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Jun 17, 2008

ケーススタディー

医学部では、いきなり患者さんの前に出る訳にはいきませんから、3,4年の頃から「ケーススタディー」ということを通じて、少しずつ患者さんのデータを見ていく練習をしています。

今回は、例えばの症例を書くので、ちょっとその雰囲気をつかんでもらえれば、と思って書いてみます。
5,6年になると、自分でこれを書くために患者さんの問診をしなくてはならなくなるそうですが、低学年では先輩や研修医の先生が取った所見のこのような情報をもらえます。

これは今回私が今思いつくままに自分で書いてみたものなので、まだまだ足りない情報もありますが、このようなものを医者は書いています。
医学生は3,4年のころからこういうものを少しずつ見慣れていきます。






22歳女性。身長158cm、体重○○kg(←本当は聞かないとダメです。笑)
2週間前から続く、食後の腹痛・気持ち悪さ・下痢を訴えて受診。

主訴 :腹痛、気持ち悪さ、下痢

現病歴:
2008年5月下旬 食後の腹部の重たさに気が付くも、放置。
同年6月3日    朝から気持ち悪さ、顔色不良。朝食後に臍部周辺の腹痛と嘔気、下痢が出現。


6月13日      6月3日以降に食後に腹痛、気持ち悪さ、下痢が続く。
           にゅうめん、卵豆腐、お刺身などを少量食べる以外は摂食できていない。
           (が、しかし!体重減少が見られないのよねぇ。。とほほ。)

           今週に入ってからは、腹痛の場所が季肋部やみぞおちまで上がってきている。
便の色は正常。下痢は一日1-2回、トイレに行くと下痢、という状態。


           6月11日には食後に歩くことが困難なほどの痛みおよび発熱があった。
           以降少し症状は落ち着くも、本日当院消化器科受診。


6月17日      内視鏡検査を施行。
胃粘膜に多少の発赤が見られるものの、粘膜に異常なし。


身体所見:
6月13日     腹部平坦、軟。
          肝脾腫(-)、左季肋部に軽い圧痛(+)、反跳痛(-)、グル音正常、黄疸(-)
          顔色良好、眼瞼結膜貧血(-)、発熱(-)
          血圧114/80、脈70 


検査所見:
現時点で未検査。
血液検査の予定未定。(通常であれば、ここに何らかの血液検査所見などが入ります)

既往歴:
2005年3月に右拇指外側側副靭帯損傷。当院整形外科受診中。
その他既往、手術暦、輸血暦なし。

家族暦:
父母兄弟、祖父母ともに健在。
両祖父に心筋梗塞の既往あり。
祖母、父母に大きな病気の既往歴なし。

生活暦:
機会飲酒
喫煙(-)
アレルギー(-)
服用中の薬(-)



さーて、このような情報からあなたはどんな病気を想定して、どのようなことを問診しますか?どのような検査をオーダーしますか?当たった人には何も出ないけど、尊敬します☆

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