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Oct 22, 2012

心を無にする

先輩の言葉です。

辛くて辛くて、でも直接話したりしたら泣いちゃいそうで。
その患者さんを知っている先輩にメールをしたんです。
どうしたらいいか分からない、と。

言われました。
何が正しくて、何が間違っているかわからないのが臨床の場だけど、その中で悩んでぶれて良いと思う、と。やってきたことは間違っていないと思う、と。
その一言になんだか救われました。

悩んでるんです、どうするのが患児にとって一番いいのか。
悩んでるんです、どう話をもっていくのがご家族にとって一番いいのか。
今の事もそうですが、今後の事もそう、その子がもし亡くなってしまった場合のこともそう。

考えたり悩んだりしてもぶれない方がいいよ、っていうアドバイスをもらったこともあります。
それもそうだと思うんです。私がちゃんと筋がある治療方針を立ててご家族にお話をする方が説得力もあるし、ご家族も安心したり信頼してくれるとも思う。
結局今のところ特にぶれずに来てますが、でも、ぶれてもいいって言われたことですごく楽になりました。


そして、言われました。
いろんな事を言われることがあるけど、そういう時はひたすら心を無にするんだよ、って。
そうやって自分を守りながらも、心の中の強い意志をしっかりと保ち続けて、良いも悪いも受け入れた上で、子供たちのために少しでも現状より前に進んでいくのだと努力するのだ、と。



心を無にする。できそうでできない。というか、そもそもできそうにない(笑)
でも、そうしていかないと、自分の心を守っていけない職業ですよね、きっと。
そして、そうしていかないと、冷静に患児にとって最善のことを模索することなんてできませんよね。


医師。
多分、一般の人が想像するよりも、はるかにシンドイ仕事だと思います。
体力的にも、精神的にも。
真剣に向き合おうとすればするほど辛くなる。キツくなる。
でも、そこから逃げずに向き合っていくしかない。

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