私が一年以上前、生まれた時から担当している赤ちゃんがいます。
何度も死の淵をさまよって来た子ですが、最近ようやく落ち着いて来ています。
とはいえ、まだ人工呼吸器は手放せません。
そんな赤ちゃん(といっても、もう1歳だけど)にいろんな経験をさせてあげたい、と思いました。
そして、実現したお散歩。
試す意味もこめて、先日まずは病棟内を一周。
大丈夫であることを確認し、本日が本番。
病院内の屋上庭園にお出かけをしてきました。
たった40分のお出かけ。
でも、大きな40分。
初めて日の光を浴びて。
初めて風を受けて。
本人が何を思ったかは分かりません。
でも、最初ビックリして固まっていた子が、慣れて来たらきょろきょろして動き始めた。
新しい大きな一歩になったらいいなと思っています。
私にとっては、この一年、沢山悩んで沢山泣きながらこの子を担当してきた最後のご褒美のような、そんなお散歩となりました。
私が隣の小児科に異動になって、新しい先生に担当してもらっても、たまにお散歩に連れて行ってもらってね。お家に帰ろうね。
Mar 26, 2013
Mar 20, 2013
退院を目指して
私は3月末をもちまして、当院の小児科にうつります。
それに伴って、入院患者さんたちを次の先生に引き継がなくてはいけません。
でも、私の患者さんたちはかなーり大変な子たちが多いんです。
重症さんだったり、今後の先行きが大変な子だったり、social problemが山積みな子とか。
だから、それ以外の子たちは極力退院させたいんです。
年明けからは、在胎週数から計算して、担当したい子を選んできました。
といっても、みんながみんな順調に退院出来る訳では有りません。
みんなだいたいひっかかるのは、呼吸か哺乳かというところが多い気がします。
(もちろん、手術だったり、social problemだったりという子もいますけど)
今月最初には7人いた担当患者さん。
3人は退院させてあげられて、残りは4人。
あんまり焦って退院させても良い事はないし、後は赤ちゃんたちとママたちを見て、大丈夫そうなら退院、そうでなければやっぱり引き継ぎかな。
それに伴って、入院患者さんたちを次の先生に引き継がなくてはいけません。
でも、私の患者さんたちはかなーり大変な子たちが多いんです。
重症さんだったり、今後の先行きが大変な子だったり、social problemが山積みな子とか。
だから、それ以外の子たちは極力退院させたいんです。
年明けからは、在胎週数から計算して、担当したい子を選んできました。
といっても、みんながみんな順調に退院出来る訳では有りません。
みんなだいたいひっかかるのは、呼吸か哺乳かというところが多い気がします。
(もちろん、手術だったり、social problemだったりという子もいますけど)
今月最初には7人いた担当患者さん。
3人は退院させてあげられて、残りは4人。
あんまり焦って退院させても良い事はないし、後は赤ちゃんたちとママたちを見て、大丈夫そうなら退院、そうでなければやっぱり引き継ぎかな。
Mar 8, 2013
中庸
という、とってもよい言葉がある。
もしくは、いいかげん、とか。てきとう、とか。
これって大切なんだな、と最近とっても実感中です。
というのも。
赤ちゃんたちに関わっていて思うのが、とっても真面目なママもいるし、逆に考えなさすぎる過ぎるママもいるんですよね。
予防接種や乳児健診すらままならないママもいれば、何時何分に何mlミルクを飲んだかの記録をカルテのごとく付けているママもいる。
ママの価値観とか考え方を否定するつもりはないんだけど、どっちも良くないんじゃないかなと思うんです。
多分、その真ん中がいいの。
もちろん、考えなさすぎて、予防接種を全然打っていません、みたいなママは困っちゃう。でも、真面目すぎてきっちりしすぎていると、自分も辛くなるし赤ちゃんもシンドイ。
どうしてうまくいかないの?家事も育児もちゃんと出来ない!っていうママ、意外に多いと思うんです。
外来の部屋に入って来たときのママの顔とか話し方って、けっこうママのスタンスを反映します。
部長の先生が退院時のICでご家族によく言っている言葉。
「子育ては楽しくないと、ただシンドイだけになっちゃうから。
楽しむためには、不安なこととか疑問なこととか、全部ぶつけてくださいね。
電話でもいいし、外来でもいいし。」
一番最初、小児科にいって初めはあんまり実感が無かったんだけど、最近になってとっても実感する。
そして、楽しむためには、中庸がいいだと思うの。
大丈夫、赤ちゃんは育つから。
大丈夫、赤ちゃんは生きる力があるから。
大丈夫、赤ちゃんは自分が快適なこと、っていうのを分かっているから。
私が外来フォローさせてもらっている子でも、最初はとにかく不安で不安で退院してから毎日毎日電話をしてきているママも沢山います。
不安を受け止めてあげて、大丈夫だよ、って伝えてあげて。
注意しなくちゃいけないポイントだけはきっちり覚えてもらって。後は大丈夫だから、と繰り返す。
これを続けていると、ママたちも変わってくれたりします。
先生に会うと/電話すると、安心するんですよね、っていうママけっこういます。
私ですらそうなんだから、上の先生たちだったらもっとなんだろうと思います。
こんな私の外来だけど、外しては行けないポイントだけは気にしながら、でも他は寛容に許容しながら子育てを楽しんでいるママを見ると嬉しくなります。
そして、思うんです。
人生も同じなんだろうな。
あんまりかっちりきっちり思い詰めなくても、中庸に生きていれば上手く行くんだろうな。
もしくは、いいかげん、とか。てきとう、とか。
これって大切なんだな、と最近とっても実感中です。
というのも。
赤ちゃんたちに関わっていて思うのが、とっても真面目なママもいるし、逆に考えなさすぎる過ぎるママもいるんですよね。
予防接種や乳児健診すらままならないママもいれば、何時何分に何mlミルクを飲んだかの記録をカルテのごとく付けているママもいる。
ママの価値観とか考え方を否定するつもりはないんだけど、どっちも良くないんじゃないかなと思うんです。
多分、その真ん中がいいの。
もちろん、考えなさすぎて、予防接種を全然打っていません、みたいなママは困っちゃう。でも、真面目すぎてきっちりしすぎていると、自分も辛くなるし赤ちゃんもシンドイ。
どうしてうまくいかないの?家事も育児もちゃんと出来ない!っていうママ、意外に多いと思うんです。
外来の部屋に入って来たときのママの顔とか話し方って、けっこうママのスタンスを反映します。
部長の先生が退院時のICでご家族によく言っている言葉。
「子育ては楽しくないと、ただシンドイだけになっちゃうから。
楽しむためには、不安なこととか疑問なこととか、全部ぶつけてくださいね。
電話でもいいし、外来でもいいし。」
一番最初、小児科にいって初めはあんまり実感が無かったんだけど、最近になってとっても実感する。
そして、楽しむためには、中庸がいいだと思うの。
大丈夫、赤ちゃんは育つから。
大丈夫、赤ちゃんは生きる力があるから。
大丈夫、赤ちゃんは自分が快適なこと、っていうのを分かっているから。
私が外来フォローさせてもらっている子でも、最初はとにかく不安で不安で退院してから毎日毎日電話をしてきているママも沢山います。
不安を受け止めてあげて、大丈夫だよ、って伝えてあげて。
注意しなくちゃいけないポイントだけはきっちり覚えてもらって。後は大丈夫だから、と繰り返す。
これを続けていると、ママたちも変わってくれたりします。
先生に会うと/電話すると、安心するんですよね、っていうママけっこういます。
私ですらそうなんだから、上の先生たちだったらもっとなんだろうと思います。
こんな私の外来だけど、外しては行けないポイントだけは気にしながら、でも他は寛容に許容しながら子育てを楽しんでいるママを見ると嬉しくなります。
そして、思うんです。
人生も同じなんだろうな。
あんまりかっちりきっちり思い詰めなくても、中庸に生きていれば上手く行くんだろうな。
Mar 1, 2013
PAPVR
PAPVR=部分肺静脈還流異常症
肺で酸素をたっぷりもらった血液が心臓に帰って来て、全身に送り出される、というのが普通。
肺静脈還流異常とは、せっかく酸素をもらった血液が正しい場所に帰らないという状態です。
「総」肺静脈還流異常症は血液全部が違う場所に帰るため、全身がとっても酸欠になります。
「部分」肺静脈還流異常症は血液の一部が違う場所に帰るのですが、帰る場所次第ではあるのだけど、心臓は頑張らないといけないけど酸欠にはならないこともあります。
今日、PAPVRの子が入院になりました。
呼吸状態は悪かったけど、心臓の状態としては落ち着いている子でした。
そして。今日の私にとっての大ニュース。
具合が悪くて運び込まれた時、最初に心エコーを当てた先輩は気付いていなかったんです。
(まぁ、最初は 大きな異常がないかどうかのスクリーニングしか当ててないからそうなんだけどね)
その後、私がエコーを当てたら、気付いたんです。
変な血管がある!!ってなって、先輩たちにも一緒に診てもらいました。
最終診断としては確定できなかったんだけど、変!PAPVRかも!でもとりあえずは急ぎじゃない!までは分かったんです。
嬉しかった。
1年間、赤ちゃんたちの心エコーを沢山沢山当てさせてもらってきた成果かな。
最小限の判断は出来た。そのことが嬉しかった。
大丈夫。私のレベルでは確定診断は着かないけど、でも、正常なのか否かとか、緊急性があるかどうか、くらいならなんとかなるかも。
そう思えたのはやっぱり1年間の成果なんだろうな。
肺で酸素をたっぷりもらった血液が心臓に帰って来て、全身に送り出される、というのが普通。
肺静脈還流異常とは、せっかく酸素をもらった血液が正しい場所に帰らないという状態です。
「総」肺静脈還流異常症は血液全部が違う場所に帰るため、全身がとっても酸欠になります。
「部分」肺静脈還流異常症は血液の一部が違う場所に帰るのですが、帰る場所次第ではあるのだけど、心臓は頑張らないといけないけど酸欠にはならないこともあります。
今日、PAPVRの子が入院になりました。
呼吸状態は悪かったけど、心臓の状態としては落ち着いている子でした。
そして。今日の私にとっての大ニュース。
具合が悪くて運び込まれた時、最初に心エコーを当てた先輩は気付いていなかったんです。
(まぁ、最初は 大きな異常がないかどうかのスクリーニングしか当ててないからそうなんだけどね)
その後、私がエコーを当てたら、気付いたんです。
変な血管がある!!ってなって、先輩たちにも一緒に診てもらいました。
最終診断としては確定できなかったんだけど、変!PAPVRかも!でもとりあえずは急ぎじゃない!までは分かったんです。
嬉しかった。
1年間、赤ちゃんたちの心エコーを沢山沢山当てさせてもらってきた成果かな。
最小限の判断は出来た。そのことが嬉しかった。
大丈夫。私のレベルでは確定診断は着かないけど、でも、正常なのか否かとか、緊急性があるかどうか、くらいならなんとかなるかも。
そう思えたのはやっぱり1年間の成果なんだろうな。
Feb 25, 2013
18 trisomy
人は染色体を46本持っています。(常染色体22種類×2本ずつ+性染色体2本)
常染色体は大きさ順に1から22番まで順番に番号がついています。
その中の18番染色体が3本ある状態が18 trisomyです。
いろんな合併症があることが知られていて、特に心合併症の重症度によってかなり予後が変わって来ますが、いずれにせよとても長生きをするということは難しい疾患です。
分かっているんです。
今年1年、NICUにいる間に7人の18 trisomyのお子さんを診たもの。
いろんな子がいました。
それでも、亡くなってしまうお子さんをみているのは辛い。
今日の子は、お母さんを待ってたんだと思うんです。
お母さんが会いに来てくれるのを待ってたんだと思うんです。
そして、もしかしたら先輩が、辛くないようにって一緒に天国に連れて行ってくれたのかもしれない。
そんなことを思いながら。
ご冥福を祈りながら。
常染色体は大きさ順に1から22番まで順番に番号がついています。
その中の18番染色体が3本ある状態が18 trisomyです。
いろんな合併症があることが知られていて、特に心合併症の重症度によってかなり予後が変わって来ますが、いずれにせよとても長生きをするということは難しい疾患です。
分かっているんです。
今年1年、NICUにいる間に7人の18 trisomyのお子さんを診たもの。
いろんな子がいました。
それでも、亡くなってしまうお子さんをみているのは辛い。
今日の子は、お母さんを待ってたんだと思うんです。
お母さんが会いに来てくれるのを待ってたんだと思うんです。
そして、もしかしたら先輩が、辛くないようにって一緒に天国に連れて行ってくれたのかもしれない。
そんなことを思いながら。
ご冥福を祈りながら。
Feb 18, 2013
PVL
PVL=脳室周囲白質軟化症
特に30週前後の赤ちゃんで、脳循環が一時的に悪くなるような病態があった子に起こりやすいんです。
脳が虚血になって、血管が一番疎な部分がダメージを受けてしまって起こる病態です。
軽症であれば、ちょっとぶきっちょさんだったり、ちょっと足の緊張が強くなったりくらいなのですが、重症であれば動けなかったり歩けなかったりすることもあります。
今までずっと順調にきてた子の退院前MRIを撮影したら、写りました。
ものすごーくショックでショックで。
しばらく立ち直れませんでした。
なんで?どうして?
生まれてからはとっても順調だったから、お腹の中の環境の可能性もあるとは思います。
でも、とってもショック。
そして、私がエコーで見逃していたということもショック。
というよりも、前回のエコーでは無かったのです。
元気な子だから、何もない子だから、とエコーの間隔が空いていたことで気付けなかったのだろうと思います。
とっても反省しました。
気付いても何も出来ないのはそうなんですが、気付いていてあげたかった。
NICU生活残り1ヶ月を前に、とっても凹みました。
特に30週前後の赤ちゃんで、脳循環が一時的に悪くなるような病態があった子に起こりやすいんです。
脳が虚血になって、血管が一番疎な部分がダメージを受けてしまって起こる病態です。
軽症であれば、ちょっとぶきっちょさんだったり、ちょっと足の緊張が強くなったりくらいなのですが、重症であれば動けなかったり歩けなかったりすることもあります。
今までずっと順調にきてた子の退院前MRIを撮影したら、写りました。
ものすごーくショックでショックで。
しばらく立ち直れませんでした。
なんで?どうして?
生まれてからはとっても順調だったから、お腹の中の環境の可能性もあるとは思います。
でも、とってもショック。
そして、私がエコーで見逃していたということもショック。
というよりも、前回のエコーでは無かったのです。
元気な子だから、何もない子だから、とエコーの間隔が空いていたことで気付けなかったのだろうと思います。
とっても反省しました。
気付いても何も出来ないのはそうなんですが、気付いていてあげたかった。
NICU生活残り1ヶ月を前に、とっても凹みました。
Feb 16, 2013
信州フォーラム
新生児呼吸療法モニタリングフォーラム、通称、信州フォーラムに行かせてもらって来ました。
長野県の大町で開催されるフォーラム。
今、うちの病院でやっていないような新しい治療方針から、看護師さんの発表まで。
様々な話題を聞くことができ、面白すぎてあっという間に過ぎました。
読みたい論文や文献も沢山できたし、フォーラムに行かせてくれた上の先生や看護師さんたちにフィードバックしたいようなことも多々。
こうやって、新しいことを次々取り入れて行かないと、古い治療のままになってしまうから。勉強会で聞いて来て、文献で確認・納得して、取り入れられる部分は取り入れる為。
今回私が一番興味を持ったのは、加温加湿の話でした。
医療ガスは基本的には湿度0%の状態で供給されるので、それに加湿をしてから患者さんに投与することになります。
ところが、新生児だと流量は少ないし、保育器に入ってるし、温度や湿度の変化に弱いし、成人と比べると沢山の工夫が必要になります。
うちの病院でもいろんな工夫はしていますが、さらにしっかり考えて行っていかなくてはいけないんだな、と実感。
しっかり勉強し直そうって思ったテーマでした。
長野県の大町で開催されるフォーラム。
今、うちの病院でやっていないような新しい治療方針から、看護師さんの発表まで。
様々な話題を聞くことができ、面白すぎてあっという間に過ぎました。
読みたい論文や文献も沢山できたし、フォーラムに行かせてくれた上の先生や看護師さんたちにフィードバックしたいようなことも多々。
こうやって、新しいことを次々取り入れて行かないと、古い治療のままになってしまうから。勉強会で聞いて来て、文献で確認・納得して、取り入れられる部分は取り入れる為。
今回私が一番興味を持ったのは、加温加湿の話でした。
医療ガスは基本的には湿度0%の状態で供給されるので、それに加湿をしてから患者さんに投与することになります。
ところが、新生児だと流量は少ないし、保育器に入ってるし、温度や湿度の変化に弱いし、成人と比べると沢山の工夫が必要になります。
うちの病院でもいろんな工夫はしていますが、さらにしっかり考えて行っていかなくてはいけないんだな、と実感。
しっかり勉強し直そうって思ったテーマでした。
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