医者になって4ヶ月、実質3ヶ月の間、まだお看とりをしたことはないです。
危ないかも、と言われて緊急入院して、そういう説明をご家族にきた人はいますが、たまたまみんな回復して帰っていったから。
だけど、今回は回復の見込みのない患者さん。
肺癌ターミナル。
先々週、2日くらいの間に酸素化がみるみる悪くなっていて、昨晩の時点で15lリザーバー+5l鼻カヌラでSpO2 80%。
夜の時点で、今夜か明日には危ないかもしれない。医療用麻薬で苦しさを取りながらにするか人工呼吸器をつけるかの選択をご家族に決断をお願いしていた。
つまり、最期がfullなのかDNRなのかが未定なのである。
夜、「危ない、危ない」と言っていて、上の先生は泊まる、と言っていましたが、私は帰る選択をしたんです。
本当に危なかったら、呼んでもらえる、って。
呼ばれることなく、翌日行ったら挿管されてました。
ご家族は、意識を無くしたとしても1分1秒でも長く生きていることを選びました。
その後、なんとか低空飛行を保っていました。
だけど、腫瘍の増大は止まりません。
腫瘍の影響で次から次へと問題が起こりました。
感染、高K、SIADH、不整脈(pAfがメイン)、心筋梗塞など。
そして、昨晩ついにVFが起こりました。
VFというのは、心停止と呼ばれる中に含まれる不整脈です。
リドカインのみで短時間でなんとか戻ったようですが、次に起こったら分かりません。
ご家族は夜中から詰めている状態でした。
でも、一応無事に昨夜を乗り越え、今日、私から次の研修医へと引き継がれました。
今回のことで私が感じたこと。
特に、今月は私の祖父が亡くなったということで、祖父とこの患者さんと重なる部分も多くて。
① QOLとSOL。
(QOL=quality of life, SOL=sanctity of life)
どちらを選ぶかは自由。
どう考えるかも自由。
どちらにしても、本人のことを思い、本人の死を周りが受け入れるのに必要。
② 死を待つことはしたくない
私、昨日もちゃんと自宅に帰ってるんです。
悩んだんですよ。
患者さんがこんな状態だし。
だけど、ほかの仕事が全部終わったのに病棟にいるのは、その人の死を待っているだけ。
それは嫌だった。
だから、家に帰った。
どうしたらいいか、なんて答えはないけど。
ご家族・医療者。どうするのがベストなんだろうね。
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