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Apr 28, 2011

心理検査

精神科って、基本的には目に見えないものを扱います。
レントゲンに何かが写るとか、そういうようなことはありません。
だから、検査も独特です。

画像や脳波で器質的疾患(脳梗塞、脳腫瘍、てんかん、などの原因がこれ、とはっきりあるような身体科の疾患)がないことは確認しますけどね。
他の科では無いのが心理検査だと思います。
いろんなのがあって、WAIS-III、風景構成法、ロールシャッハ、バームテストなどなど。
実際に施行してくれるのは、臨床心理士さんです。


有名なのは、バームテストかな。
白紙に木を書く、というもの。
面白いほど、人によって異なります。
どういう風に書いたか、というので判断します。


分かりやすいのは、WAISかな。
要するに、IQを測ります。
精神遅滞の疑われる大人や(子供には子供用のがあります)、認知症が疑われる方に行います。

言語性IQと動作性IQと両方を測る検査です。
言葉を操る的なIQと、実際に手を動かす的なIQとです。
例えば、コンビニバイトの面接で、すごく賢い受け答えが出来たのに、実際に働いてみたら、売り場にパズルのごとく品物をきっちり並べるのが出来ない 、とか。
認知症の種類によっては、一部の所だけ落ちたりとかがあったりもします。


今まで知らなかった面白い検査がたくさんあって、臨床心理士さんの話が楽しくて仕方が無いはやたまでした。

Apr 27, 2011

マニック

manic = 躁状態
まぁ、うつの反対の状態ですね、要するに。

簡単なイメージとしては、躁だけなら躁病だし、うつだけならうつ病。
両方なら、双極性障害(さらに細かく言うと、I型とかII型とか、いろいろとありますけど)
こういう気分の問題を全部合わせて気分障害、と言います。


さて。
私、初めて躁状態の患者さんとお話をしました。
双極性障害の方でも、うつ状態の患者さんが多かったので。

躁状態って、本人にとっては、楽しいんです。
楽しくって、幸せで。寝ないでいろいろと行動したり、気が大きくなって散財したり、乱暴な言葉遣いをしたりとか。

だから、多くの場合病識はありません。(病気だ、っていう意識・認識がないこと)
治療しないでください、なんて言う患者さんもいるくらい。
とはいえ、単なるハイテンションとも違い、明らかに病気ですから、治療は必要です。

Apr 22, 2011

アノレク

anorexia(アノレクシア)の略。
昔の言葉で言えば、拒食症のことです。


拒食症で始まっても、結局過食症にもなってしまう人が多いみたいです。
偏見/批判を恐れずに書きますが、家庭環境に問題がある人に多めです。
愛情が不足していたり、逆に過干渉だったり。




町中を歩いていても、あ、この人そうかな、みたいな人いますよね。
ただ、細いとかそういうのとも違っていて。
こちら側が心が痛くて心配になっちゃう感じ。

数字で言えば。
診断基準としてはBMI標準体重(BMI22の体重)より20%以上やせていること。
(もちろん、それ以外に多々の行動などの基準もあります)
さらに、標準体重の6割以下だと、即入院の適応になります。

摂食障害(拒食症、過食症などの総称)の方は、多くは自分のボディイメージに対してゆがんだ認識を持っています。
体重30kg台でもやせているとは思わない、みたいな。
さらに、時間が経ってくると、食べて吐くことがストレス解消方法となってしまうのだとか。


私には拒食症は無理かな(笑)
ま、もうちょっと(もうだいぶ?)痩せないとまずいとは思いますけどね。

Apr 19, 2011

甘やかすことと優しいことは違う

なーんてことは、頭では分かってます。
でも、実践するのは難しい。
改めて実感しました。まだまだ私、若造です。。

はっきり言いましょう。
わたくし、甘え過ぎだし、甘やかし過ぎなんです。。。。


患者さんを甘やかしてもいいことは何もありません。
「私、病気なんだ。だから、みんなに甘えて過ごしていいんだ」って心のどこかで思ってしまうから。
言い方悪いですけど、幼児返りというか、甘ったれちゃうというか。
治るものも治らなくなります。

優しくしない、っていうのとは違うんですよ。
優しく話すことは大事なんです。心配りも大事だと思うんです。

でも、例えば話すときに、ただ相手の話を「それでいいんだよ」って聞いていればいい訳じゃない。
なんでもこっちでやってあげて、楽をさせてあげることがいいことではない。
少し突き放すようだけど、出来ることは自分でやってもらう、少し頑張ってもらう、っていうのかな。
うーん。実践できていないだけに書こうと思っても難しい。


でも、患者さんを見ていて思ったんですが。
そもそも私自身が甘ったれなんです−_−;;
よく具合が悪くなってます。人に見放されるのは怖いです。自分の評価が分かりません。などなど。

まぁ、病的なのかと言われるとどうなんでしょうね。とは思いますが。
でも、少なくとも、甘え過ぎの甘やかし過ぎていうのは改めて自覚しました。
うーん。難しや。

Apr 15, 2011

シゾっこ

先輩の言葉「シゾっ子たちはパワフルだからねぇ」

???
って思ってたけど、そうかも!

統合失調症の人たちって、パワフルです。
病勢が悪い時は(病気の状態が悪い時は)、幻聴や妄想に沿った行動をします。

例えば、「北海道で集まりがあるって言われたから」と、空港に突然行って、強行突破して飛行機に乗ろうとしたり。
突然いなくなってしまって、どうしたのかと思ったら、「呼ばれたから、行こうと思った」と東京から大阪まで歩いていく途中で保護されたとか。
「死ぬように命令されたから」と自殺しちゃうとか。

でも、死ぬつもりはないのに、自分で死んじゃうって、すごくひどい話ですよね。
だから、やっぱり治療は大事なんだな、って思いました。
薬で落ち着いてくると、これは幻聴なんだ、って分かったり(病識がある、といいます)、もっと良ければ聞こえなくなったりもします。
とはいえ、基本的には「寛解」であって、「完治」は難しいんですけどね。

うむ。

Apr 13, 2011

なんかなぁ。

私、うちの病院の精神科のカンファが苦手です。

というのも。
患者さんにカンファレンス室にきてもらって、そこでお話を聞くんです。。

私なら嫌。
医者が沢山いる中に呼ばれて、そこで話をするとか、無理だもの。

平気な患者さんもいますけどね。
嫌、っていう方もいて、そういう方はパス出来ます。

まぁ、確かに精神科では直接しゃべった感じって大事な所見なんですけどね。
確かに、沢山学ぶし、患者さんの診断をみんなで話し合うのに大事だとは思いますが。

でも、なんかね、って思ってしまうんです。
精神科には向かないかな。

Apr 11, 2011

シゾ

シゾ、って言うのは英語で書くとschizoです。
正式には、 schizophrenia、つまり統合失調症です。

私、学生の時にたった一週間だけ精神科を回って、そのとき担当した患者さんが統合失調症でした。
でも、重症だったから?私が変なこといいそうだったから?一日10分程度しか話しちゃダメ、って言われました。
ERではよく統合失調症の患者さんが運ばれてきて、みんな担当してたりしてましたが、私は幸か不幸かあたりませんでした。

なもので、私、実は今回が統合失調症の方とまともにお話するのは初めてです。
まぁ、最初は双極性障害というふれこみだったんですけどね。
(双極性障害っていうのは、うつ病と躁病(そうびょう。イメージとしてはうつの反対でやたらとハイになる感じ。))

話しているうちに、これは双極性障害ではなくて、統合失調症かな?って私でも思うようなそんな比較的典型的な症例でした。
話していて面白い(不謹慎ですよね、この発言。なんて言えばいいんだろう。英語でいうところのinterestingというのがぴったりなんですけども。興味深い?)です。

彼の中には彼の世界が広がってて、その中で彼にとっては当然の行動をしてて。
でも、それが他の人から見ると、えっ、、?ってなってるんだな、って改めて実感。

統合失調症の患者さんたちは、妄想や幻覚といった陽性症状が出たり、逆に全然考えがまとまらなくなってみたりという陰性症状の両方があります。
妄想・幻聴としては、教科書なんかに書いてあるのは「部屋に盗聴器が仕掛けられている」とか「自分のことを非難してる声が聞こえる」とか、そういう感じ。

妄想、って一般用語ではなんか現実と違うことを頭の中で想像してる感じですが。
医学的には、現実とは異なることを確信していて訂正不能な状態です。
訂正不能なものだから、病識(病気であるという自覚)はありませんです。

まぁ、そんなこんなでERを経由して精神科にやってきました。
(先週は私がコンサルトで見ていて、今週になって転科してきた)
少しでも症状を軽くしてあげたいところではあるんだけど、薬物療法効くかなぁ?

Apr 9, 2011

相対評価

私、相対評価ってあんまり好きじゃないです。
中学高校の頃は、大学に入ったら相対評価じゃなくて絶対評価になる、ということをすごく心待ちにしてました。

実際に入ってみて思ったのが、やっぱりなんだかんだ相対評価はついて回るということでした。
でも、テストやその個々人の評価は基本的に絶対評価でした。

それがすっごく嬉しかったです。
ずっとずっと相対評価の中で生きてきてて、それが辛かったから。
初めて、他の人と比べてどうか、ということではなくて、私がどれだけ頑張ったか、私の能力がどうなのか、ということが評価されたから。
自分は自分、っていう扱いだったから。

卒業してからも、基本的には絶対評価で過ごしてきました。
もちろん、一緒にいる人とか周りの人とかとの比較もあるけど、基本的には絶対評価でした。


だけど、人って(私だけ?)多分、当たり前なんだけど、周りの人と自分を比較しながら生きてるんだなら、ってふと思ったんです。

私、途中で一度drop outしました。
その後のフォローの入りっぷりとか、回る科に裏工作がされてる(多分、私の希望というよりは、楽な所に、ということで回る科が決定されている)ことを考えると、完全にみんなと同じ扱いとは言わないけど。
でも、別に今は普通に楽しく勤務できてるし、ERも普通に乗り切りました。
今のまま行けばちゃんと2年で研修も終了できます。
だから、あんまり気にしてなかったんですけどね。

drop outして復帰して、研修も少し延ばしてる先輩と知り合いになりました。
すごく優しいし、頭切れるし、面白いし(多分本人はそんなこと思ってないけど。笑)尊敬できる先輩なんですけどね。

なんか、すごく安心したんです。
仲間がいた、これで大丈夫なんだ、って思えたというか。
自分はまだ1回しかdrop outしてない、っていう比較で安心した訳ではないと思う(思いたいだけ?)んですけどね。
とにかく、私、このまま生きてていいんだ、何があったっていいんだ、って。


うまく言えないけど。
いろんな人がいて、いろんな人を見て、自分と無意識に照らし合わせながら生きてて、その中でどう感じるか、っていうのが大事なんだな、って。
自分の価値とか評価を周りと比べる必要はないけど、周りと照らし合わせることで変われたり影響を受けたりはいいことだな、って。

なんか訳分からない日記になっちゃった。
文章力欲しいものだ。

Apr 8, 2011

成長してるんだ

人間、成長してるんですね、本人にあんまり実感がなくても。
先日は、1年前に自分が書いたサマリーのひどさに絶句し、1年間での成長を目の当たりにしましたが。

本日気づいたんです。
私、成長してるんです。
患者さんとの距離の取り方がうまくなった気がするんです。

患者さんの話を聞くのは自慢じゃないが(って書いてるときって実はそれなりに自信がある人が多い訳だけど。笑)それなりにうまいんだと思うんです。
この1年で成長したのか、そうやって言ってもらえることも多くなってきているから。
多分、そういう患者さんの話を聞く姿勢は変わってない。というか、成長してる。


でも、半年前と比べると、私の心の負担がかなり違うっていうことに気づいたんです。

半年ほど前に、老年病内科を回っているときに、鬱病がある患者さんを担当しました。
毎日話を聞くのが辛かった。本当にしんどかった。
患者さんの話に自分がすごく影響されていたからだと思う。

だから、精神科を回るときも若干だけど不安はあった。
みんなそんな感じだったら、どうなっちゃうんだろう、って。
精神科は”感染率”が高いと言われていて、患者さんのそういう訴えに感染というか影響を受けてしまう医者も多いと聞いていたし。


でも、気づいたんです。
精神科のローテーションが始まって早1週間。
私、楽にみんなの話を聞けてる!

ちゃんと話は聞いてるんです。
毎日毎日、長い人だと30分程度は一度に話し込む。
辛いよー、という訴えばっかり。
だけど、それによって私が疲れたりとか、私が辛くなっちゃったりとか、そういうのはない。
患者さんの話は聞けるけど、それを自分の中には入れていない、っていう感じ?


多分、成長なんだと思うんです。
だって、自分が影響されずに話を聞けないと、患者さんの話をたくさん聞くことはできないもの。

だから、後はこれがさらに進んで、他人事にならないように。
あくまで、患者さんの気持ちを考えて話を聞くということを続けていたら、いいんじゃないかな、って思ったんです。
うまく言えないけど。

Apr 5, 2011

精神科コンサルト

って、けっこうやると思うんです。
精神科では、”精神科”に対して、その他の科のことを”身体科”と呼びます。

コンサルテーションの理由は様々です。
せん妄(一過性の認知症のような状態。不穏になったり)や鬱病なども多いのですが、実は当院で一番多いのは、救急科からの依頼だそうです。

救急科がなぜ?
実は、自殺企図や薬物過量内服などで運ばれてくる人が多いからです。
うちの病院では年間500件以上の精神科コンサルテーションのうち、200件程度は救急科だとか。

という話を聞いていた矢先、私にも救急科からの要請が。
(というより、火曜日は私がコンサルテーションのfirst call当番なんです。)

自殺企図の30代の男性でした。
これから毎日担当患者さんの一人としてフォローしていくそうです。

それにしても、自殺がこんなに多いとは。
ERの時にも思ったことではありますが、改めて違う数字でみると、実感します。
日本は年間3万人も自殺する自殺大国なんですね。

Apr 4, 2011

精神科

さてさて。
二年目の研修が始まりました。
私は精神科スタートです。

それがですね、本日まで病院的にはオリエンテーション。
2年間同じ病院の人の場合は、電子カルテの使い方とかのオリエンテーション要りません。
だけど、精神科・産婦人科・小児科などのオリエンテーションは要ります。

なので、本日は12時に集合でした。
で、説明受けて13時に一度解散。
(他の人たちは事務連絡その他がある)
精神科のオリエンテーションの為に17時に再集合。
仕事は明日からね、といわれて18時に解散。

こんなんでいいんですかねえ、私の2年目のスタート(笑)
とりあえず、精神科には知ってるK先生がいるので、なんとなく安心^_^

Apr 1, 2011

初walkin当直☆

病院から研修医が消える年度末のこの数日。
2年間ずっと同じ病院で研修する数名でERとwalk-in当直をまわします。

うちの病院では、救急車できた人はER、歩いてきた救急外来の人はwalk-inという棲み分け(?)があります。
 研修医で言うと、1年目で必修で回るのはERなので、救急車できた人たちをみます。
2年目になると、歩いてきた人もみるようになり、walk-in当直が順番に回ってきます。

だから、1年目を終了したばかりの私はwalk-inをしたことないんです。。
昨日から今日にかけてが初!

どうしたらいいかが分からなくて、始まる前は微妙にオロオロしてしまいましたが、上の先生にも恵まれ、(小児科の優しい先生だった!)、ちゃんとこなしてきました♪
やればできる!


my walk-in患者さん1号は、口内炎の33歳男性でした(笑)
しかもね、入院を希望してたんですよ。
びっくりしてあきれてしまいましたが、普通に診察し、薬を処方してお帰りいただきました。

その後、膀胱癌の既往があり尿量が減少した人、喘息疑いの人、小児数名、などなど。
いろんな方が来て、walk-in当直ってなかなかに面白いって思いました。

私なりの昨晩の満足ポイント(?)は、1。精神科かかりつけの女性の腹痛、2。11ヶ月の赤ちゃん。

1。精神科かかりつけ女性の腹痛
ちゃんと話を聞いてちゃんと診察して便秘って言う結論に至り、丁寧に説明したら、すごく安心して納得してご帰宅いただけました。
カルテを見ている限り、常々いろんな不定愁訴を訴えていて痛み止めも処方されてるんですよ。

でも、多分いつもどうせ精神的なものでしょ、という扱いだったんだろうと思うんです。
だから、ちゃんと話を聞いてちゃんと診察してちゃんと検査して、っていうのが大きかったんじゃないかな、と。
 (私が言ったんじゃなくて、上の先生がぽつっとそう言ったの。)


2。11ヶ月の赤ちゃん
喜んじゃいけないんですけどね、でもテンションあがりました(笑)
どうも福島から避難中みたいです。発熱したんですって。

ちゃんとお話聞いて、診察して。
一応上の先生と一緒にやらせてもらって(ちょうど今日の上の先生は小児科Drだから!)、第一歩は踏み出せたかな。

まだまだ小児の診察をした経験が少ないから、何を聞いてどう診察したらいいかが慣れてないし、鑑別がちゃんとは上がらない。
そう痛感しました。

今年一年も一歩一歩成長していこう♪