Pages

Feb 20, 2012

生の重さ

命って大事です。何よりも大事です。
生きていることは尊いと思うんです。
だけど、生活というのも生命と同等に重たいと思うんです。
同じ、「生」だと思うんです。

昔から、理想の医師像は「知識や技術があることが大前提で、その上で、患者さんの生(生命・生活)に寄り添える医者」と書いてきました。
なんだけど、今日患者さんの話を聞いてて、改めてそう思いました。
初心を思い起こさせてくれた患者さんの言葉たち。


赤ちゃんの命も大事。
ご両親や今いる兄弟の生活も大事。

その間で揺れるご両親の気持ちは痛いほど分かります。
いえ、正確にいえば、まだ結婚もしていないし子供もいない私だから、想像しかできませんけど。
しかも、多分、命を天秤にかけているということに対する後ろめたさもあると思うんです。
だからこそ、どうしていいか分からない。
多分、お母さんとお父さんとでまた思いにズレもある。
でも、多分、悩むことを途中で止めてしまったら、後悔が残るんだと思う。


正しい答えなんていうものは存在しません。
多分、ご家族が納得した、後悔のない結論が正しいんだと思います。

悩んでもらえているというのは、どちらに転んだとしても、赤ちゃんにとっては幸せだったと思うんです。
悩んですらもらえない赤ちゃんだって沢山いるんだもの。

命と生活。
生活と生活。
いろんな生の間で悩んでいるご家族の気持ちに寄り添える医者になりたい。

No comments: