大人だとあんまりいいイメージがないかもしれませんが。
(コンビニ弁当の保存料にリンが多いから良くない、とか、腎不全の方の場合、リンを排泄できないから、リンの摂取量を少なくしなさい、とか)
未熟な新生児の場合は、リンは非常に非常に大事になります。
早く生まれてくる赤ちゃんたちは、その分、その期間にお母さんからもらうはずだったいろんな物質をもらわずに生まれてきます。
例えば、免疫物質(IgG)は、特に最後の一ヶ月にもらう分が多いので、週数が早い子は免疫システム自体がまだ未熟+母からの免疫も不足します。
なので、RSウイルスの免疫物質(シナジス)も早産のお子さんでは保険適応があって毎月注射します。
例えば、鉄も足りないので、未熟児貧血になるお子さんが多く、鉄剤の内服も行います。
そんな物質の一つ。リン。
リンとカルシウムは骨を作るミネラルです。成長には欠かせません。
足りないと、骨が弱くなります(くる病、未熟児骨減少症など)
新生児の正常値は大人と比べてかなり高めの数値です。
早産低出生体重児のお子さんは、リンの貯蔵量が少ないのです。
なので、早々から補充を開始していきます。
その、リンの製剤も昔は注射剤しかなく(もちろん、注射していいくらいだから、綺麗なんだけど、飲むと激マズなのです)、注入での内服はまだしも、経口は難しかったです。
多くのお子さんは入院中までにリンの補充を完了できて、退院時にはビタミンD(骨を強くするビタミン)の補充のみで良い子が多いのですが、中には退院時にもダメで飲むお子さんもいるので、困りました。
が、これまた最近リンの内服製剤ができたため、前よりも気軽に使えるようになり、ありがたい限りです。
リン補充のハードルがまた一つさがりました。
そして、最近なんだかリンがなぜか非常に足りないお子さんがたて続きました。
なんでだろう??週数もそんなには早くないのに、なのに、なぜかリンが非常に足りない赤ちゃんたち。
少し補充してあげると尿や血液の値がすーっと上がるから、代謝の問題というよりは、本当に貯蔵量が少ないのだとは思いますが。不思議。
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