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Mar 29, 2013

最後の勤務

NICUでの1年2カ月におよぶ研修が終わりました。
進みたい科、憧れの先生たちに学べる期間。
みんな温かく教えてくれたし、楽しかった。

いっぱいいっぱい泣いて、それ以上に笑った、そんな研修でした。
Blogを読み直しても、振り返ってみても、本当にいろいろあった1年でした。

私なりには頑張ったなぁ。
全部が初めてで分からなくて勉強もしたし、手技もいろいろやらせてもらった。
吸収できることを全部吸収したいと思った。

月曜日からも間違えてそのままN出勤しそうなくらい、Nじゃなくなるのが変な感じ。
来月から小児科。また沢山学ぼう♪

Mar 28, 2013

最後の当直

先日、最後の当直が終わりました。
3年目として、NICUの最後の当直。

日曜日の日当直だったので、朝から翌日までです。
出勤して早々に、黄疸・血便が主訴の子が入院(転院)になりました。
その子は最初の電話の時と比べれば軽症さんでした。

その後は平和に一晩過ぎ去り。
無事に朝が来た時、4月の最初の当直の時と同じくらい、いえ、もしかしたらそれ以上にホッとしました。
月曜日の朝なんだから、一週間が普通に始まっただけなのに、だけど、今までになく安心しました。

この一年、私の当直は基本的に非常に平和でした。
(まぁ、その前の研修医時代の2年間も、日直はともかく、当直は平和でしたが)
ひきたい、と願った6月の当直の時(上の先生がいなくなる前に、一人で対応をしたことが
ないという状況を脱したかった)だけはひきましたが、それ以外はひいたことがありません。

来週からは小児科です。
当直はNICUより遥かに大変だと思います。頑張ろう。
でも、とにかく無事に一年間の当直が終わって良かった。

Mar 26, 2013

お散歩

私が一年以上前、生まれた時から担当している赤ちゃんがいます。
何度も死の淵をさまよって来た子ですが、最近ようやく落ち着いて来ています。
とはいえ、まだ人工呼吸器は手放せません。

そんな赤ちゃん(といっても、もう1歳だけど)にいろんな経験をさせてあげたい、と思いました。
そして、実現したお散歩。
試す意味もこめて、先日まずは病棟内を一周。
大丈夫であることを確認し、本日が本番。
病院内の屋上庭園にお出かけをしてきました。

たった40分のお出かけ。
でも、大きな40分。
初めて日の光を浴びて。
初めて風を受けて。

本人が何を思ったかは分かりません。
でも、最初ビックリして固まっていた子が、慣れて来たらきょろきょろして動き始めた。
新しい大きな一歩になったらいいなと思っています。

私にとっては、この一年、沢山悩んで沢山泣きながらこの子を担当してきた最後のご褒美のような、そんなお散歩となりました。
私が隣の小児科に異動になって、新しい先生に担当してもらっても、たまにお散歩に連れて行ってもらってね。お家に帰ろうね。

Mar 20, 2013

退院を目指して

私は3月末をもちまして、当院の小児科にうつります。
それに伴って、入院患者さんたちを次の先生に引き継がなくてはいけません。

でも、私の患者さんたちはかなーり大変な子たちが多いんです。
重症さんだったり、今後の先行きが大変な子だったり、social problemが山積みな子とか。
だから、それ以外の子たちは極力退院させたいんです。

年明けからは、在胎週数から計算して、担当したい子を選んできました。
といっても、みんながみんな順調に退院出来る訳では有りません。

みんなだいたいひっかかるのは、呼吸か哺乳かというところが多い気がします。
(もちろん、手術だったり、social problemだったりという子もいますけど)

今月最初には7人いた担当患者さん。
3人は退院させてあげられて、残りは4人。
あんまり焦って退院させても良い事はないし、後は赤ちゃんたちとママたちを見て、大丈夫そうなら退院、そうでなければやっぱり引き継ぎかな。

Mar 8, 2013

中庸

という、とってもよい言葉がある。
もしくは、いいかげん、とか。てきとう、とか。
これって大切なんだな、と最近とっても実感中です。

というのも。
赤ちゃんたちに関わっていて思うのが、とっても真面目なママもいるし、逆に考えなさすぎる過ぎるママもいるんですよね。
予防接種や乳児健診すらままならないママもいれば、何時何分に何mlミルクを飲んだかの記録をカルテのごとく付けているママもいる。

ママの価値観とか考え方を否定するつもりはないんだけど、どっちも良くないんじゃないかなと思うんです。
多分、その真ん中がいいの。

もちろん、考えなさすぎて、予防接種を全然打っていません、みたいなママは困っちゃう。でも、真面目すぎてきっちりしすぎていると、自分も辛くなるし赤ちゃんもシンドイ。
どうしてうまくいかないの?家事も育児もちゃんと出来ない!っていうママ、意外に多いと思うんです。
外来の部屋に入って来たときのママの顔とか話し方って、けっこうママのスタンスを反映します。


部長の先生が退院時のICでご家族によく言っている言葉。
「子育ては楽しくないと、ただシンドイだけになっちゃうから。
楽しむためには、不安なこととか疑問なこととか、全部ぶつけてくださいね。
電話でもいいし、外来でもいいし。」

一番最初、小児科にいって初めはあんまり実感が無かったんだけど、最近になってとっても実感する。
そして、楽しむためには、中庸がいいだと思うの。

大丈夫、赤ちゃんは育つから。
大丈夫、赤ちゃんは生きる力があるから。
大丈夫、赤ちゃんは自分が快適なこと、っていうのを分かっているから。


私が外来フォローさせてもらっている子でも、最初はとにかく不安で不安で退院してから毎日毎日電話をしてきているママも沢山います。
不安を受け止めてあげて、大丈夫だよ、って伝えてあげて。
注意しなくちゃいけないポイントだけはきっちり覚えてもらって。後は大丈夫だから、と繰り返す。

これを続けていると、ママたちも変わってくれたりします。
先生に会うと/電話すると、安心するんですよね、っていうママけっこういます。
私ですらそうなんだから、上の先生たちだったらもっとなんだろうと思います。
こんな私の外来だけど、外しては行けないポイントだけは気にしながら、でも他は寛容に許容しながら子育てを楽しんでいるママを見ると嬉しくなります。


そして、思うんです。
人生も同じなんだろうな。
あんまりかっちりきっちり思い詰めなくても、中庸に生きていれば上手く行くんだろうな。

Mar 1, 2013

PAPVR

PAPVR=部分肺静脈還流異常症

肺で酸素をたっぷりもらった血液が心臓に帰って来て、全身に送り出される、というのが普通。
肺静脈還流異常とは、せっかく酸素をもらった血液が正しい場所に帰らないという状態です。

「総」肺静脈還流異常症は血液全部が違う場所に帰るため、全身がとっても酸欠になります。
「部分」肺静脈還流異常症は血液の一部が違う場所に帰るのですが、帰る場所次第ではあるのだけど、心臓は頑張らないといけないけど酸欠にはならないこともあります。


今日、PAPVRの子が入院になりました。
呼吸状態は悪かったけど、心臓の状態としては落ち着いている子でした。

そして。今日の私にとっての大ニュース。
具合が悪くて運び込まれた時、最初に心エコーを当てた先輩は気付いていなかったんです。
(まぁ、最初は 大きな異常がないかどうかのスクリーニングしか当ててないからそうなんだけどね)
その後、私がエコーを当てたら、気付いたんです。
変な血管がある!!ってなって、先輩たちにも一緒に診てもらいました。
最終診断としては確定できなかったんだけど、変!PAPVRかも!でもとりあえずは急ぎじゃない!までは分かったんです。

嬉しかった。
1年間、赤ちゃんたちの心エコーを沢山沢山当てさせてもらってきた成果かな。
最小限の判断は出来た。そのことが嬉しかった。

大丈夫。私のレベルでは確定診断は着かないけど、でも、正常なのか否かとか、緊急性があるかどうか、くらいならなんとかなるかも。
そう思えたのはやっぱり1年間の成果なんだろうな。