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Apr 13, 2012

昔の自分との出会い

成長、してるんだと思う。
少しずつだけど、ちゃんと前に進んでるんだと思う。
そう思えたら、また頑張れる気がした。
 
正直なところ、今の私は成長している気が全くしない。
そりゃ、2月と比べたら少しはクベース(保育器)に手を入れることが怖くなくなったし、当直も一応するようになったし。
でも、成長してる気が全くしない。

焦りもある。
2ヶ月半経ってるのに、方針を立てるのすらおぼつかない私がいるから。
上の先生に◯◯は?って指摘されて、はっ!となることが多々あるから。
なんてことはない判断・決定を下すことが出来ていないから。
そして、今頼っているレジの先生たち(4-7年目の先生たち)は6月までで次々入れ替わってしまうから。


だけど、今週、大学に搬送に行って。
私、成長してる、頑張ってることは少しずつ身に付いてるんだって思えた。

去年の7月。小児科を周り始めて最初が新生児グループだった。
今週、転院搬送に行って、病室の同じ場所に立って。
みんなが入院時の処置をしているのを見ながら、7月の自分を鮮明に思い出した。

赤ちゃんは当然ながら、小児のことも何にも分からない状態だった。
診察方法も分からなかった。何が正常なのかも分からなかった。
点滴を取る時も、何を準備していいか分からなかった。
血液培養用の採血針を手に、大人のように患者さんに直に刺そうとして止められた。(今思うと恐ろしい。笑)
エコーで何をどう見るかも分からなかったし、脳エコーなんて初めて見た。
そんな私でも、上の先生たちは優しく一からゆっくり丁寧に教えてくれた。
(あの1ヶ月があるから、2月に今のNICUに行った時もなじめたんだと思う)


私、出来ること増えた。
赤ちゃんの診察も出来るようになったし、動かすのも怖くなくなった。
未熟児のエコーも最小限のこと(心・脳・腎)を10分以内に終えられる。
(まだ心疾患を完全に否定できるだけの自信はないけど)
点滴だって入るようになったし、PIカテだって入れられる。
朝の採血だって(失敗して時間かかることもあるけど) ちゃんとやってる。
低血糖を起こしている時の対応だって分かるし、電解質を見ながら輸液の調節だって出来る。
呼吸状態を見ながら、人工呼吸器を調節することも出来る。

挿管とか初期蘇生はまだまだ怪しいことも多々あるけど。
考えなくてはいけない鑑別がまだまだな部分も多いけど。


でも、それでも。
大丈夫、少しずつ進んでる。
そう思えた。

今のままの頑張りでやっていけば、少しずつでも周りより遅くても成長はしていける。
「いーんだよ、大丈夫」って、数ヶ月前の自分と出会い、背中を押してもらえた、そんな転院搬送だった。


<追記>
頑張ってるって周りによく言われる。
でも、実は多分周りが思ってるほどに頑張れてない。
キャパが少ないし、バタバタしてるし、よくしゃべってるから頑張ってるように見えるだけ。

仕事終わったら早めに帰るし、朝も別に早く行ったりしてない。
家で仕事はしないし、家で勉強も(たまにしか)しない。
ご飯作って食べたり、絵を描いたり、出かけたり、写真撮ったり、テレビ見たり。
offは普通の生活を維持したいと思ってるから、部屋には医学書は一冊も入れてない。
だから、病院にいる時は空いた時間に買って来た本で勉強をしてみたりはしてる。

頑張りたい自分と、頑張ってDrop outしてしまうことが怖い自分。
頑張っていないことに対して、「頑張ったら長続きしないし、一生医者やっていくには細く長くだし」って言い訳をしている自分がいる。
それが嫌。

でも、このペースでもちゃんと成長してる、そう思えたから。
だから嬉しかった。昔の自分に、「いーんだよ、それで」って言ってもらえた気がしたから。
私は私のペースで少しずつ頑張って少しずつ成長しよう。(こんなスタンスじゃ甘いっていう声が飛んできそうだけど。)

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