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Jul 8, 2012

感染症

超未ちゃん(出生体重<1000gの超低出生体重児)たちは感染のリスクに常にさらされながら生きています。免疫力は弱いし、体が小さいからすぐ菌が回ってしまうし。

私が今担当している超未ちゃんが、私の当直中に具合が悪くなってしまいました。
たった数百gの子だけど、でもそれでも、元気がある・ない、は分かります。

朝から元気がなくて、皮膚の色(顔色、というよりは全身の皮膚の色が変わってくる)が悪かった。
感染を示す値が高く、感染症と考えられたため、抗菌薬投与を開始。

そうこうしている間に、無呼吸発作(呼吸をお休みしてしまうこと)が頻発。
血便も出るようになってきてしまいました。
血便のためか、感染で消費されたからか、貧血も進行。

昼前にオーダーしていた血液が夕方ようやく届き(赤ちゃんたちには新鮮な血液を投与したいので、よほどの緊急時以外は数時間待って新しい血液を届けてもらう)、投与しようとしたら、不規則抗体が出てるからこの製剤は使えない、と言われ。投与できる血液製剤を取り寄せるには、検査用に4ml(60kgの人で400ml。貧血で具合が悪い人から献血と同量の血液を採るようなものなのです)の血液が必要だと言われ。
もう、泣きたかったです。

仕方が無いから、採血して検体を検査科に提出し、循環を保つためにAlb製剤を投与開始し。
そこまでは、上の先生にメールや電話で相談しながら、なんとか自分でも頑張った。
けど、だんだん呼吸のお休みがひどくなってきていて、これ以上は頑張らせられない、せめて呼吸だけでも楽にしてあげたいから挿管したい、って思った時点で無理でした。

上の先生に電話して。
挿管したい状況だけど、この児の挿管は難しい(難しいことが前回で分かっていた)から、可能なら来てほしい、と。

学会に行っていた上の先生が飛んで戻って来てくれました。
泣きたいくらいの心境で、どうしたらいいか分からなくて相談していた先輩もすぐ来てくれました。


赤ちゃんにとって、感染症は怖い。
分かっていたし、今までだって経験してきたはずなのに、自分一人しかいない当直の時に直面した時の心境はどうにも表しようがなかったです。泣きたかったです。
早く元気になってほしい。早めに気付けたから大丈夫だと信じたいです。

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