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Oct 8, 2015

よくみる

この仕事を始めて、思うこと。

よく見てる人はよく見てる。
異常を察知するのがすごく早い人がいる。

ちょっとした変化を見逃さないというか、細かいことでもよく気づくというか。
誰それさんが「○○ちゃん、ちょっと具合悪いと思う」と言った時には、ぱっと見で変化がなくても、その赤ちゃんは必ず何かしか具合が悪い。そんな人がいます。


私、自分で言うのもなんなんですが、鈍い方なので、そういう方を尊敬します。
見習いたい。そう思って、赤ちゃんをみるようにはしていますが、どうしても気づくのは遅め。ある程度はっきりしてから。
それでも、3年目と比べれば気づけるようになったかな。

何を見ていたらよいのか、言葉で分かればいいのに、と思う。
でも、異常を察知するのがすごく早い方々に聞いても、「なんとなく」とかそういう答え。何を見ている、というより全体なのかな。
全体を見ながらも、細かいところも見てるんだろうな、と思います。
後は、何に注意が必要なのかをちゃんと理解してるんだと思う。



なんで今日改めてそんなことを思ったかというと。

本日、私がエレベーターに乗った時の話。
妊娠32週半ばの現在、週後半になってくると、仕事終わりの時間にはお腹がかなり張りっぽくなってきます。
あんまり自覚はないけど、疲れが溜まってくるのでしょうね。

病棟から医局まで戻るのに、お腹が張っちゃって張っちゃって、どうにもならなくて、ゆーっくり歩いた上で、仕方がないので最後は1階分だけど登りのエレベーターに乗りました。
乗ったら、知らない1年目の男性研修医が二人乗っていました。

さすがに、1階分だから申し訳なくて、「ごめんなさい」と言いながら一個上の階のボタンを押したら、その研修医に「運動した方がいいと思いますよ」と忠告されました(笑)
苦笑いするしかないですよね。

かなり出てきて目立っているお腹を示しつつ、「そうなんですけどね、今はお腹が張っちゃって仕方がないので。」と言ったら研修医くんはかなり焦って「僕今かなり失礼なこと言いましたね、うわーー」とか言っていましたけど。


白衣も前が閉まらないくらいの状態になっているお腹。
自分のスクラブはすでにパツパツで苦しくて着られないので、男性用のMサイズを借りて着ている状態。
知らない人が見ても、さすがに妊娠していると分かるくらいになってきているお腹ではありますが、エレベーターで乗ってきた人を真正面から見ていても、ちゃんと見ていないと気づかない。



普段の診療でも同じだと思うんです。
見ているようで、見ていないと気づかない。
よくみる、ということは言葉では簡単だけど、でも実際にやろうと思うと難しい。
特にNICUでは小さい赤ちゃんたちが相手なので、ごくごく小さな変化でも本来は見逃したくない。早めに察知してあげたい。
よく気づける、よく見ている人になりたい。

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