物には言い方、というものがある。
と思っています。
正しいことをいかに受け入れやすく伝えるか、というのは大事だと思うんです。
先生が、研修医や学生を指導する時もしかり。
医師が患者さんに説明する時もしかり。
私はまだ当然ながら、ご家族を呼んで、というような大きな説明はできません。
でも、日々の検査結果の説明とか、今後の方針の説明はします。
その時の言い方って大きいのかもなぁ、って思いました。
希望を持てるような説明だったり、納得できるような説明だったり。
例えば。
先日、移植後でカップラーメンしか食べていない患者さんがいました。
(移植後、味覚が変わってしまったり、鈍くなってしまったりするので、おかゆなどは食べにくく、味の濃いカップラーメンは食べやすいという人が多いのです。)
そろそろ普通のご飯も食べさせたい。
そういう話になって、上の先生など、みんなそう伝えていました。
そして、ついに病院食を出し始めるから食べてね、という段階まで来ました。
上のS先生に、その旨を説明してくるように、と言われて伝えに行って。
私 "明日から病院食をお出しして、少しずつ食べる練習をしていただこうかと思ってるんですけど、食べられそうですか?"
患者さん "えー、無理無理"
私 "少しずつでいいんですけども。食べられるものを探して増やしていけたらって思ってるんですよ"
患者さん "えー、食べなきゃダメ?味どうせ分からないし、カップラーメンでいいよ。"
もちろん、食べた方がいいし、病院食を出すことは決定したことなんです。
でも、無理に出しても食べないかも。
そう思った私が言ったのは。
私 "えっ、○○さん、一生カップラーメンで過ごすんですか!?"
私 "少しずつでも他に食べられそうなもの探しません?"
患者さん、2秒くらい沈黙した後、笑いだしました。
患者さん "そうだね、一生カップラーメンは嫌かな。うん、病院食出してよ。食べてみる"
結論は同じなんです。
食べてみる、チャレンジしてみる、ということ。
でも、患者さん自ら"食べてみる"と言ってくれたのは嬉しかったです。
物には言い方がある。
改めて実感したはやたまでした。
ちなみに、私の上のS先生も、言い方上手です。
見習うこと、教わることが多い毎日です。
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