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May 31, 2010

別に、私が死にたいとか、そういった話ではなくて。

医者は死に鈍感になる、って言う。
多分、良し悪しはともかくそうなんだと思います。

患者さんが死ぬ度に泣いてはいられません。
常に冷静さは求められます。

さすがに、患者さんが亡くなった時に涙がコントロールできないほどの状態はもうありません。
でも、悲しいのは悲しいです。
亡くなった方が怖いとか、そういうのは全くありません。
(これはもともと無いから、慣れた云々ではないですが。)

でも、私が怖いのは、生と死の間です。
現在進行形の死が怖いです。

いつどうなってもおかしくない状況、というのはそんなに怖くないです。
まぁ、いつ呼び出されてもいいように携帯握りしめながら寝ますけど。

私はどんどん死に向かってる時が怖いです。
以前に脳死に向かってる方を診た時の記憶が鮮明すぎるのかもしれません。

今、お休みをしてて後ろめたさがあるのか、昼寝しても夜も、よくお看取りの夢をみます。
後1日もつかどうか、とかの、私にとって一番怖い期間の夢をみます。

この恐怖もいつか慣れるのでしょうか。
悲しいけど、大丈夫なようになるのでしょうか。

May 30, 2010

後日談

昨晩、結局あの後、うちの病院のwalk-in外来(救急外来の、救急車ではなくて自分で来た人用)に行きました。
患者として行くの、初めてです。

だって、熱下がらないし、気持ち悪いし、どうしようもないし。
友人Iくんに、"普通の患者さんが病院にかかる基準ってどこ?"って聞いたら、かかっていいと思う、って言われたし。

さすがに血培は取られませんでしたが、点滴をされて来ました。
その後、大丈夫そう?って確認されて、全力で、"少しマシになりました"と主張して帰宅(笑)

Iくんからその後電話がかかってきて、"入院になった?"って。
私のことを心配してくれてるのかと思いきや、"今入院になったら、俺の担当患者になるから"って。

おい!
私本人の心配をしてくれ。


あ、でも本日は少しは楽です。
点滴ってすばらしい。
でも、もう患者さんはやりたくない。。。

May 29, 2010

患者さんの気持ち

昨夜寝る前くらいから下痢がはじまった。
夜中から悪心・嘔吐が止まらなかった。

明け方にはshiveringが止まらなくなった。
(熱が出る前兆の震え。悪寒。)
その時点では体温37度5分。
その後、もう気持ち悪いのとだるいのと、どうにもならず、一日寝てました。

そして、今。
少しだけ動けるようになって、POCARIとリンゴを食べて熱を測ったら38度2分。
そして、少し楽になった時点でこれだから、もしやお昼ぐらいは39度近かったのか?!などと思っております。

患者さんだったら、完全に血培ですね。。
血液内科だったら、完全に抗菌薬投与ですね。



よっぽど疲れているらしい。

May 28, 2010

麻薬施用者免許

つまりは、麻薬を処方できる免許。

痛み止めとか、麻酔とか。
意外に使うんです。

この免許が無いと、患者さんがどんなに痛がってても麻薬を処方することも、濃度をあげることもできません。
麻薬関係の処方はいじれないんです。
だから、この免許を取得すると上の先生に喜ばれます(笑)


ちなみに申請するには、危ない人じゃありませんよ、っていうような診断書が要ります。
私は上のS先生に早く取れーって言われて、診断書も書いてもらいました。
でも、せっかく免許来たのに、お休み中だからS先生の役には立たないですけどね(笑)


復帰したら活用できるかな。

May 26, 2010

休業

私ごとですが。

本日より休業いたします。
さっそくドロップアウトです。

昨日の昼に急遽決まりました。
ホッとしたのと悲しいのとが折り混ざった心境で、涙が止まりませんでした。
あんなに人前でぽろぽろぽろぽろ泣いたのって久しぶりです。
でも、K先生にも、私の大好きなS先生、YJ先生にも、休みなさい、って言われました。

第一志望だった血液内科で、大好きな同僚・先生たちと一緒だったのに。
悲しいけど、でもお休みします。


五月病、ではないですが、連休明けから咳も散発していて、頭痛が止まらず、毎朝37.2℃程度の微熱で体調が思わしくなかったんです。

さらに、疲れていたのか、大好きなはずの空を見るのが嫌でした。
もともと、天気はあんまり関係なく、お日様には全く当たらないような生活でしたから、天気は病室の窓の背景でしかなかったのですが、連休明けくらいから天気の良い空を見ると悲しかった。
天気がいいと、なんだか籠の中の鳥のような、そんな心境で、逆に天気が悪いと、建物に守られているような安心感があったりして。

さらに、朝出勤するのが嫌になって来て。
先週から頑張って、無理やりにでも出勤してる状態で。


そんな折、いろいろと事件が重なり、心身ともに疲れたのでしょう。
今日、あまりに頭痛がして気持ちが悪くて。たまたま定期診断日でホケカン(保健管理センター。つまりは保健室。)に行ったところ、明日からちょっとお休みしましょう、と。



でも、みんな優しかった。
涙が出るくらい優しかった。

お休みすることが決まってから半日。
みんなに"大丈夫"って言ってもらって。
(変な気の使い方ではなくて、みんな普通だから(少なくともそう感じるから)なんかさらに嬉しい)

なんとなく下を向いてたら、"上向け!下向くな!"って言われたし。
正々堂々と休めるんだから、いいじゃん、って言われたり。
"頑張ったんだから、ゆっくりしといで"って言われたり。

私の患者さんたち8名を他の研修医の先生に振り分けてもらって。引き継ぎをして。片づけをして。
引き継ぎの間は涙は止まってたのに、着替えて病院を出た瞬間に、涙が止まらなかったです。
きっと、ホッとしたのと悲しいのと、両方が折り混ざっているんだと思います。

でも、とりあえず、休みます。
ぼーとして、絵を描いて、またぼーっとして、遊んで。
来月くらいは復帰できたらいいな。

May 24, 2010

マルク

マルク=骨髄穿刺、生検
腰骨の背中側のところから、針を入れて、骨髄を採ってきて検査します。
麻酔をして、太目の針を進めて、骨にぐりぐりっと刺します。
骨髄は骨の中にあるので、骨にしっかり刺さるまで刺します。
で、注射器でちゅーっと吸ってきます。


先生がやるところを何度も見てはいましたが、今日初めてやりました。

いやぁ、先生がやっているのを見てて、イメージトレーニングはしたものの。
どこまで刺せばいいかとかが分からなくて、若干刺さりが浅かったです;;

それ以外は出来てたみたいです。
刺すポイントも自分で正しく決めることができましたし。
麻酔もちゃんとかけられたし。

刺さりが浅かったから、骨髄を引くのが大変でしたが、一応ひけてたみたいです。
よく出来ました、とは言えませんが、何とか及第点?と信じます。

May 17, 2010

初任給

今日、初任給が入りました。
というより、入ったらしいです(笑)

忙しすぎて、口座に確認なんて行けてません。
でも、給料日は17日って言われてたし、給料明細もらったので、たぶん入ってます。

見た瞬間すごく嬉しかったです。
そして、みんなが額にがっくりしている中(なんと、1年目の看護師さんとか、ほかの業種の人よりもかなり少なめな額らしいですし、一般的な企業・病院の額よりも少ないです。)、私はもっと低いと思ってたので、嬉しかったです^-^v
ちゃんと、生きていける程度にはもらえました♪

社会人な自覚もそのうち出てくるかしら。

May 15, 2010

休み

今日、初めて仕事を休みました。
休み、だった訳ではなく、休んだ、んです。

今週から学生さんが私の下につくようになり、仕事量が増えてしまい(この学生さん、まだカードをもってなくて、私のカードを使わざるを得ない&学生にはいろいろと教えないといけなくて時間がすごくとられる)、また、多分それ以外の理由も重なり。

昨日から体調不良でした。
昨日の朝も、出勤するかどうかものすごーーく悩み(普段も悩みますが、比にならないくらい)、結局出勤したんです。

でも、今朝はダメでした。
動けなかった。

甘えなことも分かってます。
だって、
* 週末
* 今日採血や検査がある患者さんはいない
* 今日の当番は私の上のS先生
この条件の1つでも欠けていたら、おそらく私は必死に出勤していたでしょうから。

でも、無理だった。

先生と同僚に連絡をして。
初めて仕事を"休み"ました。

でも、自分で"休む"と言えたこと、どうにもなる前段階で"休めた"ことは自分としては進歩なんだと思います。
細く長く、カメのごとく生きていくには必要だ、と自分に言い聞かせつつ、ベッドから全く動けないはやたまでした。

May 12, 2010

喜ぶべきか、焦るべきか

今日、とある患者さんのSさんのところに血培をとりにいきました。

注。
血培=血液培養
"清潔に(≒無菌的に)"採血をして、血の中にばい菌が繁殖しているかどうかを調べる検査。
発熱しているときによく行う検査です。
敗血症とか怖いですからね。


一人でも取れなくないんですけど、(というか、本日朝一に出勤したら、研修医まだ誰もいない状態で、別の患者さんのFさんが熱発してて、一人でとりましたし)ただ、"清潔に"とるにあたっては、手伝ってくれる人がいるとありがたいのも事実。
同僚のYちゃん(他大学出身の男の子)についてきてもらいました。


SさんにとってはYちゃんは初めまして。

Yちゃん "研修医のYです。"
Sさん  "えっ、先生がとるの?? 研修医の先生。。えーー、、、"
私  "あ、えっと、彼には手伝ってもらって、私がとりますよ?"
Sさん "あー、良かった。"

私の頭の中で、ふと疑問が。
私 "あ、でも、私も研修医ですけど。。。。"

Sさん "え、先生も研修医だったの?! しっかりしてるから、もうちょっと上かと思ってた!"



Sさん、かなり驚いたみたいです。
私も、かなーり驚きました(笑)

ちゃんとしてそうに見える(←ちゃんとしてる、訳ではなくて。笑)ということを喜ぶべきか。
老けて見えるということを焦るべきか。

両方ですかね(笑)

May 11, 2010

凹むとき

今日、とある先生に言われました。

『凹んだことある??ないでしょ??』

実は私はこの言葉をよく言われます。
でも、この言葉が何よりも凹むんです。
悲しいんです。
苦しいんです。

人に怒られたりしたら確かに凹むけど、たいていは相手が合ってるから、いいんです。
だから、あんまり引きずりませんし結構平気です。
『そっか、次からは気を付けよう・頑張ろう』って思って、『ごめんなさい』、って思って、一過性に凹んでおしまい。
後で他の人に心配されるくらい怒られても、時間が経てば回復してます。

自分のできなさ具合に凹みます。
これは、相当凹みます。
毎日悲しくなります。


毎朝毎朝も凹みます。
仕事、もちろん他の科よりはいいと思いますが、それでもドロップアウト寸前の状態で日々粘ってる私は毎朝毎朝が戦いです。


だから、『凹むことないでしょ』、は悲しくなります。
しょうがないけど。

でも、私だって努力しない訳じゃない。
私だって向上心無い訳じゃない。
私だって悩まない訳じゃない。

ただ、出し方が分からない。
出して変な気遣いてか手加減されるのは嫌。
難しいやね。

May 10, 2010

学生さん

今日から初めて下に学生さんがつきました。
(しかも、卒業試験で留年してしまった元同級生)

思ったことは、学生さんに教えるということは非常に勉強になるということ。
知識、ということだけじゃなくて、問診・診察・採血・カルテ書きとか、なんでも。

まだ初日ですけど、でもそう思いました。
学生さんに聞かれたことの半分も答えられてないと思うけど、それでも、努力はしようと思うんです。

micro teaching
ちょっとした質問を投げかけてみる、というのは大事だな、と思いました。

自分が上の先生に聞かれることもそうですし、学生に聞くのもそう。
"なんでこうなると思う?" "○○さん(学生さん)なら、何の検査オーダーする?"とか。
少し質問するだけで、すごく勉強になるな、って。


新患を取るということ
学生・研修医にとって、新患を取るというのは勉強になると思うんです。
だから、上の先生より先に問診・診察に行こうと思ってます。
(学生だったときは極力研修医の先生より先に行ってました。)

今日も緊急入院があったので"先に問診・診察しておいで"と学生を先に行かせました。
私が入院の処理(持参薬処方、指示書、オーダーなど)をしてる間にね。

特に、所見は上の人に"こうだ"と言われたらそう思ってしまうから、
先入観なく自分で所見を取るのは大事かな、って。
学生さんにもその機会をあげたいな、て。


雑用はさせない
これは、自分の肝に銘じたいこと。
ちょっと、検体を検査室まで、とか。
忙しくってついつい頼みたくなるんだけど。

学生は勉強のために来てるんだから、雑用はさせたくない、というのが私のポリシーです。
自分が学生のときも、雑用嫌だなぁ、って思ってたし。
先日医師になった後に病棟からのコールフリーにしてもらってオペを見学させてもらったことがあって、雑用がないということが、いかに集中できる環境を作っているかを実感しました。



出来る医師になりたいし、同僚・先輩から沢山吸収できる研修医、学生と共に成長していける研修医になりたい。
学生さん(というかUくん)のおかげで、自分の研修をちょっと見直す機会をもらえました。
ありがとう^-^

May 4, 2010

一人前

今日、"医籍登録完了のはがき"が来ました。

医籍というのは、医者の戸籍みたいなものです。
これに登録されて、初めて医者です。

今までは、"登録前研修医"というまぁ中途半端な状態でした。
これで、正々堂々と"研修医です"、と名乗れます。
オーダーも出せるし、手技の制限もなくなります。

でも、その分すごく忙しくなります。
友人がこの葉書を見て言った言葉。

"あ、赤紙来たんだ"

そうなのかもしれません。
でも、私は嬉しかったです。
思わず、上のS先生に電話して、"来ました!!!"と報告してしまったほど(笑)

おめでとう、って言ってもらいました。
やっぱり嬉しいです。

好きにオーダーを立てていい、と言われました。
後で確認は取るけど、やりたいようにやってごらん、って。

明日からも頑張ろう。

May 3, 2010

言い方

物には言い方、というものがある。

と思っています。
正しいことをいかに受け入れやすく伝えるか、というのは大事だと思うんです。

先生が、研修医や学生を指導する時もしかり。
医師が患者さんに説明する時もしかり。


私はまだ当然ながら、ご家族を呼んで、というような大きな説明はできません。
でも、日々の検査結果の説明とか、今後の方針の説明はします。

その時の言い方って大きいのかもなぁ、って思いました。
希望を持てるような説明だったり、納得できるような説明だったり。

例えば。
先日、移植後でカップラーメンしか食べていない患者さんがいました。
(移植後、味覚が変わってしまったり、鈍くなってしまったりするので、おかゆなどは食べにくく、味の濃いカップラーメンは食べやすいという人が多いのです。)

そろそろ普通のご飯も食べさせたい。
そういう話になって、上の先生など、みんなそう伝えていました。
そして、ついに病院食を出し始めるから食べてね、という段階まで来ました。

上のS先生に、その旨を説明してくるように、と言われて伝えに行って。

私 "明日から病院食をお出しして、少しずつ食べる練習をしていただこうかと思ってるんですけど、食べられそうですか?"
患者さん "えー、無理無理"

私 "少しずつでいいんですけども。食べられるものを探して増やしていけたらって思ってるんですよ"
患者さん "えー、食べなきゃダメ?味どうせ分からないし、カップラーメンでいいよ。"

もちろん、食べた方がいいし、病院食を出すことは決定したことなんです。
でも、無理に出しても食べないかも。
そう思った私が言ったのは。

私 "えっ、○○さん、一生カップラーメンで過ごすんですか!?"
私 "少しずつでも他に食べられそうなもの探しません?"

患者さん、2秒くらい沈黙した後、笑いだしました。
患者さん "そうだね、一生カップラーメンは嫌かな。うん、病院食出してよ。食べてみる"


結論は同じなんです。
食べてみる、チャレンジしてみる、ということ。
でも、患者さん自ら"食べてみる"と言ってくれたのは嬉しかったです。

物には言い方がある。
改めて実感したはやたまでした。

ちなみに、私の上のS先生も、言い方上手です。
見習うこと、教わることが多い毎日です。