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May 23, 2007

染色

病院には病理部という科があります。
病気の組織を見るプロです。

例えば。
ガンで手術したときに、その摘出した臓器を病理に送ると、プレパラートを作って、顕微鏡で覗いて。
何のタイプのガンなのか。ガンを取り切れているかどうか。
などを判断してくれます。

病理学実習では病気の組織を見ます。
実物です。

理科の教科書を見れば、細胞は色分けがなされていて、非常に分かりやすいですよね?
実物はあんなにカラフルじゃありません。
何もしなければ無色です。

そこで、染色をします。
核を染めたり、線維を染めたり、神経を染めたり。
染める薬剤によって、染まるものと色が異なります。
そこで、見たい目的のものに合わせた染色方法を選ぶ訳です。

通常よく用いるのはHE染色。
核が紫色に、筋肉や線維を赤っぽく染めます。
これはよく用いているものなので、プレパラートを見て、すぐに判断は付きます。
HE以外にも沢山あって、PAS、PAM、EVG、その他もろもろ。

そして、今日のプレパラートの中にはEVG染色のものがありました。
それを見た私の反応。
『これ、何が染まってるの?何が見たいの?』

その場にいた先生、唖然。
隣の友達、唖然。

『はやたま、これは弾性繊維が黒く染まるから、血管が分かりやすいんだよ??』

そこまで言われたら分かりました。
癌が血管に浸潤していたら、転移の危険性が高いということです。
なるほどねー☆

それにしても、みんなよく覚えてるよねぇ。
私は入れたはずの知識がボロボロと抜けていくことに危機感を覚えています。

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