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Apr 9, 2009

違い特集その3

本日は、私が常々思っている違いについて。

注。)以下、誤解を恐れずに好き勝手に書きますが、完全な個人の感想で、気分を害される方・反対意見の方がいることは承知です。私の感想を書き連ねているだけなので、真実と異なる点も多々あるかとは思います。
そのことを頭において読んでください。


アメリカ人と日本人と。
相当違うのは当然。基質も全然違う。

彼らは、いろんな背景の人の集まりだからか、教育がそうさせるのか、非常に自分を大切にする。
顔色を読むとか、空気を読むとか、苦手。(これは、私にも当てはまるけど、私以上に。)
まぁ、だから何でも口にする。発言が無い=考えてない、に近いものがある。
良くも悪くもわが道を行く。(個々人を見ると違う人もいるけど、over allでは、そうだと思う。)
偏見を持った意見だけど、そりゃこれだけ自分を大切にする国なら、戦争起こすだろうな、と納得してしまうような。
(だって、多分日本が今戦争するって行ったら、戦地行きます、戦争賛成、って人少ないと思うのよ。別の見方をすれば、愛国心がないというか。その分、日本人は他の人・国のいいところをとってきて自分のものにするのが得意だと思うけど。気働きとか、思いやりとか、日本だなぁ、って思うし。)



そもそも、教育が小学校の頃から全然違う。

私と母親の中でよく出てくる例で、小学校の理科がある。
日本では、朝顔の種を植えて、育ってくる過程を観察日記につけるのが、一大イベント。
でも、アメリカだと、例えば、利き手の親指を固定して一日過ごし、何が不便だったか、どんな工夫をしたかを話し合う。

小学校でこれだけ違う。
「考える」ことを大事にする。そして、それを「発言」し、「話し合う」ことが重んじられる。
その前提としてある程度の知識は求められるけど、「知識がある」ことはそんなに求められない。
考えることが大切だから。

多分どちらの教育も少しでも受けたことがある人には賛同してもらえるのではないかと思うんだけど。日本しか知らないと、日本人もちゃんと考えてるよ?と思うと思う。
でも、違う。


医学の現場でもその違いは大いにあると思う。
医者同士の比較は分からない。日本の医者になったことも、アメリカの医者になったこともないから。
だけど、少なくとも、学生は違うと思う。

彼らは、すごく考える。「何」ではなく、「なんで?」が基本。

例えば、何か1つ新しいことを知った時。
なるほどー!って思って終わるのが日本人。
なんでそうなるの?じゃあこっちとの関連は?実際にはどうやってそれを応用するの?自分で判断できる?など、次々考えるのがアメリカ人。

discussionをする時にも全然違う。
日本で、横断チュートリアルとかPBLとか、そういうのをやると、なかなか意見が出ない。質問が出ない。
でも、こちらでやると、次から次へと出てくる出てくる、すごい。
Harvardに行く為のトレーニングでも少しやったけど、患者さんのHPIを言う。それに対して、自分が聞きたいことなどを質問する、鑑別を立てる。
これも考えられるんじゃない?これは?など、すごく活発に出てくる。
合ってても間違ってても、とにかく思ったことは発言するし、そもそもすごく考えるから思うことも多い。


その違いは、例えば日常の実習で現れる。
患者さんの状態から、鑑別を考える、理由を考える、あっちとこっちといろいろと結びつけて考える。彼らは、本当に考えることに長けている。
私は特に、日本語でもそんなに出来ていないということもあるけど、Problem(異常)をあげて、まとめて、それらに考えられる鑑別をつけて、というのが本当にいっぱいいいっぱい。
先生に、「だって、ほら、こうでしょ?」などと言われたら、なるほど!って思っておしまい。
でも、彼らはその先を調べる。考える。


本当に考えることに長けていると思う。
私が考えるのが苦手なだけかもしれないけど。
でも、彼らは、考えられる日本人より考えられてると感じる。

アメリカ人は考えることに長けている、そういう教育を小学校の頃から受けている、と分かってて渡米し、それを学びに来た。
どう学んでいるのか、どう考えることで成長していけるのか。
それを学びに来た。

分かってて来てても、やっぱり違うなぁ、と思う。

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その違いを求め、学生に質問をしてみた。
ねぇねぇ、1、2年生の頃ってどんな授業?
答えは医科歯科と大して変わらなかった。

(注。1,2年の頃に患者さんに会いに行くとか、模擬患者さんとか、そういう特殊な授業をのぞいて。)

ただし。
多分、同じPBLをしていても、質が全然違うのだと思う。
そして、チューターの先生の質も違うのだろうと思う。
みんな、考えることに慣れてる人たちだから。
こちらの学生のケースディスカッションに参加し、その違いを実感した。


彼女たちに、もう1度問うた。
でも、みんな考えるの上手だよね。
答えは、「そうかな。まだまだダメなんだよねー、でも、強いて言えば病棟で学んで来たからかな」、というものだった。

確かに、そうなのだと思う。
毎日病院にいて、すごく考えることを求められるから。
私が立てた鑑別や、A/Pだと、あと一歩足りない。
そう、確かに、○○ってう鑑別なんだけど、、、その先は?と。
確かに、彼女たちは朝から晩まで、病院にいて考えているときに、考えて先生に質問して、考えて、を繰り返している。


考えられるようになる教育。
難しいと思う。小学校の頃からの違いだから。
だけど、少しでも吸収して帰りたい。
日本での実習、研修を有意義なものにしたいから。
さらに、出来るのであれば、後輩の教育も少しでも考えられる教育にしたいから。
私の下でよかった、と学生に言われるような先生になりたいから。
私に診てもらえてよかった、と患者さんに言ってもらえるような先生になりたいから。

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理想の医師像
技術があり、知識と考える力があり、でも患者さんにとって看護婦くらい身近な医師。

頑張ります。

1 comment:

Tomoharu said...

good pointだよね、てか本当にそう思います。

SOまでは(正直言って)誰でも集められるもの。SOだけを集める専門職がアメリカにはあるくらい。
そこからAPをいかに”考えるか”、これが医師と他のコメディカルとの違いだと僕も思います。
だから病棟で聞かれるのは
"and WHY?"
"that's because?"
"any questions?"←というかこれを聞かれてはダメだとも思うけど…(^_^;)

日米の病棟教育における根本的な違いであり、また日本が(というよりも自分が)学ぶべき所だと思います。

まぁ土日にゆっくり話しましょう…。