人間の染色体は46本あります。
そのうち、44本が常染色体(男女問わず一緒)、2本が性染色体(XとかYとか言われるやつです)です。
お母さんからは23本、常染色体22本とXをもらってきます。
お父さんからは23本、常染色体22本とXまたはY(どちらをもらうかで性別が決まります)をもらってきます。
で、合計で46本。
お母さんからの常染色体22本もお父さんからの常染色体22本も、同じ1番から22番という染色体です。
(ちなみに、1番から22番は大きさ順です。1番が一番大きい染色体で22番が一番小さい染色体。)
だから、それぞれの染色体はお母さん由来とお父さん由来の2本がある訳です。
ここまでOKですか?
では。
染色体異常というのは、いろんなタイプの異常があります。
数が多いとか少ないとか、後は、何番と何番の一部がこんがらがっちゃった、みたいのとか。
その中でも、trisomyというのは、数が多いタイプです。
本来ならば、同じ染色体は2本ですが、3本ある状態です。
(正確にいうと、その染色体の全体が1本多くても、その染色体の一部が多くても、trisomyといいます。モザイク型、とか言われたりします。症状の現れ方が違ったりします。)
一番有名なtrisomyは21番でしょうか。
21trisomyというのはダウン症、と呼ばれる疾患のことです。
で。
18 trisomyというのは、18番染色体が3本ある状態です。
(いやぁ、タイトルに辿り着くまでの説明が長かった><)
今日、18trisomyの胎児を見る機会がありました。
小児科側の勉強として、生まれた後の子のことは学生の頃から勉強します。
1年生存率がきわめて低いとか、成長障害があるとか、心疾患、呼吸器・消化器・泌尿器などの合併症が多いとか、感染症にも弱いとか。
胎児の時点で気にする点とか、初めて知りました。
胎児の時点から成長障害があるのですが、それ以外にも身体的特徴があるかどうかをチェックするそうです。
産婦人科の先生ってさすがなんですよね、エコーでかなり細かいところまで診ています。
例えば、18 trisomyの子の場合。
成長障害(特に、体全体が小さいというよりは、頭が小さいとか、そういうアンバランスさがあるかどうか)、頸部浮腫、overlapping finger, rocking heel, 胸郭変形(胸骨が短いとか)、その他諸々をエコーで診ていきます。
10数週とかの、まだ胎児全体でも10cm、20cmみたいな子でもエコーで映し出せるから驚きです。
(まぁ、それだけ小さい頃は、よほど疑ってそういう心づもりで診ないとダメだとは思いますが)
そして、胎児を診させていただいたこの経験は小児を診るにあたって、大きな経験だな、と思いました。
気持ちが引き締まるような、そんな思いがしました。
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