赤ちゃんはお腹の中では羊水に取り囲まれています。
羊水は、胎盤からも作られますし、赤ちゃんのおしっこも材料となります。
そして、羊水は出産前までは透明な無菌の液体です。
ところが、出産時のストレスなどで赤ちゃんがお腹の中にいる間に胎便(うんち)を出してしまうことがあります。
そうすると、羊水が胎便で汚れてしまって、羊水混濁を起こします。
羊水混濁の原因は他にもありえますが、だいたいは胎便が原因です。
今日初めて羊水混濁の出産に立ち会いました。
破水の時点で羊水混濁があるの分かってたこともあり、吸引の準備もばっちりとして。
心拍、筋緊張は良好で全身状態的にはそこまで悪くなかったんだけど、何回か吸引してもゴロゴロと音がしており、努力呼吸を認めていました。
吸引を何回かして、刺激をして呼吸を頑張ってもらって。
最終的には生後30分程度で呼吸状態落ち着いたため、そのままRoom airで経過観察としました。
ちなみに、現在の新生児蘇生法では、出生時に羊水混濁があるかないかでアルゴリズムは変えず、気道開通の一つとしての吸引をすることとなっています。
いやぁ、羊水混濁があれだけしっかりある子って初めてみました。
完全に胎便だね、これは、というようなどろっとした茶色から緑色の羊水でした。
今月、小児科医として立ち会いをお願いされないお産でも、時間があれば(意外に外来中だったりとか検査中とかだったりしてなかなか時間はとれないんですけどね)お産の現場にいさせてもらおうとしています。
こういう、ちょっとだけ問題があるけど、命に別状はないような新生児蘇生を少しでも今のうちに経験しておかないと!
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