CPAOA= Cardiopulmonary arrest on arrival=来院時心肺停止
つまり、院外で心肺停止になり、心拍再開しないまま病院に運ばれて来た患者さんの事です。
研修医でERを回っていた時に、大人に関しては沢山遭遇しました。
むしろ、ドクターカーで迎えに行って、胸骨圧迫をしながら帰って来たこともあります。
NICUにいた間にも、生まれたけど初期蘇生に反応しない子も経験しました。
先天疾患があり、NICU入院中に亡くなってしまった子も看取りました。
担当している子が亡くなったこともあります。
今日。
小児科に行って初めて、CPAOAで来た子を経験しました。
知ってる子でした。
来た時点でasystole(=心静止=全く心臓の電気活動がない状態)で若干色も悪くなっている状態でした。
挿管して人工呼吸を開始、胸骨圧迫を継続して、心臓が動き出すことを祈って薬剤投与も行いました。
でも、動かなかった。
何をしても、反応してこなかった。
30分ちょっとの時点で、お母さんに事実が伝えられました。
やれる事はやったけど、心臓が動き出してくれない、と。
名前を呼んで泣き崩れていた。そりゃそうですよね。
新生児や小児の場合。
蘇生を止めてご家族に抱っこしてもらった時刻を死亡確認時刻にすることが多いです。
full code(挿管、胸骨圧迫、薬剤投与など全ての蘇生を行う)ではないお子さんでは、心臓が完全に止まった時ではなく、ご家族が納得出来た時刻を死亡確認時刻にすることもあります。
今回も、お母さんに抱っこしてもらった時刻を死亡確認時刻としました。
どうしてなんだろう、という思いはご家族はもちろんのこと、私たちにも残ります。
血液検査の提出、死亡時CT(AI=autopsy imaging)を撮ったり、小児の場合は代謝疾患などの先天疾患の検査の為の濾紙血や保存血清を取らせてもらったりもしますし、解剖を行うことも少なくありません。
生まれて初期蘇生に立ち上がってこない子もすごく辛いし、先天異常があってNICUで看取る子もとても悲しいのだけど、小児のCPAOAのお子さんはシンドイ。
そんなことを思い知らされました。
担当している子だったら、もっとシンドイのだろうと思います。
言葉ではなんとも表現できません。
ただただ、心が押しつぶされそうな、なんとも言えない感覚が残ります。
慣れることはないんだろうなぁ。
No comments:
Post a Comment