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Jun 23, 2011

ギネのオペはざっくり?

ギネ=gynecology (and obstetrics) = OBGYN
最近はドラマにもなってたりしたから有名かな。

よく、ギネのオペは大雑把というかざっくりというか、そういうイメージというか噂というかがあるかと思います。 帝王切開とか特に。

女性のお腹なのに!とか思ってましたが。
今月、そのイメージというか噂の真相が少し分かったような気がします。
確かに、帝王切開を見ている限り、ざっくりなんです。
でも、計算したざっくりなんですよね。

子宮やその周りの膜や皮膚は妊娠中にはびろーんと精一杯伸びた状態です。
子宮は非妊時は鶏卵大です。それが、妊娠中は見ての通り、腹部いっぱいに広がります。
でも、分娩後は子宮が元の大きさに戻る訳ですよ。

ということは。
帝王切開で赤ちゃんを出した後に子宮や筋肉、皮膚を閉める際は、その時の大きさに合わせて縫ってしまうと、後で引きつれてくる訳です。

ということで。
子宮が収縮することを見越して帝王切開での縫合はけっこう針を大きめにかけていくようです。

お腹の中がちゃんと収まるように縫合をしてるなら良いとしても。
皮膚の傷に関しては、やっぱり女性(しかも、若い女性)ですから、気になりますよね。
子宮と比べると皮膚の方が伸びしろが少なめということもあって、けっこう細か目に縫合を行います。

しかも、埋没縫合+ダーマボンド。
(埋没縫合というのは、皮膚の上から見えないような縫い方で、抜糸も要らないです。
ダーマボンドというのは、皮膚用のボンドで、それで切開創の所を覆う感じです。
密閉されて、けっこうキレイに付くみたいです。

ちなみに。
最近の帝王切開の流行り(?)は横切開といって、皮膚を横に切る方法です。
そうすると、下着のラインで隠れて目立たないし、お腹の皺にまぎれちゃうので。
でも、皮膚を縦に切る方が術者の視界が広いことから、リスクを伴う場合は従来通り縦切開が選ばれることが多いです。

さらにちなみに。
皮膚を縦に切ろうが横に切ろうが、子宮は子宮の下の方を横に切ります。

Jun 22, 2011

アッペ

アッペ=appendicitis
つまりは、虫垂炎です。

教科書に必ず書いてある項目。
妊婦の虫垂炎は非典型的な症状を呈するから、注意をすること。

まぁ、幸いにも今まで救急外来とかでも、妊婦さんには遭遇しませんでした。
だいたい、妊娠の可能性はありますか?の問いには、いいえ、の答えが返ってきました。



今日、緊急入院さんが昼に来ました。
−2日に、便秘で救急外来を受診していた患者さん。

−4日からの季肋部の肋骨痛が主訴。
びまん性の鼓音があった以外には、明らかな腹部所見なし。
WBC15000ではあったものの、CRPなどその他所見はなし。
その時点で妊娠10週と妊娠初期であったことから、腹部X線などは行わず。
虫垂炎を疑いはしたものの、あまりに所見がないことと、経過が長いことから下剤を処方して帰宅。

その後、兎糞様の排便があった後、排便排ガスがなくなり。
本日来た際には、腹部は固くなり、所見上は完全なるイレウス+腹膜炎。


という病歴。
結局、検査の後に虫垂炎という診断にて緊急手術となりました。
うーむ。

若い女性の腹痛(Pの既往があったりするとさらに)というのは、救急でも受けてくれる病院が少ないんですよね。
特に、妊娠中とか言った際には、診てくれる病院を探すのは大変。
でも、確かに大変なんだな、と実感しました。

本日の方の場合でも、数日前には所見的にもX線を撮っていないのはいいと思うんです。
妊娠10週という感受性の高い時期であるし。
今日行う検査もかなり議論になったんですよね。
CTを撮るのか、造影CTは必要なのか、腹部所見と単純CTではダメなのか、腹部所見とX線だけではダメなのか。
いったいどの検査を省き、オペに踏み切るのか。

外科の先生と周産期の先生、放射線科の先生で話し合いをしながらの検査でした。
やっぱり、合併症のある妊婦さん、または妊娠中に病気を合併した場合、というのは難しいなぁ、と思いました。


ついでに。
今日は忙しかった。働いた。
前回帝王切開で本人希望による予定帝王切開
前期破水後の原発性微弱陣痛に対して陣痛促進
上記アッペさんの緊急入院からの緊急オペ
正常経膣分娩
前置胎盤で警告出血があったことから緊急帝王切開
頑張った、私。(いや、もちろん、上の先生はもっと大変だった訳ですけど)

Jun 21, 2011

仕事が楽しい

最近思う。

仕事が楽しい。楽しくて仕方が無い。


そして、思う。

仕事が楽しいと思えるから頑張れるし、勉強しようとも思う。


さらに思う。

仕事を楽しいと思えるだけの余裕って大事で必要。
少なくとも、私には。




いつからでしょうね、仕事が楽しいと思うようになったの。
働きだしてすぐ(血液内科)は楽しかった。
老年病内科を回ってた時も楽しかった。
ERは辛かったけど、仕事自体は楽しかった。
精神科は楽しかったというか面白かった。
地域医療はものすごくものすごく楽しかった。
今の周産期も楽しい。

でも、やっぱり2年目になってからかな、こんなに楽しく仕事してるの。
多分、医者としての仕事に少し慣れて来たことで余裕が少し出来ているから。
そして、前よりもon offのメリハリの付け方が上手になったことによる余裕も出来ているから。
そしてやっぱり、週に働いている時間の短さかな(笑)
(週80時間と週60-70時間って大きく違うと思う。やっぱり、週70時間を超えると鬱病の発病率が高くなるというのは分かる気がする。)

という訳で。
これからも自分の気持ちに無理を強いず、仕事を楽しいと思えるような働き方をしていきたい。

Jun 20, 2011

医者の給料

って、高いと思ってません?
ホント、全然ですよ。

と、自分でも自覚はしていたものの、本日改めて実感しました。
というのも。

どうも、私の住民税は友人(会社員)よりもかなーり安いらしいのです。
え、マジすか。。。

確かに、生きていけるだけのぎりぎりの給料だとは思いますが。
それにしても、友人の何分の一かってどういうことよ。
改めて、衝撃。

こんなに頑張って生きてるのにね。
責任も重くて世の中からあーだこーだー言われる職業なのにね。

ま、都内で普通に幸せに過ごしていけるだけの給料がもらえるだけ幸せなのかな。

Jun 19, 2011

いつものやつ

の産生現場を初めて目撃しました。

注。
ERで「いつものやつ来るよー」と言えば、「飲酒後転倒の酔っぱらいが来るよー」という意味でした。


昨日というか今日というか。夜0時を回ってから電車に乗って。
乗り込んだ直後、ホーム中に響き渡ったブザー。
後ろを振り返ると、おじいちゃんが倒れていて、お兄さん2人が取り囲んでいました。

つっかかって、顔面から転けたんだそうで、私が目にした際には起き上がろうとしていたところでした。
思わず駆け寄ってしまいました。(ま、野次馬とも言う?)

鼻からだらだらと出血していて、ティッシュで圧迫止血。
(血が私の手に付かないようにして)
いやぁ酔っぱらいですから、と言いながら頚を振っているので、それを止めてもらって。
頭と頚をザザっとみたところ。

頭部に明らかな外出血、外傷痕なし
頚は動かしまくってたからなんなんですが、とりあえず後頸部痛などなし
耳からの明らかな出血なし
口腔内に明らかな出血、外傷痕なし
鼻背に1.5cm-2cmの切傷あり、活動性の出血あり →圧迫止血
同部位に皮下血腫、腫脹あり
鼻孔からの出血あるが、外からの圧迫止血後に減少
眼窩周囲に明らかな外傷痕、圧痛なし、眼球運動制限もなさそう
とりあえず、手足がしびれたり、動きに左右差があるとかもなし

 一人では坐位保持がやっとこ。
とても歩けない状態。
年齢もけっこう上に見えるおじいちゃん。

病院で迎える側なら、CT撮ってるかな。
頭の中も心配だけど、鼻が打った直後からあれだけ腫れて、っていうのが鼻骨折れてるんじゃなかろうかと(まぁ、鼻骨骨折自体は診断したところですぐどうこうっていうものではないですが)。
病院に行った方がいいのかどうなのかはよく分かりません。

駅員さんの判断で、私を始めとした野次馬は帰宅へ。(既に終電……)
おじいちゃんは駅員に支えられて駅事務室へ。
家族呼ぶか、タクシーでここから帰るかをあーだこーだ言ってた。

こうやって、いつものやつ、が出来てくるんですねぇ。
病院で迎える側しかしたことなかったけど、産生現場というか、事故発生現場を初めて見ました。

そして、やっぱり思う。
どうしてそこまで飲むかねぇ。

Jun 17, 2011

産婦人科を回って思ったこと

まだ半分ですけども。

先月、赤ちゃんたちの1ヶ月健診をしていて、本当にいろんなお母さんがいるなぁ、と思いました。
やることやること心配で心配でどうしたらいいか分からなくて、みたいなお母さんもいれば、 全くもって大らかなというかざっくりなお母さんもいて。

今月、周産期を回って、そんなお母さんたちの気持ちが少し分かった気がしました。
というより、「いろんなお母さんたちがいる」っていうのが、ただ、「いろんな人がいるよね」っていうのではなくて 、背景があってのことなんだなって思って、理解できたというか。

お父さんと子供の歴史はなんだかんだ言っても出産後からです。 里帰り出産とかだった暁には1ヶ月健診後からです。
お母さんと子供の歴史は分娩前、え?赤ちゃんいるの?的な時期から始まってるんですよね。
当たり前というか、文字面的には、知ってたはずのことなんですけどね。

10ヶ月の間に沢山沢山のことがあって。
分娩の時も沢山沢山のことがあって。
そして、無事に生まれて、必死に子育てをして、その成果が1ヶ月健診なんだな、と。


周産期を回ったことで、お母さんの気持ちに寄り添える小児科医になろう、とさらに強く思いました。

Jun 16, 2011

早期破水、微弱陣痛??

普通の分娩の経過は、
1。陣痛発来:痛みが10分に一回以上が陣痛です。
2。子宮口全開大:子宮の入り口が開くこと。10cmまで開くこと。
3。児の娩出:おめでとうございます。
4。胎盤の娩出:へその緒を切って、子供を独立させた後くらいに胎盤が出てきます。


とは簡単に書くものの。
この過程では大小さまざまな問題が起こるのです。
そして、分娩に何件か立ち会ってふと思ったことが。

私が生まれる時、おそらくは早期破水+微弱陣痛があったのではないか、と。
今や25年も前のことなので分かりませんが、母親の証言からはそんな気がしました。

母親曰く。
陣痛が来て、病院に行った。
だんだん進んでたけど、2日目に突入しちゃって、38.5℃に発熱。
丸2日くらい経ったくらいに、先生から帝王切開にしましょう、という話があり真夜中に帝王切開。
私の頭には7cmほどの丸い痕があったとか。
そして、渧泣が弱く、嘔吐してしまい、しばらく保育器に入っていた、と。


その証言から考えるに、早期破水があり、微弱陣痛で時間が経過するうちに、感染して発熱し、(処置しても??)頚管所見とかも変わらなくて、夜中に帝王切開になったのではないか、と。
ま、母子ともに健康なのでいいんですけどね。
どう思います、この推理??