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Jun 28, 2011

頭痛

昨日、昼過ぎに頭が割れるかと思うような頭痛に突如襲われ、(確かに朝から若干頭痛かったけど、昼過ぎに1時間くらいで急激に悪化)あまりの頭痛で歩くのも辛く、保健管理センターで薬をもらおうと移動中に嘔吐し(今までになく痛かったので、一応袋は持っていたのでセーフでした。)、2時半頃に敢えなく早退を言い渡されたはやたまです。

原因はなんだったんでしょうねぇ?
肩こりは少しあるけど、片頭痛持ちでもないし、神経学的所見も当然ないし、発熱もないし。辛すぎて(?)145/95というとんでもない高血圧ではありましたが、普段は110台/80前後だし、その後落ち着いたら普通だったし。

あ、もしや、心因性か?薬もイマイチ効かず。
とりあえず、頭を抱えながらも帰宅しそのまま寝て、本日はだいぶ楽になって仕事も問題なくできました。
何だったんだろう?



ちなみに。
頭痛にもいろんな原因があります。
大きく一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。
一次性というのは、 頭痛持ちさんの頭痛といいましょうか、慢性的に皆さんが体験する頭痛です。
緊張型頭痛(イメージとしては、肩こりから来るようなギューっていう頭痛。)
片頭痛(イメージとしては若い女性に多い、片側の拍動性の頭痛で、光過敏とか音過敏があったりもする。前駆症状があったり無かったり。)
群発性頭痛(イメージとしてはおじさんの片頭痛みたいな感じ。起きるときは毎日起きて
群発する)、目の奥とかが痛いようなタイプ)
などが含まれます。


二次性は何らかの原因があって頭痛が引き起こされている状態です。 (もちろん、一次性頭痛にも原因はあるんですが、そういうものではなくて、他の病気とかがあるもののことです)
くも膜下出血でも頭痛はおきますし(教科書的には「突然バットで殴られたように」始まり、「今までに経験したことのないような頭痛」を引き起こします。)、熱が出ただけでも頭は痛いですし、髄膜炎などでも頭は痛いです。
高血圧でも起こるし、アルコールでも起きるし、脳腫瘍も場合によっては起こします。
薬剤もものによっては離脱症状で頭痛を起こしたりします。
いい尽くせないくらい、沢山の理由で頭痛は起こります。


頭痛にも細かく診断基準があります。
www.jhsnet.org/gakkaishi/jhs_gakkaishi_31-1_ICHD2.pdf 
興味のある方は一読を。
これにそうと、私は昨日と同じ頭痛を後4回起こすと片頭痛という診断になるのか??

とってもちなみに、当たり前のことなんだけど、子供でも緊張型頭痛ってあるんですよね。
先月、小6で受験勉強を頑張り始めて頭痛になって、という子がいて驚きました。

Jun 24, 2011

立ち会い出産、立ち会い分娩

学生の時、医師の奥さんの帝王切開時に、旦那さんのお医者さん(産婦人科ではなくて、内科系か何かだったかと)もオペ室で立ち会ったのを見て、スゴイな・・・、と思った思い出があります。
(普通は帝王切開は立ち会いは出来ません。オペ室は医療者と患者さん(この場合、奥さん)しか入れません。)


医者になって。
立ち会いというのはなかなかに大変なんだな、と思いました。
あ、もちろん、大変なのは旦那さんにとって、という意味です。

陣痛の間とかは、腰をさすってあげたりとか、傍にいて手をつないでてもらったりとか。
実際に生まれる瞬間とか、そのあとの処置の時とか、奥さんの顔側にいてもらって、励ましてもらったりします。
赤ちゃんに夢中な旦那さんもいますけど(笑)




陣痛が始まって、奥さんが「痛いー、痛いー」ってなっている時に、特に何が出来る訳ではなくて困っちゃう旦那さん。
痛がっている奥さんに疲れてしまう旦那さん。
奥さんの処置を目にしてしまいショックを受ける旦那さん。
(基本的に頭側にいてもらうのですが、赤ちゃんの所とかカメラを取りにとか、部屋の中を移動しているうちに目にしてしまったり。後は、クリステレルと行って、最後の所で奥さんの力だけじゃなくて医者がお腹を押して赤ちゃんを出してあげることもあって、それにショックを受けてしまったりとか、様々)
出産後に奥さんはぐったりしてて、医療者は処置に忙しくて、手持無沙汰的な感じで困っちゃう旦那さん。
いろんな方がいるのだなぁ、と。


もちろん、立ち会いをすることでパパになった実感も出るでしょうし、生まれたての赤ちゃんも見れますし、いいことも沢山だと思いますけどね。
多分、われわれ医療者側も、陣痛~出産~処置の間に、奥さんだけではなくて旦那さんにも当事者として参加(という表現が適切かはナンですが)してもらうような言葉かけをしていく必要はあるのだと思います。

沢山のママと沢山のパパが幸せな出産、育児を出来るような、そんな支援が出来る医療者になりたいです。

Jun 23, 2011

ギネのオペはざっくり?

ギネ=gynecology (and obstetrics) = OBGYN
最近はドラマにもなってたりしたから有名かな。

よく、ギネのオペは大雑把というかざっくりというか、そういうイメージというか噂というかがあるかと思います。 帝王切開とか特に。

女性のお腹なのに!とか思ってましたが。
今月、そのイメージというか噂の真相が少し分かったような気がします。
確かに、帝王切開を見ている限り、ざっくりなんです。
でも、計算したざっくりなんですよね。

子宮やその周りの膜や皮膚は妊娠中にはびろーんと精一杯伸びた状態です。
子宮は非妊時は鶏卵大です。それが、妊娠中は見ての通り、腹部いっぱいに広がります。
でも、分娩後は子宮が元の大きさに戻る訳ですよ。

ということは。
帝王切開で赤ちゃんを出した後に子宮や筋肉、皮膚を閉める際は、その時の大きさに合わせて縫ってしまうと、後で引きつれてくる訳です。

ということで。
子宮が収縮することを見越して帝王切開での縫合はけっこう針を大きめにかけていくようです。

お腹の中がちゃんと収まるように縫合をしてるなら良いとしても。
皮膚の傷に関しては、やっぱり女性(しかも、若い女性)ですから、気になりますよね。
子宮と比べると皮膚の方が伸びしろが少なめということもあって、けっこう細か目に縫合を行います。

しかも、埋没縫合+ダーマボンド。
(埋没縫合というのは、皮膚の上から見えないような縫い方で、抜糸も要らないです。
ダーマボンドというのは、皮膚用のボンドで、それで切開創の所を覆う感じです。
密閉されて、けっこうキレイに付くみたいです。

ちなみに。
最近の帝王切開の流行り(?)は横切開といって、皮膚を横に切る方法です。
そうすると、下着のラインで隠れて目立たないし、お腹の皺にまぎれちゃうので。
でも、皮膚を縦に切る方が術者の視界が広いことから、リスクを伴う場合は従来通り縦切開が選ばれることが多いです。

さらにちなみに。
皮膚を縦に切ろうが横に切ろうが、子宮は子宮の下の方を横に切ります。

Jun 22, 2011

アッペ

アッペ=appendicitis
つまりは、虫垂炎です。

教科書に必ず書いてある項目。
妊婦の虫垂炎は非典型的な症状を呈するから、注意をすること。

まぁ、幸いにも今まで救急外来とかでも、妊婦さんには遭遇しませんでした。
だいたい、妊娠の可能性はありますか?の問いには、いいえ、の答えが返ってきました。



今日、緊急入院さんが昼に来ました。
−2日に、便秘で救急外来を受診していた患者さん。

−4日からの季肋部の肋骨痛が主訴。
びまん性の鼓音があった以外には、明らかな腹部所見なし。
WBC15000ではあったものの、CRPなどその他所見はなし。
その時点で妊娠10週と妊娠初期であったことから、腹部X線などは行わず。
虫垂炎を疑いはしたものの、あまりに所見がないことと、経過が長いことから下剤を処方して帰宅。

その後、兎糞様の排便があった後、排便排ガスがなくなり。
本日来た際には、腹部は固くなり、所見上は完全なるイレウス+腹膜炎。


という病歴。
結局、検査の後に虫垂炎という診断にて緊急手術となりました。
うーむ。

若い女性の腹痛(Pの既往があったりするとさらに)というのは、救急でも受けてくれる病院が少ないんですよね。
特に、妊娠中とか言った際には、診てくれる病院を探すのは大変。
でも、確かに大変なんだな、と実感しました。

本日の方の場合でも、数日前には所見的にもX線を撮っていないのはいいと思うんです。
妊娠10週という感受性の高い時期であるし。
今日行う検査もかなり議論になったんですよね。
CTを撮るのか、造影CTは必要なのか、腹部所見と単純CTではダメなのか、腹部所見とX線だけではダメなのか。
いったいどの検査を省き、オペに踏み切るのか。

外科の先生と周産期の先生、放射線科の先生で話し合いをしながらの検査でした。
やっぱり、合併症のある妊婦さん、または妊娠中に病気を合併した場合、というのは難しいなぁ、と思いました。


ついでに。
今日は忙しかった。働いた。
前回帝王切開で本人希望による予定帝王切開
前期破水後の原発性微弱陣痛に対して陣痛促進
上記アッペさんの緊急入院からの緊急オペ
正常経膣分娩
前置胎盤で警告出血があったことから緊急帝王切開
頑張った、私。(いや、もちろん、上の先生はもっと大変だった訳ですけど)

Jun 21, 2011

仕事が楽しい

最近思う。

仕事が楽しい。楽しくて仕方が無い。


そして、思う。

仕事が楽しいと思えるから頑張れるし、勉強しようとも思う。


さらに思う。

仕事を楽しいと思えるだけの余裕って大事で必要。
少なくとも、私には。




いつからでしょうね、仕事が楽しいと思うようになったの。
働きだしてすぐ(血液内科)は楽しかった。
老年病内科を回ってた時も楽しかった。
ERは辛かったけど、仕事自体は楽しかった。
精神科は楽しかったというか面白かった。
地域医療はものすごくものすごく楽しかった。
今の周産期も楽しい。

でも、やっぱり2年目になってからかな、こんなに楽しく仕事してるの。
多分、医者としての仕事に少し慣れて来たことで余裕が少し出来ているから。
そして、前よりもon offのメリハリの付け方が上手になったことによる余裕も出来ているから。
そしてやっぱり、週に働いている時間の短さかな(笑)
(週80時間と週60-70時間って大きく違うと思う。やっぱり、週70時間を超えると鬱病の発病率が高くなるというのは分かる気がする。)

という訳で。
これからも自分の気持ちに無理を強いず、仕事を楽しいと思えるような働き方をしていきたい。

Jun 20, 2011

医者の給料

って、高いと思ってません?
ホント、全然ですよ。

と、自分でも自覚はしていたものの、本日改めて実感しました。
というのも。

どうも、私の住民税は友人(会社員)よりもかなーり安いらしいのです。
え、マジすか。。。

確かに、生きていけるだけのぎりぎりの給料だとは思いますが。
それにしても、友人の何分の一かってどういうことよ。
改めて、衝撃。

こんなに頑張って生きてるのにね。
責任も重くて世の中からあーだこーだー言われる職業なのにね。

ま、都内で普通に幸せに過ごしていけるだけの給料がもらえるだけ幸せなのかな。

Jun 19, 2011

いつものやつ

の産生現場を初めて目撃しました。

注。
ERで「いつものやつ来るよー」と言えば、「飲酒後転倒の酔っぱらいが来るよー」という意味でした。


昨日というか今日というか。夜0時を回ってから電車に乗って。
乗り込んだ直後、ホーム中に響き渡ったブザー。
後ろを振り返ると、おじいちゃんが倒れていて、お兄さん2人が取り囲んでいました。

つっかかって、顔面から転けたんだそうで、私が目にした際には起き上がろうとしていたところでした。
思わず駆け寄ってしまいました。(ま、野次馬とも言う?)

鼻からだらだらと出血していて、ティッシュで圧迫止血。
(血が私の手に付かないようにして)
いやぁ酔っぱらいですから、と言いながら頚を振っているので、それを止めてもらって。
頭と頚をザザっとみたところ。

頭部に明らかな外出血、外傷痕なし
頚は動かしまくってたからなんなんですが、とりあえず後頸部痛などなし
耳からの明らかな出血なし
口腔内に明らかな出血、外傷痕なし
鼻背に1.5cm-2cmの切傷あり、活動性の出血あり →圧迫止血
同部位に皮下血腫、腫脹あり
鼻孔からの出血あるが、外からの圧迫止血後に減少
眼窩周囲に明らかな外傷痕、圧痛なし、眼球運動制限もなさそう
とりあえず、手足がしびれたり、動きに左右差があるとかもなし

 一人では坐位保持がやっとこ。
とても歩けない状態。
年齢もけっこう上に見えるおじいちゃん。

病院で迎える側なら、CT撮ってるかな。
頭の中も心配だけど、鼻が打った直後からあれだけ腫れて、っていうのが鼻骨折れてるんじゃなかろうかと(まぁ、鼻骨骨折自体は診断したところですぐどうこうっていうものではないですが)。
病院に行った方がいいのかどうなのかはよく分かりません。

駅員さんの判断で、私を始めとした野次馬は帰宅へ。(既に終電……)
おじいちゃんは駅員に支えられて駅事務室へ。
家族呼ぶか、タクシーでここから帰るかをあーだこーだ言ってた。

こうやって、いつものやつ、が出来てくるんですねぇ。
病院で迎える側しかしたことなかったけど、産生現場というか、事故発生現場を初めて見ました。

そして、やっぱり思う。
どうしてそこまで飲むかねぇ。

Jun 17, 2011

産婦人科を回って思ったこと

まだ半分ですけども。

先月、赤ちゃんたちの1ヶ月健診をしていて、本当にいろんなお母さんがいるなぁ、と思いました。
やることやること心配で心配でどうしたらいいか分からなくて、みたいなお母さんもいれば、 全くもって大らかなというかざっくりなお母さんもいて。

今月、周産期を回って、そんなお母さんたちの気持ちが少し分かった気がしました。
というより、「いろんなお母さんたちがいる」っていうのが、ただ、「いろんな人がいるよね」っていうのではなくて 、背景があってのことなんだなって思って、理解できたというか。

お父さんと子供の歴史はなんだかんだ言っても出産後からです。 里帰り出産とかだった暁には1ヶ月健診後からです。
お母さんと子供の歴史は分娩前、え?赤ちゃんいるの?的な時期から始まってるんですよね。
当たり前というか、文字面的には、知ってたはずのことなんですけどね。

10ヶ月の間に沢山沢山のことがあって。
分娩の時も沢山沢山のことがあって。
そして、無事に生まれて、必死に子育てをして、その成果が1ヶ月健診なんだな、と。


周産期を回ったことで、お母さんの気持ちに寄り添える小児科医になろう、とさらに強く思いました。

Jun 16, 2011

早期破水、微弱陣痛??

普通の分娩の経過は、
1。陣痛発来:痛みが10分に一回以上が陣痛です。
2。子宮口全開大:子宮の入り口が開くこと。10cmまで開くこと。
3。児の娩出:おめでとうございます。
4。胎盤の娩出:へその緒を切って、子供を独立させた後くらいに胎盤が出てきます。


とは簡単に書くものの。
この過程では大小さまざまな問題が起こるのです。
そして、分娩に何件か立ち会ってふと思ったことが。

私が生まれる時、おそらくは早期破水+微弱陣痛があったのではないか、と。
今や25年も前のことなので分かりませんが、母親の証言からはそんな気がしました。

母親曰く。
陣痛が来て、病院に行った。
だんだん進んでたけど、2日目に突入しちゃって、38.5℃に発熱。
丸2日くらい経ったくらいに、先生から帝王切開にしましょう、という話があり真夜中に帝王切開。
私の頭には7cmほどの丸い痕があったとか。
そして、渧泣が弱く、嘔吐してしまい、しばらく保育器に入っていた、と。


その証言から考えるに、早期破水があり、微弱陣痛で時間が経過するうちに、感染して発熱し、(処置しても??)頚管所見とかも変わらなくて、夜中に帝王切開になったのではないか、と。
ま、母子ともに健康なのでいいんですけどね。
どう思います、この推理??

Jun 15, 2011

経験

経験って大事なんだな、と当たり前のことを、改めて思いました。
かかと採血、やっぱり上手くなった気がするんです。

注。
かかと採血っていうのは、新生児から少量の採血をする方法です。
普通の採血っていうのは、針を血管に刺して、血を取りますよね?
かかと採血では、赤ちゃんのかかとに針をちくっと刺します。
血管とか関係なく、皮膚にチクり、と。
じわーっと血が出てくるので、血液を絞り出して、それを毛細管に(マススクリーニングでは規定の濾紙に)採血します。



先月初めの頃は、赤ちゃんのかかと採血で、赤ちゃんを大泣きさせてしまい、採血してない側の足のキックが飛んでくる始末でした。

でも、先月の終わりくらいに上の先生にいわれて気づいたのが、あまり泣かれずに採血出来るようなったんです。
たまたま?お腹いっぱいだった?大人しい子?とか思ったりもしてました。


泣かれないということは、赤ちゃんがあんまり辛くないということでもあり。
足をバタバタしないし、逆側のキックも飛んでこないので、私も採血しやすいということでもあり。
二重にいいことです。


そんなこんなで今月。
小児科入院になっていないベビーの採血は産科の医師がやるので、再びかかと採血の機会が巡ってきています。
(どんなに元気な赤ちゃんで小児科入院がいらなくても、新生児マススクリーニングという、いくつかの先天異常スクリーニング検査行うので。
国が指定しているので、どの病院でも全員、日齢4とか5で規定の濾紙に採血をします。)

で。
泣かれないんですよ。
針を刺した瞬間は、顔をしかめて一瞬泣きそうになるものの、採血中には泣かれないことがほとんどなんです。

たまたまかな、と思ってたら。
昨日私がマススクリーニングの採血をしてて、今日は別の理由で採血が必要になった子がいて。
今年産婦人科医になりたてで、かかと採血あんまりやってないっていう先生が採血したら、大泣き大暴れだったんです。
ビックリしました。

やっぱり、先月の経験でかかと採血、少しは上手になったんだ!経験って大事なんだ!
と、当たり前のことを改めて実感しました。
比較的短期間で上達したのは、先月教えてくれた先生が上手っていうのが大きな要因だと思います。

先月最初は赤ちゃんの大暴れ大泣きにアセアセしながら採血してたんですもの。
当たり前ながら、指導、経験、知識、どれも大事ですね。
そして、私、ちゃんと少しずつは学んでるんですね(T ^ T)

Jun 14, 2011

CTG

CTG=cardiotocogram
胎児心拍モニター、胎児心拍陣痛モニター、いろんな言い方をしますが。

要するに、お母さんのお腹の上から巻いて、赤ちゃんの元気度合いを(&陣痛を)測ろう!という機械です。
妊婦健診でも、後期になるとやる場合が多いのではないでしょうか?
普通は特に刺激や負荷はかけずに行います(NST=non stress test)

基本的には赤ちゃんの心拍の心拍を確認するものです。
ベースの心拍数がいくつか?
細変動があるか?
一過性頻脈(acceleration) があるか?
一過性徐脈(deceleration)がないか?

とかね。さらにdecelerationの場合はUC(子宮収縮)との関係も大事になってきます。
(そういうこともあり、子宮収縮も一緒に記録します。
名前は陣痛モニターだけど、大事なのは痛みの度合いではなくって、子宮収縮。)


各科でよく行う検査、というのは違います。
例えば、循環器内科だったら心電図、心エコーが日常的。
精神科だったら脳波や心理検査が日常的。
産婦人科と言えば!(というより、産科と言えば!)やっぱりCTGです。

これがまぁ、やっぱり難しい。
大丈夫!って言えるものはいいんですけどね。
間の部分みたいなのの判断は無理ですね。
産婦人科にいる間にCTGがある程度分かるようになりたいなぁ。
勉強したら、またここでも書きます( ̄^ ̄)ゞ

Jun 13, 2011

出産!

医者になって初めて、正常分娩に立ち会いました。

うふふ。
やっぱり、「おめでとうございます」って言える仕事って素敵ですね。
でも、やっぱり私は小児科の方が合ってるのかもしれません(笑)


本日のお母さん、胎児胎盤機能不全疑いの方で。
39週6日の本日、診察の結果で大丈夫と判断して分娩誘発をしたんですね。

誘発を始めて3時間後。
赤ちゃんの心拍数が下がってしまって。。。

心拍数が下がると言っても、問題の無い下がり方も沢山あります。
でも、本日の下がり方はちょっと、、っていう感じでした。
おそらく、陣痛が起きて子宮が縮むことで赤ちゃんが苦しくなっちゃっているのだと思われました。
お母さんに酸素投与して、少しでも赤ちゃんの負担を減らしてあげて。
そうしたら、赤ちゃんの心拍数も戻って来たんです。

安心すること2時間。
またまた不安な形で赤ちゃんの心拍数が下がってしまいました。
もう、私、気が気じゃなくて。

結局、もうダメかな(帝王切開で出してあげた方がいいかな)っていうぎりぎりでなんとか分娩にこぎ着けたんですけどね。
だから、お母さんも赤ちゃんも無事に、きちんと正常経膣分娩(吸引やクリステレルもなし)だったんですけどね。

でも、私は分娩に立ち会いながらも、何に注目してるって、赤ちゃんばっかり(笑)
気づいたら、生まれて来た子が渧泣して、色が改善していくのを(皮膚チアノーゼが改善していく)、小児科の先生が処置をしているのを、必死に見つめていました。

やっぱり、分娩の瞬間に、赤ちゃんのことばっかりが気になって苦しそうな赤ちゃんを前にどうにかしてあげたい、って思ってる私って小児科に向いてるんだなぁって思いました。

Jun 11, 2011

反省をふまえ。

どうも、胃腸炎は治ったようです。
というのも、嘔吐下痢が収まったので。

ただ、体調はイマイチまだ戻っておらず。
おそらく、先月の乗り物酔いの後遺症+薬の飲み過ぎ、かな多分。
いつもは、乗り物なんて乗ったところで数日でしたから。
酔い止めを飲んで、終わってからも同じ期間飲んで、で済んでいました。


が。
今回は異例の1ヶ月。
往診なしの所に変えていただけて、行った先もすごく楽しくって。
行っている間は、仕事以外の時間はわずかな勉強時間を除いては週末も含めほとんどを寝込んで過ごしたものの、なんとか気合いで乗り切りました。
終わった後は、胃腸炎もあり、1ヶ月間薬の飲み過ぎもあり、薬を胃が受け付けず。。

結果、胃腸炎は治ったものの、めまい、頭痛、嘔気が残っている状態です。
多分最初の時点で、胃腸炎に乗り物酔いの後遺症が被ってて、 今は後者だけ残ってるんだと思うんです。
分かっちゃいたけど、乗り物酔いは辛いのだ。。。


とまぁ、これだけ苦しくて辛いと私も懲りる訳で。
次回からの学外研修(まだ2カ所も残ってるんですよーーー涙)では、マンスリーマンションを借りよう、と決意しました。
体調万全で研修することで学べることとか、体調不良で周りにかける迷惑度合いとか。
一番は、体調不良の(というか乗り物酔いの)辛さを考えると、お金の問題ではないです。
とちゃんと言えれば問題はないのですが、マンスリーマンションを借りるには収入も貯蓄も足りないのよね。。

Jun 10, 2011

18 trisomy

人間の染色体は46本あります。
そのうち、44本が常染色体(男女問わず一緒)、2本が性染色体(XとかYとか言われるやつです)です。

お母さんからは23本、常染色体22本とXをもらってきます。
お父さんからは23本、常染色体22本とXまたはY(どちらをもらうかで性別が決まります)をもらってきます。
で、合計で46本。

お母さんからの常染色体22本もお父さんからの常染色体22本も、同じ1番から22番という染色体です。
(ちなみに、1番から22番は大きさ順です。1番が一番大きい染色体で22番が一番小さい染色体。)
だから、それぞれの染色体はお母さん由来とお父さん由来の2本がある訳です。


ここまでOKですか?
では。


染色体異常というのは、いろんなタイプの異常があります。
数が多いとか少ないとか、後は、何番と何番の一部がこんがらがっちゃった、みたいのとか。

その中でも、trisomyというのは、数が多いタイプです。
本来ならば、同じ染色体は2本ですが、3本ある状態です。
(正確にいうと、その染色体の全体が1本多くても、その染色体の一部が多くても、trisomyといいます。モザイク型、とか言われたりします。症状の現れ方が違ったりします。)

一番有名なtrisomyは21番でしょうか。
21trisomyというのはダウン症、と呼ばれる疾患のことです。

で。
18 trisomyというのは、18番染色体が3本ある状態です。
(いやぁ、タイトルに辿り着くまでの説明が長かった><)

今日、18trisomyの胎児を見る機会がありました。
小児科側の勉強として、生まれた後の子のことは学生の頃から勉強します。
1年生存率がきわめて低いとか、成長障害があるとか、心疾患、呼吸器・消化器・泌尿器などの合併症が多いとか、感染症にも弱いとか。

胎児の時点で気にする点とか、初めて知りました。
胎児の時点から成長障害があるのですが、それ以外にも身体的特徴があるかどうかをチェックするそうです。
産婦人科の先生ってさすがなんですよね、エコーでかなり細かいところまで診ています。

例えば、18 trisomyの子の場合。
成長障害(特に、体全体が小さいというよりは、頭が小さいとか、そういうアンバランスさがあるかどうか)、頸部浮腫、overlapping finger, rocking heel, 胸郭変形(胸骨が短いとか)、その他諸々をエコーで診ていきます。
10数週とかの、まだ胎児全体でも10cm、20cmみたいな子でもエコーで映し出せるから驚きです。
(まぁ、それだけ小さい頃は、よほど疑ってそういう心づもりで診ないとダメだとは思いますが)

そして、胎児を診させていただいたこの経験は小児を診るにあたって、大きな経験だな、と思いました。
気持ちが引き締まるような、そんな思いがしました。

Jun 9, 2011

気を取り直しまして

月曜日。
本来ならば、産科初日のはずが、朝からの嘔気嘔吐で早退という、情けない幕開けとなりました(ー_ー;)

ま、本調子とまではいきませんが、ひどい嘔吐はおさまり、煮込んだうどんくらいは食べられるようになったので、今日から出勤しました。

改めて、産科研修スタートです。


出勤して早々にビックリしたことが。
それが、嘔気嘔吐を訴える女性研修医を前にいう台詞の違い。

げーげー吐いている私を前に。
小児科医『大丈夫?子供たちから胃腸炎うつったかな?』
産婦人科医『大丈夫?おめでた?』

いや、心底ビックリしました(笑)
「先月小児科で。。。胃腸炎かと思います。ごめんなさい」って月曜日に言ったぢゃん(笑)

いくら、生理周期の遅れがないとはいえ、私の自分の嘔吐の鑑別に、妊娠、はあがってこなかったです。
しまった、忘れてたけど、わたし若い女性だった(笑)


ま、今日から出勤したとはいえ、頭はぼーっとしてて役に立たないわ、ふらふらしててあっちこっちにつまずくわ、サイアクでした。
未だ体重戻らないし(数日という単位での大きな変動は水分です。大変残念ながら、脂肪ではありません。つまり、月曜日朝との違いはほぼ脱水な訳ですよ。。)、尿は相変わらずあんまり出ないし。
食欲も当然ないし、吐かない程度とはいっても気持ち悪いし。
一歩間違うと、食道までは逆流しているのが分かって気持ち悪かったです。

あまりの仕事の酷さに自分で自分にイライラする始末でした(*`ヘ´*)
(ま、元々の出来もそんなよくはないけど、それにしても酷かったー。。)
完全回復はいつになるのでしょう??
早くしないと産科研修終わっちゃうー(>_<)

Jun 7, 2011

#嘔気嘔吐  薬剤性s/o  r/o急性胃腸炎

昨日の朝、いつもより食欲がありませんでした。
でも「昨日(一昨日)の夜いっぱい食べたしなぁ」とか思って、軽度微熱はあったものの、その他症状に乏しく、あまり疑問に思わず出勤しました。
昨日から次の科で、大学に戻って産科だったし。

出勤後徐々に嘔気が出現し、トイレとの往復開始。午前中だけで4回嘔吐。
気持ち悪くて気持ち悪くて、昼前に先生に伝えたら早退を言い渡されました。
ま、そりゃそうなんですけど。。

帰る途中にも一回。間に合わず。。。
同期の皆々様にご迷惑おかけしました。
ごめんなさい(>_<)

もう、帰宅後に嘔気嘔吐と戦いながらも、頭の中で必死に鑑別ですよね。
感染性だったらどうしよう、、、処置室で嘔吐しちゃった。。。って言うことが頭から離れなくて。


症状としては、
#微熱
朝37.5℃、帰宅後37.0℃
#嘔気嘔吐
上記の通り。帰宅後も極々少量の水分で口を湿らせてもそれが胃に流れただけで嘔吐する始末。
#脱水
嘔吐のため水分摂取もままならず。昨日の午後6時時点で朝より2kg体重減少。大人の脱水は体重で評価する訳ではないとはいえ、なんか嫌な感じ。尿量減少は著しくって、今日までに結局昨日の朝が最後の排尿。これも嫌な感じ。皮膚ツルゴールは正常、口腔粘膜は嘔吐しすぎてよく分からない状態。
#軟便
これは少し前から。酔い止めの副作用だろうと放置していた。
#頭痛
まぁね、乗り物酔いとの区別が難しいですが、確かにある。昨日の朝も痛み止めは飲んでいる。(どこまで吸収されたのかは不明だけど)
#腹痛
散発する、っていう程度。腹部中央、臍周囲がきゅーっと痛くなる。これは昨日の午前中から。嘔気嘔吐のタイミングとはあまり関連がない。心窩部痛はない。
#咳嗽、喀痰
これはちょっと前からある。ただし、酔い止めの副作用の為に、かなりの口渇があるから、その影響を考えるとなんとも言えない。
#めまい、ふらつき
ま、確かにあるはあります。この1ヶ月はずっとですけど(笑)でも、程度は軽度。これが先で嘔吐したのなら、もっと目が回ってるんじゃないかな、っていう感じの程度。


という訳で、my鑑別
1。急性胃腸炎
2。その他感染症に伴う嘔気嘔吐
3。昨日までの乗り物酔いの後遺症
4。薬物副作用
5。頭蓋内、腹腔内疾患

ま、症状的に5。はないでしょう。
この1ヶ月は種々の薬を飲んでいたので、薬の副作用は否定できないかな。
食中毒だとしたら、もっと熱や腹痛、下痢が起きてもおかしくないけど、否定はできない。
感冒症状とかもそんなじゃないし、その他感染症がある感じもない。
乗り物酔いの後遺症だとしたら、めまいなどその他症状があるはず。

という訳で、私の中では、
薬剤性または急性胃腸炎の疑い。

前者としたい気持ちはあり、確かに嘔吐は副作用の欄に一番目に書いてはあるのだけども。
でも、1ヶ月も飲んできて今更?このタイミングで?的なね。
まぁ、ありえなくはないよね。

でも、後者だとすると、その割に他の腹部症状は弱いけど、それはまぁありえるし。
いかんせん、一昨日まで小児科だったのがひっかかる訳で。


とりあえず、昨日の午後、本日と1日半のお休みを経て、回復傾向にあるので、明日からは出勤できるかしら。

Jun 6, 2011

続・カチン

前回は思わず思ったことをそのまま愚痴状態で書いてしまいましたが。
ちょっと頭を冷やしていろいろと考えました。
まだ考えがきれいにまとまった訳でもなく、まだまだ足りないとは思いますが。



後輩のブログを読んでいたら、女性医師(私は、女医という言葉より女性医師という言葉の方が好きです。) に対しての反発が世の中には沢山あるそうで。
知らずに女性医師をやっているあたり、私もかなり能天気なのかもしれませんが。。。

考えたこと。
1。頭の構造が古い上の先生方のこと
あまりにカチンと来たため、別の場所(というか、mixi)で同じ日記を書きましたら、私の尊敬するS先生(現在7年目でアメリカ留学中)の先生にコメントをいただきました。
古い先生たちが研修医だった頃のこととか、そういう背景を聞くと、女性医師に偏見を持っていることも何となく分かったというか、諦めが付いたというか。

もちろん、だからといって、女性医師を攻撃していいとは思いません。
ただ、時代が違うんだな、と。育った時代が違うことで価値観や考え方の根本が全く違ってしまっている訳で。
きっと、お互いにお互いの状況とか、時代背景とかを理解しようと歩み寄らない限りは、ただ反発しておしまいなんだろうな、と。


2。お金のこと
多分、医者以外の分野の人でも女性医師に対しての反発があるのだと思うんです。
そりゃそうですよね、国立医学部に行った暁には、一人育てるのに1億円(でしたっけ?)かかるとか言われてるのに。
そして、そのお金は税金だというのに、医師として働かないのか!って言いたくなる気持ちも分からなくはないです。

でも、ちょっと考えてみてほしいんです。
女性医師が出産育児で仕事を止めてしまうケースもありますが、実は非常勤で少しずつ働いているケースが多々あります。
それでも、ばりばりに働いている男性と比べたら、「医師として」働いている時間は少ないですよね。
(「母として」「主婦として」働いている時間を考えたら、男性よりも多いんですけどね。
そして、以前ニュースにもなっていましたけど、主婦の仕事をお金換算すると結構な額になるんですけどね)

でもね、じゃあその先生たちが「医師として」働いている時間が少ないから、社会にとって損なのか、というとそうでもないと思うんです。

例えば、産婦人科。やっぱり、女性は女性に見てもらいたいことって多いと思います。女性医師を捜して(もしくは、指名して)かかる女性、多いですよね?

例えば、小児科。育児をした先生のアドバイスって、すごく役に立ちます。
例えば、子供が抗生剤を飲みにくくてミルクごと吐いちゃって困るっていうことを知らない男の先生けっこういます。食前に出してあげることで少しでも飲みやすくっていう工夫をしないで食後のままだしている男の先生も多いです。

例えば、 内科。女性医師が夜勤をしないから、とひがむ(というか、裏でぐちぐちいう)先生もいます。でも、よく考えて。夜勤をしないからと言ってその先生が夜ぐーぐーと寝てる訳ではなくって、子供世話をしているんです。前回の日記でもこれは書きましたが、その先生がそんな状態でも昼間の外来だけでもやってくれたら、夜勤明けの先生がその分早く帰れるならいいじゃないですか?
夜勤明けで機嫌の悪い先生に見てもらうより、昼間の外来しかしない女性医師に見てもらった方が患者さんとしてもよくないですか?夜勤明けの先生がミスを犯す確率より、昼間の外来だけの女性医師がミスを犯す確率の方が低いと思いませんか?
少なくとも私だったら、眠そうで機嫌の悪い先生に見てもらうより、昼間の外来だけしかしてないんですけどねっていう女性医師に見てもらいたいです。

とか。
あげたらきりがないくらい、女性医師が育児をしながら非常勤として働くメリットってあると思うんです。


3。システムとして
でも、非常勤として働きに戻ることすら難しいケースだってあります。

例えば、実家が近くなかったら、誰が子供を見るの?
保育園自体が待機児童が多すぎてなかなか大変。
子供が2人いたら、下手したら2カ所の違う保育園を掛け持ちしないといけないことだってあります。
保育園に預けても、小さいうちは集団生活では風邪を繰り返しますから、預けたとしても熱が出て早退しなくてはいけないことだって沢山。
そのときに、だいたいがママが早退して迎えにいくことになりますよね。パパが早退できるような所なんてないし。

保育園や病児保育を整えたり。
急に行けなくなった場合でも、周りのサポートで大丈夫な制度にしたり。
パパも仕事を少し気軽にフレックスに出来るようにとか。
今の私にはあまり思いつかないけど、みんなで変えれば変わる部分って多いんじゃないかな、って思うんです。


4。社会全体として
他の業種の人だってそうだと思うんです。
医師不足がこれだけ話題になっている昨今。
女性医師に対するサポート体制って少しずつですが整って来ています。
女性医師に対する反発が多いけど、でも意外と他の業種よりも整ってたりします。
(ま、それだけ「税金つぎ込んだからには働いてもらわないと!」的な考えが世の中にあるのだと思いますけど)

その他の業種についても、働いていけるような、そんなシステムが出来て来て、みんなが好きな人生を選べるようになったらいいな。

前も書いたけど。
結婚しようが、しなかろうが。
出産しようが、しなかろうが。
育児に専念しようが、保育園に預けようが。
仕事をバリバリやろうが、非常勤だろうが。
個人の自由だもの。
他人がとやかくいうことじゃないもの。

続・ごめんね

土曜日の日記に書いた子。
気管支炎に発展し、脱水と全身状態が悪化してぐったりして再々診になったけど、入院には踏み切れず、点滴して抗生剤変更して一度帰宅した5歳男児。

ちゃんと翌日(日曜日)解熱したそうです。
今日(月曜日)に改善傾向で再々々診に来たそうです。
すごく安心しました。

そして、今日から私は大学に戻って産科を回ってるから、その子を見れなかったけど、大丈夫だったよ、ということを知らせてくれた先生にも感謝。


ちなみに。
なんか、あまりに心が痛くて。
(土曜日のその時点でも、上の先生には、いいって言われたけど、でもねぇ)
この子のことを何人かに話したら、みんな再々診の際の対応は間違ってないんじゃない、って言ってくれました。
(まぁ、私が胸の音を逃していないという大前提ですけど。)
改善傾向ということと合わせて、本当にほっとしました。
これからも沢山こういうことあるだろうけど、overでもunderでもなく、というラインを見極められるようになっていきたい。

Jun 5, 2011

カチン

小児科同窓会に出席しました。
というより、小児科重点プログラムです。来年入局します。という挨拶の為、出席が義務付けられてる、って感じ(笑)

で、挨拶しまして。
席に戻ったら、医者30年目位の先生に話しかけられた。

「君、どこ出身?」
「どうせね、みんないなくなるんだよね。女性は特に。
頑張りますー、とかって挨拶するのに、2,3年するとすぐ腹が膨れていなくなる。働くとしてもバイトとか。そろばんの駒として全く数えられないんだもの。
どうせ君もすぐ腹が膨れてバイバイ、ってなるんだよ。だから医者が足りないんだ。出来る女性2人より、出来ない男性一人が入ってくれる方が役立つんだよな。(以下略。)」

ビックリしました。
女性が多くて、出産や育児で仕事を中断したり辞めたり、軽くしたりしてるのは事実です。
多分、それでそうとうに困ってるんだと思うんです。
実際の人手が足りないんだとも思うんです。

とはいえ。
カチン、ときたのも事実。
小児科医なのに、そこまで出産育児に理解ないかね?
バイトだとしても、昼間の外来だけだとしても、それによって当直明けの人が早く帰れたりとかする訳で。
働かないより遥かにいいではないですか。
だいたい、若手をそろばんの駒として考えて本人の気持ちを尊重しないから、(男女問わず)医局から離れて行く人が多いのではないのですか?
腹が膨れてバイバイ、って。その表現も気に食わないし。
女性の仕事と言い切ったけど、そしたら、外の仕事もやって二足の草鞋を履くのは大変に決まってるではないか。
男性が協力してくれたら、もう少し働けるかもしれないではないですか。
子育てした経験が小児科医の仕事にも活かされてくるだろうに。
というか、そもそも。
結婚しようが、出産しようが。仕事を中断しようが、そのまま主婦になろうが、バイトだけやろうが、仕事を男性と同じだけバリバリやろうが、本人の自由だし、非難されるようなものではないと思うのです。

私、子供が出来て子供が風邪ひいても、あの先生のトコには連れて行きたくない、と思ってしまいました。
だって、普段の診療の中で、こんな価値観に沿った話をお母さんたちにしているのかと思うと、ゾッとしません?


こんなことでカチンとした私もまだまだ甘いんだろうなぁ。
とはいえ。ふんっ(♯`∧´)って気分。
ま、とーっても笑顔で話きいてさしあげましたけど(笑)

Jun 4, 2011

ごめんね。

5歳男児。

昨日、熱と咳を主訴に来院した子です。
昨日の時点でfever day4で、39−40℃まで上がったこともありましたが、喉も軽度発赤程度でそんなに腫れてなかったし、肺音clearだったし、腹部症状もなし。
食欲はないけど、一応水分は取れてて、本人の全身状態もまぁまぁ。
その日に耳鼻科もかかってて、副鼻腔炎や中耳炎はない、との診断を受けてました。

実は、一昨日にも来てて、別のDrが抗生剤も処方して、始めたばっかりでした。
抗生剤は2−3日は効果があるかを見るから、初めて一日以内だと変えないことが基本。一応。

という訳で、風邪だったら4−5日で熱が収まってくるだろうし、抗生剤が聞いてきても下がるし、処方変更なしで抗生剤を続けてみて週末で収まってこなかったら再診、ということにしたんです。


そしたらね。
夜に41℃の熱が出て、ぐったりして本日再診に来たんです。。。。
そしたら、胸の音が汚かった。。気管支閉塞音と軽度coarse cracklesが。。
上の先生に答えを聞いてから聞いているというのを差し引いても、私の耳でも明らかにあった。

胸部X線を撮影したら、しっかりair bronchogramがあり。
採血では白血球の左方移動はなかったものの、白血球増多とCRP9.6。。。
ちなみに、マイコは今日時点では陰性でした。

入院かな、って感じでしたが、本日の当番病院はちょっと遠い。
近い病院は当番ではないから、紹介して入院、はできない。
入院するなら救急でかかってもらうしかない状態。

で。
上の先生がお母さんと相談して、経口カルバペネムで週末様子を見てもらって、ダメだったら救急、大丈夫だったら月曜日再診、ということにしたんです。


肺の音。
昨日はあったとしても、そうとう軽度だったか、無かったかだと思う。
今日くらいあったとしたら逃してないんじゃないかな、と思う。いや、思いたい。

全身状態まぁまぁだったし、一昨日抗生剤を始めたばっかりだとはいっても、昨日の時点でfever day4だったし。
肺の音がきれいだったからX線まではいきなり取らなかったとしても、採血だけでもしてあげてればよかったかな、って。そしたら、多分昨日の時点で抗生剤を変更してたか(もともと出てたのはセフェム)、入院の可能性を考慮に入れての行動を取っていたか。
金曜日だったし。

しかも、本人が風邪をよくこじらせるタイプらしくて。
カルテの前の方をもうちょっと読んで、悪化しやすいということでover triageしても良かったかな、とか。



「ごめんね。」
本人とお母さんを前に、心の中で心から手を合わせて頭を下げた。

あまりにぐったりしている本人と心配しているお母さんを見ていて心が痛かった。
昨日の時点で、もう少しひっかかってたら。
(熱4日目だし、抗生剤もセフェムだし、って一瞬ひっかかったんだけど。
検査に踏み切るほどには大きく引っかかる何かがあった訳でなくて。)
金曜日だし、4日目だし、と採血だけでもしてあげていたら。
もう少し本人が苦しむ期間が少なくなっていたかな、って。

やりすぎもやらなさすぎもダメ。難しい。経験が必要なんだと思う。
教科書に書いてあるような病気なら、迷わず検査入院です。
でも、実際の臨床では教科書に書いてないような、そういう部分が難しい。

苦しむ時間をできるだけ短くしてあげられるようになりたい。
成長したい。というか、成長しなきゃダメだ。

Jun 3, 2011

地域終了につき

本日で地域医療研修は終了です。
あ、でも、せっかくなので明日も出勤しますけどね。
だって、今のうちなんですもの、先輩先生方の診療を見せていただけるの。

結局、1ヶ月で2回寝込み、1日お休み。
それ以外は出勤できました☆


難しいと思ったのは、沢山あるけど、その中でも。
*育児相談
*正常範囲(正常と病気の線引き)
*疾患の重さの判定(抗生剤を使う使わない、入院が必要不要の線引き、「大丈夫」って言っていいのかどうか。。)
やっぱり、沢山の経験が必要なんだと思います。

学んだことは。一言では言えません。
1ヶ月だけとは思えないほど、本当に多くのことを学びました。
 
*新生児・小児の診察方法(行く前に勉強しとけ、って感じではありますが)
*健診(成長発達の確認。お母さんの悩みに対する対応)
*予防接種(何に注意して、いつ打つのかなど)
*風邪(お母さんへの説明のポイントとか、何に注意してあげるか、とか)
*皮疹(水痘、麻疹、伝染性紅斑、伝染性軟属腫、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、接触皮膚炎、など)
*新生児・小児の採血、ライン確保
*育児相談!(これはまだまだ私には無理なんだけど、先生がお母さんの顔色を見ながら相談に乗っていくのを見せていただいて、目指すべき方向は分かってきた気がする。人って誰でもそうだけど、自分の中での希望とか答えとかがあった上で相談が必要なんだよね)
*正常範囲のバリエーションの広さ!


そして、何より、小児科を面白い・楽しいと初めて思い、小児科医になることを決めたことが一番大きいかな。
本当に本当にありがとうございました!!
幸せな幸せな1ヶ月でした♪

Jun 2, 2011

触診

本日、腹痛を主訴に来印した14歳女児がいまして。
話を聞いて、診察をして。

わたしとしては、結構なガスと便がたまってそう、という感じでした。
若い女の子だし、レントゲン取るほどの所見もないし、おそらく便秘なのに撮るのもねぇ、と。
という訳で、なんかたまってそうですねぇ、って言ったんですが。

一応1日1回は排便があるそうで。
心配してるお母さん的にも、若干不満そうな感じで。
上の先生が、一応レントゲン取っておきますか?って助け舟を出してくれました。
まぁ、それもそれで不安はあるみたいで、それで何が分かるんですか?って食いつかれましたけど。
 レントゲンの結果、やっぱり便秘で。
けっこうな量の便がしっかり写ってました。

お母さんと本人に説明して。
「これだけしっかり写ってることから考えても、毎日少しずつ出ないでたまった分があるのかと思います。浣腸してもいいけど嫌だよね?便を少し柔らかめにする薬を出しておくから、水分多めにとってちょっと様子を見てみようね。」って。安心してもらえたみたいです。


レントゲンを撮る前の段階の診察で、便秘だな、と思えた自分の手に少し自信をつけました。
やっぱり、沢山診察をして、沢山経験をしておくのは大事ですね。
そして、同じことでも画像の威力ってすごいんですね。
まぁ、あれだけしっかり便が写ってたら納得せざるを得ないかな(笑)

Jun 1, 2011

情けないやら申し訳ないやら

先生に言われました。
「いやぁ、思ってたよりもちゃんと来られてよかったよ。」

えーっと。
わたくし、2回ほど寝込みまして。
1日はどうしても無理でお休みしましたけども??

と思ったら、大学の先生から私を引き受けてくれないか、という打診があった際に、「相当危ないかもしれないよ」という話があったのだそうで。
半分くらいお休みになることを覚悟して私を引き受けてくれたんだとか。

その話にまず驚き、本当に申し訳ないなぁと改めて思いました。
私みたいな研修医もいないですよね、全く。

しかも、「先生みたいにやる気があると、教えがいがあって良かった」って言ってくださって。
もう、情けないやら申し訳ないやら、ありがたいやら。

わたくし、1ヶ月で少しは進歩しましたでしょうか?