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Sep 14, 2011

ネフローゼ症候群 nephrotic syndrome

ネフローゼ症候群とは、まぁいわば、腎臓から蛋白が尿中にだだ漏れの状態になってしまうことです。

① 尿中に蛋白が漏れる → 血中蛋白質が減る → 肝臓が焦ってたくさん蛋白質を作ろうと頑張る → 蛋白をたくさん合成するついでに、コレステロールとか他の肝臓合成のものの合成も亢進してしまう

② 尿中に蛋白がたくさん漏れる → 血中蛋白質が減る → 血中の膠質浸透圧が減る → 血液中の水分が血管外にもれる → 浮腫(体表や腸管など)、胸水、腹水、循環障害 → 腎臓は頑張って水を再吸収しようとする → 尿量減少

という感じでしょうか。

ちなみに、基準はこんな感じです。


さらに言えば、再発の場合は早朝尿で3日間尿蛋白陽性が続いた場合に再発です。
逆に、早朝尿で蛋白尿が3日連続で陰性となったら寛解となります。

治療はまずはステロイドが基本です。
ステロイド反応が不良な場合と良好な場合とあり、その後の治療方針に違いがでてきます。
(詳細はそのうち)
一応、治療反応性による分類はこんな感じ。




ネフローゼって子供に多いんですよね。
子供の場合は、腎生検をして組織を顕微鏡で確認すると、「微笑変化型」と呼ばれるものがほとんどです。
腎不全に陥ることは少ないけど、再発率が高いパターン。

よく分かっているようで実は治療方針とかあんまりエビデンスが確立していないらしいです。
ステロイドを飲む期間とか、免疫抑制剤は何がいいとか、どういう風に飲むことにするとか。
たくさんの臨床研究がなされている分野なのだとか。

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