アッペ=appendicitis
つまりは、虫垂炎です。
教科書に必ず書いてある項目。
妊婦の虫垂炎は非典型的な症状を呈するから、注意をすること。
まぁ、幸いにも今まで救急外来とかでも、妊婦さんには遭遇しませんでした。
だいたい、妊娠の可能性はありますか?の問いには、いいえ、の答えが返ってきました。
今日、緊急入院さんが昼に来ました。
−2日に、便秘で救急外来を受診していた患者さん。
−4日からの季肋部の肋骨痛が主訴。
びまん性の鼓音があった以外には、明らかな腹部所見なし。
WBC15000ではあったものの、CRPなどその他所見はなし。
その時点で妊娠10週と妊娠初期であったことから、腹部X線などは行わず。
虫垂炎を疑いはしたものの、あまりに所見がないことと、経過が長いことから下剤を処方して帰宅。
その後、兎糞様の排便があった後、排便排ガスがなくなり。
本日来た際には、腹部は固くなり、所見上は完全なるイレウス+腹膜炎。
という病歴。
結局、検査の後に虫垂炎という診断にて緊急手術となりました。
うーむ。
若い女性の腹痛(Pの既往があったりするとさらに)というのは、救急でも受けてくれる病院が少ないんですよね。
特に、妊娠中とか言った際には、診てくれる病院を探すのは大変。
でも、確かに大変なんだな、と実感しました。
本日の方の場合でも、数日前には所見的にもX線を撮っていないのはいいと思うんです。
妊娠10週という感受性の高い時期であるし。
今日行う検査もかなり議論になったんですよね。
CTを撮るのか、造影CTは必要なのか、腹部所見と単純CTではダメなのか、腹部所見とX線だけではダメなのか。
いったいどの検査を省き、オペに踏み切るのか。
外科の先生と周産期の先生、放射線科の先生で話し合いをしながらの検査でした。
やっぱり、合併症のある妊婦さん、または妊娠中に病気を合併した場合、というのは難しいなぁ、と思いました。
ついでに。
今日は忙しかった。働いた。
前回帝王切開で本人希望による予定帝王切開
前期破水後の原発性微弱陣痛に対して陣痛促進
上記アッペさんの緊急入院からの緊急オペ
正常経膣分娩
前置胎盤で警告出血があったことから緊急帝王切開
頑張った、私。(いや、もちろん、上の先生はもっと大変だった訳ですけど)
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