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Aug 27, 2012

浦島さん

教育セミナーから帰って来てビックリ。
病棟がちょーーー荒れている><

超未ちゃんが並んでいるのは知っていましたが。
そのうち一人が感染を起こしていた。
元気だった(私の担当の子)が感染を起こし挿管されていた。
知らない子が入院になって挿管・NO管理になっていた。
目を疑った。

そして、そんな浦島太郎さんの中、当直。
朝から昼過ぎまで、とにかくみんなの経過を追って、チャッチアップ。
当直中に、誰某さんの、って言われた時に、それ何の子だっけ?から始まる状態。

複数の先輩に言われた。
土曜日、セミナーが終わった時点で「終わりました。ありがとうございました。みんな元気ですか?」という主旨のメールを送っていた。
だけど、誰も真実は伝えてくれなかった。
言ったら、はやたまが土曜日の夜中とか日曜日に出勤してしまう、って思ったからって。

その優しさに感謝した。
だって、病棟がすごく荒れているのに。
乗り物酔いをしている私を出勤させずに休ませる為に、って口をつぐんでいた、って言うんだもの。
そんな先輩たちを少しでも支えられるように、少しでも足を引っ張らないように、頑張りたいって改めて思いました。

Aug 25, 2012

教育セミナー

未熟児新生児学会の教育セミナーに行かせてもらってきました。
病棟大荒れの中。
超未ちゃんの超急性期を置いて。

勉強になったのも当然ながら、楽しかった。
呼吸、循環、神経、など項目別の講義。
少人数でやる実技コーナー。(私は心エコーを選んだ)
そして、グループに分かれてのワークショップ。 (私は小児在宅医療を選んだ)

盛りだくさんで、まだ消化しきれていないんだけど、この時点でも明日の診療に直結するくらい沢山学んだ。
そして、なによりも、全国に沢山の知り合いが出来たのが大きい。
頑張ろう、ってすごく思えた。



ちなみに。
ワークショップでプロダクト賞(話し合いの中身が良かったグループ?多分?)をもらった為、次の熊本の未熟児新生児学会と、信州フォーラム(呼吸管理フォーラム)と、在宅医療研究会に招待されることに♪
実際に行けるかは別にして、嬉しかった。

Aug 21, 2012

超未ちゃん多発

私のパソコン、ちゃんと「ちょうみ」って入力すると「超未」って変換されてくれる(笑)

最近、うちの病院で超未ちゃんが生まれ過ぎです。
2-3週間に4人。しかも、本日は2時間差で2人でした。

人手が足りない><超未ちゃんたちの次から次へ面倒を見るだけで当直帯が終わっていくという。。。
先輩が「反復横跳びしているみたいだった」って表現してましたけど。
この忙しさおかしい!!

そして、これだけ生まれたため、私も一人担当できることに。
久しぶりの超未ちゃん。
いろいろと忘れたりもしてて、えっと、えっと、ってなりながらではありましたが。
頑張ろっと!

Aug 19, 2012

初めて向き合った死

私、死と向き合ったことがありません。
まともなお看取りをしたことがないから。

今日、IUFD(子宮内胎児死亡)の子が分娩になるから、と立ち会いを求められました。
N科がIUFDのお子さんの立ち会いを求められる事はあまりありません。
だけど、今回、私の当直中に、立ち会いを求められました。

生まれてきた子は、胎内で頑張ったんだ、っていうのが分かる状態でした。
苦しかったんだ、ってはっと息をのむような状態でした。
助産師さんが、少し整えてあげて(目を閉じさせてあげたりとか)、ご両親と面会して。
少し落ち着いた時点で一通り診察をさせてもらって。
胎内診断と矛盾しないことを確認。
私はそのまま静かに退室してきました。

亡くなったお子さんと向き合うのって初めてでした。それが、私の当直中に。
訳あって、意味あって、私の当直中に生まれて来てくれたんだなって、後で半泣きに鳴りながら先輩に電話して「大丈夫。全ては次に繋がっているよ。」って言われた時に思いました。

Aug 17, 2012

IUFD

IUFD = intrauterine fetal death = 子宮内胎児死亡
この業界で働いていて、聞きたくない単語の一つです。
いえ、この業界で働いていなくても、聞きたくない単語だと思います。

エコーで胎児心拍が無い事を確認して診断します。
胎動が無くなった、というママの自覚症状があって危機感があることもあると思います。
IUFDと診断がつけば、私たちNICUの医師が立ち会う事もありません。

IUFDという単語を私が知ったのが2ヶ月前(子宮内胎児死亡、という単語は知っていましたが、略称を知らなかった)、そこから私の知るだけで2例ありました。

何らかの先天性疾患の診断がついているまたは疑われている為、前々から私たちにもその児の状態が知らされています。
NICUの医師がprenatal visitと言って、出産前から赤ちゃんの事をお話に言ったりしていまし、その児の為に病床を空けられるようにベッドコントロールをしたりもしていて、児の状況の情報は産科と共有されるから。
そして、そういったリスク児がIUFDになった場合、その情報も共有されます。

今回聞いた児は、事前のprenatal visitの際に私も立ち会わせてもらっていて、パパママの顔も分かる児。
朝心拍が無くなった、ということを聞いて、前よりも実感を持ってIUFDであるという事実を認識しました。

そして、やはり思います。
先天性疾患を持っていても生まれて来れる児というのは、生まれてからも沢山のハードルがあるとはいえ、 生まれて来れるという時点で、生命力がある児なのだ、と。
先天性疾患というだけで流産は死産の高リスクなのに、ちゃんと生まれてこれるというのは、すごいことなのだと思うのです。

赤ちゃんのご冥福をお祈りすると共に、ママの気持ちの昇華もお祈りします。

Aug 11, 2012

境界線

流産と早産。
法律上の線引きは妊娠22週以上か、22週未満か。
もちろん、赤ちゃんが21週6日だから生きられなくて、22週0日になった途端生きられる、という訳ではなくて、22-23週台というのは1日1日で生存率が大幅に違います。

お母さんの命が危なくなるため21週6日で緊急帝王切開で出さなくてはいけない赤ちゃんがいました。
午後の遅い時間。あと数時間で22週0日、そんなタイミングです。

21週6日であれば、流産ですから、赤ちゃんに蘇生処置をとることはありません。
だけど、週数が間違っている場合もなきにしもあらずです。
私たちNICUの医師も立ち会いにいきました。
明らかに週数が違えば、蘇生をすることも無くもないから。


生まれた赤ちゃんは、21-22週相当でした。
蘇生処置はせず、見守ってあげて、頑張ったねって声をかけてあげて、タオルで包んであげて。
お母さんが意識がある状態であれば、本来はお母さんに抱っこしてもらうのですが、今回は全身麻酔下の超緊急帝王切開であったため、お母さんの意識は無く、私たちの見守りになりました。

ほんの数分前までは、お母さんから栄養や酸素をもらって生きていた児。
お母さんの命が危ないから、と外に出されてしまっても、いきなり心臓が止まる訳ではなくて、ゆっくり止まっていきました。
生まれて、ほんの数回だけ、死戦期呼吸のような動きもしました。
立ち会わせてもらった私だけど、そんなことは思ってもいなかったから、動いて呼吸(といっても、死戦期呼吸だから有効換気ではないけど)した時には、思わず息をのんでしまいました。


見守りながら、なんとも言えない心境でした。
分かってる。流産だし、蘇生処置をしたとしても、胎外で生きていけない。
分かってる。外から見て分かるほどに頭蓋内出血もしてて、助からないのは明白。
分かってる。そもそも、22週だって予後は決して良くない。蘇生をしない病院や国が沢山ある。

だけど、普段目にしているような23週の児と何が違うのかと言われると、分からなくて。
担当している児と被ってしまい、本当になんとも言えない心境でした。
赤ちゃんの表情が安らかな穏やかな顔だった、と感じたのは、そう思いたかったからでしょうか。でも、苦しそうな顔はしていなかったと思います。

Aug 7, 2012

迎え搬送

早産の赤ちゃんが生まれることが予想された場合、基本は母体搬送です。
生まれたての赤ちゃんを搬送するよりも赤ちゃんに対する負担が少ないので。

でも、どうにも間に合わない!搬送していたら救急車内で生まれちゃう!みたいな場合には、搬送せずに、そこの施設でお産になります。
その場合、私たちNICUの医師が立ち会いに呼ばれ、赤ちゃんをそのままお預かりしてきます。
それを、「迎え搬送」と呼んでいます。

今日、ここに来て初めての迎え搬送に行ってきました。
朝一に、昨晩当直だった先輩から電話が。
「今すぐ来れる?◯病院から電話があってね、29週の児がもう生まれちゃうから迎えに来てほしいんだって。」

電話をもらったのが6:54。
すぐに支度をして、家を出て病院まで自転車をすっ飛ばし。
7:02にはスクラブに着替えて準備万端。
女子とは思えぬこの速度(笑)

迎え搬送に行くとは言え、誰かはうちのNICUに残っている必要があります。
無医村になってしまいますから。
先輩は、担当の25週の児のことで離れたくない、と言う事で。
私と、同じく呼ばれた上のI先生で行く事に。

自治体の救急車に、クベース(保育器)と呼吸器やらが積まれたNICUの持ち物のストレッチャーを乗せて、いざ出発。
隣の市とはいえ、乗り物苦手な私にとっては一大事。
気持ち悪い、、、って思いながら到着。
産婦人科病棟まで駆け上がりました。

既に生まれてしまっていましたが、幸い、しっかり呼吸も出来ていて一安心。
赤ちゃんを連れて、救急車で帰ってきました。
目が回るーーー><

いやぁ、ここ4ヶ月ちょっとで5回目の救急車。
乗り物苦手な私にしては頑張ってます。
来る前には、こんなに乗るはずでは無かった気がするんだけどなぁ(笑)

Aug 1, 2012

半年

私が今の職場のNICUに来て半年になりました。
この半年、必死すぎてあっという間でした。

半年で成長したなって思うことも多々あります。
一人で当直をしていても、とりあえずは怖くなくなった。
赤ちゃんの初期蘇生と入院時の処置が出来るようになった。
ラインやCV、エコーなどの手技が少しずつ出来るようになった。
自分なりに考えて、赤ちゃんたちの方針を立てられるようになってきつつある。

でも、当たり前ながら、一方で私まだまだだな、って凹むことも多かったです。
心疾患が無いと思ったけど、実はあった。
ラインが入らなくて、上の先生を呼んでくることもまだある。
方針を決める時に、どうしていいか分からなくて上の先生の考えをとりあえず聞いてしまう。
いろんなこと(予防接種だったり、検査だったり)がまだ抜けてしまって、後で気付く事も多々。


そして。
NICUに来てから、命について、生きているということについて考えることが増えました。
いろんな境界線が引かれてしまう現場にいるからだと思います。
いろんなハンデをかかえて退院していく児たちを見ていて、その子たちがその後どうなるのだろう、という事も考えるようになりました。

でも、今の私は自分の中で消化しきれていなくて、自分の中での結論もなくて、お母さんたちと真正面から向き合っていける自信はありません。
数年とか10年とか経験を積んでいったら、少しは上の先生たちみたいになれるのかな。

まだ半年、されど半年。なんだか、今後の私の医師としての人生にとって、大きな一歩となった半年な気がします。
まだまだこれから。頑張っていこう!