普通の小太りぐらいなら、生死に直結はしません。
糖尿病になってみたり、脳梗塞になってみたり、心筋梗塞になってみたり、とかそういう間接的には大事ですが、太ったから生死に直結、というのはあまりありません。
でも、今私が担当している患者さんは自分の脂肪に殺されかかってます。
入院時130kgで、動くのも難しい状態。
今は120kgまでダイエットして歩けるようにはなりましたが。
それでも、心臓と肺にかなり負担をかけている状態です。
指にクリップをつけることで血の中の酸素量を測る経皮酸素飽和度モニター(=SpO2)は、通常の人では95-100%です。
私とかでは98%程度で、息をずーっと止めてて"もうだめー!!!"っていうところまで頑張っても93%とか。
90%を切るということは通常はありません。
苦しいです。
それが、この患者さんは普通に座ってると90-95%。
前かがみになると、88%とか。
仰向けに寝ると80%、横向きに寝ると85%。
この時点で、おいおいな訳です。
自分のおなかの上に30kgのお米を乗せているのと同じような状態だから、呼吸が出来にくくて、酸素が下がるのです。
もう、びっくり。
でも、本人はずーっとこんな状態だから苦しさは感じないんです><
血液の中の酸素分圧を測る採血でも、普通は80とかある値(PaO2)が、50台。
頑張って6分くらい歩いてもらうと70に。
二酸化炭素(PaCO2)は普通は40。
この患者さんは60。
………。
さらにさらに。
睡眠時無呼吸症候群という、寝ている間に呼吸が止まる病気もあるので、夜中はその治療用のCPAPという機械をつけているのに70%まで低下。
あまりに低いので酸素を投与することになりました。
自分のおなかの脂肪に殺されかかってるんです。
(というより、呼吸循環不全に陥ってERに運ばれた後なんですけどね)
もう、びっくり過ぎてあいた口がふさがりません。
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