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Dec 28, 2007

VGSCの配列決定☆

Anopheles farautiというハマダラカの一種のVGSC(voltage gated sodium channel)という遺伝子の配列を決定できました♪
これは世界初なので、これで論文が1つ書けるそうです♪

もう、これでフリセメ終わりでいいじゃん!って一瞬思いましたけど、実は私たちの当初の研究目的はさらにその先。
遺伝子配列を決定して、更にそれを用いて先の研究をするんですよ。。

という訳で、そちらでもし新しい事実が発見された場合は、それでも論文がかけるそう。
だけど、そっちは新しい事実(というか、探しているのは遺伝子変異だから、その変異があれば新事実。)がある可能性があまり高くない。。

まぁ、1つ論文が書けるなら、それでとりあえず我満足なり♪

Dec 25, 2007

医者になっていく

こうやって医者になっていくんだ。
そう思ったら鳥肌が立ちました。


今日、5年生としゃべる機会があったんです。
やってることがすごかった。

朝は7時前から学校にいて。
受け持ち入院患者さんの状態確認から始まって。
もちろん、SOAPでカルテというか記録も取ってるし。
サマリーも書くし、予診もする。
自分で最初に患者さんを見たりしてる訳ですよね。
上の先生方にプレゼンもしてて。

自分が来年それをやっているのかと思うと、怖い一方で楽しみでもある。
来年から、一歩一歩理想の医師像に近づいていければ。そう思う。
病気を人としてみる(?)とよく言われるけど。
それが保育園バイトを通じて少しだけ分かった気がしたんだよね。
だから。楽しみでもあるけど、患者さんの前に出る怖さもある。
でも、やっぱり楽しみかもなぁ。

Dec 19, 2007

人生初

左手で電気泳動をしました☆

右手ではピペットマンを全く押せないので論外としても。
左手は利き手ではないので、11月に初めてやろうとしたときはウェル(DNAを入れる穴。とっても小さいです。)にピペットの先をつきさしてしまったり、ピペットマンを最後まで押せなかったり、押そうと頑張ると手先が恐ろしく狂ったり。。

以来、泳動をしたことがありません。
だから、毎回人にやってもらっていたのですが、もちろん、実験をする上では毎日必要なくらい必要なことです。
泳動をしてもらってるのを端から見学状態。申し訳ないです。分かってます。でも、やってもらってました。

でも。
フリセメ始まってからピペットマンとか全部左手で使ってたから、多少は器用になったし、さらに、毎日ピアノをひくようにして。
左手の指を器用に動かす筋肉も多少つきました♪

そして、ついにこの日が来ました。
どうしても私が電気泳動をしなくてはならないというこの日。
ただ、初めてなのに、今日使ったゲルはとてつもなく脆いもので、少し手先がぶれると壊れてしまうんです。

ウェルを崩してしまったり、入れた液が上手く入らなくて溢れてしまったり。
だけど、なんとかDNAを入れて、電気泳動して。

ちゃんと出来てました*>_<*
出来た、って分かった瞬間、すごく嬉しくて、ホッとして。


少しずつ左手の細かい筋肉が発達してきたようで、右手と同じ様に使えるようになってきました。
後はやっぱり文字だよね。これは大きな課題のようです。
フリセメになってからは文字を書くということをあまりしない生活なので、この程度の筆記なら痛みを感じない前なので右手でやってしまいますけども。
来年からはそうはいかないから。やっぱり左手使ったほうがいいよね。

Dec 18, 2007

rutine

実験のやり方が決まり、同じ作業を全てのsampleに対して行う=rutine

って、その状態までもっていくのが大変な訳ですが。
とりあえず、Anopheles farautiと思われるものに対しての実験手法が固まりつつあります。

というのも、昨日の夜8時に帰宅した段階で結果が出ていたsequenceでは短くしか読めていなかったんですが、今朝行ってみて残りを見てみたら!!
ちゃんと長く読めてたんですよー♪♪♪


なので、今回sequenceできたfarautiに関しては、みたい遺伝子の配列が決定できました!!!
多分、世界初なのでPubMedとかのサイトに登録できるのではないかと♪
そしたら今後は「Anopheles farautiでVGSCの遺伝子」と検索すれば私たちの名前が出るかも?!すごくない?!

って、これが本来の目的ではないので、おまけですし、どうなるか分かりませんけどね(笑)


まぁ、Anopheles farautiに関してはひとまずはrutineまで持っていけたもよう。
もし途中でやっぱりうまくいかなさそう、ということになれば、もう少し考え直しますが。

そして、やっぱり冬休みはなさそうなんですが、どうしましょう;;;

Dec 17, 2007

シークエンス

シークエンスとは、簡単に言えば、DNAの配列を読むということです。
AとかTとかGとかCとか。
あれです。

どうやるのかというと。
1.primerという、DNAにくっつく20塩基くらいのものをくっつける。
2.それを伸ばしていく。ただし、途中で止まってしまうようなものを入れておく。
3.すると、ランダムに止まったものが出来てくる
4.それを長さの順に読むことでACTGが決定されていく


DNAには「エクソン」という部分と「イントロン」という部分があります。
エクソン =遺伝情報として、機能を持つ部分のこと
イントロン=機能を持たないので、実際にDNAが遺伝情報として機能するときは、省かれてしまうところ

当たり前といえば当たり前だけど、イントロンは保存性が低いです(=種だったり個体だったりであんまり同じじゃないということ)。
だから、DNAを読むときには障害となります。



今回読みたい配列は1400塩基対。
大体1回で読める量は何百かがいいところです。
だから、左側からと右側からと読まないといけないみたいです。

イメージとしてはこんな感じかなぁ?という予想で実験スタート。

     ------=======------*-==-*----------

 (-がエクソン、=がイントロン、*の部分が今回調べている変異がある可能性のある場所で、この前後のエクソンを含めたDNA配列が絶対に知りたい)

左側から読んだ結果としては、なんとなんとなんと、予想に反して(?)最初のエクソンが短いみたいです。
つまり、実際のイメージは

     --=======----------*-==-*----------      

という感じです。
イントロンは邪魔ものというか、キレイにDNAが読めないので、現在読めているのは左側の少しだけ。。

あーー。そうですか。そうですか。
さーてねぇ。どうしよ。
読めた部分を使ってもう1回primerを作り直して、もう少しだけ右側から読んでみたら真ん中のエクソンまで読めるかなぁ。

Dec 14, 2007

精神衛生上あんまりよくない気が…

えっと。
実験は少しずつ順調になってきています。

ところが、今日やった実験の1つの「種の同定」の結果によって、ちょっと嬉しいような悲しいような結果が出てきてしまいました。
というのも、farautiだと分類したものもpuncturatusだと分類したものも、全く同じバンドが出たんです。


どういう実験かというと、ITSという遺伝子に対して、制限酵素という、特定のDNA配列の部分をちょっきんと切るものを入れてやります。
それで反応をさせると、種類によってDNAの配列が違うので、切れたものの長さが違ってくる訳です。
それを電気泳動すると、長さが違うバンドとして見えるので、種の同定が出来るというわけですね。

つまり。
同じバンドが出た=同じ種類。

…あれ?
先生に習ったように分類をしたつもりだったのになぁ。
やっぱり素人の目は素人のようです;;;;
先週頑張ったんだけどなぁ。。

Dec 13, 2007

クタクタクタクタクタクタ

これ位くたくたです。。

感染研に行って、毎日ひたすら缶詰状態で実験をしています。
警備が厳しいので、出たり入ったりが非常に非常にメンドクサイ&先生にもお手間を取らせてしまう、ということで、朝行ったきり夜帰るまで、ひたすら実験室にいます。
お昼休みの30分程度以外はずっと実験室です;;


でも、その成果が出始めました。

DNAがきちんと取れているということが分かり。
VGSCという今回私たちが目的としている遺伝子を増やすことにも成功し。
(これってけっこう賭けというか、運が良ければ増える、という程度だったので、本当に本当に良かったです。)
種類を特定する為の遺伝子を増やすことは半分しか成功してないけど、なんとかなりそうなメドが立ち。


Solomonから持って帰ってきたボウフラは300匹。
そのうち、顕微鏡で鑑別した限りでは、farautiとpunctulatusというメインの種類で230匹。
これ全部に対して、DNAを見て種類を確定し、VGSCという遺伝子を増やして調べる、ということをします。

今は230匹に対して行う実験の手法を決める実験をしている段階です。
それが段々と決まってきた感じなので、嬉しい限りです。
とは言っても、くたくたくたくたくたー。。

Dec 12, 2007

神経内科

さて。
私が一番苦手で嫌いな科目です。
無事本試験で通ってほっとして忘れ去っていました。


突如現実を思い出させてくれたのは、神経内科のシケタイの長からのメール。
試験問題の解答を作成する、というもの。


そりゃそうです。それも含めてシケタイの仕事ですから。
でもね、試験直後に自分の担当だった部分の答えは書いて送っているので、
完全に忘却の彼方だったんです。


自分が提出していた分に5問ほど追加されて送られてきました。
なんせ、全部で80問あるような試験だったから。。


もう、完全に忘却の彼方ということ、さらに、全く医学部の勉強をしていない今となっては、全く解けません。
来年の人に申し訳ないという気持ちと、病棟に出る前にCBTという全科目の試験があるのに、このぼけっぷりはまずいなぁという気持ちとで、凹んでしまいました。


やっぱり神経が苦手な上に、医学部の知識が全部と言っていいほど抜けすぎているということが原因でしょうねぇ。
まずいよねぇ。


冬休みには少し勉強すべきかな、と焦ったように学校のロッカーに眠っていた参考書を持って帰ってきました。

Dec 11, 2007

PCR

今日も相変わらず感染研に行っているはやたまです。

先日、ボウフラの仕分け(?)が終わったので、本格的にPCRや泳動などのMolucularなお話になってきています。
つまり、端的に言えば、DNAを相手にするようになって、私の精神衛生上かなりよい状態になった、ということですね(笑)

さて。
今日は結果第一弾が出ました。
ところが、またまたよくない結果で;;
バンドが出ません(;_;)

なんででしょう??


<注>
「バンド」というのは…
まず、電気泳動というのは簡単に言うと、ゲル(ゼリーみたいなものです)にDNAを入れて、電気をかけると、DNAは-の電気をもっているので、+の方向に流される訳です。
そして、その流れる速度というのは、大きさによって違っていて、小さいものの方が速いです。
ということを利用すると、30分とか40分とか流した後には、大きさによって流れたキョリが違ってくる訳です。
それを利用して、今自分達の実験でやったDNA産物が大きさがどれくらいなのか、や、そもそもちゃんとDNAが出ているのか、などが分かるわけです。
そして、後で見ると、DNAがあるところがはっきり分かり、それが帯状に見えるから「バンド」という訳です。



今回したのは、
1.ボウフラからDNAを抽出
2.Anophelesの中での種類を判別する為に使う部分を増やす(PCR法)
3.きちんと増えているかの確認をするための電気泳動

ところが、増えていないということが分かりました。
先月頭にやって、どうして?!となった状態とそっくり。
ただ、完全に出ていないという訳ではなく、薄ーくバンドが出ているので、もう1回明日からでやり直してみることに。

うーん。
ちゃんと結果が出るとよいのですが。

Dec 6, 2007

お、終わったぁ(>_<)

さてさて。
ムシの類がとてつもなく嫌いでならない私ですが、予定外の事態に陥って、ボウフラ1匹1匹を顕微鏡で見て判別しなくてはならないということになってしまいました。

本当に嫌で欝で、そろそろ登校拒否になっちゃうーーー!!!
と思っていたら、今日のお昼をもってようやく全てのボウフラの分類が終わりました(>_<)

なので、明日以降はDNAの形になるので、かなりかなりかなーり気が楽になります♪
そして、学校ではなくてどうやら毎日感染研にお世話になることになりそうです。
先生たち優しくって、しばらく研究室が使えないということを知って、じゃあここでやる?と言ってくださったのです。
本当にありがとうございます!!


さて。
以下、記録として保存してある写真たちを元に、私が何をして欝になっていたのかをご紹介しようかと(笑)
もう、この4日でAnopheles(ハマダラカ)のボウフラについてかなーり詳しくなってしまいました;;;
全然嬉しくない!!


<手順その1>
まず、ボウフラの背中側を見て、矢印の付いているような、「板」を探します。
体の各節にあるんですが、最後のもの(下矢印)が他(上矢印)と比べて極端に大きくなっているものはBioneraという別の種類で、ハマダラカではないので除外。
そもそも、泳ぎ方でAnophelesだと思われるものを集めてきたのですが、Bioneraという種類だけは泳ぎ方がそっくりなので分からないのです。
この写真はAnopheles(ハマダラカ)なので、そんなに大きさが違いませぬ。
<手順その2>
次に、肩(?)の位置にある毛を見ます。
1番2番という毛を見て、その付け根がくっついているかどうかを見ます。
farautiはくっついています。
それがこちら。
puncturatusという種類(farautiと近い仲間)は離れています。
それがこちら。

<手順その3>
本当にfarautiなのか、puncturatusかの確認。
以上のような特徴があってもこれらではないものもいるので、今度はお腹側の毛を見ます。
この矢印で示している毛(9番~12番)が枝分かれなどがなくてスッと1本ならばOKです。
まぁ、これ以外にも見るポイントはあるにはあるのですが、これがメイン。
ということを1匹1匹していく訳です。
写真は記録用なのでかなり分かりやすいものですが、小さいものだとよく分からなくて、やっているうちに更に嫌になってきてしまいます。
本当に今日で終わって良かった。
明日は登校拒否だな、と思ってましたからね(笑)


Dec 4, 2007

Anopheles farauti

さて。
私たちの当初の目論見では、ボウフラを取って帰ってくれば、それのDNAを抽出をして、すぐに実験が出来るもの、と思っていました。
というより、SolomonはほとんどがAnopheles farauti(farauti という種類のハマダラカ)だから、取ってくればほとんどがそのまま使えるよ、というお話しだったんですよね。うん。

が。
実は私たちが集めてきたものは違うものが沢山混じっているということが判明。
Anopheles(ハマダラカ)であることは間違いないのですが、その中での種類が………。。。

ということを昨日感染研の先生に教えてもらいました。
そして、それを見分ける為には顕微鏡で拡大をして、体についている板の大きさや毛の生え方、毛の形、などなどを参考にして、1匹1匹見ていくしかないということです。

そうやって分けた上で、DNAを見てみて最終的な種類の判別をするのだとか。
そこまでやって、初めてVGSCという今回私たちが見たい遺伝子の検査を出来るんだそうです。。

えーん。。
実体顕微鏡で見て判別するのは至難の業。
さらに、私たちの大学の実験室には1台しかなく、さらには研究室の場所のお引越し(新しい建物に移る)があるので、あと2,3週間は機能しない。
そこで、感染研に連日の様にお世話になって、そこで分類をさせていただくこととなりました。
そしたら、どうしても分からない!というのはそこで聞いて疑問解決できるしね。

という訳で、しばらくは感染研の方に通うこととなりそうな気配がします。
そして、毎日ボウフラとにらめっこな日々になりそうです。
登校拒否になる前に終わるといいのですが(笑)

頑張れ、私。