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Jul 30, 2011

糖尿病ケトアシドーシス

インスリンが足りなくて、および、カテコラミンやコルチゾールその他が増えてしまって。
その結果に、高血糖が起こります。
血の濃さが上がるので、高浸透圧になります。
血糖を利用できず、ケトンが産生され、代謝性アシドーシスになります。

こうやって発症して、糖尿病だと分かる場合もあります。
インスリンを打たなかったり、糖尿病のコントロールが悪いとか、感染症が起こって具合が悪い時、ストレス時、などなどなどの契機が誘因となることがあります。

症状としては、全身倦怠感、多飲多尿、腹部症状、意識障害、脱水、などなど。
検査所見では、200mg/dl以上などの高血糖、pH<7.3など、尿中や血中のケトン体が陽性など。

輸液をして、インスリンを少しずつ補充して、というのが基本です。
高血糖を補正して、アシドーシスを補正して、血糖を利用できる状態にして。
その間には電解質の異常(特に、血糖と一緒に細胞の中に取り込まれてしまうので、低K血症とか)が起こることも多々あるので、こまめに血液検査をしていきます。


こういう教科書的なことは知っています。
でも、実際に患者さんを見るのは初めてです。
今日の私の救急当番の時間が終わった後にそういう女児が来るという話を聞いたので、少し待ってて、その子を見てから帰りました。
少しずつでも見たことある、ということを増やさなくちゃ!

Jul 29, 2011

勉強会

新生児の勉強会に参加しました。
関連病院の新生児の先生が集まったり、遠くの病院とはテレビ電話で話したり。
画像もかなりキレイなんですよね。びっくりしちゃうくらい。
そんなシステムを入れてるなんてお金かかってますよねぇ。
使わなきゃ損損!

今日は新生児仮死と晩期循環不全がテーマでした。
新生児仮死の症例は私が発表したんですが、もう自分でも嫌になっちゃうほど、いろいろすっとばした。。。

でも、改めてその子のことを考え直すきっかけになりました。
自分がとった行動が正しかったのか。
正しかったなら、もし少し違ってこうなっていたらどうしたらいいのか。
やっぱり、一つの経験から沢山学んでいかないといけないよね。

Jul 28, 2011

あ、私医者になったんだ

いえね、分かってるんです。
私、研修医とはいっても、医者は医者。
まだ一人で診療は出来ませんけど、医師免許はきちんと持っているので医療行為ができます。

看護士さんたちに「先生」と呼ばれることにも少し慣れてきました。
上の先生に「はやたま先生」と言われることにも違和感を感じなくなってきました。
「はやたまさん」という呼ばれ方をしても全く気にならないですけど(笑)

どうやって診療行為をしていくのか、ということも(まだそんな出来る訳じゃないけど)分かっています。
採血したり、点滴を入れたり、というような手技もだいぶ慣れてきました。

私が医者という職業だということは百も承知。
だって、毎日毎日、医者として仕事してるんですもの。
医者だ、っていうことで「はっ?」って言われる場面を繰り返してますもの。
否が応でも慣れてきます。
 
といっても、自分一人でいろいろと出来る訳じゃないから、頭では分かっているものの「あ、私医者になったんだ」って実感したことはあんまりない。
今日ほど思ったのは初めてかもしれません。

実感したのは、退院前の患者さん(というか、患児のお母さん)が、この子抱っこして、みんなで写真を撮らせてください、って。
で、上の先生が抱っこして、「はやたま先生も!」ってお母さんに言われた私も写真に収まりました。

そういう状況って、ドラマの中とか、ドキュメント番組とかで医者がやっているもの、として見ていたからだと思うんですが、なんかビックリした。
そして、「あー私って医者だったんだなぁ」って思ったはやたまでした。

言い訳

していいですか?

私、先週からミスが多いんです。
集中力が切れてるというか、注意力足りてないというか。
例えば、「先生、○さんの退院オーダー入れてください」とか「○ちゃんの診察ちょっと待って」って言われたら。
いつもなら、ちゃんと出来ます。

でも、先週からの私は明らかにおかしい。
「はい」って無意識に返事はしている(らしい)ものの、言葉は全く頭に入ってない。
だから、「今言ったでしょ!」って看護士さんに起こられる。
でも、私にとっては全く記憶にないの。怖いですよね。この状態。

このままだと何か大きなミスをしそうで怖い。
本当に怖い。


そして、その言い訳。
多分、多分、先週から週の半分が当直になったからだと思うんです。
多分、多分、そこから見当識ないし、そこから仕事っぷりがちょっと変。
もともと突っ込みどころ満載な私だけど、それにしても変。

上の先生も「それだけの当直は無理でしょ」と私の状態分かってるから、けっこうフォローしてくれてる。
カンファの前日は必ず、「明日の準備できてる?」って確認されるし。
「○○は何時ね」と大事なことは確認される。
気づいたら(きっと)私が言われてたであろう指示書の訂正もやってくれてたりする。
まるで私、認知症の人みたいだよね、これ。。。
どうしたら体力と知力と集中力が身に付くのだろう。

Jul 27, 2011

救急搬送

他院からの救急搬送。
この1ヶ月で初めてかも。

小さい訳でも、全身状態が悪い訳でもない子で、新生児科医としてやれることがそんなにある訳ではありません。
どちらかというと、いろんな他科との橋渡しをして、今後の経過を総合的に見ていく、という立ち位置。
でも、そんな立ち位置も嫌いじゃない。
(というか、嫌いじゃなければ新生児科医にはなれないよね、きっと)

この子を退院まで担当することで、多分また大きく学べると思う。
どうやってご両親とお話していくのか、いろんな科との橋渡し。


そして、この子を退院まで担当したいと心底思った私は、来週から私とちょうど入れ違いで新生児グループになる研修医に聞いてみた。
そのまま一週間担当させてくれない?と。
というのも、私は次が内分泌グループで、ちょうどその研修医が今内分泌を回ってるから。

あっさりと許可してくれ、さらに上の先生にも聞いてみてくれた。
OKとのこと。やったね♪

でも、その分再来週はものすごーーーーく忙しいらしいので覚悟します><
来週から少しずつ内分泌の仕事に慣れることをオススメする、と内分泌の先生たちには言われたけど、でも背は腹に変えられない。

Jul 26, 2011

ミルク鎮静

以前の日記にも書きましたが、基本的に赤ちゃんの検査の類は寝てる間に行います。
そして、寝ててもらう為に一番いいのは満腹。
眠くなるようなお薬を使ってもいいんですけど、やっぱり満腹なのが一番。

それを今日心底実感しました。
眠くなる薬を使ってるのに。
それでも検査の途中に口をもぐもぐし始めて。
おしゃぶりで誤摩化してましたが、どうにも大泣きになってしまいまして。

結局60mlのミルクをその場で飲ませたら、巨大なげっぷをした挙げ句、また熟睡(笑)
満腹の威力を心底実感したはやたまでした。
うーん、でもその気持ち分かるなぁ(笑)

Jul 25, 2011

羊水混濁

赤ちゃんはお腹の中では羊水に取り囲まれています。
羊水は、胎盤からも作られますし、赤ちゃんのおしっこも材料となります。

そして、羊水は出産前までは透明な無菌の液体です。
ところが、出産時のストレスなどで赤ちゃんがお腹の中にいる間に胎便(うんち)を出してしまうことがあります。
そうすると、羊水が胎便で汚れてしまって、羊水混濁を起こします。
羊水混濁の原因は他にもありえますが、だいたいは胎便が原因です。


今日初めて羊水混濁の出産に立ち会いました。
破水の時点で羊水混濁があるの分かってたこともあり、吸引の準備もばっちりとして。

心拍、筋緊張は良好で全身状態的にはそこまで悪くなかったんだけど、何回か吸引してもゴロゴロと音がしており、努力呼吸を認めていました。
吸引を何回かして、刺激をして呼吸を頑張ってもらって。
最終的には生後30分程度で呼吸状態落ち着いたため、そのままRoom airで経過観察としました。

ちなみに、現在の新生児蘇生法では、出生時に羊水混濁があるかないかでアルゴリズムは変えず、気道開通の一つとしての吸引をすることとなっています。


いやぁ、羊水混濁があれだけしっかりある子って初めてみました。
完全に胎便だね、これは、というようなどろっとした茶色から緑色の羊水でした。

今月、小児科医として立ち会いをお願いされないお産でも、時間があれば(意外に外来中だったりとか検査中とかだったりしてなかなか時間はとれないんですけどね)お産の現場にいさせてもらおうとしています。
こういう、ちょっとだけ問題があるけど、命に別状はないような新生児蘇生を少しでも今のうちに経験しておかないと!

Jul 24, 2011

見当識障害

見当識とは、時間・場所・人が分かることです。
意識状態の評価の一つとして、見当識の有無を評価します。

で。
最近の私の時間に対する見当識障害けっこうひどいです。
曜日感覚はありませんし、昨日・今日・明日の概念がぐちゃぐちゃです。

昨日午後から昼寝をして起きたら今日の午前3時。気づけば12時間経っていました。
起きた時に暗くて、自分がどこで何をしていたところだったのか、今が何日何曜日の何時なのかが全く分からず、軽く恐怖を感じました。

原因は分かってます。
当直の回数が多いから。
誰でも経験することですが、当直をすると日付感覚狂います。
どこからどこまでが同じ日なのか分からなくなります。

今週、週の半分以上(火曜・水曜・木曜・日曜)が当直だったため、本当に頭の中ぐちゃぐちゃでわけ分かりません。
もちろん、仕事に支障は出しません(出せません?)。

患者さんのことは表にしてやることや評価などを確実にしているので間違うことはありません。
今の誰某ちゃんの状態、などはソラでも言えます。
日付を間違うこともないし、この子が生後何日なのかを間違うこともありません。
明日からミルク増量、とかの指示を間違うこともありません。
昨日酸素切ってから今日にかけて呼吸状態安定している、という時の経過は間違っていません。


でも、患者さんを見ていなくて、ふと気を抜いた時に今自分が時の流れのどこにいるのかが分からなくなる。
目が覚めたときに、今自分がどこにいるのか、遅刻をしているのか(今そこにいていいのか)、何曜日の何時なのか、が分からなくて焦る。
ホント、せん妄を起こす患者さんの気持ちが分かる気がする今日この頃です。


精神衛生上良くないのは分かってます。
でも、どうしたらいいか分からない。
当直の数、今後減る見込みってあるのかな。
初期研修(最初の2年間)が終わったらもっと増えるのかな。
けっこう寝られている当直ではあるけど、やっぱり当直室で気を張って寝ているのは疲れると思う。
寝られない当直が回ってくるようになったらどうなるんだろう。

あまりいろいろ考えずに、今この瞬間のことだけを考えて生きていこうと思います。
だって、今の仕事自体は楽しいんですもの。
ERのwalk in当直さえなければ(とか言っちゃダメかもしれないけど)本当に幸せいっぱいなんですもの。

Jul 22, 2011

驚きの連続

先日、新生児でのA採血の話を書きました。
http://maritsuku-medical.blogspot.com/2011/07/blog-post_18.html

今日突然、私にもA採血の機会が回ってきました。
「こないだ見せた通りに準備してやってごらん」って言ってもらい、私が刺すことに。
ドキドキしながらもちゃんと一発で入りました☆
(まぁ、今日はその前に手背のラインを2回失敗しているので、素直に喜んでいる場合ではないのですが)

大人と違って細いので、入った感覚はあまりなく、血圧も低いので、そんなにドバドバと吹き出す訳でもなかったです。
でも、大人と違って指先の感覚ではなくて、目に見える血管に刺していく分(つまりは上の先生にも見えている状態で刺していくので)、少し気は楽だったかな。

といっても、ドクドクと脈とともに血が出てくるので、けっこう焦っちゃいました><
先生にも「焦らなくていいよ。こぼれても気にしなくていいよ」って言われちゃった。
とにもかくにも、無事A採血が出来てよかった。




そして、その後しばらくして、エレベーターを待っている時に突然上の先生に言われた言葉に目を見張りました。
「はやたま先生優秀だよね。見たことがすぐ出来るよね。」と。
何を言っているのかを理解するのに非常に時間がかかり、3回ぐらい「えっ???」って聞き直しちゃいました。

曰く、いろいろとやるところを1回見せれば次にやる時には出来る、と。
上記A採血のことかと思って問うたところ、「うーん、というよりも、だいたい何でも」と。
その好評価のいかほどがお世辞なのかはともかく、全くそう思っていなければ言わないだろうから、嬉しかった。
本当に本当に嬉しくて、今思い出しても涙が出るかと思うほど。


さらに、夜に病棟の納涼会があって、そこで上の先生がた(といっても、直上のS先生、その上のT先生の2人だけど)が、教授や研修担当の先生に「はやたま先生は新生児科に興味があるそうなので、よろしくおねがいします」って言ってくれていました。

もしかしたら変わるかもしれないけど、学生から今までの気持ちの流れを振り返ってみても、多分変わらない気はする。
やりたいことが定まって来た今、一番引かれるのは新生児科+一般小児科を見られる、ということなので。
さんざんいろいろと考えがグルグルとした上で、結局医学部に入る前からやりたかった医療に戻った感じなので。


という訳で、年明けに行く病院、さらには来年の病院も考えてくれるそうです☆
川口もいいけど、長野とか神奈川とかもおすすめらしい。
やったね♪

Jul 21, 2011

生まれ過ぎー><

朝から帝王切開2件、自然分娩1件。
全て立ち会いが必要な患者さんだったので、新生児科の我々はバタバタです。

朝一のカンファ・回診の前に診察と採血など最小限は済ませておき。
カンファを終えて、回診をして今日の方針や新たな考慮すべきことなどを考慮。
スムーズに朝の回診・方針決定をする為に、朝の診察と採血などが大事なんですよね。
時間がかかるとその後の仕事が押せ押せになってしまって支障を来すので。。

そして、みんなのところを回って、指示を出したらオペ室へ。
帝王切開に立ち会い、その子の診察・入院手続きをしてご家族に説明。
そして次の自然分娩の立ち会い。
そのまま次の帝王切開へと急いで移動。

みんなの診察をしてカルテを書き終える頃には既に2時を回っていました。。
お昼を10分で終わらせ(早食いって良くないよねぇ。)周産期カンファに出て、MRIなど撮影室に下りなくてはいけない検査の付き添いなど。忙しすぎるー!!
でも、新生児楽しすぎるー♪

Jul 20, 2011

三連当中日

今日はwalk in当直です。

最初(にしてほぼ唯一)の症例は発熱6日目の10歳女児。
でもね、実はこの子は当直の先生と診たんじゃないんです。
今のオーベンのS先生、実はとっても患者さんの引きがいい先生です。
当直するたびにものすごーい数の患者さんが来るんですよ(笑)

そんなS先生。
今日の午後は小児科の急患当番だったんです。
(午後に予約外で来た具合の悪い患者さんとかを診る)
で、当直医に引き継ぐ数分前に来たのが上記の患者さん。
結局夜10時くらいまで、最後まで私とS先生で診ることになりました。

私は逆に患者さんの引きが非常に(都合良く)悪いので、夜勤の間はほとんど患者さんが来ません。
日中は興味深い症例が沢山だから、非常に都合いいというか、自分の体力と身の程にあっているというか。
なので、私が今日診た患者さんは上記患者さんと尿管結石の患者さん(すぐに診断もつき、20分ほどでお帰りいただけた)のみ。
私が当直の度に、なんでそんなに患者さん来ないの??ってS先生には不思議がられます(笑)



で、話を戻すと。
上記の患者さんに関しては、本当に勉強になりました。
結論から言うと、肺炎だったんですけどね。
病歴、身体診察、そして検査をして結果を考え、結果を導きだした上で治療を考える。
とても典型的な診療の流れだったんです。
沢山考えて、沢山教えてもらいました。

ちなみに、本日はライン(抗菌剤を点滴する)を1回失敗しました。
失敗原因は分かってます。右手の指で外筒を進めるのが うまく内筒から滑らなくて、そうこうしている間にずれちゃって漏れちゃったんです。
今のタイプの24Gの針は今月から初めて使っているのですが、外筒を進める際の引っかかり部位が他の太さのと比べてちょっと小さい上に、細いから?なのかイマイチ滑りも悪い気がするんですよね。
(とか言い訳をしてみる。でも、ホントこの同じパターンで失敗するのは今月2回目。。慣れたらこれの方が入れやすいらしい。確かに、清潔手袋ではない場合は慣れて来たからか、やりやすい気がする。)

そして、逆側の手で2回目をさせてもらい、ちゃんと入りました。
(血管があまりなくて、逆側の手の血管もつぶしたらもう血管ないんじゃ?S先生に変わってもらった方が良いのでは?って一瞬思ったけど、逆側の手も私が刺して良いって言ってもらえたんです)

そして、昨日私が「ラインを取れて喜ぶ時期は過ぎてていいはず」発言で予想以上にあまりに私が凹んだからか、今日はフォローを入れてくれました(笑)
「元気な学童の血管は弾力がけっこうあるから、24Gの細い針だと弾かれちゃから難しいんだよね」って。


という訳で、今日も小児例を診ることが出来て、当直し甲斐があります。
そして、患者さん来ないから、夜中に万が一来たとしても大丈夫なように早めに寝ておくことにします。おやすみなさーい。

Jul 19, 2011

三連当初日

本日:小児科の副当直
明日:ERのwalk in当直
明後日:小児科の副当直

という、3連直です。
副当直は夜10時過ぎくらいに開放されますが、体力的・精神的にキツイ。
入院のベビーちゃんたちのこと、外来(は見学に毛が生えた程度だけど、私としては勉強になるから行きたい)、帝王切開などの予定がきっちりと日中ある訳で。それを考慮すると。

本日:帝王切開1件+小児科の副当直
明日:ERのwalk in 当直
明後日:帝王切開2件+小児科の副当直
金曜日:帝王切開1件+小児科の納涼会(必須??)
土曜日:休日出勤
日曜日:休日出勤+ERのwalk in 当直

あらまぁ。
なかなかに辛いんですよねぇ。
しかも、今週の帝王切開の子たちは、2000g-2100gとかの子もいるので、ただ立ち会うだけではなくて、小児科で入院管理になると思われるのです。
ERのwalk in当直さえなければ、他は全然問題なくこなせるスケジュールではあるんですけどねぇ。

でも、そんなブルーな3連直の初日の今日。
まず最初に見たのは、42歳のダウン症の方。
点滴する必要がある状態だったのですが、全然血管が見えなくて。。。
でも、ちゃんと1発で入ったんですよ♪

で、次に来たのが2歳の男の子。
この子は発熱があって脱水がある状態で点滴をすることになったんです。
小児の場合、赤ちゃんに限らず手背を考慮していいそうです。確かに、大人と比べて前腕に血管がない。。。
ひー、、と思いながらもちゃんと一発で入った♪

なんだか幸先の良い三連休初日☆


追記)2011年7月20日
点滴が一発で入ったんです!って朝になって新生児でお世話になっている上の先生(S先生)に言ったら、一瞬止まって。
「そろそろライン入って喜ぶ時期は終わっててもいいんだけど」って(真顔で)ばっさりと言われてしまいました。
シュン。。。朝から一度にぺしゃんこな気持ちになっちゃったよ。。

Jul 18, 2011

動脈採血

動脈採血=A採血

大人では、ソケイや橈骨動脈、上腕動脈などで取ります。
自分でも触って脈が分かるところです。
http://maritsuku-medical.blogspot.com/2009/03/blog-post_16.html

新生児ではどこで取るのか。
なななんと、橈骨動脈(手首の脈を取るところ)で取るんだそうなんです。
大人の場合は脈が分かるじゃないですか?えっ、赤ちゃんは??

脈が分かるほどの大きさじゃないし、そもそも細いし深い場所にあるし?
そしたら、手首の裏から光を当てるんだそうなんです。

どういうことかと言うと。
試しに自分で明るい懐中電灯とかで指を照らすと、指全体が赤くなって、血管が濃く見えるのが分かると思います。

同じことを赤ちゃんの手首でやります。
光を手首の裏側から当てて、血管を見つけて。(一応触れたら脈が分からなくはないかなぁ、程度だったので、脈だけを頼りに刺すのは無理だと思う。)
で、見えている動脈に23Gの針を刺します。
血圧と共にドクドクと出てくる血を採血する、と。

今回はあまりにビックリしながら、上の先生が採血してるところを見学してました。
次の機会は私にやらせてもらえるらしい。
しっかり復習して、次回に備えよう。

カメ

最近の悩み。
私はいったい研修医になってから、何を学んだんだろう。

こう書くと、全く学んでないかの如しですが、そんなことはないんです。
採血もラインも上手くなったし、挿管もできるようになったし、縫合も真皮縫合までなら出来る。
エコーも最小限にはできるようになったし、最小限の薬も(本で確認しながら)使えるようになった。
患者さんを診察することも怖くなくなったし、簡単な説明程度ならできる。
毎日仕事をすることにも慣れて、オンオフをうまくつけられるようにもなってきた。
看護師さんとも上手くやっていけるようになった(やや人によるけど)。
学生さんにそれなりには教えてあげることもできる。

 でも。
頭の中は進歩してないんじゃないかな、っていう焦りが強い。

何か起きた時に鑑別を挙げて消去していく、という考え方の手順は分かってるけど、出来ない。
状態の悪いICUとかの患者さんの管理が出来ない。
患者さんの今の状態を簡潔に過不足なくプレゼンすることが出来ない。
自分で判断出来ないし、つまりは自分の判断で行動することが出来ない。

一年半前、研修医一年目の四月と何か変わったのかな。そう思う日々なのです。
結局、独り立ちへはまだまだ遠くて、言われたことしか出来ていない気がするんです。

今、小児科を回り始めたところで、考えなくてはいけないことも、やることも大人と全然違うからっていうのとあるとは思います。
多分、今までよりも真剣なんだとは思います。
とは言っても、半年後には「小児科医」として働くことになるわけで。
今は「小児科研修医のはやたまです」と名乗っているのが、「小児科のはやたまです」ということになるわけで。

甘えていられない。
カメのような成長速度の私。
分かってる、成長してなくはないだろうし、そんな目に見えるような成長速度は保てない。でも成長したい。
カメさんだけど、努力をしてなくはないんだよ?

Jul 17, 2011

新生児エコー その2

teach oneとは言わないけど、でも書くことで知識は定着する気がする。
本日はエコーの続き。

<腎エコー>
これは大人と大して変わりません。
腎臓を長軸でだして、大きさを確認、皮質と髄質があることを確認、腎盂の拡張が無いことを確認。

そして、副腎をチェック。
腎臓の上にある臓器(三角帽子みたいな感じで乗っかってる)で、多種のホルモンを分泌しています。
大人だとエコーでなかなか確認しませんが、子供だと大きめで見やすい上に出血が多い場所でもあるので、大事です。
私が出しやすいのは、短軸で上に上がっていくと、皮質と髄質が層状に見えてくるので、そこで長軸にして、全体像を確認。

<脳エコー>
これがけっこうな課題なんです。努力中なんです。
基本的には大泉門という、頭の前側にある骨の隙間から見ます。
矢状断で左から右まで確認、冠状断で前から後ろまで確認。
描出することは出来るのですが(当てればかならず出るから)、脳の中の構造を同定して確認するのが難しいよーーー。
他のエコーと違って、本当に新生児限定なので、今までに見たことが無いからだと思うんですが、、かなりの要努力です。

構造を見た後は、血流をチェック。
前大脳動脈を大泉門から描出して、RI(resistance index)を測定し、上がったり下がったりしていないことを確認。
中大動脈を側頭部(耳の前上くらい)から描出して、同じくRIを測定。
これはけっこう得意♪

うーん。
頑張れ、私。

Jul 16, 2011

新生児エコー その1

小児、というか新生児には脳エコーという特権があります。
赤ちゃんを触ったことがある人なら知ってると思いますが、赤ちゃんの頭には「大泉門」を始めとする、骨の隙間が沢山あります。
骨をずらして頭を変形させてお母さんの産道を通ってくる為には、骨がガッチリと縫合していると無理なので。
で、その隙間からエコーが出来るという訳です。

ここ数日、私が手技面で取り組んでいる課題がエコーです。
新生児にやることが多いのは、心エコー、腎臓(+副腎)エコー、脳エコーです。


<心エコー>
新生児でまず最初に行うのは、心房・心室・大血管などの位置関係です。
体の左側にあるのが左房と左室でしょ?とか思ってないですか?
違うんです、それぞれに定義がちゃんとあるんです。

まず、心窩部からお腹を確認。
腹部大動脈:壁が厚くドクドクと脈打っています。体の左側にあるのが正常。
下大静脈:ぺこぺことしていて、呼吸性変動があります。体の右側にあるのが正常。


左房:下大静脈が流れ込んでいない心房。
右房:下大静脈が流れ込んでいるところ。連続性を確認します。

下大静脈から右房が右側にあるのが心房位正位(Situs Solitus)で、逆だったら心房位逆位(Situs Inversus)。

そして、短軸・4 chamberなどで。
左室:乳頭筋がはっきり確認できて、内腔は比較的スムーズ。
右室:肉柱形成が粗で、内腔が荒い感じ。
言わずもがなだけど、ちゃんと右室が右側にあるのが正常(D-loop)、右室が左側にあったら異常(L-loop)


大動脈:心室を出てすぐに分岐せず、アーチを形成(大動脈弓)
肺動脈:心室から出てすぐに分岐をしていて、アーチ形成せず
出たすぐのところで大動脈が肺動脈の右側にあってその後の位置関係も正常だったらNormal、正常じゃないけど出たところの大動脈が右側に位置しているならD position、肺動脈が右側ならL positionだし、鏡面像のようにキレイに逆だったらInverted normalとか。

なので、正常な心臓は{S, D, N}になります。
(括弧も{}を使うお約束。Situs Solitus, D-loop,  Normal)

これらを同定した上で、心機能評価をしていきます。
心臓機能の方法としては大人と大きくは変わりません。

見るのは、心窩部、短軸、長軸、4 chanber、鎖骨上窩から。
下大静脈と大動脈、LA/Aoなどで前負荷を評価。
左室と右室のバランスやTRの測定から右室圧の推測。
4室のバランスを確認。ちなみに、三尖弁は僧帽弁よりも心尖部よりに付着してます。後は、シャントがないかとか。
短軸で肺動脈の流速や、PDAも確認。
肺静脈が左房に返って来てるか。
大動脈弓を出して、大動脈縮窄がないか、PDAがないか、など。

Jul 15, 2011

IC

今日、新生児黄疸の子のICをさせてもらいました。
IC=informed consent、直訳すると説明と同意。
今の状態のことを説明して、(場合によっては選択してもらって)治療などに対する同意をもらうことです。


「できる?」って聞かれて。思わず咄嗟に「はい」って答えちゃったんです。
そしたら、じゃあ後ろで見てるからICしていいよ、って。

嬉しかった。
最初の日に、基本的によっぽど簡単な質問以外は新生児では研修医が説明をすることは避けること、と言われているのです。
さらに、私はプレゼンテーションの類が苦手で、オロオロしてるし、いつも「えーっとあーっと」とか「えっ?!」とか言って固まってたりしてたから、絶対に新生児グループの時にご家族に説明する機会は無いと思ってました。
少しは認めてもらえている、って思っていいのかな?私が小児科希望(しかも新生児興味あり)って明言してるからかな? 

説明すること自体は出来ました。

黄疸が出ているということ。
光線療法という治療を行うこと。
原理の簡単な説明、副作用は特に認めないということ。
新生児は元々誰でも黄疸になりやすいということ。
さらに、体質だったり、病的な原因があることもあるけど、今時点では特に認めていないということ。
母乳やミルクを多めに摂取してもらって、便や尿にどんんどんビリルビンを出していきましょう、ということ。
などなど。

説明自体は多分できたと思うんです。
上の先生の突っ込みや補足もなく、全て私が説明できたし。
何か分からないこととか不安なことありますか?って聞いて聞かれた質問に対しても一応ちゃんと答えられました。


でも、初のICを終えて後で反省したことが沢山。
他の科でもそうですが、特に小児科、ことさら新生児科では、言葉遣いや言い方にとっても気を使わないといけないと思うんです。
分かってはいるものの、自分のことで必死すぎちゃって。。

今日は、最初に「おめでとうございます。とても元気なお子さんですね。飲む量も少しずつ増えて来ていていますね。」などという言葉をすっかりすっ飛ばしてしまったんです。。
自己紹介や挨拶をして、すぐに病気の話に入っちゃったんです。

私の中ではこれが一番の反省。
また頻回にお母さんに会ってお話していきたいなと思います。

やっぱりご家族の気持ちに沿ったICって(特に小児科、新生児科は)難しいです><
けっこうな頻度であり、また、説明する項目も難しくはないはずの新生児黄疸なんですけどね。
でも、まずは一歩を踏み出せた、かな。

Jul 14, 2011

Apgar score

やっぱり、一晩寝たら気持ち復活です☆
今日も突っ込みどころ満載な仕事っぷりではありますが。

嬉しかったこともあるんですよ。
採血(今日は検査項目が多いので、ぽたぽた採血)をしてたら上の先生が「あれ、速いねー」と。どうも先生の想定時間よりも早く終わったらしいです。
少し慣れて来たかな。嬉しいな♪♪


今日は昨日延期にしたApgar scoreの解説を。
生まれた時につける点数で、項目は5つ。
脈、呼吸、筋緊張、反射、皮膚色でそれぞれ2点満点、合計10点満点。

1分後と5分後に点数をつけます。
5分後の値は一応、神経学的な予後の予測因子として大事と言われています。
7点以下は軽度低下、4点以下は重度低下。
(最近では「仮死」という表現は使われない傾向だとか。)

ちなみに、新生児蘇生が必要かどうかはApgar scoreとは関係ありません。
1分後まで待たずにすぐ始めます。その合間に点数をつけるだけです。

元気に生まれた子の場合、1分後8点、5分後9点、というのが典型的です。
(よっぽど元気だと1分後9点、5分後10点ということも)
たいていは、チアノーゼがあって皮膚色での減点があります。

SpO2(血の中の酸素飽和度。赤血球のうちどれほどが酸素と結合しているか。普通の人は90-100%程度。低いとチアノーゼと言って皮膚色が青くなります。)は胎児では70%程度と非常に低く、生まれた時は真っ青なのが普通だからです。
生まれて来て呼吸を始めると同時に上がり始めますが、5分後でも目標値は80%程度ですから、末梢のチアノーゼが残っている子は多いんです。

つまり、同じ点数でも内容が大事なので、必ず点数の内訳を併記します。
お産に立ち会う機会があったら、ぜひ一度皮膚の色に注目してみてください。
紫色から始まり、体幹から徐々にピンク色になって(ピンクアップ)きます。

おそらく、Apgar scoreは学生や研修医で産科や小児科を回ると必ずと言っていいほど点数を付けさせられるので、覚えておいて損はないはず!

Jul 13, 2011

凹んで戻って凹んで、きっと明日には復活

今日のドタバタは外来中にかかってきた電話が発端です。間のゴチャゴチャを省略してちょー端的にいうと、かなり状態が悪い子が生まれそう、と。

慌てて走って行ってみると赤ちゃんが生まれるところでした。
赤ちゃんは、自発呼吸なし、筋緊張著明低下。
産科の先生たちも怖い顔してるような状態。
(単なる小児科「研修医」である)私を押しのけんばかりの、そんな勢い。

脈は100bpm以上ありましたが、いかんせん呼吸がない。刺激をしても、吸引をしてもダメ。幸い、マスク換気で皮膚色とSpO2は改善し、脈も上昇傾向。
しかしながら、自発呼吸がなく、筋緊張も戻らず。
Apgar scoreはなんと2点と3点。(apgarについては次回記載します。)
自発があまりにないため、挿管をして小児科入院となりました。


今日できた事、学んだ事は。
*新生児挿管
まさか挿管させてもらえるとは!ビックリでした。(しかも、分娩室だったのでご両親の目の前で><)でも、ちゃんと入りました☆

*ライン
点滴ライン兼手背からの採血。
決して初めてではないものの、2, 3回しかしたことありません。
これも一発で入りました。今日は調子がいいかも、と凹んでたのが戻った瞬間。

*エコー
循環器とか消化器とかのエコーを扱う科を回らずに内科を終了してしまったため(って、勉強してないことへの単なる言い訳ですね。。)、エコーは結構苦手です。救急外来で使うレベルでしか出来ません。
そんな私は新生児の心エコーはまだまだ出来ません(>_<;)

今日は頭と腎臓(と副腎)のエコーを習い、自分でも描写出来ました。
新生児は副腎という、腎臓の上にありホルモンを作っている組織が大きいので、はっきり描写出来ます。
そして、出産時に出血が多い場所でもあるので、要チェックです。


一式検査をして、落ち着いた生後6時間を目前にした時。
本日の凹みその2が私の目の前で起こりました。

赤ちゃんの左手が挿管チューブをつかみました。
「あっ!」と思った時は時既に遅し。抜かれてしまいました。。。

抜管を医療者側がやろうと思ってなくて抜かれてしまうことを、自己抜管または事故抜管といいます。子供(特に赤ちゃん)はリスクが高いから、固定方法、管や手足・頭のの位置などを考えるんですけどね。ショック。
その後も呼吸状態安定しており、そのまま自発呼吸にしました。


そして、落ち着いて患者さんの情報を整理して鑑別やらを考えてカルテを書いて翌日のカンファ用の資料を作る。
でも、今月がNICU初めてだし、こういう重症の子を診るのも初めて。
頭の中ハテナマークだらけで、鑑別疾患すらまともに上がらなくて。
しかもお腹も空いて来て、夜遅くなって来て疲れてきてて、自分の出来なささに泣きたかった。
そんな私を見かねてか上の先生も結局夜11時過ぎまでつきあってくれました。
ありがとうございます。

という訳で、凹んで膨らんで凹んで泣きたくなって。
そんな一日だったけど、でもこれでも前よりは少しでも出来るんだから、きっと成長はしてるんだと思うんだ(思いたいんだ)。
もう遅いけど、しっかり寝て明日の朝からまた頑張ろう。

Jul 12, 2011

新生児採血

患者さん(日齢7)のお母さんに言われました。
「採血をそんなに毎日やってて、それで貧血にならないですか?」

確かに、そうですよね。
私たちにとっては、当たり前のことだけど、患者さんのご家族にとっては大きな心配ごとです。

実は、新生児の採血というのは、すごくすごく少ない量です。
主な採血方法2種類をご説明すると。

*かかと採血
踵に針を刺してそこからじわーっと出てくる血を毛細管に取るもの。
毛細管というのは、中が空洞になった細長いガラスの棒のこと。
その内側に血を吸い取っていく感じで、90μl=0.09ml程度です。
その血の量で、血ガスの測定が出来るので、pH・PaO2・PaCo2・赤血球・Hb・Htc・電解質・ T-bilなどが分かります。

*ぽたぽた採血
点滴の針みたいなものを手の甲の血管に刺して、そこからぽたぽたと垂れてくる血をスピッツ(採血する時に血を入れている試験管みたいな容器)採る方法。
かかと採血よりも多めの量が必要な場合にこの方法がとられます。
これでも、大人と比べたら少ない量です。
スピッツの大きさがそもそも全く異なります。
血算には250μl=0.25ml、生化には600μlを2本=1.2ml。
大人と比べたら本当に信じられない量です。

もちろん、痛くないとは言わないし、血を採らないでは血液検査は出来ないから、血は取るのですが。
でも、ごく少量だし、かかと採血は刺した瞬間にふぎゃって顔をしかめる程度だし、ぽたぽた採血も刺した瞬間に泣く程度です。
すごく痛いということは多分ないんだと思います。

上記のお母さんは、このような説明をした上で、実際に私がかかと採血をしている所をみて、安心していました。
全然泣かないということで、そんなに痛くない検査らしい、と納得。
そして、量もほんの数滴程度だということに安心。


お母さんに不要な心配をさせないような説明。
お母さんが自分自身を責めてしまわないような説明。
言葉遣いの細かなところまで気を使えるような医者になりたい。

Jul 11, 2011

小児副当直

研修医にすこぶる評判の悪い小児副当直ですが。
本日私、初めて当たりました。
上の当直の先生は現在新生児グループでお世話になっている上のS先生。

夕方に、熱性けいれんの子が来ました。
後は、病棟の申し送りを受けて、消灯前の回診。
その他はコールがなくて、病棟で普通にサマリーを終わらせてました。

うーーん。
確かに効率悪い感じは否めない。
そもそも、うちの病院は小児救急をあまり受けていないので、受診患者数がすごく少ないんですよ。
病棟も落ち着いているし。
進行中のお産もないし。

うーん。
もうちょっといろんな症例みたいから、小児救急をしている病院での当直とかの方が為になる気はするんだけどなぁ。

でも、この時間があったおかげで、先週退院した患者さんのことを改めて考察することができて、次に生かせるように復習して教えてもらってたから、無駄な時間ではなかったとは思う。

Jul 9, 2011

新生児蘇生講習会

今週の日記にも何回か書きましたけども。
出産直後の(&修正月齢1ヶ月までの)新生児に用いる蘇生法があります。

その講習会が本日ありまして。
まぁ、先週予習をして今週実際にやっていた甲斐があり、なかなかスムーズに理解でき、どこが理解できなくて引っかかっていたのかも分かり。

心臓に何かしかの問題があって蘇生が必要になることが多い大人。
呼吸に何かしかの問題があって蘇生が必要になることが多い小児。
基本的に呼吸をどう助けてあげるのか、が大事な新生児。

やっぱり、赤ちゃんは好きだなぁって思いました。
それは、今週に入って改めて思ってたことですけど。


元々、新生児に興味があって小児科医になろうと思ってました。
新生児と、後は町医者というか総合的に子供をみてあげられる小児科医になりたかった。

授業で習った時は、新生児とか小児循環とかに興味を持ちました。
実際に実習で回ってみて、新生児とか小児循環では患者さんがお話ししない人ばっかりで、ちょっと嫌かなって思いました。

研修医として研修を初めて、総合的に診る老年病内科にひかれて、小児科はやめよう、と思いました。
地域医療で小児科を初めて研修し、総合的に子供をみてあげられる、私がやりたかった仕事だ!と思って、小児科に行こう、と思い直しました。

そして、今月。
サブスペシャリティとして、新生児を取るのも悪くないんじゃないか、って思ったりしてます。
総合的なんですよね。入院中から外来へ、成長へ、と。
まぁ、小児循環と迷うところではありますが。

いずれにせよ、サブスペシャリティを持った上で、子供の病気を診るのではなく、子供をみてあげられる総合的な医者になりたいと思います。

Jul 8, 2011

当直

ERを回る1年目の当直はともかく、うちの病院の研修医2年目の当直なんて、学生に毛が生えた程度です。
なんて、開き直ってちゃいけませんけども。

今年私に回ってくる当直は2種類。
ERのwalk in当直といって、救急車ではなく自分で歩いて来た人たちを診る当直。

そして、小児科の副当直。
当直の先生がERに小児が来た時に呼ばれたり、病棟で何かあったときとかに対応したり、という時に下について見学というかお手伝いというか、というのをするというもののようです。
夜勤は22時まで、休日の日勤は昼間、という半当直未満みたいな感じですが。

どちらも、研修医にはイマイチ評判が良くないんですけどね(あんまり勉強にならない!意味がない!と)
私自身はまだwalk in当直を1回しかしたことないから分かりません。
今月から当直当番が始まりまして、今月はwalk inが5回、小児の副当直が5回。
あれ、けっこうな頻度ですね。。


今日はwalk in当直です。オリエンテーション中に1回ありましたが、それは通常の勤務をしていないタイミングなので、通常体制では初めてです。
通常勤務→夜勤→通常勤務、という日本でよくあるパターンな訳です。

私はほぼ全く夜勤で患者さんを引かないタイプです。
その代わり、日中はけっこう患者さんを引きますけどね。
しかも、勉強になる症例や、みたいと思っていた病態や病気の患者さんとか。

という訳で、本日も23時くらいに(当大学の医学生の)酔っぱらい1件のみ。
あら平和。


来週からは小児の副当直が始まります。
うちの病院はあんまり小児の救急患者が来ないので、当たらない可能性大ですが、私としてはどうせなら小児の副当直の時は(22時までっていう制限付きだし)患者さん来てくれると勉強になるんだけどなぁなどと思ってます。
都合良く引く私なので、以外と勉強になる当直が多く、夜はちゃんと寝られるのではないかと淡い期待をして当直の嵐に立ち向かうことにします☆

Jul 7, 2011

帝王切開

今日は帝王切開が縦に2件。
新生児蘇生法の記憶を頑張りましたよ。

昨日の帰りに先生に「予習しといてね」って言われちゃったので。
先週末に予習して、最小限は頭に入ってたはずなんだけどね。
どうも火曜日の帝王切開時に「足りない」と認定されたようで;;
きゃー><

でも、今日はその甲斐あり、準備は当然ながら、出生後何をするのかもちゃんと答えられ、2件とも私がメインでの蘇生をさせていただきました☆


蘇生、とは言うものの。
日本で生まれる赤ちゃんの10%が酸素などの何らかの処置が必要になり、1%が人工呼吸や胸骨圧迫などのより重度な蘇生が必要となるんです。
逆に言えば、ほとんどの赤ちゃんは特別なことは必要なく元気です。

赤ちゃんにとっては今までずっとお母さんとつながってお母さんから酸素をもらっていたものが、生まれて初めて(というか、生まれる前から考えても初めて)肺を使って自分で呼吸しないといけなくなります。
これって、けっこうすごいことでしょ?
多少のお手伝いが必要になる赤ちゃんがいるのも納得です。

ちなみに。
生まれてすぐに確認する項目は3つ。
*正期産児か?(妊娠37週未満は早産児)
*良好な渧泣や呼吸があるか?
*筋緊張が良好か?(赤ちゃん独特の、手足を曲げたポーズが出来ているか、だらりーんとしていないか)

これら全てがOKだったら、羊水を拭き取ってあげて保温をしてあげ、呼吸がしやすいような姿勢にしてあげる、というルーチンケアを行います。
で、注意深く呼吸や脈などを観察しながらApgar scoreをつけたり、状態が変わらないかを確認し、大丈夫であれば体重を量ったりお母さんに抱っこしてもらったり。

どれか一つでもNOがあれば、蘇生の初期処置に入ります。
羊水を拭き取って保温、呼吸がしやすい姿勢にする、というのはルーチンケアと共通。
後は、必要であれば口腔・鼻腔の吸引や、足裏や背中への刺激など。

そして、30秒後に呼吸と心拍を確認し、さらなる蘇生へと移行します。

Jul 6, 2011

新生児黄疸

多分、赤ちゃんのときに黄疸があったっていう人もいると思います。
生理的黄疸、と言って赤ちゃんは生後数日後から黄疸になり、1週間程度で改善していきます。
この範囲なら治療は特に要りません。

理由は沢山あります。
*お母さんのお腹の中にいる時に苦しくないように、沢山赤血球を持っている(=多血)
*胎児ヘモグロビン(HbF。生後は成人型ヘモグロビンを作るようになります)は成人型よりも寿命が短く、生後次から次へと壊れる
*肝臓でのビリルビンの代謝が未熟
*ビリルビンを胆汁として腸管に排泄した後の再吸収(腸管循環)が多い
*お母さんのホルモンの影響      などなどなど。

生理的黄疸の範囲を逸脱しているのが病的黄疸で出現時期によって、早期黄疸、重症黄疸、遷延性黄疸、などの名前がついています。

そもそも日本人は黄疸が出やすい体質で、黄疸が強めに出る子がけっこういます。
病的黄疸となった場合は何らかの理由がないかどうかを確認します。

*母児の血液型不適合
(以前はRh不適合が重症化していましたが、今は対策がとられているので激減しています。ABO不適合でも軽度ながらあり得えます。)
*脱水
(哺乳量、体重の推移、排便排尿の具合、などの確認。基本的にはビリルビンは便や一部尿から排泄されますので。)
*閉鎖性出血
(頭血腫、皮下出血、その他。吸収されて分解されるので。)
*感染症
(全身状態が良好かどうか、炎症所見が上がってないか、などなど)
*多血症
(過粘度症候群。生理的多血を超えて多血の場合。多い分、沢山壊れますから。)
*肝臓/胆道の疾患
(ビリルビンを胆汁として排出するのが低下していないか、便の色を確認して、腹部所見も確認)
*低出生体重児
*その他さまざまな疾患

特に原因を認めなかったとしても、出生体重と日齢で決まっている基準を超えると治療の対象です。

ビリルビン(の中でも、間接ビリルビン、の中でもアンバウンドビリルビン)が非常に多い状態が続くと核黄疸といって脳に沈着してしまい、神経学的な後遺症を残してしまうので。

一般的に光線療法が行われます。
目を覆って裸ん坊にして、青い光を全身に当てます。
イメージとしては日焼けサロン的な感じ。
光で皮膚の所にあるビリルビンの形を排出しやすい形に変えるという治療。
特に副作用の心配もありません。

採血をして、ビリルビンの値が下がっていることを確認したら終了。
翌日にもう一度ビリルビンを測って、上がっていないことを確認します。


ちなみに、母乳性黄疸と言ってミルクと比べて母乳を飲んでいる子は黄疸が出やすいですが、母乳性黄疸では核黄疸の心配はないので、母乳を中止する必要は全くありません!

Jul 5, 2011

立ち会い

お産の時。
ご主人も「立ち会い」
小児科医も「立ち会い」
同じです。小児科医の「立ち会い記録」もカルテに記載しますし。

病院にもよりますが、帝王切開や正常分娩でもリスクがある方の場合は小児科医が呼ばれて、出産に立ち会います。
昨日は日中にお産が無かったため、今日が初めての小児科医としての立ち会い。
基本的に、お産の場合は小児科医が立ち会おうが立ち会わなかろうが、準備は同じです。

インファントウォーマを準備。
これ、けっこう機能がいろいろあるんですよ!(どこの回し者だ、って感じですね。笑)
酸素を流量と濃度を決められます。
吸引も圧力を設定できます。
SpO2も脈拍も、体温も測れます。
出生後の時間を計測するタイマーも付いてます。

そして、名前の通り!暖かいんです。
写真の真ん中のところが赤ちゃんを寝かせるところ。
その上の所がヒーターになっていて、赤ちゃんは暖かいんです。

ちなみに、柱側(計器類側)に頭を置いて寝かせるイメージがあるかと思いますが。
いざというときに挿管などが出来るように、基本的に手前側を頭にして寝かせてあげるのが正解です。


基本はウォーマーの周りに準備をしていきます。
酸素をつないで、ジャクソンリースやBVMなどの酸素投与マスク類を準備。
吸引、SpO2モニターなどもつないで、準備。
赤ちゃんを寝かせるところには、タオルを引いて、拭いてあげるガーゼなどを準備。
心拍数を聞く為の聴診器も準備。

で。
使わない方がいいけど、万が一の時の為に準備をするのが挿管に必要なものたち。
喉頭鏡、挿管チューブ、など。



事前に新生児蘇生法なども含めて予習をしていたものの。
先生に、酸素の流量は?濃度は?吸引の圧力は?喉頭鏡のサイズは?挿管チューブの太さは?生まれてすぐ確認するのは?脈拍数の確認方法は?など準備に必要なことを次々に質問された私はタジタジ。過半数は答えられた、かな。。

ちなみに、酸素は5L(-10L)、濃度は21%(つまりは空気)、吸引は10kPa少々(100mmHg未満)。
今日の子は満期で体重も3kg程度の予定だったので、吸引の太さは10Fr、喉頭鏡は0、チューブは3.0を準備。
生まれてからやることについては次回記載します。
それにしても、予習しといて良かったー><

Jul 4, 2011

新生児

さてさて。
始まりました、小児科!
5月に地域医療以来、すっかり小児科に行くつもりになっているはやたまです。
まぁ、正直なところ、大学病院よりは一般病院で働いた方が楽しく小児科医を出来るのかな、とか思ったりもしますが。
いかんせん「小児科」を研修医として回るのは初めてなので、専門とか働く場所とか細かいことは追々考えていくことにします。

で。
今月は新生児グループです。
先月が産科だったので、流れがいい感じです♪ラッキー☆お母さんたちも知ってるし、リスク妊婦さんたちの情報も分かってるし。
産科病棟のルールも分かってるし、助産師さんたちも知ってるし。

5月に元気なベビーちゃんたちを沢山診察させてもらえたことが効いてます。
赤ちゃんたちの扱いというか、何を診なくてはいけないとか、これは大丈夫、とか。
最小限のことを知ってて入るのがこんなにも楽なのか!と実感します。

とは言っても。
5月に感じた、「鑑別が全く分からない」という感覚は相変わらず。
ALP(骨吸収のマーカー)が1300という高値だった時に考えないといけない病気、なんて分かりませんって;;
教科書片手に必死な毎日が今後待ち受けている予感でいっぱいです。

新生児のこともまたいろいろと書いていきたいと思います!


ちなみに。
今日一番衝撃的だったのは、医局長(女性)の言葉。
「小児科医は、子供相手だから声を荒げることはないし穏やかなしゃべり方だけど、短気な人が多いのよ」

Jul 1, 2011

子宮外妊娠

本日で周産期の研修も終了です。
来週からは新生児科です♪(多分。誰にも言われてないから自信ないけど。笑)

そんな最後、夕方に子宮外妊娠の患者さんが来ました。
周産期ではなく、婦人科のチームの担当となるのですが、人手が足りなかったことなどから、私も少々お手伝い。
というか、ほぼ見学状態になってしまいましたが;;

学生で産婦人科を回ったときも最後の日の夕方に子宮外妊娠を見た記憶がよみがえりました。
(2009年1月30日の日記参照)
妊娠黄体を見たこととかが手伝って、忘れられないオペです。


今日の患者さんは前回の比にならないほど大変な状態でした。
というのも、子宮外妊娠が破裂していて、腹腔内に血液が沢山たまっていた状態だったんです。

腹部エコーでみても多量に血液がたまっており。
経膣エコーでみても右卵巣周囲にキラキラと高輝度の凝血塊のようなものがみえ。

実際にお腹を開けていって。
皮膚を切って、皮下組織(脂肪とか)を切って、筋膜を切って、筋肉を寄り分けて。
腹膜が見えたときに、思わず執刀医の先生の「あーー。。」という声が。
というのも腹膜から透けて、その下が青いのが見えた為。

普通の組織は血が通っていて、脂肪があったりとかで、だいたいが赤〜黄色みたいな暖色系です。
が。本日は違っていて、まるで青あざのような、青い色が透けて見えてました。
つまりは、腹膜の下(=腹腔)には血が多量にたまっていることが予測される訳です。

腹膜を開けて、まずは血液を吸引して。
その時点で既に800cc程度は腹腔内に出血していたことが分かりました。
そして、液体状の出血以外に、凝血塊(=固まった血の塊)が沢山。

それらをどけて、ようやく見えて来た卵巣/卵管。
血の塊で一塊となっていましたが、妊娠部位は卵管でした。
腫れ上がって、破裂した痕が残ってました。

卵巣は極力きれいにはがして残して。
妊娠痕を卵管と共に摘出。
その後大量の水で腹腔内を洗浄し、傷を縫合して終了。

避妊の話とか、恥ずかしがってる場合じゃなくてきちんとどこかで教育しないと、こういう若者が減らないと思うのです。
子宮外妊娠やら中絶やら。体が痛むのは女性側ばっかりなんですから。


以上、学生も研修医も最後は子宮外妊娠で締めくくったはやたまでした。