以前も書きましたが、新生児は誰しも黄疸になります。
生理的黄疸といい、1週間程度でピークを越えていくことが多いです。黄疸の値が高すぎると、脳に沈着をして後遺症を残してしまう(核黄疸)こともあるので、ある程度の値を超えた場合は光線療法を行います。
光線療法は特に副作用とかはありませんし、きちんと治療をしている分には黄疸の後遺症も心配ありません。
日本人は黄疸の値が高くなりやすく、約1割の赤ちゃんは治療を行われると言われています。
でも、母乳の割合が多い(完全母乳など)場合は、母乳性黄疸と言って黄疸が遷延することもあります。
でも、母乳性黄疸の場合は脳に沈着して後遺症を残すことはないと言われており(後述のUBは上がりにくい)、母乳を止める必要もありません。
ということは知ってました。
そして、教科書上で勉強している分には単純な黄疸も自分で診るとなると難しいなぁって改めて思いました。
そもそも、思っていたこととして、治療適応の判断が私には出来ない。
この4ヶ月ほど新生児の外来を見てて思うのが、どこで治療を開始すればいいのかが分からないんです。
治療開始の基準は生後1週間程度までしかはっきりしたものはありません。
さすがに少しは分かって来た気はしますが、例えば生後2週間経った子のBilが20mg/dlであった時に治療はあまりしないんですよね。
脳血管関門という血管と脳の間のバリアが発達するので、20mg/dl程度では核黄疸の心配はないそうなのです。
とはいっても、25-30mg/dlだったら心配はしますし。
20mg/dl以上だったりとか、急激に上昇してきていれば、unbound billirubin(UB。黄疸の値のBilの中でもアルブミンという蛋白と結合していないもので、核黄疸の原因と言われている)を測定します。
これがある程度以上だった場合はやっぱり治療です。
そして、UBの値の生まれたての子たちの基準は決まっていますが、これまた生後2週間の子たちの基準は不明瞭。
でも、そうは言っても1.0μg/dl程度になった場合は治療を考慮するみたいです。
そして、今日改めて思ったことが。
母乳性黄疸って、25mg/dl程度まで上がることもあるんですね。
UBは0.6-0.7μg/dl程度だったから良いのだとは思うんですが。
驚きました。
もう既に2回治療はしていて、入院中は(光線療法を行う上に、人工乳の割合が増える)ビリルビンがあっという間に下がるのに、退院したら数日で驚くほど上昇するんです。
でも、母乳性なのかどうかの確信がなく、一度母乳を止めてみたらビリルビンが少し低下した為、母乳性であろう、と。
ただ、おそらく母乳の子全部がそうなる訳ではないので、ある程度体質が絡んでいるのだとは思うんですけどね。
いずれにせよ、これなら大丈夫ということで外来管理されており、次は1ヶ月健診の予定です。
たかが黄疸、されど黄疸。
たかが風邪、されど風邪。
自分で自信を持って判断できるようになるにはどれくらいかかるのかしら。
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