小児科というのは、いろんな子を診ます。
その中には、どうしてそういう状況になるのかが分からない、という子もいます。
例えば、動けないような生まれたての赤ちゃんが、骨折していたりとか。
例えば、自分では手が届かないような場所にやけどの痕があったりとか。
こういう、受傷起点の説明のつかない、何らかの外力が働いたことが予測される場合、我々は鑑別疾患(考えられる疾患)の一つとしてabuse=虐待、を挙げます。
教科書では分かっていました。
でも、NICUでは基本的に生まれたときから入院しているため、虐待を発見する、というよりは虐待に繋がる可能性のある子をピックアップしてフォローしていく、という予防的な観点(一次予防)が多かったように思います。
小児科では、虐待がある可能性を考慮しながら、早期発見、再発予防という観点(二次予防、三次予防)が強いような、そんなような気がしています。
私の時間外にやってきて、上の先生と一緒に診た子が、受傷起点の分からない怪我をしていました。教科書通りではあります。
でも、実際に対面してみて思いました。
疑われるご家族も嫌な思いをするし、考えなくてはいけない医療者側もどっと疲労する。
それでも。
赤ちゃんの幸せを第一に考えて。
どんな赤ちゃんだって、親御さんと一緒にくらせることが幸せだとは思うから。
その中で、痛い思い辛い思いをしないで、幸せに暮らせる道を探す必要があるのだな、と。
今回のお子さんの場合、上の先生がほとんどのお話をしてくださっていて、私は学生さんですか?の勢いで大人しく隣に立ってるだけがほとんどなんですけどね。
自分で対応できるようになるにはほど遠い。。
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