑑別診断=考えられる疾患
例えば、頭が痛いって言われたら。
髄膜炎、頭蓋内出血、脱水、肩こり、片頭痛、近視、etc
大人と子供でも考えなくてはいけない病気は全然違うし、子供と新生児でも全く違う。


そんな1週間を過ごして。
ようやく、感覚を取り戻しつつあります。
問診くらい出来ないとね。学生以下になってしまう。。。

Apr 3, 2013

Nに入院することの衝撃

NICUから小児科へ出て来て3日。
みんなに、「娑婆へようこそ」「絶対風邪とか胃腸炎とかもらうよ」と言われます。

そして、まだ3日しかたっていないけど、思った事があります。
やっぱりNICUは特殊だ。

あの中は大きな保育器みたいなものです。
そして、Nに入院することはご家族(特にお母さん)にとってショックだ、ということは想像できていたものの、なんだかさらに分かった気がしました。

普通のお母さんたちにとっては、お腹の中で順調に育って、満期で生まれて、元気に退院出来て。その後も育児に少し悩みながらも、スクスクと育つこと、その途中で風邪をひいたりしながらも、基本的には大きな問題なく育つこと、が当たり前なんですね。

そりゃそうなんですよね。
でも、外来を少し、入院を少し見ていて、そうなんだな、となんとなく理解しました。
でもね、当たり前じゃないんだよね。
すっごくありがたいことなんだよね。

Apr 1, 2013

小児科初日

4月異動の人は多いはずですよね。
私も例外ではなく、本日より同じ病院内で、新生児科→小児科に異動になりました。
今まで赤ちゃんしか診た事がなかったので、オロオロウロウロ。
本をひきながら、必死(汗)

みんなが優しくて、すごくありがたかったです。
何を聞かれても、国家試験以来の小児科なので、ポカンなんですよね。
あは。恥ずかしいにもほどがある、っていうくらい、ポカン。

午後の予防接種外来が非常に救いでした。
年齢確認して、今までの予防接種歴を確認して。
プスっと。

予防接種はNICUにいるころから、 散々やってきたので、全然困らないのです。
乳児健診も10ヶ月までの子は大丈夫。
(それ以上の年齢の子はまだフォローしていないので、分かりません><)

普通の子供たちをオロオロせずに診られるようになりたい。
今の私は研修医以下。
頑張ります><

Mar 29, 2013

最後の勤務

NICUでの1年2カ月におよぶ研修が終わりました。
進みたい科、憧れの先生たちに学べる期間。
みんな温かく教えてくれたし、楽しかった。

いっぱいいっぱい泣いて、それ以上に笑った、そんな研修でした。
Blogを読み直しても、振り返ってみても、本当にいろいろあった1年でした。

私なりには頑張ったなぁ。
全部が初めてで分からなくて勉強もしたし、手技もいろいろやらせてもらった。
吸収できることを全部吸収したいと思った。

月曜日からも間違えてそのままN出勤しそうなくらい、Nじゃなくなるのが変な感じ。
来月から小児科。また沢山学ぼう♪

Mar 28, 2013

最後の当直

先日、最後の当直が終わりました。
3年目として、NICUの最後の当直。

日曜日の日当直だったので、朝から翌日までです。
出勤して早々に、黄疸・血便が主訴の子が入院(転院)になりました。
その子は最初の電話の時と比べれば軽症さんでした。

その後は平和に一晩過ぎ去り。
無事に朝が来た時、4月の最初の当直の時と同じくらい、いえ、もしかしたらそれ以上にホッとしました。
月曜日の朝なんだから、一週間が普通に始まっただけなのに、だけど、今までになく安心しました。

この一年、私の当直は基本的に非常に平和でした。
(まぁ、その前の研修医時代の2年間も、日直はともかく、当直は平和でしたが)
ひきたい、と願った6月の当直の時(上の先生がいなくなる前に、一人で対応をしたことが
ないという状況を脱したかった)だけはひきましたが、それ以外はひいたことがありません。

来週からは小児科です。
当直はNICUより遥かに大変だと思います。頑張ろう。
でも、とにかく無事に一年間の当直が終わって良かった。

Mar 26, 2013

お散歩

私が一年以上前、生まれた時から担当している赤ちゃんがいます。
何度も死の淵をさまよって来た子ですが、最近ようやく落ち着いて来ています。
とはいえ、まだ人工呼吸器は手放せません。

そんな赤ちゃん(といっても、もう1歳だけど)にいろんな経験をさせてあげたい、と思いました。
そして、実現したお散歩。
試す意味もこめて、先日まずは病棟内を一周。
大丈夫であることを確認し、本日が本番。
病院内の屋上庭園にお出かけをしてきました。

たった40分のお出かけ。
でも、大きな40分。
初めて日の光を浴びて。
初めて風を受けて。

本人が何を思ったかは分かりません。
でも、最初ビックリして固まっていた子が、慣れて来たらきょろきょろして動き始めた。
新しい大きな一歩になったらいいなと思っています。

私にとっては、この一年、沢山悩んで沢山泣きながらこの子を担当してきた最後のご褒美のような、そんなお散歩となりました。
私が隣の小児科に異動になって、新しい先生に担当してもらっても、たまにお散歩に連れて行ってもらってね。お家に帰ろうね。

Mar 20, 2013

退院を目指して

私は3月末をもちまして、当院の小児科にうつります。
それに伴って、入院患者さんたちを次の先生に引き継がなくてはいけません。

でも、私の患者さんたちはかなーり大変な子たちが多いんです。
重症さんだったり、今後の先行きが大変な子だったり、social problemが山積みな子とか。
だから、それ以外の子たちは極力退院させたいんです。

年明けからは、在胎週数から計算して、担当したい子を選んできました。
といっても、みんながみんな順調に退院出来る訳では有りません。

みんなだいたいひっかかるのは、呼吸か哺乳かというところが多い気がします。
(もちろん、手術だったり、social problemだったりという子もいますけど)

今月最初には7人いた担当患者さん。
3人は退院させてあげられて、残りは4人。
あんまり焦って退院させても良い事はないし、後は赤ちゃんたちとママたちを見て、大丈夫そうなら退院、そうでなければやっぱり引き継ぎかな。

Mar 8, 2013

中庸

という、とってもよい言葉がある。
もしくは、いいかげん、とか。てきとう、とか。
これって大切なんだな、と最近とっても実感中です。

というのも。
赤ちゃんたちに関わっていて思うのが、とっても真面目なママもいるし、逆に考えなさすぎる過ぎるママもいるんですよね。
予防接種や乳児健診すらままならないママもいれば、何時何分に何mlミルクを飲んだかの記録をカルテのごとく付けているママもいる。

ママの価値観とか考え方を否定するつもりはないんだけど、どっちも良くないんじゃないかなと思うんです。
多分、その真ん中がいいの。

もちろん、考えなさすぎて、予防接種を全然打っていません、みたいなママは困っちゃう。でも、真面目すぎてきっちりしすぎていると、自分も辛くなるし赤ちゃんもシンドイ。
どうしてうまくいかないの?家事も育児もちゃんと出来ない!っていうママ、意外に多いと思うんです。
外来の部屋に入って来たときのママの顔とか話し方って、けっこうママのスタンスを反映します。


部長の先生が退院時のICでご家族によく言っている言葉。
「子育ては楽しくないと、ただシンドイだけになっちゃうから。
楽しむためには、不安なこととか疑問なこととか、全部ぶつけてくださいね。
電話でもいいし、外来でもいいし。」

一番最初、小児科にいって初めはあんまり実感が無かったんだけど、最近になってとっても実感する。
そして、楽しむためには、中庸がいいだと思うの。

大丈夫、赤ちゃんは育つから。
大丈夫、赤ちゃんは生きる力があるから。
大丈夫、赤ちゃんは自分が快適なこと、っていうのを分かっているから。


私が外来フォローさせてもらっている子でも、最初はとにかく不安で不安で退院してから毎日毎日電話をしてきているママも沢山います。
不安を受け止めてあげて、大丈夫だよ、って伝えてあげて。
注意しなくちゃいけないポイントだけはきっちり覚えてもらって。後は大丈夫だから、と繰り返す。

これを続けていると、ママたちも変わってくれたりします。
先生に会うと/電話すると、安心するんですよね、っていうママけっこういます。
私ですらそうなんだから、上の先生たちだったらもっとなんだろうと思います。
こんな私の外来だけど、外しては行けないポイントだけは気にしながら、でも他は寛容に許容しながら子育てを楽しんでいるママを見ると嬉しくなります。


そして、思うんです。
人生も同じなんだろうな。
あんまりかっちりきっちり思い詰めなくても、中庸に生きていれば上手く行くんだろうな。

Mar 1, 2013

PAPVR

PAPVR=部分肺静脈還流異常症

肺で酸素をたっぷりもらった血液が心臓に帰って来て、全身に送り出される、というのが普通。
肺静脈還流異常とは、せっかく酸素をもらった血液が正しい場所に帰らないという状態です。

「総」肺静脈還流異常症は血液全部が違う場所に帰るため、全身がとっても酸欠になります。
「部分」肺静脈還流異常症は血液の一部が違う場所に帰るのですが、帰る場所次第ではあるのだけど、心臓は頑張らないといけないけど酸欠にはならないこともあります。


今日、PAPVRの子が入院になりました。
呼吸状態は悪かったけど、心臓の状態としては落ち着いている子でした。

そして。今日の私にとっての大ニュース。
具合が悪くて運び込まれた時、最初に心エコーを当てた先輩は気付いていなかったんです。
(まぁ、最初は 大きな異常がないかどうかのスクリーニングしか当ててないからそうなんだけどね)
その後、私がエコーを当てたら、気付いたんです。
変な血管がある!!ってなって、先輩たちにも一緒に診てもらいました。
最終診断としては確定できなかったんだけど、変!PAPVRかも!でもとりあえずは急ぎじゃない!までは分かったんです。

嬉しかった。
1年間、赤ちゃんたちの心エコーを沢山沢山当てさせてもらってきた成果かな。
最小限の判断は出来た。そのことが嬉しかった。

大丈夫。私のレベルでは確定診断は着かないけど、でも、正常なのか否かとか、緊急性があるかどうか、くらいならなんとかなるかも。
そう思えたのはやっぱり1年間の成果なんだろうな。

Feb 25, 2013

18 trisomy

人は染色体を46本持っています。(常染色体22種類×2本ずつ+性染色体2本)
常染色体は大きさ順に1から22番まで順番に番号がついています。

その中の18番染色体が3本ある状態が18 trisomyです。
いろんな合併症があることが知られていて、特に心合併症の重症度によってかなり予後が変わって来ますが、いずれにせよとても長生きをするということは難しい疾患です。

分かっているんです。
今年1年、NICUにいる間に7人の18 trisomyのお子さんを診たもの。
いろんな子がいました。

それでも、亡くなってしまうお子さんをみているのは辛い。
今日の子は、お母さんを待ってたんだと思うんです。
お母さんが会いに来てくれるのを待ってたんだと思うんです。
そして、もしかしたら先輩が、辛くないようにって一緒に天国に連れて行ってくれたのかもしれない。

そんなことを思いながら。
ご冥福を祈りながら。

Feb 18, 2013

PVL

PVL=脳室周囲白質軟化症

特に30週前後の赤ちゃんで、脳循環が一時的に悪くなるような病態があった子に起こりやすいんです。
脳が虚血になって、血管が一番疎な部分がダメージを受けてしまって起こる病態です。
軽症であれば、ちょっとぶきっちょさんだったり、ちょっと足の緊張が強くなったりくらいなのですが、重症であれば動けなかったり歩けなかったりすることもあります。

今までずっと順調にきてた子の退院前MRIを撮影したら、写りました。
ものすごーくショックでショックで。
しばらく立ち直れませんでした。

なんで?どうして?
生まれてからはとっても順調だったから、お腹の中の環境の可能性もあるとは思います。
でも、とってもショック。

そして、私がエコーで見逃していたということもショック。
というよりも、前回のエコーでは無かったのです。
元気な子だから、何もない子だから、とエコーの間隔が空いていたことで気付けなかったのだろうと思います。

とっても反省しました。
気付いても何も出来ないのはそうなんですが、気付いていてあげたかった。
NICU生活残り1ヶ月を前に、とっても凹みました。

Feb 16, 2013

信州フォーラム

新生児呼吸療法モニタリングフォーラム、通称、信州フォーラムに行かせてもらって来ました。
長野県の大町で開催されるフォーラム。

今、うちの病院でやっていないような新しい治療方針から、看護師さんの発表まで。
様々な話題を聞くことができ、面白すぎてあっという間に過ぎました。
読みたい論文や文献も沢山できたし、フォーラムに行かせてくれた上の先生や看護師さんたちにフィードバックしたいようなことも多々。

こうやって、新しいことを次々取り入れて行かないと、古い治療のままになってしまうから。勉強会で聞いて来て、文献で確認・納得して、取り入れられる部分は取り入れる為。

今回私が一番興味を持ったのは、加温加湿の話でした。
医療ガスは基本的には湿度0%の状態で供給されるので、それに加湿をしてから患者さんに投与することになります。
ところが、新生児だと流量は少ないし、保育器に入ってるし、温度や湿度の変化に弱いし、成人と比べると沢山の工夫が必要になります。
うちの病院でもいろんな工夫はしていますが、さらにしっかり考えて行っていかなくてはいけないんだな、と実感。
しっかり勉強し直そうって思ったテーマでした。

Feb 2, 2013

若さ

本人が「若くない」って思ったらもう若くないという話は聞くものの。
当直が続いていて、辛いなぁって思う時はやっぱり「若くないのかな」って思ってしまう。

そう、先週末(26-27日)と今週末(2-3日)は当直なのです。
当直といっても、病院や科によって仕組みは全然違うのですが、当院当科では土曜日当直になると土曜日の朝から日曜日の仕事終わるまでが仕事になります。
つまりは、週末が丸つぶれ。

つぶれるだけならまぁよいのですが、私みたいに良く寝る人にとっては、ゆっくり寝られる日がないままに翌週に突入というのはちびっと辛いのです。
そして、それが連続してくると疲れてくる。

上の先生たちはもっと頑張ってるのに。って思うと疲れてる自分が心苦しい。
でも 、眠い。そんなジレンマ。

あと何日働くとお休み♪
そんなカウントダウンをしながら、今週も当直を頑張ります。

Jan 24, 2013

EBM

EBM=Evidence Based Medicine
当たり前のようで、実際にやろうと思うと難しいこともある。
そんなことを最近実感する。

上から言われてそのままやっていることだったり。
慣習的にそうやってるけど、じゃあどこまでが正しいのか、とか。
自分で考えてやろうと思っても、ではどこの文献に当たろうか、とか。
自分が調べたもので本当に全部なのかな、とか。

いろんなことを考えだすと難しいなって。
特に新生児なんて、まだまだEvidenceが少なくてこれからな分野です。
何を根拠にどう医療を進めて行くのか。

文献ばっかり読んでても、出来る医者にはなれない。
だけど、文献を読まないと出来る医者にはなれない。

Jan 14, 2013

新生児科は太る

なんて、当たり前なことを今更言ってみたり。

小児科では、病棟⇔外来⇔救急外来、と文字通りバタバタと動き回っているので、意外と消費カロリーがあります。

が。しかし。
新生児科では、基本的に朝NICUに行ってから帰るまではほとんど動きません。
行くとしても、午後少し外来、当番の日は少し産科病棟。
みたいな感じです。
そうすると、悲しいかな、消費カロリーが少ないため、今までのように食べていると太る訳です。

そして、最大の罠(いえ、罠と感じているのは私だけなのだと思いますが)がスクラブ。
今までは、上はスクラブ、下はユニクロという感じでした。
新生児科では、毎日綺麗なものを着るため、上下ともスクラブが用意されています。

これが問題でして。
スクラブの下というのはゴムなんですよ><
いくら食べても、少々太っても気付かなーい♪

という生活を1年過ごして気付いたこと。
あれ、4月から小児科に行くのに、今まで着てたものは入るのかしら??
怖くて試着すらできません。ダイエットダイエット(汗)
食べないダイエットは難しいので、まずは行き帰りを歩くことと、夜8時以降食べないダイエットをしてみようと思います。

Jan 10, 2013

未妊健、飛び込み産

と言っても、医療職(というか、お産に関連する職種)でなければ意味が分からないかもしれません。

未妊健=妊婦健診未受診のこと
飛び込み産=フォローしていないママが突然やって来てお産になること

これ、どっちもかなりリスキーなのですが、どうも一般の方はそう思っていないみたいで。
けっこうな頻度でいらっしゃいます。

妊婦健診を受けていないと、または、フォローしていない場所で突然お産になると。
どういう経過があるのか、赤ちゃんの成長具合、赤ちゃんがどういうリスクを持って生まれてくるのか、などが分かりません。

それでも、産科は(というかお母さんは)無事に生まれてくれればそれでよいです。
そうは行かないのが小児科(赤ちゃん)側です。
いったい何週に相当するの?呼吸は?感染は?

最近、私、よく未妊健・飛び込み産を引きます。
New Ballard Scoreという、赤ちゃんの週数の推定の点数を付けるのが上手くなりました。
うーん。

Jan 9, 2013

患者さんの先行き

私は4月に異動です。
同じ病院内ではありますが、NICU→小児科と少し部署替えです。

外来の児たちはそのままフォロー出来ますが。
今担当している入院の児たちは極力3月末に退院としてから異動になりたい。
そう思っているので、1月に入ってからは逆算が続いています。

早産児の児たちの退院の目安は予定日です。
つまり、今は30週の児もとれる(担当させてもらえる)けど、2月になると34週までしか厳しい訳です。

もちろん、満期になっていて具合が悪い子たちもいるので、具合の悪さによっては取れません。
満期で少し小さくて、少し飲めなくて、というような児であれば大丈夫。

とか。
引き継ぎのことを考えて、担当したい!っていう児を少し考え始めました。
去年異動だった先輩たちが上手だったんですよね。
自分の異動とともに、入院患者さんたちが綺麗にいなくなった感じ。

私の場合は、もともと長く担当している児が先行き不透明なので、全員を退院まで見届けるのは難しそうではありますが、極力患者さんを退院まで見届けたい。
あと2ヶ月半、頑張ります。

Jan 5, 2013

あけまして。

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

新年早々、外来を診ている子がオペになってみたり、入院になってみたり。
やっぱり、小さく早く生まれたお子さんたちにとっては、最初の冬というのは大きな試練です。

風邪をひきやすく、そして重症化しやすい。
思っているよりも危険です。

と、私も聞いてはいたのですが、実際にフォローしている児が初めての冬を迎えてみて痛感しました。
みんな、風邪をひいてみたり、インフルになってみたり、重症になって入院してみたり。
気付けば小児病棟に知ってる顔があっちにもこっちにも。

免疫がまだなくて、まだ小さめで。
思っている以上に冬というのは赤ちゃんにとっては試練ですね。

Jan 1, 2013

最後の超未ちゃん

早産児の子たち。
最初、基本的には予定日前後が退院のひとつの目安、とお伝えをします。
つまり、28週で生まれた子であれば、40週まで約3カ月入院している訳です。
超未ちゃんたちは、+αで時間がかかることも多いので、4カ月とかざらです。

ということは。
同じ病院内とはいえ、3月に小児科に異動になる私がちゃんと超未ちゃんを担当して、ほぼ退院まで見届けられるのは今がギリギリ。そして、順番的にも次は私が超未ちゃんを担当する番。

なので、年末年始のお休みに入る前に、みんなにお願いをしていました。
「チビちゃんが生まれるときは、ご連絡ください。1時間かからずに飛んできます。」と。

28日まで平常通りの仕事。
29日夜に実家に帰省。
30日朝5時半過ぎに病院から電話があり、「今から26週、800gの子が出る」と。

実家の車を借りて首都高を運転して病院へ。帝王切開のオペ出しにギリギリ間に合いました。
先輩がた(6月異動)にお願いをして、私が取れる最後の超未ちゃんだから、蘇生とか処置とかやらせてもらいました。
当たり前だけど、まだまだ私一人では絶対に蘇生できない。
だけど、挿管が一発で入った。末梢も一発で入った。A-lineも(ややaccidentalに)一発で入った。
いっぱいミスもしてるけど、NOも組み立てられたし、初期蘇生・処置は出来た。


超未ちゃんたちは最初の3-4日が特に山場です。
超急性期と呼ばれ、呼吸・循環は不安定だし、頭の中に出血を起こしやすいし。
超未ちゃんの超急性期を診れる最後でもあるから。

31日、1日と朝6時前に起床し、実家から病院へ行き、昼前まで働いて帰宅。という生活を選びました。
午後からは、家族行事(?)に参加。
年越し蕎麦を食べて、紅白を見て、お雑煮を食べて、お節を食べて、初詣に行って、ちょこっと初売りをのぞいて、ついでに美容室も行って。

もちろん、オンオフをちゃんとつけて休む時に休まないと、というのは分かっています。
完全なるoffにしていないから、各種行事はしているのだけど、だけど、お正月な気分が全くないです。(まぁ、学生時代に毎年やってた巫女さんをしていないというのはあるにせよ。笑)

でも、後悔はしたくなかった。
最後の超未ちゃんだから。
こうして、私の年末年始が終わりました。

明後日は日当直。明日はお休みしようかな。
これだけ毎日乗り物に乗っているので、明日はゆっくりしないと、多分来週まで乗り物酔いを引きずってひどくなりそうだから。


そういえば。
私の2012年最後の夢は仕事でした。
というよりも、なんか聞いた事のない病院に飛ばされることになって、「ごめんなさい。もっと仕事頑張るから、今のところにいさせてください」って半泣きになってる夢でした。
文字通り、赤ちゃんに始まり赤ちゃんに終わった一年となりました。
今年はどんな一年になりますやら。on offをはっきりつけつつ充実させていきたいです。