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Nov 30, 2011

骨髄採取

お久しぶりです。
多忙すぎて気づけば丸一週間過ぎてました。

移植をするには、当然ドナーさんが必要な訳です。
骨髄ドナーを探す場合。
HLAが一致している一致していないという話を聞いたことがあるかもしれませんが。

人はすべての遺伝子を2セットずつ持っています。たとえば、
お父さん:type1+2
お母さん:type3+4
のHLAを持っていた場合。
子供はtype1+3かtype1+4かtype2+3かtype2+4の4パターンがありえます。

そうすると、一致する可能性が高いのは親ではなく、兄弟ということになります。
そして、上ではたとえなのでtype1-4と単純に書きましたが、もちろんたくさんの種類があります。
さらに、それが4組(A,B, C, DR)があり、さらには遺伝子型とかいう話にもなってきます。
そうすると、一致する人を探し出すのが大変なことだということが分かるかと思います。
骨髄ドナーで探す場合にたくさんの登録者が必要というのはそういう理由からです。


さてさて。
本日は骨髄ドナーさんからの骨髄採取に立ち会ってきました。
移植する場合、骨髄でもいいですし、末梢血幹細胞(普通の血管の中にいる幹細胞を移植する)という方法もあります。
今日は骨髄でした。

骨髄採取の場合、オペ室で全身麻酔下で行います。
全身麻酔をかけて、うつ伏せにして、左右の腰骨の背中側の所から針をさして骨髄をとってきます。

「骨髄」と聞いてどういうものをイメージするのか分かりませんが、見た目は普通の血液と変わりません。
さらには、骨髄は普通の血管ともつながっている(骨髄で作った血が血管に出ていくくらいですからね)います。
引くときにも、高めの陰圧をかけて(シリンジで勢いよく引く)引いた分が骨髄です。
じわーっと引くといくらでも末梢血(普通の血液)が混じります。

相手の人の体格と、骨髄の中の細胞の数(採取中に検査に提出してすぐ測定する)によって、必要な骨髄の量は変わってきます。
今日は300ml採取しました。


私が個人的に思ったこと。
私が骨髄ドナーになるのなら、どっちを選ぶかな。骨髄と末梢血幹細胞と。
末梢血幹細胞の場合は、イメージ的には血小板献血の長い奴みたいな感じです。

骨髄だって全身麻酔だし、刺されて痛いし。
末梢血幹細胞の場合はクエン酸やらCaやらでしびれたり気持ち悪くなったりすることもあるし。

うーん。
難しいですね。医者になってから、献血する回数よりも、輸血をする回数の方がダントツ多くて(当たり前か)。
骨髄移植する回数もけっこうあって。臓器移植に立ち会ったこともあって。
いろいろと考えさせられます。

Nov 23, 2011

非公式病院見学

上の先生が、とある千葉の病院で外勤をしています。
以前長い間働いていた病院で、月に1回程度の当直に行っています。
研修内容も良いことで有名ですが、それと同時にホスピタルアートなどが充実していることで有名です。

私の将来の漠然とした希望として、
* 純粋な医学以外の部分で治療効果に貢献できるようなホスピタルアートなどのことをより取り入れていきたい。
* 患者さん(親御さん)に対して分かりやすい情報発信をしていくことで、よりよい治療(や子育て)になる支援をしていきたい。
ということがあります。

そんな希望があるので、今日はその病院見学に行ってきました☆
病院側にお願いはしておらず、非公式というかなんというか、上の先生にお願いをして当直に付いていった感じです。
(といっても、私は昨日は普通に仕事でしかも忙しかったので、今日の朝になってから行きましたけど)

NICUに始まり、産科病棟、小児科病棟、一般病棟、外来を少し、など。
いろんな場所を見せてもらいました。

やっぱり、すごい。イメージとしては、アメリカの病院をそのまま日本に持って来たような、そんな感じで、留学していた時のことを懐かしく思い出してしまいました。
病院なんだけど、病院ではないような、そんな空間でした。

上記の自分の漠然とした希望を忘れずに持って、研修を続けていきたいなって、改めて思わされた一日でした。

Nov 20, 2011

しまうま

ある症状を見た時に、そこから考える鑑別疾患。
ひずめの音を聞いた時に何を考えるか、ということにかけて、よく「しまうま」だとか「うま」だとか例えられます。

頻度の高い疾患=うま
頻度が低い疾患=しまうま

普段の診療では、馬かな、って思いつつシマウマに注意していく、程度の感じ。
今日、救急日直をしていて、しまうまに遭遇しました。


症例は3歳女児。
主訴:排尿時痛
現病歴:4日前にお風呂をまたいでぶつけた。3日前くらいから排尿時痛あり。徐々に悪化しており、昨日からは温かいシャワーを当てて排尿をしている状態であり血尿があるかどうかは不明。本日は排尿1回のみ。排便・歩行には問題ない。発熱はなく、その他疼痛部位は認めない。母曰く会陰部に発赤などはない、とのこと。
既往歴:尿路感染症の既往なし。その他特記すべき既往歴なし。

ちなみに、身体所見はほぼclearでした。活気も良好で全身状態良好。
CVA tendernessがある気がした(再現性があって、腹部側に行くと痛くないって言うんだよね)けど、3歳なので信憑性には欠けるかな。
本人の絶大な抵抗にあい、会陰部の診察は出来ず。


でという状態で何を考えますか?
わたくし、尿路感染症(ただし、発熱がなく全身状態良好であることから、あるとしても下部が怪しい)を第一に考えたんです。
検尿して尿路感染が無かったら次考えるかな、と。

本人の受け入れの問題もあるので、一応採尿カップを持ってトイレに行ってもらったものの、排尿時痛で排尿なんてできる状態ではなく、導尿をしようとしていたんです。

そしたら。
外陰部裂傷がありまして。
導尿中止。これが原因だろうということで。

もちろん、この場合は虐待も鑑別には上がってきますが、親や子供の様子や、病歴の話からは積極的には疑わない状態だったので、そのまま軟膏を処方して帰宅としました。


排尿時痛で外陰部裂傷。しまうまだよね、これ><
とは思うものの。

最初の時点で会陰部を診察できていないのは良いんです。どうせ導尿だろうという読みもあったし、本人が嫌がっているのに無理に診察するのも何なので、何回目かに診察室に呼んだ際かな、と思っていたので。


でも、最初の病歴聴取の時点で外傷の既往を聞いていたにも関わらず、それを全く気にも止めていなかった自分を後で猛烈に反省しました。。
だって、カルテにも「4日前にお風呂をまたいだ際にぶつけ、その後から排尿時痛を訴えている」という記載してるんです。

にも関わらず、頭は(下部)尿路感染に凝り固まっていた。。。
外陰部裂傷は鑑別にすら上げていなかった。 反省。
せめて、Most likely: 下部尿路感染症、need to rule out: 外陰部裂傷、程度に鑑別に挙げておきたかった。。
最終的には診断できているからいいようなものの。。。

 そして、abuseじゃないよねぇ、多分。
小児科の当直の先生にも見てもらってて帰宅にしてるし。
いろいろと学びの多かった症例でした。

Nov 16, 2011

N

来年2月から勤めるNICUに挨拶に言ってきました。
気が早くない?というツッコミもありますが。
新生児グループのT先生が月1回の外勤が今日だったというのと、1月はまた違う病院に1か月いるっていうのと、来年4月からの勤務先希望を考える上で、とかいろいろあって今日行ってきました。

なんか、みんな(数年上の先生たち)にいろいろ言われてたけど、言われてた意味は分かった気がします。
でも、多分大丈夫、、だと思う。思いたい。思います。

「看護師さんが(今の病院より)厳しいよ。でもはやたま先生なら大丈夫!」
 →うん、後半はともかく、前半は分かる気がします。というか、後半の意味を知りたい(笑)

「閉鎖空間だから、雰囲気がね。」
 →Nである以上はしょうがないことだと思いますが、閉所恐怖症の私にとってはやや息苦しいような空間ではありました。でも、薬局もそうだったけど、きっと慣れたら大丈夫なくらいの広さはある、多分。
雰囲気は…。分かりません。でも、今の大学のNは窓もあって明るいんだけど、そういう雰囲気はまったくなく、働く人の雰囲気は短時間だったのでそこまでよく分かりませんでした。

「人数が少ないからねぇ。すごく忙しいよ」
 →うん、そうだと思います。ちょっとゲンナリしちゃうけど、でも若いうちはそれもありだよね?多分。2-3月の間は当直はなしで、4月以降の当直になるそうなので、その点は少し安心。慣れた頃からだからね。
先生たち、8時とか9時とかに三々五々帰って行った感じだったから、落ち着いていればそれくらいに帰れる日もあるっていうことだよね?きっと。

あと何だっけなぁ。
忘れちゃいましたが、不安なことはたくさんたくさんありますが、多分大丈夫だと思います。
ちゃんと充実した研修生活を送れると信じて行ってきます。

あ、そうそう。
「先生、先生は救急車乗らなくて大丈夫だからね。お留守番してる人も必要なんだから。」
って言われたことは一番の安心材料です(笑)
当直中に必要になったら、、、どうするんだろう?いずれにせよ、一人で行っても技術的に役には立たないだろうからねぇ??

あとは、大学の研修医担当のN先生に、
「もうだめ!って思う前に連絡頂戴ね。状況を密に教えてね。無理をする研修にしたくないから」
って言ってもらえたのも安心材料ですね。
そうならないと信じてますけども。


百聞は一見にしかず。百見は一経験にしかず。
頑張ってみるさぁ。

Nov 15, 2011

欠勤

6月に胃腸炎にかかって以来、小児科では初めての欠勤をしてしまいました。
もう朝から頭痛と気持ち悪さがあり、出勤したくない状態でした。

小児科、特に大学の小児科では血液疾患の子たちがいるので、発熱したり胃腸炎だったり風邪だったりがあると、簡単に患者さんにうつってしまうので、自分の体調管理は大事です。
 救急外来では自分がかからない為にするマスク。
小児科病棟では、相手にうつさない為にするマスク。

そんな中、体調不良で欠勤。
非常に申し訳ないです。


まぁ、私の本日の体調不良は週末に片道1時間半程度乗り物に揺られて研修会に行った後遺症だと思うんですけどね。
それ以外に考えられる原因ないし、症状所見的に感染ではないと思うし。
感染ではないので、症状が落ち着いたら明日には出勤できるかな。

乗り物に弱いって困りますねぇ。。。
こんなんで新生児医療やっていけるのだろうか、という不安はつきまといますが、やれるところまで頑張ってみようと思っています。

Nov 14, 2011

移植

臓器移植。
心臓とか肝臓とか腎臓とか、普通の臓器は目に見える形としてあります。
だから、外科的に移植手術をする訳です。

だけど、形がないのが血液。
白血病や免疫不全などでは骨髄移植や末梢血幹細胞を移植しますが、雰囲気としては輸血と変わりありません。
見た目は赤い液体です。

ドナーの方からいただいてきた骨髄なり末梢血幹細胞なりを、輸血のごとく点滴するだけで移植終了です。
もちろん、他人由来の大量の濃い液を入れる訳で、間に肺水腫起こさないかな、バイタル大丈夫かな、とかそういうのは注意していきますけどね。
移植自体というよりも、移植前後の管理の方が大変みたいです。


今日は、今月移植する患者さんの移植計画書を書きました。
初めてだから、上の先生にまずは書いてみよう、って言われてからほぼ丸一日必死ですよね。
教科書やプロトコルを周りに広げながら、何の薬をどれくらいいつ使って、というのを計算しました。
こんなに教科書を広げたの、血液に来てから初めてかも(笑)

簡単に言えば、移植の流れはこんな感じです。

移植前評価
(心機能、内分泌機能、感染症(副鼻腔炎や歯その他)がないかどうか、などなど。
 ↓
前処置
何種類かありますが、例えば白血病であれば、自分の骨髄を無くして新しく移植する訳なので、TBIと言って全身放射線照射をしたり、抗がん剤を強力に用いたりします。
 ↓
移植
上記のように、骨髄や末梢血幹細胞を点滴します。
 ↓
移植後管理
免疫抑制剤を用いながら、GVHD(また今度日記書きます)を防いだり、感染症予防につとめたり。
移植から3ヶ月くらいは入院になります。


大人の血液内科回った時は訳分からないままに過ぎてしまったけど、今回は始めから全部関われる。
しっかり勉強して、注意すべきこともきちんと注意して、順調な移植にしていきたい。

Nov 13, 2011

研修会

なんだか正式名がやたら長い研修会。
うちの大学小児科の関連病院の研修医(卒後1−2年)、後期研修医(3-5年)の為の研修会で、上の先生たちがいろんな講義をしてくれます。

各グループ(血液、循環器、神経、新生児、腎臓、etc)から1つずつ講義、みたいな感じです。
土曜日の昼過ぎから日曜日の昼過ぎまでという1泊2日。

夜は当然ながら宴会です(笑)

今回は熊谷の方の場所で、電車とバスを乗り継いで1時間半程度。
酔い止めその他一式を飲んで、なんとか多少の浮動感のみで耐えてきました☆


いろんなことが学べるし、同じくらいの先生たちと知り合いになるチャンスだし、再来月からお世話になる上の先生たちにも挨拶できたし、なかなかに楽しい感じでした♪
来年も行けるといいな。来年はNだろうから厳しいかな。。

Nov 10, 2011

何が本当にかわいそうなんだろう。

私の最近の疑問です。

子供にとって、本当にかわいそうなのはなんなんだろうな、と。

というのも、もちろん、病気になるのはかわいそうかもしれない。

(私自身はあんまり病気であること事態にかわいそう、という同情はしません。
「なんでこの子が。大変だよね、頑張っていこうね。」とは思うんだけど。
なんとなく「かわいそう」という単語の裏には、言う側が上、言われる側が下、みたいな関係が感じられて「かわいそう」という単語が嫌い。
私自信も、乗り物に乗れない・カフェイン摂れないとか変な体質を持ってたり、胃腸炎・右手の怪我・交通事故・などなど病気をしたりしたこともあるけど、「かわいそう」とは言われたくなかったし、自分のことをかわいそうとも思わなかった。)


まぁ、ともかく、病気でかわいそう、と親が思うからだと思いますが、
小児科で入院になるような子たちの親は、目に余るほどの溺愛っぷりなんです。
そうすると、子供は当然ながらわがままいっぱいに育ちます。
自分は病気があるかわいそうな子で、特別な子なんだ、いろんなことが許されるべきだ、的な感じになっていきます。

私はむしろそっちの方がかわいそうだと思うんです。
病気が治って外に出た時に、そのままの感じでは将来上手くやっていけないんじゃないかな、って老婆心ながら思ってしまうような子も沢山います。

そして、それは友達とか対外的なことだけではなくて、家の中でもそうだと思うんです。
他の兄弟と患児の間の格差というかなんというか。

病気で入院してるんだから、少しくらいのワガママは聞いてもいいと思うし、異常な特別な環境と言えばそう。
でも、かわいそうで特別だから、と度を超しているのは子供にとって良くないんじゃないかな、って最近思ったりしてます。

Nov 7, 2011

妊婦さんは忙しい

知ってました?

妊娠前から葉酸を飲んでいる方が、二分脊椎や口蓋裂のリスクが低下するのだそうです。
妊娠のごく初期に葉酸の値がある程度高いほうがいいからなのか、妊娠に気づいてからというよりは、妊娠前から飲んでいる方がよいのだとか。
(上の先生からの又聞きで、自分で裏付け取ってないから、理解間違ってたらごめんなさい)

当然、タバコ・アルコールはダメです。
いろんな奇形、低出生体重、知能の低下などのリスクファクターです。

後は、カフェインもあんまり良くないし。

さらに、私の場合は大量の海藻を毎日食べてるので、内分泌の先生には妊娠したらわかめを減らすように指示されてます。
(赤ちゃんに一過性の甲状腺機能低下症を起こしてしまい、出生後から「一過性」の確定診断が付くまでの間は甲状腺ホルモンを補充しないといけなくなってしまう)


こう考えると、妊婦さんって気にしないといけないこと多いですよね。。
でも、妊娠時に気にしないといけないこと、なんて誰も教えてくれない。

普通、若い女性は定期的な病院受診はしてなくて、妊娠が分かってから受診しますからねぇ。
いろんな情報が一般の人の中での認知が上がるにはどうしたらいいものなのでしょうねぇ?

Nov 4, 2011

母乳性黄疸

以前も書きましたが、新生児は誰しも黄疸になります。
生理的黄疸といい、1週間程度でピークを越えていくことが多いです。黄疸の値が高すぎると、脳に沈着をして後遺症を残してしまう(核黄疸)こともあるので、ある程度の値を超えた場合は光線療法を行います。
光線療法は特に副作用とかはありませんし、きちんと治療をしている分には黄疸の後遺症も心配ありません。
日本人は黄疸の値が高くなりやすく、約1割の赤ちゃんは治療を行われると言われています。

でも、母乳の割合が多い(完全母乳など)場合は、母乳性黄疸と言って黄疸が遷延することもあります。
でも、母乳性黄疸の場合は脳に沈着して後遺症を残すことはないと言われており(後述のUBは上がりにくい)、母乳を止める必要もありません。


ということは知ってました。
そして、教科書上で勉強している分には単純な黄疸も自分で診るとなると難しいなぁって改めて思いました。

そもそも、思っていたこととして、治療適応の判断が私には出来ない。
この4ヶ月ほど新生児の外来を見てて思うのが、どこで治療を開始すればいいのかが分からないんです。
治療開始の基準は生後1週間程度までしかはっきりしたものはありません。


さすがに少しは分かって来た気はしますが、例えば生後2週間経った子のBilが20mg/dlであった時に治療はあまりしないんですよね。
脳血管関門という血管と脳の間のバリアが発達するので、20mg/dl程度では核黄疸の心配はないそうなのです。
とはいっても、25-30mg/dlだったら心配はしますし。

20mg/dl以上だったりとか、急激に上昇してきていれば、unbound billirubin(UB。黄疸の値のBilの中でもアルブミンという蛋白と結合していないもので、核黄疸の原因と言われている)を測定します。
これがある程度以上だった場合はやっぱり治療です。

そして、UBの値の生まれたての子たちの基準は決まっていますが、これまた生後2週間の子たちの基準は不明瞭。
でも、そうは言っても1.0μg/dl程度になった場合は治療を考慮するみたいです。


そして、今日改めて思ったことが。
母乳性黄疸って、25mg/dl程度まで上がることもあるんですね。
UBは0.6-0.7μg/dl程度だったから良いのだとは思うんですが。
驚きました。

もう既に2回治療はしていて、入院中は(光線療法を行う上に、人工乳の割合が増える)ビリルビンがあっという間に下がるのに、退院したら数日で驚くほど上昇するんです。 
でも、母乳性なのかどうかの確信がなく、一度母乳を止めてみたらビリルビンが少し低下した為、母乳性であろう、と。

ただ、おそらく母乳の子全部がそうなる訳ではないので、ある程度体質が絡んでいるのだとは思うんですけどね。
いずれにせよ、これなら大丈夫ということで外来管理されており、次は1ヶ月健診の予定です。

たかが黄疸、されど黄疸。
たかが風邪、されど風邪。
自分で自信を持って判断できるようになるにはどれくらいかかるのかしら。

Nov 2, 2011

骨髄検査

骨髄に針を刺して、骨髄を少し取ってきて調べる検査です。
血液内科を回った時にやったっきり、とても久しぶりにやらせてもらいました。

やり方は簡単です。
うつ伏せになってもらって、腰骨の背中側のところ(後腸骨稜の一番皮膚に近いとこ。骨端から2cm程度マージンを取り、分厚い部分)を刺します。

骨髄、は骨の中身の部分なので、針を骨に当たるところまで刺していって(もちろん、がっつり局所麻酔しますが。特に皮膚直下と骨膜は痛いので)、ぐりぐりと押して骨を突き抜けた部分をシリンジで引きます。

けっこう硬かった。
子供の骨のほうが柔らかいイメージだったんだけどなぁ。
たまたまかもしれませんけどね。

でも、同じ手技を1年半ぶりにしてみて思うこと。
やっぱり、手技をすることには慣れてきている。
骨髄検査なんて、ドロップアウト直前の1回のみだからほぼ初めて同然だけど、でも本を見たらちゃんと想像がつくし、何よりも、知らない手技をすることに対する恐怖感が違いました。

不思議な感覚。
でも、成長を感じられたのは嬉しかったです。

Nov 1, 2011

CV

CV=central vein=中心静脈
なんですが、要するに中心静脈に入ってるカテーテルを指すことがほとんどです。
古典的には、鎖骨下静脈・内頚静脈・大腿静脈など、体のあちらこちらからの静脈が集まった太い静脈に刺す点滴みたいなものです。

対象語は末梢ライン。
手とか腕とかに刺す普通の点滴ラインのことです。

まぁ、今はその中間に当たるPICC(ぴっく)もあります。
PICC=peripherally inserted central catheter= 末梢挿入中心静脈カテーテル
腕などの末梢から入れて、カテーテルの先を中心静脈まで入れておくものです。




さてさて。
CVの適応としては、
①末梢静脈を確保できない場合
(血液疾患の治療、集中治療のように確保が難しいが様々な薬剤を使う必要がある場合とか。末梢から投与するのはちょっと、、という薬とかもありますし)
②中心静脈栄養
(末梢からの栄養でもいいのですが、末梢からではかなり薄いものしか投与できませんので、濃い栄養を投与する必要がある場合は、CVが必要です)
③その他
(中心静脈圧の測定(集中治療時などの循環管理に必要な場合も)・透析(もちろん、長期に血液透析をしていく場合は腕にシャントを作成しますが、集中治療などで 短期的に必要だたり緊急的に必要な場合はバスキャスが必要になります)






大人の場合は、CVを入れる際はエコーなどで見ながら(比較的簡単に)挿入します。
ところが、小児ではそうはいきません。

太い分、抜かれてしまえば出血が止まらない危険性があります。
入れる際もきちんと動かないでいてもらないと危ないです。
そもそも、入れる先の中心静脈も大人と違って細いです。


という訳で、CVを入れるというのは小児にとってはおおごとなんです。
手術室で全身麻酔で行うことも多いです。
血液疾患などで長期に必要な場合は、感染や抜かれてしまうリスクを考慮し、皮膚の下を長めに通しておきます。


いやはや。
それにしても、久しぶりにオペ室に入り、手洗いもし、久しぶりにプロテクター(正しい血管に入ったかどうかを確認する為に、X線の動画である透視を行う為、必ず着込むんです。これが重いし暑いし私苦手><)着込んだし、1時間のオペで意外とぐったり。