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Sep 29, 2011

4p- syndrome

46本ある染色体(1−22番の常染色体2本ずつ+XXまたはXYの性染色体)のうち、4番染色体の短腕遠位部の一部が欠損する疾患です。
特徴的な顔貌、精神発達遅滞・成長障害、けいれん、眼科異常、聴力障害、心疾患、尿路系以上、骨格異常などが起こります。

5万人に一人くらいと、意外といます。
(有名な染色体異常の21番trisomy(いわゆるダウン症候群)は800人に1人くらい)、Prader-Willi症候群は1万−1万5千人に1人くらい、色素乾皮症は25万人に1人くらい、メープルシロップ尿症は90万人に1人くらい)

別に、この病気について今日書くつもりはないんです。
今日思ったことは、その疾患を知っていることの重要性です。
疑わないことには診断を付けられませんから。

でも、知ってないと疑えません。
複数の異常が起こった場合に、その組み合わせで疑うか、顔貌異常から疑うか。
専門家というのはやっぱりすごくて、この顔貌とこの組み合わせならこの疾患が最も疑わしいが、違う場合にはこっちかもしれない。
とかね。

某E先生は、見ておいた方が勉強になるような疾患の子が来た時に電話をくれます。
顔貌や皮膚の特徴など、外表のことは見て覚えるしかないですから。

教科書の写真と、実際の患者さんと。
覚えて行くしかない。
でも、一般的なことも覚えないといけない。
医者って頭の容量いくらあっても足りない気がします。。。

Sep 28, 2011

腎臓エコー

今日、生まれたての子に腎エコーを当てました。胎内診断で、水腎症・水尿管があるのが分かっていたから。
(腎臓や腎臓と膀胱をつなぐ尿管に水がたまっている状態)

私が当てても、II度の水腎、grade1-2の水尿管があるのが分かりました。
(この程度であれば、エコーでの経過観察をするので大丈夫らしいです。)
初めて、尿管をエコーで出せました!

大人では腎臓や尿管を見るときは、コンベックス(普通にお腹を見る時のプローベ)で出しますよね?
子供は体が小さく、皮膚の浅いところに腎臓があります。
そのため、リニア(大人では皮下組織を見る時のプローベ。浅いところをキレイに描出できる)でエコーを当てると、すごくすごくキレイに出るんですよね。
本当にビックリするくらいに画質が違います。

やっぱり、エコーを出来るっていいよね。
被爆もなく、低侵襲だし。
細かいことはともかくとしても、自分でスクリーニング的に利用できるようになったらいいなって思うのです。
エコーの本は購入してきてみました。
勉強しよーっと♪

Sep 27, 2011

赤ちゃん

新生児ってかわいいですか??

って言っても、新生児を知らない人も多いかもしれませんが。
いわゆる赤ちゃん、というイメージなのは数ヶ月の子供たちだと思います。


よく「なんか猿みたい」という台詞を聞くかと思いますが(笑)
新生児は小さいし、全体的に細いし(数ヶ月の子はぷくぷくさんでしょ?)、手足を動かすけど、当然頚は座ってないから頚は動かせないし、 こちらに対して反応する訳じゃなくて、自分の快不快があるだけだし、びーびー泣いてるし?


確かに、そういうのも分かるかもしれない。
でも、やっぱりかわいいんですよねー。
(まぁ、いかんせん私は新生児に興味があるくらいですから)



今日、新生児を前に私が「かわいーー♡♡」って言ってたら、今の上の先生のU先生に言われました。
「そうなんだよね、女性って新生児でもかわいいって思うんだよね」と。


私の頭の中は????です。
だって、U先生は小児科医だし、自分自身にもお子さん3人いて、一番下の子は1ヶ月。
???かわいくないの???

なんでも、かわいいと思うんは数ヶ月くらいの子からなんだって。確かに、そういう話はよく聞くんですよね。

お母さんは生まれたときからかわいいって思うし、母親だし。
お父さんは数ヶ月になってこっちに反応してくれるようになる頃からかわいいって思って父親な自覚が出てくるんだとか。

不思議だよね。
分かる気はするけど、分からない。

みなさん、新生児はかわいいですか?
あ、今度新生児グループの先生にも聞いてみよう。
さすがに男の先生でも新生児をかわいいって思うのかな(笑)

Sep 26, 2011

膀胱炎

膀胱炎=cystitis

懐かしい。
私が医学英語を頑張り始めた5年生の夏。
最初に覚えた単語の一つ。しかも、文字からではなく音から。
家から学校までの間にPodcastで聞いてて覚えた単語。
という話はさておき。

女性や高齢者って膀胱炎になりやすいんですよね。
尿道が短いし、トイレ行きたくないとか言って(高齢者もそうだし、若者でも家以外のトイレ嫌的な子もいるし)あんまり水をのまないとあんまりトイレ行かないし。

症状としては頻尿、排尿時痛、下腹部違和感とか。
よく勘違いされてる方がいますが、膀胱炎では熱は出ません。
腎盂腎炎などもっと上部尿路まで感染が及べば熱が出ます。

膀胱炎の一番の治療は、wash outです。
いっぱい水を飲んで、いっぱいトイレに行って、菌を尿とともに洗い流してしまおう的なね。
簡単で効果はあるので、膀胱炎の疑いの人や予防したい方はぜひ。

Sep 24, 2011

カリセミ

既に正式名称分からないけど(笑)
多分、カリスマ救急医を目指すセミナー的な感じだった気がする。今年で第3回。
当院ER主催、実働TESSOという講習会。


今年は私も何も考えずにスクーリングをいれてしまったため、初日の夕方に顔を出すのみになってしまいました。申し訳ない><
しかも、2時間でやってたことと言えばおしゃべり+写真撮影ばっかり(笑)

みんなにビックリしました。
なんというか、親戚の子に久しぶりにあったら大きくなってるのが分かる感じ。
久しぶりにTESSOの面々にあってみて、みんなの成長っぷりに驚いた。
だって、そもそも顔からして違う。
みんな、医者に近づいてるんだね。

TESSOの面々に会うとなんか懐かしくって安心する。
TESSOの面々に会うと頑張ろうっていうパワーをもらう。

ありがとう。

Sep 22, 2011

ストレス

ストレスはダイエットの敵だというじゃないですか?
本当にそうなのかも、となんか実感。

というのも。
子供で、どうしてもステロイドを飲まないといけない状態の子がいる訳です。
彼らは我慢という言葉を知りませんから、お腹が空いたら空いたと騒ぐ訳です。

で。
ステロイドを飲んでいる子たちというのは、3食を待ちわびてるんです。
食べても2時間後くらいにはすぐお腹空いたお腹空いたと始まって。
ご飯がくる1時間くらい前から病棟の入り口周囲をうろちょろし始めます。
ご飯がくる5分くらい前から、徐々に入り口に近づいて行き、配膳車が出てくるドアを凝視してます。

我慢とかどうとかそういう問題ではないようで。
ステロイドの副作用の一つとして、食欲増進があるからなんです。

ふと思った訳です。
普通の状態の人では、ストレスがかかると、コルチゾールというステロイドの分泌が増加します。
発熱、手術などの物理的なストレスもそうだし、寂しさや試験などの精神的なストレスでもそうです。

ということは、もしや
ストレスがかかる状態→ステロイドの分泌が増える→食欲増進?!
やっぱり、ストレスがない状態が一番体にはいいのかな?
(ちなみにこれは完全なる私の勝手なる推測です。体が必要な量の分泌で食欲が増えるのかは知りません。でも、ありえなくはない話かな、と)

Sep 21, 2011

子供相手

患者さん(3歳。もうすぐ4歳)のおばあちゃんに真顔で言われました。

「先生、結婚したはるんですか?お子さんは?」

目が点になっている私を尻目に、「先生子供の扱いがえらい上手いから若いけど結婚してお子さんがいるのかと思って」と。

子供もいないし、結婚もしてないということを伝えたら、「いつでも大丈夫やないですか」って言われました。

そういえば、その前に「先生も夜勤あるんですか?あー、月に4-5回も!大変ですね」って言われたことがあるんですよね。
もしや子供がいるから両立が大変ですねっていう意味だったのでしょうか?!
おばあちゃん、いつから勘違いしてたんだろう??


びっくりしたけど、やっぱりそうやって言ってもらえるのは嬉しいな。
子供相手が上手になってきたかな♪

Sep 20, 2011

先天異常

という言葉はあまり好きではないですが。
生まれた時からあるものの場合、教科書的にはそういう分類。

で。
沢山そういうのはある訳です。
遺伝するものもあるし、関係ないものもある。
病気、というよりも体質、という方が近いものもある。

沢山沢山あるなかで、多分、診断されていない場合も沢山ある。
子供が診断されて、初めてそういえば私もそういう体質ですっていう親がいたりするもの。

そして思う。
診断なんてなくたってそうやって何の問題もなく大人になる人も沢山いる訳で。
でも、診断することで何に注意しなくちゃいけないかが分かったりするから、やっぱり分かるものなら分かった方がいいのかもね。


今同じ職場で働いているとある先生は、そういう生まれつきの体質だったり病気だったりが専門です。
だから、横文字の聞いたことのないような病気も沢山沢山知ってる。

◯◯だったら、△△っていう病気が裏に隠れてるかもしれないから、××という症状・所見がないかどうかは必ず確認しないと。
でも、●●だったら、少し奇形はあるけど大きくなってくれば大きな問題にはならないから、病気というよりは体質に近いかな。
とか。

その疾患、症候群、症状について本当に的確な説明が返ってくるんです。
自分で診た疾患は頭にすんなり入ってくるけど、診てないものは教科書を読んでも頭にあんまり入ってこない私には一生かかっても無理だと思います。

体表から分かる奇形(特に顔貌)は裏に体質だったり疾患が隠れてることも多々ある。
でも、その顔貌ならこの病気、っていうのを知らないと、多分見過ごしちゃうと思うんです。
でも、逆にそういう専門家は顔を診ただけで診断を下せたりもします。

プロってすごい。

Sep 18, 2011

イレウス

ileus = 腸閉塞

腸が通らなくなっちゃう状態のことです。
原因によっていろいろと分類されますが、大きく分ければ、腸がどこかで閉塞して詰まっているタイプと、腸が動かなくなってしまうことで中身が通らなくなるタイプがあります。

今日はイレウスの勉強になりました。
というのも2人連続で来たんですよ、イレウスさん。

お腹が痛くって、便(やガス)が出てなくて、とかだと鑑別に入れとかないと、という感じですよね。
でも、発症すぐはまだ便が出たりするので便秘がないからといってイレウスは否定できません。
後は、オペの既往があるかどうかとか、腹部の悪性腫瘍がないかどうかとか。


診察では当然ながら、腹部所見が大事は大事。
お腹は動いているのか?変な腸音ではないか(金属音その他)?圧痛や反跳痛は?
意外に忘れやすいのが、ヘルニアがないかどうかの確認。
もちろん、それ以前にvital signも大事ですけど。
そして、画像検索。
腹部X線の立位と臥位、さらには一応胸部X線も、撮影。
Free airは胸部X線で確認しますし、air fluid level(ニボー)は立位、いかほど空気がたまってるのかは臥位が分かりやすいです。
CTとかエコーとかをしてもいいかもしれない。

いやはや。
どちらもお帰りになりましたが(一人は入院した方がいいんじゃない?って思ったけど、本人が強固に帰宅を主張したため、明日も来てね、ということにした)、イレウスを疑って検査を進めることを2連続でやって、なんだか非常に勉強になりました。

Sep 17, 2011

asthma 喘息

さてさて、三連休も連日walk in当番のはやたまです。
今日は、呼吸器の勉強な日でした。


3日前からの風邪で今日の明け方から発熱してぜいぜいしている女の子。
小児喘息の既往があって、3年前が最終発作。現在は内服もなし。 

喘息の既往がある上に、明け方にぜいぜいというのが怪しい。
胸の音を聞いたら、ひゅーひゅーとwheezeを聴取。
そう、喘息発作を起こしてたんです。
SpO2とか呼吸苦の状態から、小発作程度と判断しました。

で。
ならば!と、βstimulantの吸入を行ったんです。
上の先生に量も確認して、よし、万全。
喘息発作でしたし、小発作でしたし、著効しましてね。
吸入後はwheezeは消失しました。

そうこうして診察室から一度出たところで上の先生に相談したところ、
「熱があるんでしょ、肺炎を起こしてそれによって引き起こされてるかもしれないから胸のX線撮っておいたら?」
という神の声がふってきました。ありがたい。

本人とご両親に、「熱もありますし、久しぶりに喘息の発作を起こしているので、念のために胸の写真も撮らせてくださいね。」と言ってさりげなく検査追加。
結局X線はキレイだったので、ムコダイン+オノン+メプチンを処方。
さらに、熱もあってちょっと辛そうだったので、カロナールを頓服で。

もう大人な体型だったし年齢的にもほぼ大人だったこともあり、うっかりとイブプロフェン(NSAIDs)を出そうとしたら、これまた上の先生に相談した時に神の声によって、軌道修正。
喘息だしNSAIDsはやめておこうよ、と。

そっか、そうでした。
NSAIDsは腎障害・喘息・肝障害・妊婦・小児・血小板減少症などには避けるべきなんでした。

危ない危ない。最近、小児科を回っていることもあって解熱鎮痛剤と言えばアセトアミノフェンしか出していませんでしたから、危うく間違えるところでした。
(基本、小児にはアセトアミノフェンしか出しません。さらに言えば、1歳未満とかの小さい子は症状をカバーしてしまって重症度その他も分かりにくくなるので、解熱鎮痛剤すら処方しません)

しかし、医者になって1年半たって、一人だったらまだこれだけ危なっかしい診療してるんだもんなぁ。
上の先生に相談なしにやらなくちゃいけなくなる半年後までにどうにかせねば。。。

Sep 16, 2011

NICU

そいえば。
今日、新生児の先生と話してて改めてビックリしました。
7月に新生児回ってた時から若干ならぬ疑問を持ってはいたんですが、やっぱりそうだったみたい。

というのは。
NICU = neonatal intensive care unit = 新生児集中治療室

で、この、NICUという表現方法は欧米とも共通。
問題はその読み方。

私、 ずっとNICUを「ニキュー」と読んでたんです。
でも、そう発音すると新生児の先生たちに通じなかったんですよね。
ん?って言われちゃうから、いつも「エヌアイシーユー」と言い直してました。

不思議だったんです。
なんで私がニキューって略して発音すると通じないのか。

そしたら、今日になって疑問が解消しました。
上の先生が、外国の人と話してたら、NICUのことをなんか不思議な略し方してた、って言うから、もしかして「ニキュー」ですか?って聞いたらそうそう、って。

やっぱり、日本ではNICUのことをニキューって読まないらしいです。
確かに、そういえば、誰もニキューって言ってないんですよね。
略すならば、いつも「エヌ」って。


私の中では、
新生児科=エヌ
新生児集中治療室=ニキュー
だったんですけどね、どうも違った模様。

私、そういえば一番最初に新生児の勉強をしたのも英語の勉強会でだったし、まともにNICUに接したのもアメリカだったんでした。。
だから私の中では、NICU = ニキューだったんですね。
納得。

Sep 15, 2011

UTI

UTI = urinary tract infection = 尿路感染症

つまりは、腎盂腎炎などの上部尿路感染症と膀胱炎などの下部尿路感染症の総合名称です。
これまた小児に多いんですよね。
先生に、UTIについてスライドにまとめてきて、と言われてしまったため、せっせと教科書を読んでいるはやたまです。


発熱した小児の7%程度はUTIです。
85%はE.coliが原因菌です。(その他のGNRやGPCもあります)
診断は症状と、尿検査・尿培養が基本です。
明らかな奇形とかが分かる腎エコーは必須です。
治療は上部であれば入院加療が原則で、第一選択のAbxはセファゾリン(CEZ)になります。
点滴と内服合計で2週間が原則。その後2週間ほど予防量を内服します。


そして!
子供の場合、膀胱尿管逆流というのも原因として大きな要素です。
そこで、UTIを起こした子たちには画像検索をすることが大切になります。

発熱を伴うUTI全例。
発熱がなくても、3歳未満の女児。
発熱がなくても、年齢関係なく男児。

などには画像検索を行います。
画像検索は、現在はVCG(voiding cystourethogram)とDMSAによるシンチが基本です。
膀胱の中に造影剤を入れて行き、排尿時に逆流がないかどうかを撮影します。
シンチでは、放射性同位元素を点滴して腎臓の機能を測定します。

新しく現在勧められているのが、RNC(radionuclide cystogram)、特にDirectです。
VCGの代わりにRIを膀胱内に入れて撮影するもので、集積器の下に寝たまま撮影します。

VURの1度は経過観察です。2度以上では予防内服を行い、4度以上だったり奇形があればオペの適応となります。

RNCは2度以上のものの検出が得意なんだとか。間欠的な逆流でも検出できるので感度が高いです。
でも、後部尿道弁などの奇形の検出はできません。


検査って、それぞれ感度が違ったり、侵襲度や被爆量などが違うし、検出できる物が違ったりとかするし、どれをどう組み合わせて選んで行くか、って難しいなぁ、というのが感想。

Sep 14, 2011

ネフローゼ症候群 nephrotic syndrome

ネフローゼ症候群とは、まぁいわば、腎臓から蛋白が尿中にだだ漏れの状態になってしまうことです。

① 尿中に蛋白が漏れる → 血中蛋白質が減る → 肝臓が焦ってたくさん蛋白質を作ろうと頑張る → 蛋白をたくさん合成するついでに、コレステロールとか他の肝臓合成のものの合成も亢進してしまう

② 尿中に蛋白がたくさん漏れる → 血中蛋白質が減る → 血中の膠質浸透圧が減る → 血液中の水分が血管外にもれる → 浮腫(体表や腸管など)、胸水、腹水、循環障害 → 腎臓は頑張って水を再吸収しようとする → 尿量減少

という感じでしょうか。

ちなみに、基準はこんな感じです。


さらに言えば、再発の場合は早朝尿で3日間尿蛋白陽性が続いた場合に再発です。
逆に、早朝尿で蛋白尿が3日連続で陰性となったら寛解となります。

治療はまずはステロイドが基本です。
ステロイド反応が不良な場合と良好な場合とあり、その後の治療方針に違いがでてきます。
(詳細はそのうち)
一応、治療反応性による分類はこんな感じ。




ネフローゼって子供に多いんですよね。
子供の場合は、腎生検をして組織を顕微鏡で確認すると、「微笑変化型」と呼ばれるものがほとんどです。
腎不全に陥ることは少ないけど、再発率が高いパターン。

よく分かっているようで実は治療方針とかあんまりエビデンスが確立していないらしいです。
ステロイドを飲む期間とか、免疫抑制剤は何がいいとか、どういう風に飲むことにするとか。
たくさんの臨床研究がなされている分野なのだとか。

Sep 12, 2011

コツ?

なんか、少しだけ子供たちの採血のコツがつかめた気がする! かもしれません。
今日は1歳未満の子に2人連続で採血一発で成功しました☆

駆血帯をしっかりして、正中の血管を探します。
前腕(肘から下の腕)を回外回内させながら(くるくると回しながら)、血管が一番分かるところで固定。
(角度によって、血管が微妙に筋肉の下にもぐちゃったりとか、そういう微妙な違いがあるのです)

ふふふ。
血管を指先で触れて探すことも少し慣れてきたし、そこに向かってしっかりと針を刺すことも慣れて来たかもしれないです。
まだまだ、1回で血管確保できた時は嬉しい私です(*^^*)



さらにさらに。
検査を小さい子(幼稚園ー小学校低学年)に行うときのコツも少し分かってきたかも。
とにかく話しかけること!

採血でもエコーでもなんでも。
プレパレーション(以前の日記参照)をした上で、後はとにかくいっぱいいっぱい子供と話しながらやるのがコツなのかな、と。
Child life specialistの方が沢山話しかけてあげてるのを見て、私も真似してみました。

そしたら、けっこうすんなりと検査を受けてくれるんですよね。
気がまぎれるのかな、怖くなくなるのかな。
もっともっと子供たちの気持ちを上手く汲み取れる小児科医になりたいな。

Sep 10, 2011

聞き間違い

うーん。おかしいなぁ。

今日というか昨晩というか、walk in夜勤当直だったんです。
で、朝早く、まだ寝てたら時間に院内放送が流れました。

「ただいまより、ヘリコプターによる緊急帝王切開の患者さんの搬送があるのに伴い、13号エレベーターの利用を制限いたします。また、騒音が発生いたしますが、ご協力をよろしくお願いいたします。」

少なくともね、私の耳にはそう聞こえたんだよ?

で、ビックリして飛び起きて。
帝王切開なら小児科も立ち会うよね?よく分からないけど、私も行きたい!
ん?でも今のうちの病院的に妊婦の受け入れってありえない??

いろんなことが瞬時に頭をよぎり。
よくわからなかった私は取り合えず、小児科当直の4年目の先生に電話。
「え、聞いてないよ?そうなの?」と何とものんびりした答えでした。

更に頭の中にハテナマーク。 ???
目が覚めちゃったこともあり、そのまま小児病棟に上がって仕事を始めてたら、すぐにバババババと騒音をたてながらヘリコプターが来ましたよ。

でも、結局小児科は呼ばれず。
産婦人科病棟もちらっと見てみたけど、慌ててる感じもなく。
多分、妊婦さんではなかった模様。

いったい私は何と聞き間違えたのだ??
でもヘリコプターが来たこと、使ったエレベーターの番号が合ってたことなどから、その他のことは合ってて、夢じゃなかったんだと思うんだ。

別に、そんなに赤ちゃんとか出産とかを待ち望んでる訳ではないんだけどなぁ(笑)
何と間違えたのかが非常に気になったまま帰宅してきたはやたまでした。

Sep 9, 2011

分注

採血とか髄液検査とか、何でもいいんですが、検体が出た場合に、それを何本かに分ける作業のことです。

分かりやすいのは採血でしょうか。
普通のシリンジ採血を想像してもらえばいいと思います。
それを、スピッツ(血を入れる小さい試験管)何本かに分けます。

順番にも注意が必要です。
血はドンドン固まってしまいますから、固まっては困ってしまう物から入れる必要があるのです。

具体的に言えば、
1。凝固系を調べるスピッツ
2。血算を調べるスピッツ
3。内分泌系や血液型・クロスマッチのスピッツ
4。血漿やβDグルカン、血沈などその他のスピッツ
5。血清のスピッツ
という順番。

さらに注意点を言えば、凝固系は線まできっちり入れましょう。
それぞれのスピッツ、特に1−4までは入れた後に上下に何回かひっくり返して混和して、元々スピッツの中に入っている抗凝固薬(それぞれの検査に合わせて、血を固まらないようにする薬が入っている) と血を混ぜましょう。

ということを、学生の頃から少しずつ習います。
病棟に出てすぐは患者さんで採血をさせてもらう前に、まずは分注から、っていうことも多いです。

これを間違えたりすると、検体不良で検査が出来ません。重要です。
検査できなくてもう1回採血させてもらう羽目になりかねませんから。。。

でも、今日一緒にwalk in当直だった上の先生、それを知らなかったヨ。。。
採血をしたはやたま先生、あまりの出来事に驚きすぎて、フォローして正しく分注してもらう為に頑張ったヨ。。


さらにちなみに。
真空管採血の場合。
最初に1本血清を取ってしまってから、の方がいいので、5→1→2→3→4となります。
量は基本的には吸入されるのが終わるまでが良いです。
凝固とかもちょうど線周囲で止まるようになってます。
ま、小児の場合は真空管採血をすることなんてないですけどね。

Sep 8, 2011

腎生検

腎臓の一部を取って来て調べる方法のことです。

腎臓内科を回った時に大人の腎生検をみました。
http://www.blogger.com/blogger.g?blogID=5149963458434814780#editor/target=post;postID=8397862389264077735


基本的にはおんなじです。
検査室でうつぶせに横になってもらって、背中側からエコーを当てて腎臓の下側を針で刺します。

腎臓って血流が多いし、少し違うところを刺したら大変。
だから、子供の場合は鎮静をします。
(眠くなる薬を使って寝ててもらって、その間に検査を終わらせる)

鎮静をしたら、うつぶせにして、刺す場所に局所麻酔をしてエコーで見ながら刺します。
大人の場合は、息を吸ったところで止めててもらって(肺が膨らむことで、その下にいる腎臓が下に押されて動くので、肋骨が邪魔にならずに見えるようになる)刺します。
でも、子供は鎮静をしていてそんなことは出来ません。
そこで、呼気の時に刺すのだそうです。(吸気よりも呼気の方が時間が長いから)

終わった後は大人同様に圧迫止血。
15-20分程度、全体重をかけて刺した場所の上から圧迫します。
この圧迫止血、かなーり大変らしいです。
4年目の男の先生でも、最後には腕がガクガクしてくるらしい。

でも、子供の方が寝てるのは楽かも。
というのも、腎生検はどちらかというと検査自体よりも終わった後が辛いんです。
数時間は砂嚢を穿刺部に当てて仰向け。
動いたらダメ、脚を曲げてもダメ、起き上がるのも当然ダメ。
そして、その後翌朝まで丸一日仰向けで寝ていなくてはいけないんです。
寝返りもダメ、起き上がるのもダメ、刺した側の脚を曲げるのもダメ。

でも、子供は鎮静してるので、寝ている間にその辛い時間のほとんどが過ぎ去ります。
その後も辛くて動いちゃう場合には鎮静を追加することもできるし。

大人と子供と両方を見て、その違いが面白いなぁ、と思ったはやたまでした。

Sep 7, 2011

笑えない

今日ほど笑顔が引きつった日はなかったかもしれないです。
朝のカンファから険悪なイライラしたムードが漂ってて。
その後、上の先生たちが衝突。

朝からちょー険悪ムードのまま生検やら検査、かつそのままみんなでランチ。
もう、ホント今日は嫌で嫌でしかたがなかったです。

今日ほど、嫌になっちゃった日はないです。
笑えなかった。笑顔になれなかった。
先生たちの前でもそうだし、ひいては、患者さんの前での笑顔でいることが難しかったです。
笑顔がトレードマークってみんなに言われてる私なのに><


気持ちって大きいんだな、って改めて実感しました。
こういってはなんですが、ホント、新生児の時みたいに心穏やかに楽しく働きたいです。
心穏やかに楽しく働くと、勉強しようって思うし、疲れ具合も全然違うし、いいことばっかりなんだけどなぁ。

Sep 6, 2011

腕が上がらない。。。

冗談じゃなく、腕が上がらなくて仕事はもちろんのこと、着替えや日常生活に困るほど。

本日、HPVの予防注射を打ったんです。
痛いらしいよ、という噂は聞いてました。
筋肉注射だしなぁ、しょうがないよなぁ。
って思ってはいたのですが。マヂで痛い。。。

言えね、確かに私が痛みに強くないというのはあるのだと思うんです。
女子と言えども、別に月経痛がひどい方ではないし。
確かに怪我は多いからそういう痛みには慣れてるかもしれないけど。

でも、とはいっても痛いのだ。
まず、打つ際に先生に「ちょっと冷たいよー(=消毒)」とアルコール綿を腕に付けられた時点でビクっとして「驚き過ぎでしょ」と言われたけど。
先生の言葉なんて聞いてなくて、注射されるものだと思ったからビックリしただけなんだけど。

そして、打つ段階で。
なんかね、皮下注射(普通の予防注射の場合)とは痛みの種類が違った。。
こう、深いところで痛い訳ですよ、そして、鈍い痛みなんですよね。
歯の矯正の時の痛みに似てる感じ。
奥の方で鈍く痛くて、なんか気持ち悪くなるような感じ。

で、そうこうしてる内にどんどん痛くなってきまして。
腕を下に普通に垂らしてると腕の重みで痛くて、白衣の前をつかんでる状態でした(=腕の重みの半分を手の握力で支えるから、少し楽)

仕事を終えて帰ってくる頃には更にひどくて。
着替えるのも大変。髪の毛を束ねるのも無理。お鍋を持ち上げることも出来ない。
痛みの種類が私にとっては気持ち悪くなる種類のものだから、更に嫌。
これが後2回もあるのかと思うとちょっと気が滅入る。

Sep 5, 2011

小児腎臓

今日から小児科の腎臓グループです。
私らしいというか、やっぱり初日から緊急さんが。

一人目は休日の間に来ていた子で、何故か腎臓グループで担当することになった子。
だから正確には今日の緊急入院ではないのですが。
股関節炎疑いの子だったんだけど、今日の診察ではイマイチ股関節炎ぽくないんだよね。

症状・所見、そして画像検査的にもソケイ部のリンパ節炎っぽい。
ただ、ソケイ部のリンパ節が腫れるということは、それ以下の部位(脚とか骨盤(尿道、陰部とか))に感染なり炎症があるということ。
それが、見当たらないんですよねぇ。

ということで、明日の朝一に整形外科に再度相談してみることにしました。
元々は股関節炎があって、それによってリンパ節炎が起こっていて、でも今は治癒過程で股関節炎ははっきりしない、っていう可能性があるのかどうか、とか。


二人目は頻回再発型ネフローゼ症候群の子。
ネフローゼ症候群というのは、腎臓からどんどんタンパク質が流れ出てしまう状態。

血液中の蛋白が少なくなります。
そうすると、血漿の膠質浸透圧が低くなります(イメージ的に言うと薄くなっちゃう感じ)
すると、血管の中の水分が周りに逃げてしまう為に浮腫が起こります。
浮腫は脚や顔といった分かりやすい場所、腸管、腹水、胸水、などとして現れます。
血管の中の水分量が少なくなってしまって循環が悪くなることもあります。
さらに、蛋白が少ないことを察知した体は、肝臓にアルブミンという体で作れるタンパク質を合成させます。
肝臓での蛋白合成が高まると、ついでにコレステロールも作られます。
そのため、コレステロールが高くなってしまいます。

という訳で診断基準としては
1。尿蛋白量
成人 3.5g/day以上
学童以下 3.5g/day以上または0.1g/kg/day以上 または 早朝起床時尿300mg/dl以上
2。血中の蛋白量、Alb量
成人ー幼児 蛋白6.0g/dl以下、Alb3.0g/dl以下
乳児 蛋白5.5g/dl以下、Alb2.5g/dl以下
3。コレステロール
成人ー学童 250mg/dl以上
幼児 220mg/dl以上
乳児 200mg/dl以上
4。浮腫
体重増加や浮腫を認めること

で、このうちの1.2が必須。

本日の子は条件は満たしていました。
さらに、今回が5ヶ月の間で再発4回目=頻回再発型
ステロイド治療で寛解した後に漸減中に2週間以内に再発をすることが2回目=ステロイド依依存性

という訳で、診断名は頻回再発ステロイド依存性ネフローゼ症候群。
初日から忙しかったー><

忙しすぎて、新生児の外来に遊びに行けなかったくらい(笑)
(最近、外来に行くことが多いからか、仲良しになった看護士さんたちに「はやたま先生、先生のお父さん(=新生児のS先生)頑張ってるよ。」と言われる。笑)

Sep 4, 2011

内分泌終了

小児内分泌終了。
明日からは小児腎臓です。

とは言ったものの。
あんまり終わりな感覚がない、というのが実際のところ。
こんな感じ初めてかもしれないです。

今までは全く違うところに移動していたので、同じ科の同じ病棟の中での移動っていうのが初めてなんですよね。
(新生児の時は特別だったので終わっちゃうの悲しかったですけどね。)
明日からも今の先生たちとも顔を合わすし、同じ日のカンファなど同じ生活が待ってるんです。

でも、一応一区切りは一区切り。
1ヶ月を振り返ってみます☆

<この1ヶ月で学んだこと>

*内分泌の検査がどういうものなのか
負荷試験だったり、シンチグラムだったり。
どういうことを考えてどういう検査をして、その結果の数字たちをどう解釈するのか。

*マススクリーニングで発見された先天性異常(先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎皮質過形成)の際にその後どうなっていくのか
どうやってフォローされていくのか、どうやって精査されていくのか、何に気をつけなくてはいけないのか、とか。

*内分泌救急のこと
糖尿病ケトアシドーシス、副腎不全、などの対応方法。

*小児の点滴、採血
沢山点滴しまし、沢山採血しました。
新生児の時は、点滴が必要じゃない子たちもいっぱいいたし、ヒールカットの採血の子も沢山だったから。

*プレパレーションの重要性
本当にすごかったです。
点滴から画像検査、薬を飲むことまで。
子供たちに説明して納得してもらって、気持ちを検査に持って行くということがこんなに大切だということを実感しました。

楽しかった1ヶ月でした。
明日から腎臓。夏休みではないから検査入院は少ないかな。
また新生児に遊びに行けるかな。

Sep 1, 2011

急患

ぶぅ。

今日、私が上のM先生に「先生、スライドのチェックお願いします」と言ったところ。
「明日の午後にしよう。」と。

なんで?? わざわざ??
って思ったら、顔に出てたのでしょう。解説してくれました。

「だって、明日の午後は先生やることないでしょ?先生野放しにしてるとまた急患来ちゃうからさ。昨日も暇にしてたらAさん来ちゃったでしょ?」

(昨日は午後にやることがなくなった為、外来に行って急患担当のS先生の外来についてて、急患がすごく多かったこともあり、Aさんの予診と診察、検査オーダーをしたりしてたんです。
その後、Aさんは入院になり、現在私がいる内分泌疾患の患者さんではないものの、たまたま患者さん数が少なかった我々のグループが担当になったのです)


えーーーー><
そんな。。。

でも、確かに先日も別の先生に「上の我々にとっては、はやたま先生が近くにいるということは、急患が来るということだからねぇ」と言われたような。。。


別にね、 私がひいてる訳じゃないんですよ?
そもそも、私が当直してると基本的には患者さんほとんど来なくて寝てられるくらいだし。

日中に関しては、来年から一人で患者さんを診ることが怖くて、なので先生たちが診察してる時に可能な限りいろんな人を診ておこうと思って。
だから、私がいるから急患が来ている訳じゃなくて、いろんな患者さんが来てる時に私がいるだけな訳で。


なんだかなぁ。。
先月の上のS先生にはそういう言われ方をしてこなかったんですよね。
 (S先生はよくひくので、未だにS先生が急患担当の日は可能な限り張り付いてて、昨日もそうだった。)
見学だけでも勉強になるし、予診とか検査とかやれることはやらせてくれるし、私がした診察へのfeedbackもくれて。
しかも、「はやたま先生、いつも良いところに通りがかるよね。ありがとう。」と肯定的に(内心どうかはともかく)とらえてくれてて。


だから、なんか野放しにしてると患者さんが来るとか。
私が近くにいると急患が来ちゃって忙しくなるから嫌だとか。
そうやって言われちゃうと悲しくなっちゃう。