けいれんは小児科医にとっては、診慣れるくらい沢山見ることの一つです。
でも。小児科に出たての私にとっては、当直中に「けいれんの子が来ます」と言われると怖いです。
当直中。朝6時前。
「けいれんした子が救急車で来ます。」とPHSに連絡が入りました。
状況を聞くと。
2歳の子。けいれんはした事がない。
先ほど突然四肢をガクガクさせるけいれんがあって救急要請。
救急隊がついた時にはガクガクするけいれんは治まっていたけど、意識がまだぼんやりして目が上を見ている。熱を測ったら39℃。10分後に病院到着出来ます、と。
その時点でけいれんが始まってから15分程度。
目が上を見たまま=けいれん自体は止まっていない
→時間が長い。来院時にけいれんが止まっていない可能性あり!!
けいれんというのは、とにかくまずは止めてあげることが先決です。
普通の症状は、原因が何かを考えて、原因の治療を行いますが、けいれんはとにかく止めることが先です。
来院時に止まっていなければ、様々な薬を使って止めます。その後で、原因を考えていきます。
体重を聞いて、来院時にけいれんが止まっていなかった場合の薬の量を計算して。
有熱時けいれんですから、止まらなかったら髄膜炎・脳炎・脳症(怖い!!)の可能性もあります。
覚悟して待ち構えていました。
そしたら。
幸い、来院時には止まっていました。
意識清明であることを確認出来た時、心底ホッとして落ち着きました。
経過と症状・所見からは熱性けいれん(一応持続時間からはギリギリ複雑型)と診断。
再けいれんしないかの経過をみながら、検査結果やけいれんのご説明をして。
まだ、けいれん重積を診た事はありません。
(重積=30分以上けいれんが止まらない≒病院到着時に止まっていなくて、薬を使わなくてはいけない)
いずれ出会うことでしょう。そして、いずれ対応も慣れてくるのでしょう。
今はまだ、ドキドキです。
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