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Sep 25, 2013

歩いた

今日の外来での出来事。
今日の外来で呼んでいた最後の患者さん。

来てくれたお子さんは、私がNICUにいたときに生まれた超低出生体重児のお子さんです。
生まれた時の立ち合いからすべて担当させてもらい、退院後の成長発達をフォローさせてもらっています。
お母さんも、とても頭の回る方で、比較的順調に来ていましたが、修正7か月の頃から成長発達が停滞していました。お座りができない、というところでずっと止まってしまったんです。


実は、原因がはっきりとありました。
そのタイミングで乳児喘息を発症し、小児科に入院を何回もしていたんです。(当時は私はNICUだったので、小児科入院は担当していなかったけど。)

退院をしたタイミングが、ちょうど私の小児科への異動のタイミング。
喘息と発達外来と、両方をみさせてもらうこととなりました。

そこから数か月は、とにかく喘息のコントロールに難渋しました。
入院までしなくても大丈夫そうだけど、というゼイゼイがしょっちゅう。
家は遠めだったけど、こまめに来てもらっていました。


そして。
喘息が落ち着き始めた頃から、急に発達が進み始めました。
やはり、アレルギーとか喘息とかになると、成長発達が阻害されます。
そっちにエネルギーを取られるというのもあるし、夜眠れなくて、という影響もあると思います。

この子が通っている保育園がこの子に合っていたのでしょう。
保育園に通い始めて、食事もたくさん食べるようになったり、動くようになりました。
リハビリも導入しました。

先月はまだ立つのもままならず、両脇を支えていてもグラグラしていました。
そんなお子さんが、本日。
立った!を通り越して、歩いた!!!
喘息コントロールはやっぱり大事だね、と言いながら、お母さんと一緒に喜びました。


まだ伝い歩きではありますが、歩いているところを見て、涙が出そうになりました。
小児科に入院した時の主治医だった先輩にも「先生!!〇〇くんが歩いたんです!!!」と外来後にいの一番に報告しました。
そういう原体験は大切なんだと思う、と言われました。


いろんなグループにひかれたり、NICUをやっていける自信がなかったり、いろいろありますが、やっぱりNICUがいいのかな、って思った瞬間でした。

急性期もそうなんだけど(そして、多くの人が私は蘇生だとか集中治療だとかをやりたいのだと勘違いをしているけども)、その後の慢性期のフォローをしていける、疾患ではなく、その子を診ていけるというのも大きな魅力だから。


なにはともあれ、嬉しかったです。
生まれたときにあれだけ具合が悪かったのに。
退院後も途中で発達がピタッと止まっていたのに。
そんなお子さんが歩いたんですもの。
まだまだ成長発達していきそうです。本当に楽しみ。

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