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Jan 29, 2016

ワクチン

その昔と比べて、ワクチンの種類は格段に増えています。

最初のワクチンは満2ヶ月からです。
定期接種が二種類(ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン。どちらも髄膜炎を起こすばい菌たちです)、任意接種が二種類(ロタワクチンとB型肝炎ワクチン。ただ、B型肝炎については補助金を出し始めている自治体もあるし、おそらくあと少しで定期接種化されると思います)。

定期接種は国が全員受けなさいと定めていて、補助金が出て無料で受けられます。
任意接種は、補助金が出なくて自費なので受けるか受けないかを御両親が決めます。

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よく聞かれるのが、任意接種は受けなくていいのですか、もしくは、任意接種は受けた方がいいですか、ということ。

小児科医的には受けた方がいいと思っています。
もちろん、ワクチンだって薬ですから、副反応が無い訳ではないです。
軽微なもので言えば、打った場所が腫れるとか、ちょっとお熱が出るとか。重大なもので言えば、アレルギー反応もあれば、その他いろんな反応を起こす子もいなくはないです。

ただ。
重大な副反応が起こる率と、その病気に実際にかかった時に重大な後遺症が残る率で言えば、圧倒的に後者の方が高いです。
つまり、病気にかかって重大な後遺症が残る率が高いんです。
かかって免疫を付ければいい、という考え方をする方もいると思いますが、かかって後遺症が残る率も考えた方がいい。

例えばおたふく風邪。
ワクチンを打った時の重大な副反応はものによりますが、数百万人に一人とか。
でも、実際にかかって精巣炎とかになる人は、数千人に一人とか。
ね?どっちを取るかという話です。


ワクチンはみんなが受けることによって、その病原体が感染しにくくなってかかる人が激減するという仕組みです。
打っていない人が少数まぎれていても、大多数が打っていれば、そもそも流行しないからかかりにくい。
逆に、打っている人が少数であれば、打っていない大多数に流行しやすいから、打っている人でも軽く感染する可能性は高くなる。

やっぱり、みんなが打った方がいいと思うのです。
そもそも、日本は任意接種だけど、世界的にはほとんどの国が定期接種、みたいなものもありますからね。

Jan 28, 2016

乳頭混乱

哺乳瓶の飲み方と、おっぱいの飲み方は異なります。

おっぱいは、言わば牛の乳搾り的に、赤ちゃんが舌などで上手く蠕動運動をしないと出てきません。
出てき方も一定ではなく、射乳反射が起こった時にばーっと出て、少しお休みがあって、また出て、というような感じです。

哺乳瓶は、ちょっと押したら出ますし、常に出ます。

見た目は似ていても、全然違う二者。
両方を併用していると、楽チンな瓶哺乳に流れる子がいます。
おっぱいは大変だから嫌だ!となる子がいるんです。
医学的には、乳頭混乱、と言います。
もともと飲むのが上手じゃなくて練習が必要な早産の子の方が起こりやすいです。

NICUでは、先におっぱいの練習をして飲めるようになってきて、必要であれば瓶哺乳、という順にしています。
家で併用の子であれば、授乳した後にミルク、というのを毎回やるのではなく、おっぱいの時はおっぱい、ミルクの時はミルクにして、おっぱいの回数の方が多いようにします。


そして。
うちの赤子ちゃんが乳頭混乱を起こしました。

満期の体重もある子で、2ヶ月弱の子。起こさないと思ったんです。
なので、仕事復帰して、私はせっせと搾乳をして持ち帰り、それを日中哺乳瓶で飲ませてもらったんです。1日に4、5回。

そしたら、あっという間に哺乳瓶に慣れまして。
帰宅したら、おっぱいのくわえかたが浅い。(=哺乳瓶の飲み方)
夜は赤子ちゃん本人も寝ぼけているので、深くくわえさせてしまえばなんとかなったものの、朝になりしっかり目が覚めてしまうと、おっぱいを嫌がり怒る怒る。
そんなに哺乳瓶が楽だったか、、、

慌てて先輩に事情を話し、日中も極力授乳に帰ることに。
家が病院のすぐ近くで良かった、、、

満期の子でも連続して瓶哺乳ばっかりをすると、乳頭混乱起こすものなんですねぇ。
反省。その後丸24時間経つ頃には、直接授乳の飲み方に戻りました。
いやはや。

そして、この事態を聞いた研修医の言葉がすごかった(笑)
「2ヶ月の子が、しかも好きなおっぱいのはずなのに、楽な方に流れるんですもんね。
そりゃ、いわんや我々大人は、って話ですよね。」

Jan 24, 2016

復帰

3ヶ月弱。
11/2から産休に入り、産前4週、産後8週のお休みを経て。
(予定日に生まれてくれたので、産前4週は丸々もらえました♪ 
ただでさえ短いので、良かったー(^ ^))

明日から仕事に復帰します。

どこぞの議員は育休を取る取らないと話題になっていましたが。
私は、育休をとれません。明日復帰できない場合は辞表を提出しろと言われています。
さらに、現状では時短という選択は与えられず、フルタイムでの復帰になります。

小児科がどうこうではなく、現在所属している病院全体で医員はそういう規定だそうで。
書いていて恥ずかしくなる待遇ですけどね^_^;
私は何も悪いことしてないのに、妊娠出産したからと辞表を書くようなことはしたくなくて、復帰を選んでみました。
確かに、休みすぎると仕事が怖くて復帰できなさそうではありますが。

もちろん、自分や子供の体に無理があれば考慮します。
なんとかなるといいなぁ。


体力的には大変だったけど、妊娠中のような恐怖プレッシャーはなく楽しかった8週間。
まだ母乳にのみ頼って生きている我が子。
せめて首が座り、母乳間隔も少し落ち着くくらい、2ヶ月から4ヶ月くらいの育休が欲しかったような、未練はありますが。

そして、日中の育児を人様にお願いすることにはなりますが、復帰しても母乳はあげたい。
間に授乳に帰っていいよ、という先輩方のお言葉に甘えるとしても、まだ2時間ごと授乳なのでね、、、搾乳しなくちゃ。

さて。明日からは半人前母親と半人前新生児科医という二足のわらじです。
それぞれ60点くらいが目標。それでもtotal 120点ですからねぇ。
でも、まだ夜間の授乳も頻繁で、昼夜のリズムも確立していない状態で、久々に の仕事なので、まずは50点50点からかな。
4月の異動に向けて60点60点にできれば御の字。

1日1日を着実に楽しく歩んでいくのが今年の目標です。
外ではもちろん、家でも笑顔でいられる状態をキープしていきたい。子供は親を見てますからね。
必死すぎて私の顔から笑顔が減ってきてたら教えてください。


「約束」
笑顔で過ごすこと

母乳育児勉強会

都内で開催されていた母乳育児勉強会に参加してきました。
テーマは補足、母乳と薬、エピジェネティクス、母乳代用品、の4つ。
知っていたことから、全く知らなかったことまで。
けっこう面白かったです。

母乳育児支援というと、母乳母乳、と母乳じゃないといけない、と言っていると思っている方がいます。
母乳教などと、言う方がいます。

でも、本当はそうじゃないです。
母乳を飲みたい赤ちゃんとお母さんに、母乳が出来るだけ飲めるようにサポートすること、ミルクならミルクの赤ちゃんとお母さんをサポートすることだと思うんです。
だから、もちろんミルクのことも含めて勉強します。
例えば、不適切にミルクを飲ませると母乳は出なくなったり飲めなくなったりするから。
どうしたらいいのか、赤ちゃんの母乳全般の相談にのれる医療者になりたい。


母乳育児支援のための勉強会なので、当然、参加者側も母乳育児中でも参加できるように、授乳スペースというか親子で過ごしながら受講出来るように場所も確保されています。
私も母乳のみで育児中なので、生後8週となるわが子も参加してきました。

人が多くて賑やかなのが好きな赤子ちゃん。
ご機嫌に過ごしてくれて助かりました。

Jan 23, 2016

アップデート

NCPR、新生児蘇生法のアップデートの為の講習を受講してきました。

新生児に限らず全ての蘇生法は5年毎に見直されます。
より良い救命率、より良い予後のため。

例えば、私が大学生の頃は、大人の蘇生はまずは人工呼吸からでした。
今は、胸骨圧迫から始めた方が蘇生率が良いことが分かり、変更になっています。

NCPR2010からNCPR2015へのアップデート。
NCPR2015では複数のポイントが変わりました。
  体温保持
  生後60秒以内に人工呼吸を開始すること
  心拍確認方法
  酸素投与の扱い
  薬剤の扱い
などなど。


この講習を受講することで、私のインストラクター(NCPRの講習を開催できる側の資格)が2015にアップデートされます。
今まで受講した方々を対象に2015のアップデート講習を行えるようになるし、そもそも初受講の方にもNCPR2015での講習開催が出来るようになります。

仕事上必要なこととはいえ、子供をおいて長時間でかけるのは初めて。
まだ一人ではとても任せられない夫と、そのサポートの実母に任せ、5時間弱。
ちゃんと搾乳を瓶哺乳できたそうで。良かった。
来週からの仕事復帰に向けた第一歩でしょうか。

Jan 20, 2016

あやし笑い

以前に新生児微笑のことは書きましたが。
新生児微笑は反射、あやし笑いは別物です。

あやし笑いは周りの大人から笑顔を学ぶことで出てきます。
3、4ヶ月健診でも確認する項目で、発達の過程です。

周囲の人の表情を見ながら、表情の作り方を学んでいくんですね。
どういう時に、どういう風に表情を作るのか。

なので、表情が豊かだったり、笑顔が多い環境の子は当然本人もそうなっていきます。
お世話してくれている人の笑顔が消えると怖くて泣いたりもします。

逆に、無症状で赤ちゃんに接していると、なかなか表情は出てきません。
無表情がベースなので、それを怖いと思わず、泣くことはありません。



遅いから即異常という訳では無いですが。
本人に原因があるのか、環境因子によるものなのか、は気にします。


で。
わたくし、笑顔だけは売りです。
って、なんだか売れないアイドルみたいな発言ですが。
でも、笑ってることが多いのだそうです。

そしたら、うちの赤子ちゃんが笑うのが確かに早かったんです。
1ヶ月弱で、母を見て満面の笑みが出ることがでてきて。
1ヶ月ちょっとで、祖母祖父などにあやされると満面の笑みが出るようになり。
1ヶ月半には、こちらが赤子ちゃんの名前を呼んだり話しかけて笑いかけると笑顔と「んー」という声で返してくれるようになり。

やはり、笑顔は学習なようである。

Jan 16, 2016

育児

出産以来。職業を言うと、「育児は思ってた通りでしたか?」と聞かれることが多々あります。

どうでしょうね。

産後に発熱したのは、完全に予定外、想像の範疇を越えていました。
ものすごーく、しんどかったです。死ぬかと思いました。
というか、一昔前なら周産期死亡になりかねないですよね、全く。

その後の睡眠不足は。
概ね想像通り、でしょうか。

産後のお母さんたちから、最初の1ヶ月が一番しんどかったとはよく聞いていましたが。
確かに、最初の1ヶ月は夜も不定期で日中が1時間ごとだったので体力的には一番しんどかったかな。
授乳間隔が、というのは分かっていたものの、1時間ごとの授乳というのはつまり自分には間に1時間どころか20-30分しか残らないということをきちんと分かっていなかったです。

昼夜のリズムは退院後早期からまずまずついていて、昼は寝が浅いものの、夜は授乳の間は寝てくれることが多かったのは助かりましたが
夜中でも排便のたびに起きてしまって、そこから覚醒してしまって目がランランというのは想像してなかったので、夜はその点では大変でした。
それが無くなったころから、少し楽になって、体力的に日中もなんとかなるようになってきましたからねぇ。


母乳に関しては。
ほぼほぼ想像通り。

当初ものすごーく頻繁に飲んで、その後少し落ち着いてきても回数多め。方法も含めて、想定内かな。
ただ。気持ちが影響するのは分かっていましたが、ここまで大きく関与するとは思っていませんでした。
気持ちが主治医ではなく母になれたときからスイッチが入ったかのように出始めましたからねぇ。
NICU入院中の子のお母さんたちなんてましてですよね。今後はもっと気持ち面も慮りたいな、と思いました。


その他の育児手技については。
うーん。

握力、筋力が弱い私にとって、沐浴が腱鞘炎の原因になってしまうとは思っていませんでした。
もう少し気をつけていれば良かった。
やり方自体は問題なく、サクサク1人で入れられちゃったんですが、気づいたらオムツ替えの時にお尻を持ち上げることが出来ないくらいの腱鞘炎に。
ステロイド注射を受け、手の使い方を気をつけるようになってからは改善しました。

後はまずまずでしたかねぇ。
仕事も仕事ですし、保育園でバイトもしてましたし、大きくは困らなかったです。

やはり経験者は偉大で、母親の(児にとっての祖母)ちょっとしたアドバイスは本当に助かりました。
寝かしつけのコツとか、昼夜のリズムのつけ方のコツとか。
言葉上は分かってはいて、外来でも言っているものの、実際にやるとなると、あーそうか、という感じでした。


新生児のことについては、さほど不安がなく、むしろ、普通は慎重なところが大胆、と親に言われたほど。その点では不安がないので気持ちは楽だったんだと思います。

むしろ、本人の日々の様子とか、発達とかを見ているのが面白くて楽しかったです。
今までは教科書と定期的に外来でみせてもらう患者さんだけでしたけど、自分の子だとより連続してみられますからね。


育児に正解も不正解もないです。
母と子が楽で快適な方法を選択していくのが良いと思います。
と外来でもお話ししています。

外来では言わないけど、強いて言うならば。
20年後、30年後、40年後という遠い将来。
子供が幸せに過ごせているかどうかというのが育児の答え合わせなのでしょうね、きっと。

どんな環境でも幸せに生きていけることが大事なのかなって思います。
自分で、自分が一番幸せになれると思う選択をできる子になって欲しい。
育児初心者、これからが楽しみです。

Jan 5, 2016

便秘

赤ちゃん達のうんちは、水っぽいです。
特に、母乳の子の方が水っぽいうんちです。
黄色い水っぽいうんちの中に、白っぽいツブツブが混じっているようなうんちは赤ちゃんの正常なうんちです。

回数は個人差があります。頻繁な子もいれば、まとめ出しの子もいます。
母乳の方がやや柔らかいので頻回になる子もいれば、母乳の方が消化が良く吸収されてしまう分が多いので、少なくなる子もいます。

なので、硬いうんちになったり、赤ちゃんが苦しそうだったりしない限りは便秘として特別な対処は必要ありません。


ただ。
赤ちゃん達は腹筋がまだ弱いですし、上手にうんちが出せない子も多いのも事実。
その場合には、お腹のマッサージをしてあげたり、綿棒で肛門を刺激してあげると出ることがほとんどです。
ちなみに、この時期に刺激をしたからといって、これが癖になってしまって自分で出せなくなるなんてことはないです。
外来でも指導をすることが多いものの一つ。

注意点としてはこんな感じでしょうか。
・大人用の軸がしっかりした綿棒を使うこと
・綿球の部分に少し油をたらす
・綿球全体を肛門の中に入れる
・綿棒を肛門を広げるような感じで○を描くように回す
 (支点を作ってクルクルするのではなくて、円柱のように広げる感じ)

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で。
うちの赤子ちゃん、便秘になりまして。
もともと、けっこうな呑気(空気を飲み込んでしまう)をしてしまうこともあり、お腹が張りぎみなんですね。なので、排便の時には分かりやすくうなります。

お腹のマッサージや足を動かしたりは遊びの一環でやっていたものの。
昨日から自力排便がなくて、うなるどころか火がついたようなギャン泣きをして頑張ってたので、かわいそうだからと綿棒浣腸をするとぴゅーーーっと大量に排便・排ガス。

便秘になる病気の可能性もなくはないですが。
母乳はよく出ていて、よく飲んで体重も増えている。便の性状自体は良好。お腹も病的に張ってはいない。
おそらくは呑気が原因。

ということで、飲んでしまうのは仕方が無いから、出す方向にするしかない!
お腹のマッサージをしてみたり、足を動かしてみたり。
元々やっていたものを強化。

そこで気づいたんです。
寒いから、とタオルやら毛布やらで包んでいる。おくるみ状態。
これでは自由に足を動かせてないのでは?運動不足なのでは?

包まなくてよいように分厚い洋服を買ってきてみたら、自由に足をバタバタ。
さらに、遊びの延長で足を動かしてあげたりなんかしていたら、自力で排便排ガスあり。
自分で足を曲げて、ぶーっと。

乳児でも運動不足なんてことがあるんですね(笑)

Jan 4, 2016

赤ちゃん時間

赤ちゃんといると時間が経つのがあっという間です。
そう聞いていたものの、本当だなぁと思う今日この頃。


考えてみれば当たり前でした。


授乳時間  20-30分×11-15回=6-7時間/day
げっぷ待ち  0-10分×11-15回=1時間
オムツ替え・手洗い  5-10分×8-10回=1時間/day
お風呂・着替え  30分/day

と、ここまでの必須な時間だけで9時間くらい。
1日の4分の1は授乳してる訳ですもんね。

さらに。
泣いていてあやす時間、寝かしつけの時間
などを入れるとそれだけで12時間は越えてくる。

その合間に自分のご飯やお風呂・トイレなど、自分の必須な時間が入り。
それで家事もやろうなんて思ったら、睡眠時間なんて残りませんよねぇ。


しかも、いつ泣くかも分からず、泣けば赤ちゃんのところに飛んでいきますから、自分のご飯や家事なんていうのは、計画通りになんて進まず合間に突然の中断が挟まりながらですもんね。

そりゃ、赤ちゃんがいれば時間はあっという間ですね。
健診でお母さんが大変そうだった理由が身をもって分かりました。


ん?
なら、こんなこと書いてる暇あるのかって?

只今、夜中に赤子ちゃんの授乳後にお腹の上で落ち着いてうつらうつらしてるけど、げっぷが出てない、という状態で、縦抱きでげっぷ待ちをしてる間なんですね(笑)