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Apr 15, 2009

違い特集その4

本文の前に。
アメリカナイズされたはやたまです(笑)違い、分かります??*白衣が短い(実はサイズ合ってないけど。一番小さいSもらったんだけどなぁ。笑)
*斜めがけの鞄をかけている(診察道具一式その他が入ってます。)

*聴診器を頸からかけてるから日本の先生が見たら怒る人は怒るかもね。
*髪は私は癖でまとめてますが、基本的にみんなばっさばさです。


では。
前に、アメリカ人は考えられる、という話を書きました。
本日はその逆。日本の方が優れていると思う点について。

注。)前と同様、この日記も私の個人的感想に基づいて書く、個人の偏見で見たものの見方です。誤解を生むことを承知で、書きたいように思ったことを書きます。


<日本人が得意だと思うこと>
1.見えないものを見ること
2.人様のいいところをぱくって来て、改善して自分のものにしてしまうこと


2.については、異論はそんなにないのでは、と思います。
やっぱり、日本人は人のいいところを真似っこするのは上手です。
かつ、器用な工夫好きな日本人のこと。
改善をして、もとよりいいものにしてしまったりもすると思います。


1.については、別に幽霊がとか、そういう問題ではなく。
日本人は、人の気持ちを感じることに長けていると思います。
(空気を読んだりが苦手な私のような人はいますけども。)

逆に、アメリカ人は苦手だと思います。
基本的には、口に出したこと意外はないもの、とみなされる国です。意見にしても、何にしても。
仕方ないとも思うんです。これだけいろんな背景の人が集まっている国だから。
non verbal communicationでは同じことが違う人には全く違う意味に捉えられてしまう可能性があるから。はっきりと口に出して言うしかないんだと思うんです。

でもね。
例えば、私がどんなに真っ青で頭を上げることも出来ない状態で机に突っ伏していても、アメリカ人は気づきません。
いえ、私に関してだったらいいんです。本当に倒れる前に自己申告して帰りますから。
でも、患者さんに関しても下手だなぁ、と感じます。
まぁ、アメリカの患者さんは何でも言うはずだからいいと言えばそうなのかもしれないですけど。

患者さんの感情というのがあまり大事にされていないように感じます。
事務的というか、各々がその患者さんに自分がしなくてはいけない仕事しか見てないというか。

多分、だからだと思うんです。
私はこちらに来てから、患者さんにやたらと好かれます。本当に。思い込みではありません(多分)。68歳のおばあちゃんに始まり、27歳男性、62歳女性……以下略。
何人の患者さんに、私この子好きなの、お気に入りなの、と言われたことか。

最初は、単純に嬉しかった。
外国人の私なのに、こんなに好いてくれてありがとう、と。
次に、アメリカだから大げさに言うのかな?と思いました。
でも、よーく見てて、違うと思いました。

多分、私の方が丁寧だったり優しく感じるのではないかと思ったんです。
以下、3点例をあげます。

1.)気にかける
アメリカ人の発想から言えば、医者・医学生の仕事ではないことになってしまうかもしれませんけど。

例えば。
朝にpre round(自分だけで患者さんを回り、夜の間のこととか、vitalとかlabとかのデータ集めたり、話聞いたり、診察したり)行きますよね?
そのときに、患者さんが今日はなんか食欲無い、気持ちが悪い、と言ったとしましょう。
pre round後のチーム回診でその日の治療方針が決まったとします。

私は、午後に廊下を通りがかった時に一瞬だけ患者さんの元へ行きます。
どうですか?少し楽になりましたか?と。

患者さんの状態を細かく把握しているのはnurseです。
それはそうですが、一瞬顔を出すくらいは出来ると思うんです。
それを医者はしません。朝診察をしに行ったらおしまい。重症な患者さんは例外としても。
午後に患者さんのところに行っていると、何してるの?それは朝やってるべきことでしょ?何か重大なことでもあったの?と言われます。
学生にそこまで言うのは医者によるのかも知れませんが、あまり行かないのは事実です。

本当に自分の仕事をやる上で用があるとき(=診察)だけ行く感じ。
まぁ、様子を見るのは医者ではなく看護師の仕事だけどさ。
この人来た=診察しに来たのね、よりも、一瞬だとしても普通のちょっとした会話・朝より楽になりました?の一言だけの時もあった方が印象はいいのではないかと思うんです。



まぁ、忙しいし行くの無理だとしても。
言葉かけは変えられると思うんです。


2.)言葉かけ
うつ病を持っている患者さんがいました。
外人の私が担当になりました。正直、大丈夫かな?と自分でも思いましたけど。
でも、結果的には私で良かったかもしれません。

例えば、一番分かりやすい例で言えば。
その患者さんは脳波のモニターをずっとつけていました。コードが沢山で邪魔ですよね、あんなの。
それが終わり、取れる日。pre roundの際はまだつけていて、今日外すということを私は知りませんでした。チームの回診の際は外れていました。でも医者は誰も指摘しません。

私は部屋を出る前に指摘しました。「取れたんですね。良かったですね。すっきりしたでしょう。」と。
患者さんは素直です。とても笑顔でした。「そうなんだよ。久しぶりだからね。頭が軽いよ」と。
喜んだのは家族です。「この子の笑顔を久しぶりに見たわ」と。



今あげたような、こういう違いではないかと思ったんです。
こういう一言の積み重ねで印象が多分違ったのだと思うんです。
だから、患者さんが好いてくれたのだと思うんです。

でも、日本ではこれって普通ですよね。
チーム回診で患者さんのところを回るときに、よく先生も言ってます。
 あ、今日はご飯全部食べられたんですね。良かったですね。
 これ取れたからすっきりしたんじゃないですか?
 この検査、ちょっと辛いかもしれないですけど、頑張りましょうね。
とか。そういうちょっとした言葉。

言葉かけだけではありません。


3.)表情
そもそも、表情が日本の医者の方が穏やかに感じます。日本の医者の方が、患者さんの話を聞いている時に表情があるように思います。
外人だから分からないだけじゃない?という話ではないんです。
ほら、人ってonとoffで顔が違うじゃないですか?仕事に向かっているときの無表情というか、真剣な顔と、そうでなくて人と話してるときの顔と。アメリカ人にだって、両方の顔があります。
そんな感じの違い方。

とまぁ、思うがままに3点あげましたが。

病棟と違い、今私がいるConsultはあくまで主治医ではないです。
神経についてちょっと見て、意見する、くらいの感じ。
そんなに患者さんと関わらないから、先週までほどにひどく違いを感じることはありません。
私自信が先週までよりも居心地がいいと感じるくらいですから。

だから、いろんな人で比べたときにどうなのかは分からない。
きっと医者による。けど、きっと大きく見たら違いはあるんじゃないかなぁと思う。

だからね、思ったんです。
日本人の方が他の人のことも考えられるのではないか、と。
日本人の方が気持ちを大切にするのではないか、と。
日本だけの話かもしれないけど、人は75%だか90%だかはnon verbalな部分で判断していると言うじゃないですか。

non verbal communicationとか空気を読むの得意じゃないけど、でも私は日本の医療の方が向いてるかな、そんなことをふと思いました。
殺伐とただ自分の仕事をこなすだけ、はちょっと悲しいから。

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