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Jan 17, 2012

川崎病

実は自分で川崎病を担当したことがないんですよね、私。
今の時期に流行るし、一般病院にいる今のうちに診ておきたいな、と思っていたら患者さんが入院してきました。

川崎病(KD)
またの名をMCLS(MucoCutaneous Lymph-node Syndrome)と言います。
はっきりとした原因は不明だけど、全身の血管炎を起こす病気で、名前の通り、粘膜と皮膚とリンパに症状が出る病気です。

以下の主要症状のうち、5つ以上を満たせば診断されます。
実際は、熱が5日続くと予測される場合も含めますし、そもそも症状がそろわない不全型というのもあるので、これを5つ満たさないから川崎病ではないとは言えません。
つまり、小さい子たちの発熱をみたら、必ず川崎病を鑑別に入れないといけないのです。

1.5日以上続く原因不明の発熱(ただし治療により5日未満で解熱した場合も含む)
2.眼球結膜の充血
3.口唇、口腔所見:口唇の紅潮(唇が真っ赤)、苺舌、口腔咽頭粘膜のびらん性発赤
4.不定形発疹
5.四肢末端の変化:
(急性期)手足の硬性浮腫、嘗蹠ないしは指趾先端の紅斑

(回復期)指先からの膜様落屑
6.急性期における非化膿性頚部リンパ節腫脹


診断基準には入ってこないけど有名な項目はBCG接種部位の発赤。
欧米ではBCG接種をしないので、世界標準に合わせてなのか、診断基準には入ってませんが、特異度はかなり高いです。(日本は特異度などを%で出すのがあまり特異ではないということもあり、あまり特異度のはっきりした%は分からないけど)
感度は小さい子(接種から時間が短いほど)高いです。


以上で分かるように、川崎病はぱっと見かなり真っ赤っかになる病気です。



で、診断がついたら、治療ですが。
アスピリン30mg/kgを開始します。
そして、いわゆる「原田のスコア」で4項目以上だった場合はIVIg(免疫グロブリン)を2g/kg投与します。

白血球数≧12000/μl
血小板<35万/μl未満
CRP≧4.5mg/dl
Ht<35%
Alb<3.5g/dl
年齢≦12 months
男児

IVIg不応例(治療に対する反応が悪い症例)は群馬大のスコアや久留米大のスコアなどで予測します。

群馬大のスコアは下記点数で5点以上であればIVIg不応である感度特異度約80%程度。
2点 Na≦133mEq/l
2点 AST≧100U/l
2点 診断病日≦第4病日
2点 好中球≧80%
1点 CRP≧10mg/dl
1点 Plt≦30万/μl
1点 年齢≦12 months

久留米大のスコアは下記点数で3点以上であれはIVIg不応である感度特異度約80%程度。
2点 ALT≧80U/l
1点 診断病日≦第4病日
1点 CRP≧8mg/dl
1点 Plt≦30万/μl
1点 年齢≦6 months


基本的には自然に解熱をする病気ですが、冠動脈瘤などが出来てしまうという心臓合併症が嫌な病気です。
なので、間で心エコーで確認しながら、とにかく第10病日までの解熱を目指します。
解熱して炎症反応のpeak outを確認したらアスピリンを減量し、退院。
退院後も心エコーでの確認は定期的に行います。

診断と初期治療くらいはできるようにならないとね。
問題は不全型でもちゃんと診断できるかですね。

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