Pages

Jan 12, 2011

救急車同乗再び

さて。
前回は昼間に、急変の可能性の低い患者さんの転院に付いて行きました。
今回は夜間に、急変の可能性の高い患者さんに付いていく羽目になりました。

40歳男性。
ご家族が家に帰ったら、ひっくり返ってたそうです。
診断名はSAH。クモ膜下出血です。

SAHが疑われる場合、搬入されてきてからは極力刺激を避け、まずはCTを撮影します。
SAHと確定した場合、目隠しをして(光刺激を避ける)、鎮静をして(余計な体動を避ける)、降圧をします(血圧はだいたいが髙いので)。
再破裂させたら助かる可能性はものすごく低くなりますから。
そして、脳外科Drをcallしてope適(opeをする適応があるかどうか)があるかの判断を仰ぎます。

今回は、SAHと確定診断され、ope適もあると判断でしたが、いかんせん本日はうちのope室が夜までいっぱいで緊急opeを出来ない状態。
そこで、近所の大学病院の救急に転院搬送することになったんです。

SAHの程度はなかなかひどかったです。
救急隊を呼んでいる間に、初寮室でけいれんを起こすほどでした。
当然ながら、挿管もされ、人工呼吸の状態で。

一緒に救急車に乗っていく私の仕事は、
①向こうの病院に付くまでの間、アンビューバッグを押す(挿管チューブに風船みたいな形のバッグをつなぎ、それを押すことで人工呼吸をする)
②途中で急変があった場合はそれに対応する
の2つです。

しかも、血圧を下げる薬を持続で流しているけど、救急車の中では血圧を持続で測定する装置(A-line)なんてない。
下がりすぎても上がりすぎても怖い。

という訳で。
内心ひぇーーー、って思いながらも、ご家族や救急隊の前では平然とした顔で乗ってきました。

左手でずっとトウ骨動脈(木へんに土3つの漢字。)を触れながら、右手でずっとアンビューバッグで呼吸をさせている状態。
トウ骨動脈を触れていたのは、ここの動脈で脈を触れられればBP80はあるという目安になるから。
ここで触れなければショックの状態ですし、手が湿ってきたりしても状態は悪い。
右手では時折出る自発呼吸を感じつつ、人工呼吸。
羽織ってた当院ERのジャンバーのポケットには、シリンジ・針、そして、痙攣などの急変時にすぐ使えるように薬のアンプル。

なんとか無事に向こうの病院について、向こうの先生に説明して、オペをお願いして。
本当にホッとしました。助かるといいなぁ。
そして、なんと、帰りも救急隊の方が救急車で送ってくれました♪

それにしても。
今日の私、絶対行きと帰りで顔つき全然違うと思う。

No comments: