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Mar 24, 2012

mask bagging

今日、後輩の話を聞いていて、医者になって使えるようになったものの一つに、ジャクソンリースがあるなぁ、と思いました。
1年目の最初は、感覚が全く分からなかったんですよね。気づけば、今は毎日使ってる。ほんの小さなことだけど、こういうのの積み重ねで成長して行くんですよね、きっと。

bag valve mask(BVM)、つまりは口に当てて呼吸を助けてあげるのに使う器具は、大きく分けると2種類あるんです。

①自己膨張式 アンビュー


これは、学生のときからなじみのあるものです。
何の技術もいらない、というと語弊があると思いますが、基本的には誰でもあんまり理解してなくても使えます。
救急の勉強会の多くでもこれを用います。

左側に写ってるマスクを患者さんの口にあてて、真ん中の風船みたいなもの(バッグ)を押せば空気が入って行くという、極めて分かりやすい構造です。
この風船は弾力のあるもので、押した後は勝手に膨らんできます。(=自己膨張式)。

医療ガスなどをつながなくても、周りの空気を取り込んで勝手に膨らむので、どこでも使えます。
ただし、高濃度酸素を投与するのには向かない(空気と混じってしまう)ので、リザーバーを付ける必要があって(酸素をためておけるように、袋をバッグの後ろ側に取り付けておく)、それでも細かい酸素濃度設定はできませんし、フリーフロー酸素(酸素を口周りに適当に流しておくこと)は難しいです。


②流量膨張式マスク ジャクソンリース
一方で病院で多く使われているのはこちらです。
麻酔科も小児科もICUもみんなこれ。

右側に写ってるマスクを患者さんの口に当て、緑のバッグを押して空気を送ります。
なのですが、 見ての通り、弾力の無いものなので、医療ガスの空気なり酸素なりにつながないと使えません(=流量式)。

その代わり、バッグが柔らかいタイプなので、どれくらいの圧力をかけて押すかを簡単に調節できますし、押すのにどれくらい硬いのかも実感できますし、PEEPをかけることも簡単です。
高濃度酸素が流せますし、酸素濃度を調節したものをそのまま流せます。

ただし、ちょっとしたコツが必要で、医療ガスにつなぐので流量とリーク量を調節しないと、バッグが膨らみすぎたり膨らまなさすぎたりがあります。
慣れてしまえばこっちが圧倒的に使いやすいんですけどね。



医者として当たり前といえば当たり前で、学生の時は研修医とか上の先生が言ってましたけど。
流量式の方がいいって言って使えるようになったのも2年前と比べたら進歩。

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